艦隊これくしょん・傭兵魂を継ぎし艦   作:京勇樹

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新作です
何番煎じ?


終わりにして始まり

私の名前は、アークエンジェル

かつて、幾多の激戦を駆け抜けた誇り高き傭兵達の母艦の片割れ

もう一隻の名前は、エウクレイデス

大天使と古代の哲学者の名前を与えられた私達は、彼等と共に幾多の激戦を乗り越えてきた

その中には、不可能と思えた戦いもあった

それを彼等は、何度も生きて帰ってきた

だが時には、仲間を見送ることもあった

しかし彼等は、悲しみで足を止めることをせずに戦場を駆け抜けた

二回も世界を越えて、その度に新しい仲間を迎えて、世界を救った

まさに、英雄と呼べるだろう

しかしそんな彼等も、人間

寄る年や病には勝てない

一人、また一人と姿を消していった

そしてある日、とうとう終わりの日が訪れた

 

「今まで、ありがとうな……アークエンジェル……エウクレイデス……」

 

「今日この時を以て、その任を解き、眠らせよう……」

 

「本当に、ありがとうな……」

 

最後のクルー達の見守る視線の先で、私は

私達は、その長きに亘る任務を終えた

最後のクルー達が設置した爆弾の起爆スイッチ

彼等はそれを、同時に押した

その直後、艦内中に設置した爆弾が起爆

私達が爆発していくのを、最後のクルー達が涙を流しながら見送ってくれている

 

ああ……ありがとうは、私達の言葉です……

ありがとう……英雄達よ……

私達は、最高の戦士達を乗せることが出来て、幸せでした……

 

それを最後に、私達はその艦生を終えた

その筈でした

 

「ん……あ、れ……? こ、ここは……」

 

気付けば私は、見覚えのある場所で目を覚ました

そこは、私の艦橋

そして私は、自分が体を得ていることに気が付いた

 

「な、なぜ……?」

 

と混乱していると、更に混乱することが起きた

艦橋のドアが開き、小さな存在が続々と入ってきた

見た目は、小さい人間

サイズ的には、約1m前後

今の私からしたら、子供サイズ

その内の一人が、私の知っている人に似ていた

病気で死んだスピリッツ総隊長

ゼノン・ティーゲルに

 

「艦長、起きましたか」

 

ゼノンさんに似た小人が、そう言った

 

「か、艦長……私が?」

 

と私が問い掛けると、その小人が

 

「はい、アークエンジェル艦長」

 

と頷いた

その言葉に私は、とりあえずは納得するしかなかった

 

「……それで、貴方達は……何ですか?」

 

そう問い掛けると、その小人は

 

「私達は、妖精です」

 

と答えた

 

アークエンジェルsideEND

第三者side

 

「よ、妖精?」

 

とアークエンジェルが問い掛けると、その妖精は

 

「はい……この艦を運営するために、艦長によって産み出された存在です」

 

と答えた

それを聞いたアークエンジェルは、少しの間黙った

そして、その妖精に

 

「貴方のことは、なんと呼べばいいですか?」

 

と問い掛けた

すると、その妖精は

 

「私のことは、ゼノン……または、副長と呼んでください」

 

と言った

それを聞いたアークエンジェルは、少しすると

 

「では、副長と呼びます」

 

と告げた

それを聞いたその妖精が頷くと、アークエンジェルは

 

「副長……艦の状態は?」

 

と問い掛けた

すると副長は

 

「は! 艦の状態は、何時でも出撃可能です!」

 

と返答した

そして、続けて

 

「それは、僚艦のエウクレイデスも同様です!」

 

と告げた

それを聞いたアークエンジェルは、驚いた表情で

 

「エウクレイデスも居るのですか!?」

 

と問い掛けた

すると副長は

 

「は! おい、通信士長妖精。メインモニターに」

 

と言った

それを聞いて、通信士長妖精は

 

「は!」

 

とCIC席に座り、機器を操作した

すると、メインモニターに隣の様子が映った

そこには確かに、工作艦

エウクレイデスが居た

すると、横のサブモニターに女性の顔が映り

 

『アークエンジェル、起きたのね!』

 

と言ってきた

それを見て、アークエンジェルは

 

「貴女……エウクレイデス……なの?」

 

と問い掛けた

すると、その女性は頷いて

 

『えぇ、そうよ!』

 

と答えた

それを聞いて、アークエンジェルは

 

「そう……だけど、ここは一体……」

 

と呟いた

すると、副長妖精が

 

「我々は今現在、ここに居ます」

 

と言うと、もう1つのサブモニターに世界地図が表示されて、ある一ヶ所に光の点が表示された

それを見て、アークエンジェルは

 

「ここは……最後の地……」

 

と呟いた

それは、幾多の激戦を越えた傭兵達が居た最後の安住の地だった

幾多の激戦を生き残った傭兵達は、余りにも名前が知られてしまった

だからか、名を上げようとしたり目障りだからと襲撃してくる輩が多々居た

そんな者達から隠れるために、スピリッツはある無人島に隠れ住むようになった

その島の地下に秘匿のドックを造り、そこに二隻を隠した

依頼は、ある特殊な電波を発した物のみを受諾して出撃する

そうして、活動を続けた

しかしある日に、総隊長が病気で倒れた

そこから、スピリッツの活動は縮小

最後を迎えたのだ

 

「……だけど、私達はなぜ……」

 

とアークエンジェルが唸っていると、突如警報が鳴り響いた

それを聞いたアークエンジェルは

 

「何事か!?」

 

と反射的に、声を上げた

すると、通信士長が

 

「この島の近くにて、戦闘が起きています!」

 

と告げた

それを聞いた副長妖精が

 

「映像、出せるか」

 

と問い掛けた

すると、通信士長妖精は

 

「少々御待ちを……出します!」

 

とメインモニターに、島の近くの映像を出した

そこには、数人の少女達が数体の化け物と戦っていた

 

「あれは……」

 

「通信を傍受した限りでは、あの少女達は日本帝国軍所属のようです」

 

アークエンジェルの呟きを聞いて、通信士長妖精がそう教えた

それを聞いて、アークエンジェルは

 

「あの化け物達は?」

 

と問い掛けた

すると通信士長妖精は

 

「どうやら、深海悽艦と呼ばれているようです」

 

と言った

それを聞いたアークエンジェルは、無言で様子を伺い始めた

その間にも、その戦闘は激しくなっていく

すると、エウクレイデスが

 

『アークエンジェル、どうするの?』

 

と問い掛けてきた

すると、アークエンジェルが

 

「……何事もなければ、静閑を……」

 

と言った

その直後、少女達の一人が爆発に覆われた

煙が晴れてみれば、その少女の服が破けていた

その少女は辛そうにしながらも、その手に持っている武装を構えた

しかし、どう見ても最早戦えそうに無かった

だからか

 

「総員、戦闘配置!」

 

とアークエンジェルが告げた

そして続けて

 

「私達はこれより、あの少女達を援護します! 総員、第一種戦闘配置!!」

 

と指示を下した

それを聞いて、副長妖精が

 

「はっ!! 総員、第一種戦闘配置! 総力戦闘用意!!」

 

と復唱した

すると、それを聞いた他の妖精達は次々と席に着いた

それを見ながらアークエンジェルは、艦長席を一撫でして

 

「艦長……席、お借りします……」

 

と呟いてから、その席に座った

こうして、誇り高き傭兵魂を受け継いだ二隻が、その世界で活動を開始する!

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