「艦長! ソナーとレーダーにより、アイランドのある程度のCG化が出来ました! メインモニターに出します!」
副長妖精がそう言った直後、メインモニターにアイランドの全体図が表示された。
「……全長は、優に5.5km……横幅は22.2km……馬鹿げたサイズですね……それに、海面下にも何らかの設備が……」
『スクリューだけじゃないわね……波浪式発電機も確実にあって……まさか、水を吸い上げて貴金属の抽出もやってるのかしら?』
『そのような技術、僕が知る限り聞いたことありません……』
「となると、やはり私達が
アークエンジェルがそう言った時、CIC妖精が
「アイランドの港より、多数の反応を感知! これは……深海悽艦の艦隊です! 詳細な数はジャミングにより不明! しかし、最低額でも12は居ます!」
と報告してきた。それは即時に戦術データリンクでエウクレイデスとおおしおにも共有化され
『そちらは、僕達が引き受けます! 皆さんは、アイランドに攻撃を続行してください!』
祐輔はそう言ってから、近くに居るらしい吹雪に
『金剛さんを旗艦とした水上打撃連合艦隊と翔鶴さんを旗艦にした機動連合艦隊に出撃! スピリッツの皆さんの邪魔をしてくるだろう深海艦隊の撃滅を!』
『了解! すぐに!』
祐輔が指示を出して少しすると、おおしおの艦側面から次々と新たに艦娘艦隊が出撃。深海艦隊の方に進撃を開始した。
場面は変わり、最前線。そこでは、数多のMSが激しく交差していた。
『トライアド中隊、全機散開!
『了解!』
トライアド中隊隊長機のフレスベルグの指示を受け、トライアド中隊は複雑な三次元機動を開始し、敵機を次々と挟撃し、撃破していく。
その下の海を、勇敢な乙女達が疾走し、近づいてくる深海艦隊と交戦を開始する。
『こちら、水上打撃連合艦隊旗艦の金剛デース! これより、方位203の敵艦隊と交戦を開始するので、射線には入らないようにしてくだサーイ!!』
『承知した。だが、安心しろ。味方の砲撃に当たるような間抜けは居ない』
フレスベルグはそう言いながら、一機のマラサイを思い切り蹴り飛ばし、海に叩き落とした。そこに、長門改二の砲撃が直撃。マラサイは、大爆発を起こした。
『やはりか……アークエンジェル艦長、こちらトライアド1。敵は核融合炉に非ず。恐らくはバッテリー式と思われます』
『確かなんですか?』
『間違いありません。熱量が違いますし、放射線も一切感知されません』
『……分かりました。出来るなら、何機か鹵獲を』
『了解!』
フレスベルグは返答した直後、背後に迫っていた一機のハイザックの胸部に長さを短くしたビームサーベルを突き刺して、機能を停止させた。
それを、奪ってハッキングしたSFSに乗せると
『こちらトライアド1、これより捕獲した一機を送る』
と報告してから、エウクレイデスの方に向かわせた。
それを確認しつつ、フレスベルグは
『トライアド1より、トライアド中隊各機に通達。アークエンジェル艦長より、敵機を数機鹵獲するように指示があった。今、ハイザックタイプを一機鹵獲した。最低でも小隊単位を鹵獲したい。各機留意してくれ』
『了解!!』
中隊に指示を下すと、更に前進した。
更に場面は変わり、艦娘艦隊。その機動連合艦隊の中に、パラオ艦隊では割りと古参の不知火が編入されていた。今回の作戦、不知火は自ら志願して参加していた。不知火としては、リハビリ終わりの確認という意味も含めつつ、やはり最前線の空気を感じないと色々と考えてしまうからだ。
何故、陽炎が轟沈しなければならなかったのか。何故、黒潮があんな傷を負わなければならなかったのか。等々。
(今は、榊原提督という良い提督に出会えました……一度精神的に不安定になっていた私を、導いてくれました……ならば、私に出来るのは彼の手足となって最前線で戦うことです!)
不知火はそう意気込みながら、海面から飛び出してきた駆逐イ級に砲撃を直撃させた。その時、不知火のレーダーに高速で接近してくる反応があった。
(推定速度は……37ノットというところですね。平均的な駆逐級でしょう)
不知火はそう判断しながら、反応があった方位に振り向きながら主砲を向け、固まった。
「あ、あぁ……」
接近してくる相手を見た不知火は、声を震わせた。接近してきているのは、人型。最近では、深海艦隊に駆逐の姫級も確認されており、それはかなり人に近い見た目をしている。
しかし、その程度で不知火が固まる訳がなかった。その姫級のことは、既に教育で知っていたからだ。
では、何故固まったのか。
近づいてくる人型は、不知火と同じ陽炎型共通の制服を身に纏い、オレンジ色に近い髪をツインテールにしており、黄緑色のリボンタイを着けており、何よりもツインテールにしている髪を縛っている黒いリボン。それは、二代前の提督が陽炎が改二になった時にお祝いとして買った物。
「か、陽炎……」
艤装から蒼い焔を吹き出し、顔の目の辺りを機械質な仮面を着けた陽炎が、接近してきていた。
「陽炎ぉぉぉぉ!」
不知火は、涙を流しながら主砲を向けるしかなかった。