艦隊これくしょん・傭兵魂を継ぎし艦   作:京勇樹

107 / 113
敵の位置

 

 

 

パラオに向かうスピリッツ本隊。

アークエンジェルは緊急で簡易補修を施し、本調子ではないがレーダーも復旧させた。

 

「パラオ本島との通信は?」

 

「ダメです。ミノフスキー粒子が濃く、更にGN粒子も確認しました。通常の通信は不可能です」

 

アークエンジェルの問い掛けに、通信妖精が首を振りながら返答した。ミノフスキー粒子でただでさえ不明瞭なのに、追い打ちでGN粒子。

通信障害範囲を見てみれば、パラオ本島全域を覆っている。

 

「確か、アイザックが有りましたね?」

 

「はっ……また試験段階ですが」

 

ハイザックをベースに、索敵及び電子戦用機体のアイザック。

元々は、連邦軍が旧ジオン軍が運用していたザクフリッパーを運用し、得たデータから開発した機体になる。とは言え、グリプス戦役時にはザクフリッパーには搭載されていたミノフスキー粒子逆探知装置の開発が出来ず、アイザックには搭載されていない。

しかしスピリッツは、改造してミノフスキー粒子逆探知装置を搭載。今現在、その試験運用段階だったのだ。

 

「飛行式の通信中継機を複数載せて、先行させてください。今は少しでも情報が欲しいので」

 

「了解しました。念の為、小隊編成して出撃させます」

 

アークエンジェルの指示を受けて、副長妖精はCIC妖精に指示を下した。

アイザックも戦闘は可能だが、精密機器を搭載し、そちらに電力を大量に使っている為、護衛戦力も編成したのだ。

アークエンジェルのカタパルトから、SFSに乗って、アイザック、マラサイ、ハイザックの1個小隊が出撃し、先行していった。

 

「……トライアド中隊を信じるしかありませんね……」

 

アークエンジェルはパラオ本島に残したトライアド中隊の奮戦を信じ、艦の損傷を考慮しながら加速を命じた。

その時だった。レーダー仕官妖精が

 

「トラック方面から、海上を進む艦隊を確認! 数、24!」

 

「連合艦隊? 特定は出来るか?」

 

「レーダー不調で、そこまでは……ただ、IFFはトラック泊地の艦隊と示しています」

 

レーダー仕官妖精の報告に、アークエンジェルは

 

「パラオの異常に気付いて、救援艦隊を派遣してきた?」

 

と呟いた。

 

「その可能性が高いかと。トラックとは、日常的にやり取りしていますから。通信が繋がらないとなれば、救援艦隊を差し向けるかと」

 

「……そう言えば、確かトラックにはパラオと共同開発した対MS兵器も配備されて……念の為、UAVを差し向けて、接触を図ります」

 

「了解! 通信増幅機能を有する機種を向かわせます!」

 

副長妖精は、CIC妖精に続けてUAVを射出するように指示した。数秒後、カタパルトから数機のUAVが射出され、次々とある方向に飛翔していった。

それを見送った後、アークエンジェルは

 

「アイザックから情報は?」

 

「まだです。しかし、ミノフスキー粒子の発生源は判明しました。パラオ本島を中心に、方位335、距離六千。高度4000です」

 

副長からの情報に、アークエンジェルは思わず眉を顰めた。

予想外の位置から、ミノフスキー粒子の広域散布。

恐らくだが、特化機能を有する機体か艦の性能だろう、とアークエンジェルは考えた。

 

「データリンクに情報をアップ! 恐らく相手は、広域散布機能を有する特化機体か艦と予想! 総員警戒!!」

 

『了解!』

 

少しずつ増速しながら、アークエンジェルは向かったのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。