パラオ泊地から、南に暫く離れた海域。そこに、トラックから追加で来た艦隊と合流し、空母機動連合艦隊が編成出来た。
後から合流した空母艦娘のアクイラが
「パラオに、見たことの無い大きな何かが居る……」
と呟き、それを聞いた霧島が腕組みした。
「どれ位か、分かりますか?」
「最低でも、40mはある……その口から吐かれた閃光で、格納庫や飛行場が一つ吹き飛んだ……なんなの、あれ……」
「ビーム兵器……」
「潮、知ってるの?」
潮の呟きが聞こえた五十鈴が問い掛けると、潮は頷き
「多分ですが、それは以前にトラックで起きた攻防戦で……」
と説明を開始した。
「なるほど……秘匿情報……」
「本当は口外無用って言われてるけど、言わない方が危ないと考えたました……」
「同意するわ、潮ちゃん……さて、そのデカブツをどうするか……」
「……意外と、防御力は低いかもよ?」
そう言ったのは、雷だった。全員が視線を向けると、雷は
「前に見たアニメで、大きなのは直接打撃は弱いって言われてたのよ。特に、戦艦級の主砲なら大ダメージは確実じゃないの?」
と告げた。それを聞いた霧島は、納得した様子で
「なるほど……確かに、巨体ならば防御力を高めるために装甲が厚くなりがちだが、それだと重さでまともに身動き出来なくなる……だったら、いっそのこと防御力を低く、か……有り得ますね」
と腕組みしながら、考え始めた。
「……とりあえず、パラオに接近します……各電探を起動し、警戒は厳に」
『了解!!』
霧島の指示を受けて、トラックの艦隊はパラオに向かう。友の危機を救うために。
場所は変わり、パラオ泊地。
「シャンブロはどうしている!?」
「シャンブロ、微速で少しずつパラオ泊地の地下司令部のある場所に近づきつつあります! ダメです、ミサイルとビームは効果になりえません!!」
アークエンジェルの問い掛けに、CIC妖精が答えた。シャンブロを確認した後から、アークエンジェルは出来る限りの攻撃をシャンブロに向けていた。
しかし、ミサイルは拡散対空ビーム砲とリフレクタービットで撃墜され、ビームはリフレクタービットのせいで効果が無い。唯一打撃を与えられるのはバリエントだが、そのバリエントはオーバーヒートで緊急冷却中だ。
「効果にならなくてもいい! 行き足を、出来るだけ遅らせて! そうすれば、手が空いた彼らが……ぐうっ!?」
指示を出していた時、アークエンジェルが大きく震えた。アークエンジェルは何とか耐えると
「報告!」
「ガデッサの攻撃により、右舷被弾! 艦尾ミサイル発射管破損しましま!!」
その報告に、アークエンジェルは唇を噛んだ。だが、直ぐに
「船速上げて、回避機動を! 操舵手、以後は全て任せます! エウクレイデスに打電! ミサイルの発射速度を上げて!」
「了解!!」
「シャンブロ、主砲の発射態勢に入りました! 狙いは……パラオ泊地、地上司令部棟!!」
それを聞いたアークエンジェルは、モニターを見た。シャンブロの口から大口径メガ粒子砲が覗いていて、光が収束してきている。
アークエンジェルが口を僅かに開けた直後、シャンブロの頭部付近で爆発が起き、それとほぼ同時に発射されたメガ粒子砲は大きく狙いを外した。
「何が起きた!?」
「艦砲の直撃のようです! 予測発射点にUAV飛ばします!」
それから数秒後、サブモニターにトラック泊地の連合艦隊が映った。
「な……艦娘艦隊!? まさか、パラオ泊地の避難が遅れた艦隊!?」
「いえ、IFFで確認出来ました。該当の艦隊は、トラック泊地の艦隊です!」
CIC妖精からの報告に、アークエンジェルは驚いた。何故、トラック泊地の艦隊が来ているのかと。最初は、まさか救援信号を出したのかと考えたが、祐輔はMSやMAの危険性を十二分に理解している筈だ。
「まさか、当初からパラオに来る予定だった……? そして、パラオが危機的状況だったから、支援を……?」
「その可能性は高いと思われます。駆逐艦娘の装備は、遠征を主目的にしているようです。戦艦娘や空母艦娘は、その護衛目的かと」
そう考えている間にも、トラック泊地艦隊はシャンブロに対して次々と攻撃を敢行。シャンブロはトラック泊地艦隊を攻撃しようと口を開いたが、そこに霧島の砲撃が直撃し、大爆発を起こした。
それだけでなく、航空機から落とされた爆弾や戦闘機によりリフレクタービットも破壊されていく。それを見たアークエンジェルは
「今がチャンスです! シャンブロを攻撃!」
「了解!!」
アークエンジェルの指示の直後に放たれたビームが、見事シャンブロを直撃。シャンブロは沈黙した。
「MS隊に通達! 勇敢な彼女達を死なせないで!!」
「了解!!」
シャンブロを撃破したことで、ひとまずパラオ泊地の危機は一時的にだが下がった。後は、敵MSやを殲滅するだけ。アークエンジェルはそう考えて
「高高度用のUAVを射出して、敵の母艦を探して! 近くに居る筈です! 母艦の姿だけでも、捉えたいわ」
「分かりました! エウクレイデスから射出されます!」
その数秒後、エウクレイデスのカタパルトから一機のUAVが射出され、一気に高度を上げていった。後に、敵の母艦を捉えることになる。
そして、パラオ泊地攻防戦は終盤に差し掛かる。