「うずしおより通信です!」
「繋いでください」
通信士妖精の言葉にアークエンジェルが促すと、サブモニターに艦娘母艦、うずしおの艦長代理を勤める大淀の姿が映り
『こちらうずしお! 現在、先に出撃した全艦娘を収容し、補給を行っています! 代わりに、水雷戦隊と潜水艦隊を出撃させようと思いますが、どうでしょうか?』
と聞いてきた。それを聞いたアークエンジェルは、少し黙考してから
「まだ敵が、水中用MS、MAを保有していないという確証がありません。もし水中用MS、MAが居た場合、ひとたまりもありません。まだ潜水艦隊は投入しないでください」
『敵にも、水中用戦力が有るのですか!?』
「今から、そちらにデータを送ります」
アークエンジェルはそう言って、通信士妖精に視線を向けた。すると、通信士妖精は即座にキーボードを叩き、視線をアークエンジェルに向けた。すると、大淀が
『データ受けとりました……このような敵が……』
データを確認したらしく、絶句している。
「それはまだ、一部のみです。流石に、全てとなるとデータ送信と確認に時間が掛かるでしょう」
『確かに、そうですね……これらが居ると考えると、確かに潜水艦隊の投入は難しいですね……』
「はい、特にMAは対艦装備を標準搭載しています。速度も考えたら、撃沈されるのは必至です」
『そうなると、水上艦隊もになりますが……』
「そちらは、主に水中用MSになりますが……そちらは、即座に我々が対処可能です。問題になるのは、MAですね。速度も早いので、捕捉が難しい」
アークエンジェルがそう言った直後、艦橋内に警報音が鳴り響いた。
「報告!」
「ソナーとMADに感アリ! 機種特定……ズゴックEが多数とハイゴッグが3! 更に……MAです! 機種は……トリロバイト!!」
「ABF2ndを水中仕様にして出撃させなさい! 更に艦潜行! 対水中戦闘用意!」
通信士妖精からの報告を受けて、アークエンジェルは即座に指示を下した。
『アークエンジェルは、水中戦闘も可能なのですか!?』
「必要だったからですよ。通信終わります」
アークエンジェルは通信を切ると、受話器を持ち上げ
「本艦はこれより、水中戦闘モードに移行します! 全クルーは水中戦闘シフトに移行してください! 繰り返します! 本艦はこれより、水中戦闘モードに入ります! 全クルーは水中シフトへ!」
アークエンジェルがそう言った直後、艦内に放送が鳴り響き、クルーの走る音が鳴る。アークエンジェルは受話器を戻し、副長妖精に
「水中戦闘モード、始動」
「了解、水中戦闘モード始動! 艦、潜行開始! 操舵手、以後の回避行動は一任する!」
「了解! 全ての攻撃を避けてみせます!」
副長妖精の指示を受けて、操舵手妖精は気合いを入れて操舵捍を握った。
「水密隔壁閉鎖を確認。艦尾ハイドロ系統異常なし。艦首魚雷発射管、異常なし……アークエンジェル艦長、水中戦闘シフト、何時でも行けます」
「潜行! 海中の敵を掃討する!」
「はい!」
アークエンジェルの号令後、艦は海中に潜行。海中でも使える装備で攻撃を開始した。
「味方には当てるなよ! バリアント撃てぇ! 魚雷発射!」
「そんなヘマしませんよ! ABF2nd、射線上より退避! 敵MAに向かう!」
「ABF2ndに通達、決して無理はするなと」
「はっ!」
水中では、通信は非常に限られる。しかし、ABF2ndは忠告を受け入れたのか、一度トリロバイトから離脱した。そのABF2ndが居た場所を、数本の魚雷が通過した。トリロバイトが放ったらしい。
特に危険度が高いのは、大型の魚雷である。本数は限られるが、なんとGNフィールドを貫通する能力を有しており、高い攻撃力も有している。
直撃を受ければ、艦とて危ない。
「ABF2ndには、回避重視で交戦するように厳命。トリロバイトは後方が死角だったはずです」
「了解、伝えます」
「敵MS、接近!」
「迎撃! 敵MSを、祐輔艦隊に近付けるな!」
海中での戦闘が、始まった。