パラオ上空を走った極太の閃光は、リボーンズ達が率いていた量産型MS部隊を跡形も無く蒸発させた。
それは、エウクレイデスが放ったハイパーメガ粒子砲だった。
リボーンズ達は回避した為に無傷だったが、戦力は激減。そこに接近してくるスピリッツの主力部隊。
『ちいっ!』
『流石に、あの数は無理だね』
1個大隊のガンダムを相手にして、流石のリボーンズ達も不利を悟り、離脱を選択した。素早く反転し、更に上昇していき、いつの間にか来ていた赤いGN粒子を蒔く母艦に着艦して消えていった。
追撃する事も一瞬考えたフレスベルグだが
『追うな……』
とフェニックスから止められて、辞めた。
そして、スピリッツ本隊がトライアド中隊の周囲を固めて、周辺を警戒してから
『よくやった、トライアド中隊……後は我々が引き受ける。母艦へ帰投しろ』
『……了解』
フェニックスに促されて、トライアド中隊は全機がエウクレイデスに帰投した。
その後トライアド中隊は、全機が重整備が必要と判断され、オーバーホールが始まる事になり、アークエンジェルも修理が始まる。
今回のリボーンズ達の襲撃により、幸いにもパラオ民間人に対して死者は無し。
しかし重軽傷者が多数出ており、通信が快復したのを確認した祐輔は、付近の友軍に支援を要請。
トラックとタウイタウイの泊地から、物資と工作班が派遣され、日本本島から南方方面軍の責任者と元帥がパラオに来た。
「通信が出来ないと気付くのが、遅すぎました……申し訳ありません」
「我々も気付かなかった……」
南方方面軍責任者、
祐輔がベッドに横たわっているのは、戦闘終結間際にリボーンズガンダムがパラオ泊地の本部棟にバスターライフルを最大出力で撃っており、その際の衝撃で祐輔と涼華が居た位置真上の天井が崩落。
涼華は祐輔が間一髪で突き飛ばして無事だったが、祐輔は脱出が間に合わずに左足と左腕を骨折し頭部も負傷してしまった。
エウクレイデスの治療ポッドを使えば速いかもしれないが、今現在エウクレイデスはトライアド中隊のオーバーホールとアークエンジェルの修理に、全リソースを回している為に無理だった。
「こちらも、対処が後手後手に回ってしまって、そちらに連絡する手段を中々思い付きませんでした……」
祐輔も謝罪するが、元帥は
「君は十分にベストを尽くした。パラオ市民に被害は無し……艦隊も、撃沈は無しだ。パラオの復興は、本土から連れてきた工作班が最優先で行っている」
「泊地の施設も、順次復興する……泊地の運営は、暫くはこちらが派遣した代官がする。榊原提督は、暫くは療養するように」
荒崎中将と元帥はそう言うと、祐輔の病室から退室。
入れ替わりに、涼華が入ってきて
「先輩、大丈夫ですか?」
と椅子に座った。
「まあ、命があるだけ儲けものだよ」
「……先輩」
「僕が咄嗟に君を突き飛ばしたのは、勝手に体が動いたから……涼華が気にする必要はないよ」
涼華が泣きそうな表情をすると、祐輔は何とか右手で涼華の頭を撫でた。
そして祐輔は、病室の窓から外を見て
「……まだまだ、対MS装備の拡充と訓練が必要だね……」
と呟いたのだった。