パラオ本島上空では、トライアド中隊はリボーンズ達に劣勢を強いられていた。トライアド中隊は、攻擊角度に制限があった。
パラオ本島地上と近海には、パラオ艦隊が多く展開している。そのパラオ艦隊に当てる訳にはいかない為、下方に対して射撃攻擊が出来なくなっていた。
しかも、リボーンズ達からの攻擊も下に行かせる訳にはいかないので、防御を強いられていた。
トライアド隊からしたら、一度パラオ本島上空から離れたい。しかし、リボーンズ達がそれをさせず、パラオ本島上空から離れられない。
(このままでは、マズイか……)
リボーンズのGNビームライフルを防いだフレスベルグは、何とか打開しようと考えていたが、リボーンズからの鋭い攻擊に思考を巡らせる余裕もなかった。
フレスベルグはリボーンズにビームマグナムを撃とうとしたが、横からアルケーガンダムがビームマグナムを両断し、胴体に蹴りを叩き込んできた。
『ぐうぅぅっ!?』
『落ちな、ガンダムさんよぉ!!』
決定的な隙を晒したフレスベルグに、手首装甲内蔵のGNビームガンを向けた。
その時、アルケーに噴進弾が命中した。
『なに!? どこだ!?』
奇襲に驚いたアルケーは攻擊を止めて、一時後退して周囲を見回した。その直後、アルケーの横を数機の戦闘機が通り過ぎた。
『いつの間に!?』
リボーンズも、この距離になるまで接近された事に驚いていた。
そして、気付いた。
『しまった、ジャミングされているのか!』
レーダーへのジャミング。
これは、スピリッツもアイザックの試験をしていた時に気付いた事だが、今の姿だとレーダー情報はほぼ無意識下で処理していた。
昔のMSサイズでパイロットが乗っていた時は、パイロットがレーダーも確認していた為に、電子戦にも即座に気付けた。
しかし、今の人間サイズではほぼ有視界と様々な位置のカメラ情報から得た情報で戦っており、レーダー情報は無意識下でのみ処理して、気づきにくいという事が、試験で判明した。
しかも今回、レーダーへのジャミングのみに徹底した為、アルケーとリボーンズは気付くのに遅れたのだ。
『雑魚が!』
『アルケー! 砲弾だ!』
アルケーは過ぎ去ってから旋回を始めた戦闘機に、GNビームガンを向けたが、リボーンズが注意を促して、回避機動をした。
しかし飛来した砲弾は、いきなりガワが開いて、中から大量の子弾を解放した。
それを確認した2機は、回避を諦めて防御態勢に入った。
リボーンズはGNシールドを構え、アルケーは盾からGNフィールドを展開した。
その直後、激しい爆発が2機を襲った。
『ぐおぉぉぉぉ!?』
『こ、これは……!?』
2機は日本海軍が使う三式弾だと予想し、防いだらファングで無差別攻擊をしようと考えていたが、予想外の威力にそれどころではなかった。
少しばかり離れた海上
『対MS用新三式弾・改、命中確認!』
「了解! 接近してくる可能性あり! 対MS用対空噴進弾・改の用意!」
トラック泊地艦隊は、UAVを介して聞いた通信を受けて、装備の点検を始めた。
トラック泊地艦隊が用意した対MS用装備。
一つ目は、三式弾を改修した新三式弾・改。
こちらは、従来の三式弾がタイマー式で開くのを近接レーダー式の、所謂VT信管に変更し、更には中の子弾をTNT火薬に変更して全体的に高威力化に成功した。
二つ目の対MS用対空噴進弾・改。
こちらは、12cm30連装噴進砲をベースに、TNT火薬と有線誘導化。
これにより、高威力化と命中率の向上を果たしている。
『大丈夫。そちらには、奴らを向かわせません。貴女達は、パラオへ向かってください』
「しかし……」
『間に合いましたから』
アークエンジェルからの通信の直後、極太の閃光が空を走った。