「あ……陽炎ちゃん! 名取ちゃん!」
「瑞鳳さん!」
「良かった……無事で……」
ダブルオーザンライザー・XXXXに救われた瑞鳳は、白亜の巨艦。エウクレイデスに収容された。
その艦内で瑞鳳は、艦隊を組んでいた陽炎、名取と再会し、嬉しさで抱き合っていた。そこに、蒼い装甲の人型が近寄り
『申し訳ありませんが、旗艦は何方ですの?』
と問い掛けてきた。
「えっと……貴女は……」
『失礼しました。私は、ケルディムガンダム・アンダイン。アンダインで構いませんわ』
瑞鳳が問い掛けると、蒼い装甲の人型。ケルディムガンダム・アンダインは、名乗りながら頭を下げた。
「えっと、旗艦は私ですけど……」
『着いてきてくださいまし。艦長が会いたいと言ってますわ』
「わかりました……」
アンダインの説明を聞いて、瑞鳳はアンダインの後に着いて歩いた。
(凄い広い……全体を見たのは、短い時間だったけど……それでも、最低500mは越えてた……それに……潜航能力もあるなんて……聞いたことないよ、そんな艦……)
通路を歩きながら瑞鳳は、周囲を見回した。時々すれ違う妖精は、物を持っている妖精以外が壁際に寄って敬礼してくる。
それだけで、非常に統率の取れた部隊だと分かる。
『着きましたわ』
アンダインのその言葉で、瑞鳳は艦長室と書かれたプレートが掲げられたドアの前に到着していることに気付いた。艤装は艦に収容された際に外されたのだが、少ししたら身に纏っていた衣服が直っていた。
その衣服の乱れを直していると、アンダインがノックして
『艦長、先の艦隊の旗艦殿をお連れしましたわ』
と言った。
『入っていいわよ』
中から入室するように促されて、瑞鳳はアンダインが開けたドアを潜った。そんな瑞鳳を出迎えたのは、椅子に深く腰かけたエウクレイデスだった。
「初めまして。私は、傭兵部隊スピリッツの万能工作艦艦長のエウクレイデスよ。よろしくね」
「第二トラック泊地所属、敵泊地強行偵察艦隊旗艦の瑞鳳です……助けていただき、ありがとうございます」
エウクレイデスの後に名乗ると、瑞鳳は頭を下げた。
聞いたことの無い部隊だが、助けられたことは事実。ならば、旗艦として礼は尽くした。
すると、エウクレイデスが
「実は、貴女に聞きたいことがあるのよ」
「……なんでしょうか? 私に答えられるなら、答えますが……」
エウクレイデスの問い掛けに、瑞鳳は僅かに間を置いてから返答した。やはり、軍に所属している身なので、機密は教えられないのだ。
「貴女達が所属している、第二トラック……その提督に、かなり黒い噂がある……そう、捨て艦とか……」
「つっ……」
エウクレイデスの告げた単語に、瑞鳳は思わず拳を握りしめた。事実だっからに他ならない。
「……ごめんなさいね……私達も、少し前から情報を入手したばかりでね……ただ、先日に……こんな子を保護したのよ」
エウクレイデスはそう言って、モニターを点けた。そのモニターの映像を見て、瑞鳳は目を見開いた。
そのモニターに映っていたのは、知り合いだったからだ。
「古鷹! 翔鶴! 初雪! 深雪!」
それは、つい先日にKIA認定された同僚達だった。
行ったのは、接近してきていた深海艦隊の迎撃。確かに撃滅出来たが、全滅したとされていた。
「彼女達を助けられたのは、本当に偶然でね……私達がある海域に到着したら、彼女達が包囲されてたのよ……まあ、部下が先行出撃してくれてたから、間に合ったんだけど……ただ、重傷でね……まだ、目覚めないのよ……」
「いえ……助けていただいただけでも……感謝します……」
瑞鳳は涙を拭くと、毅然とした態度でエウクレイデスと向き直って
「私で善ければ、知りうる情報を教えます」
と宣言した。
それを聞いたエウクレイデスは、嬉しそうに頷いた。
そして、十数分後。
『艦内の案内は、その水色ハロが致しますわ』
『ハロハロ、ヨロシクナヨロシクナ!』
「わあ……可愛い……」
アンダインから受け取った水色ハロを両腕で抱いて、眼を輝かせていた。どうやら、ハロの見た目を気に入ったようだ。
そのハロを抱きながら、瑞鳳は艦隊が待っている部屋に向かった。
その歩みは、心なしか軽いようだった。