スピリッツがトラック泊地に入り、約2週間後。
トラック泊地で、本格的にMSの運用が開始された。
配備されたのは、対空用に改修されたハイザック・キャノンとハイザック、ハイザック・マリナーの三機種と指揮官機としてマラサイ。
最初は近い機種で運用に慣れさせ、徐々に別の機体を配備する計画になっている。
一方パラオには、ネモタイプの配備が始まった。
背部にレドームユニットを装備したEWACネモ。肩にガトリング砲を装備したネモ・ハーフキャノン、通常タイプのネモ、脚部にホバーユニットを装備し、背部に単装砲。腰に三連装ミサイルランチャーを装備したネモ・重装型が配備されている。こちらは、試験の色合いが強い。
今は日本本土に配備する機体の選定もしている。
「さて、恐らくですが……近い内にリボーンズ達が襲撃してくる可能性が高いですね……それも、日本本土に」
そう予想したのは、アークエンジェルだ。
「本土に、ですか……少し前に、佐世保がありましたが……」
「いえ、佐世保には奴らは来ていなかったわ。来てたのは新型機だけだった」
祐輔の言葉を否定し、エウクレイデスがその新型機。
スターダストの情報を表示させた。
高機動型MSでその機動性は非常に高く、動きもエース級に匹敵する。量産機では、一方的に削られるのが落ちだろう。
付随して、パラオ攻防戦で確認された新型機の情報も表示した。
砲撃強化型機。
こちらは、メテオブレイカーと名付けた。
右肩にビームキャノンを装備し、左腕にはIフィールド発生器内蔵シールド。右手にはグレネードランチャー付のビームライフルを装備していた。
こちらも機動性は高かったが、シールドが厄介だった。
「この2機種は、十中八九試験機でしょう……こちらの予想では、ビットMSと見てます……」
「ビットMS?」
「一機の有人機が、多数の無人機を操る構想の機体ね。一人のパイロットで中隊規模になるわ」
「そんな機体もあるんですね……」
エウクレイデスの説明を聞いて、祐輔は唸った。
「もし、これらのビットMSをエース級が率いていた場合、こちらも部隊で対処しなければ危ないでしょう……」
「確かに……特にこのスターダストなんて、機動性の高さが厄介だね……それに、ファングも」
アークエンジェルの言葉に、エウクレイデスは同意した。実際、2機で相手して、終始押し込まれていたのだから、小隊では対処が難しいだろうというのは予想出来る。
ならば、最低で複数小隊。それこそどちらかの艦の部隊全て当てる必要すらあるだろう。
確実なのは、フェニックス小隊とヴァルキリー小隊を当てる事だろう。
この2個小隊ならば、確実に対処出来るという確信が、アークエンジェルにはある。
しかし、何時何処で、どの部隊と邂逅するかなんて分かる訳が無い。
だから、出来るとしたら
「機体の強化改修か……プランを纏めないとね……腕が鳴るわ」
エウクレイデスは楽しそうにしながら、右拳を左手の平に打ち付けた。
「纏ったら、一度プランを見せてくださいね? 後、本人達に確認も」
「分かってるって」
「機体の強化改修……資材なら、ある程度は融通しますので、必要でしたら連絡を」
こうして、スピリッツの機体の強化が決まった。