スピリッツがトラック泊地に赴いて、様々な作業をしている時、パラオ泊地では祐輔が陣頭指揮して対MS用装備による対空陣地と新型機。
マラサイ・改とハイザック・改の運用をしていた。
近い内にネモタイプの試験機も配備される見込みで、それに関する資料も、祐輔は秘書達と一緒に確認していた。
「この改修型とやら、前のマラサイやハイザックから二割近く性能が上がってますね」
「はい。それに、前は無かった私達の戦術データリンクとの同調機能も追加されてて、支援要請もしやすくなっているみたいです」
「次に来るというネモという機体、軽いのに防御性能が高いんですね。それに、機動性も高いです」
祐輔の言葉に頷きながら、吹雪と古鷹は自身の感想を述べた。そこに、霧島が
「新たに配備された武装類も、かなりの数です。汎用性の高さ、本当のようですね」
「マシンガンにライフル、ミサイルランチャー……しかも、これで一部という話ですからね……凄いです」
「確か、ネモの配備時に追加で配備されると聞いてます。効果的な運用を検討しましょう」
霧島と一緒に、武装一覧を見た由良が頷いていた。
明石と夕張の二人はMSの整備に関する資料を読み込んでいる最中だ。
「問題は、敵の戦力だね……聞いた話では、スピリッツのガンダムに匹敵する戦闘力を有する機体が居るって話だ……機体頼りにならず、僕達も出来る限りの対策を進めよう」
『はい!!』
祐輔の言葉に、秘書達は頷いた。
その頃涼華は、パラオ市内の日本大使館でパラオの代表と会談していた。
「この度は、我々の対処が間に合わず、市街地に被害が出てしまい、申し訳ありません」
「頭を上げてください。そちらの皆さんの避難誘導や迅速な対応がなければ、死傷者が出ていたでしょう。むしろ感謝しています」
涼華の言葉に、パラオの代表はそう返しながら涼華を立たせた。
「聞いた話では、相手は人類を滅亡させようとしているとか……深海棲艦の登場から、我々は貴方達に頼り切り……むしろ申し訳なさすらあります……」
パラオ共和国は、本来ならば自由連合同盟により、アメリカ軍から保護を受け、基地の建設を始めていた。
そんな矢先に深海棲艦により、アメリカ軍は当時駐屯していたアメリカ軍は壊滅し、基地の建設も放棄して撤退。
以後パラオは、深海棲艦に怯えながら過ごす事になるか、深海棲艦によって滅亡するのか、と考えた。
しかし、艦娘の登場によりいち早く戦力を建て直した日本が、素早く展開を開始し、大使館を通して基地の建設と戦力の駐在を打診。
パラオはそれに飛び付き、アメリカ軍が放棄した建設跡地を日本に差し出した。
これが、現在のパラオ泊地の基礎となり、日本の建築技量が導入された。
それにより、かつてアメリカが建築しようとしていた以上の基地が建設された。
「しかも、艦娘の皆さんのおかげで漁もやれています……感謝しかありません。我々は、貴方達日本のおかげで存命出来ています」
「その言葉に、救われます……以後、こちらも最後までパラオを守る事を約束します」
涼華はそう言って、パラオの代表と固く握手したのだった。