艦隊これくしょん・傭兵魂を継ぎし艦   作:京勇樹

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トラック泊地での会談

 

 

 

その日、アークエンジェルとエウクレイデスはトラック泊地に赴いていた。その理由は、トラック泊地に配備される量産型MSについての説明や設備の敷設をする為だ。

今回トラック泊地に配備されるのは、パラオ泊地にてデータ収集が行われ、本格的に量産が始まったハイザックとマラサイの2機種だ。

代わりにパラオでは、新しくハイザックのカスタム機とマラサイのカスタム機の試験機が運用されている。

海底基地にはその2機種の他に、ネモタイプの生産ラインも未稼働で発見し、現在稼働出来るように調整中だ。

 

「なるほど……この2機種は部品が共通規格故に、整備性が高いと……なるほどなるほど……それは、整備士達からしたらありがたい話ですね」

 

「他にも、武装も共通で使えるようになっています」

 

トラック泊地の提督の一人。

轡木玄蔵(くつわぎげんぞう)大将は、エウクレイデスが差し出した説明書を、じっくりと見ていた。

轡木大将は穏健派に属しており、艦娘達からもお爺ちゃんと慕われている。

そして何より、柔軟な発想と戦術。高い指揮能力により、対深海戦で永きに渡って大湊を維持してきた名将である。

 

「ふむ……それで、そのMSの格納庫(ハンガー)は……」

 

「はい、只今こちらの工作班が地下格納庫を建設中です。見取り図は、こちらになります」

 

轡木からの問い掛けに、またしてもエウクレイデスが地図と見取り図を差し出した。

基本的に、工事関係の説明はエウクレイデスがする事になっている。

 

「これ程の広さの工事が、一週間程で終わるとは……いやはや、中々に凄い技術力ですな」

 

「お褒めいただき、ありがとうございます……何か要望があれば、遠慮なく言ってください」

 

今回トラック泊地の地下に建設されている格納庫は、MSだけでなく、各種飛行機も格納出来るように広大な物になっている。

予定では、地下に3つの格納庫を建設する事にしている。

第一格納庫には、艦載機類。

第二格納庫には、移動用を含めた大型機。

そして第三格納庫には、MSを大隊規模で駐機出来るように建設している。

 

「いえいえ。こちらからの要望なぞありません。そちらの通りでお願いします」

 

「承りました」

 

轡木大将の言葉に頷き、エウクレイデスは見取り図と地図を仕舞った。

そこに、アークエンジェルが

 

「次は私から……こちらの端末をお渡しします」

 

とアークエンジェルが、轡木大将に機体の発注が出来る端末を差し出した。

 

「この端末は……」

 

「こちらの端末を使えば、配備された2機種が撃破され失われたとしても、数日すればトラック泊地に配備されます。勿論、予備部品の発注も出来ます。使い方は、こちらに」

 

アークエンジェルはそう言って、取り扱い説明書を差し出した。

 

「ふむ……霧島」

 

「はい」

 

「これは、秘書艦達で読んでくれるかな」

 

「分かりました」

 

軽く一読した轡木大将は、そう言って説明書を背後に控えていた霧島に手渡した。

 

「では、次に対MS用装備に関してですね」

 

「ええ……我々も開発に着手していますが、やはり先達に聞いた方が良いですからね」

 

轡木大将はそう言うと、アークエンジェルとエウクレイデスに資料を差し出した。

今現在、トラック泊地やパラオ泊地に配備されている有線式ミサイル。それを利用したミサイルランチャーだ。

一応艦娘用装備にもあるが、地上配備用に更に大口径化かつ炸薬量も増量した強化型になる。

 

「ふむ……誘導方法は、コンソールからの人力式ですか……一度に発射してから操縦出来る最大数は?」

 

「そちらは4発になります。まだまだ未完成ですから、操縦手にも高い技量が要求されます」

 

轡木はそう言って、端末で映像を見せてきた。

そこには、席に座ってスティック操作する兵士の姿が映っている。

 

「ふむ……こちらから、AIを提供しましょうか?」

 

「AI?」

 

「簡単に言ってしまえば、機械性の頭脳、でしょうか……最初は一発ずつしか制御出来ないかもしれませんが、AIが学習していけば、2発、3発と制御出来る数が増えていく筈です。人員は、優先目標を設定し、何発差し向ける、という指示出しに注力出来ます」

 

アークエンジェルが説明すると、霧島が

 

「轡木提督。アークエンジェルさんの申し出を受けるべきかと……その方が、人員育成より早く、安く済むと思います」

 

と進言し、それを聞いた轡木大将は頷いた。

 

「そのAIの導入をお願いします」

 

「承りました。後日、最適化したAIと機材を搬入します」

 

そうして、一応は取りまとまったのだった。

 

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