艦隊これくしょん・傭兵魂を継ぎし艦   作:京勇樹

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救出

戦艦悽姫を撃破した突入部隊は、奥に進んだ。

進んでいると、正面に大きな隔壁が降りた場所に到着したのだが

 

『……集音マイクが、この隔壁の向こうから大きめの音を拾ってますね……』

 

『此方でも確認しました……音質からして、砲撃音かと』

 

ハルファス・ベーゼとウィングガンダムが、そのシャッターの向こう側から砲撃音を拾った。

 

『急ぎます……強行突破します』

 

ハルファス・ベーゼはそう言って、少し距離を取ってからメガ粒子砲を構えた。それに同調し、ウィングガンダムもバスターライフルを構えた。

それを見た一同は、衝撃に備えた。その数秒後、隔壁は吹き飛び、突入部隊は一斉に突撃。

付近に居た深海艦を瞬く間に撃滅し、音の源を見つけた。

それは、分厚いガラス壁の向こう側に居た量産型MSの武装だった。量産型MSは、艦娘相手に武装を撃っていた。

 

『くっ……』

 

『金剛さん……もう……いいです……』

 

『よくありまセーン! ネバーギブアップネー!!』

 

中に居た数人の艦娘の内の一人、金剛は右手で左肩を押さえながら艤装の機銃を撃った。しかし、たかが20mm程度ではMSの装甲は破砕出来ない。

そんな最中、量産型MS。サーペントはバズーカを構えた。

その直後、ビームがガラス壁を突き破ってサーペントに直撃。サーペントは吹き飛んだ。

 

「え……」

 

「また、あの見た目の!」

 

金剛に守られていた駆逐艦娘は驚き、金剛は素早くビームの角度から突入部隊を見つけて、歯を食い縛った。

恐らく、リボーンズガンダム達の仲間だと思ったのかもしれない。

しかし、ガラス壁を更に破砕し、中に入ったエピオンが

 

『そのIFF……パラオ泊地の艦娘か……もしや、先代か二代前の提督殿のか?』

 

と金剛を見ながら問い掛けた。

すると金剛は、警戒しながら

 

「……元鈴原提督、現楠原提督貴下の金剛デスが……」

 

と答えた。それを聞いたエピオンは、降りてきたハルファス・ベーゼと顔を見合せて

 

『我々は傭兵部隊、スピリッツ。現パラオ泊地の提督。榊原祐輔提督と協力関係を結んでいる者だ』

 

『楠原前提督は、艦娘に対する不当な扱いで逮捕され、今は榊原提督が指揮を執っています』

 

エピオンとハルファス・ベーゼが、続けて説明した。

すると金剛は、驚いた表情で

 

「榊原提督? 彼は確か、横須賀の提督だった筈デース」

 

『長官から指示を受けて、パラオ泊地の再建の為に異動してきたんだそうだ……楠原前提督より、かなり復興している』

 

エピオンはそう説明すると、金剛は訝しげな表情を浮かべた。やはり、そう簡単には信じられないのだろう。しかし、金剛の後ろで倒れていた駆逐艦娘。

秋月が

 

「彼らは……私たちの提督を、名前で呼んでいました……前に来た奴らは、下等な人間とか、肥えた豚、としか呼んでいませんでした……」

 

苦痛を堪えながら、突入部隊を見た。

その隣に、フレスベルグが膝を突いて

 

『……肋骨が折れてる……無理に喋るな……ヴァルキリュア1』

 

『ええ、エウクレイデスに運び、治療をしましょう』

 

フレスベルグの意図を察して、ハルファス・ベーゼはそう発言した。すると、金剛が驚いた様子で

 

「治療してもらえるのデスか?」

 

『ええ……榊原提督からの依頼の一つに、敵に捕まった艦娘が居たら、保護と治療するのも入っています』

 

金剛からの問い掛けに、ハルファス・ベーゼはそう説明した。その間に、他に倒れている艦娘に近寄ったXXXXやバーストストライクフリーダムが

 

『こっちの艦娘も、辛うじて生きてる』

 

『こっちの艦娘は……ダメだ、亡くなってる……遺体は回収しよう』

 

と手早く、生死判断をしていく。

しかも、金剛からは遺体まで回収してくれるというのが驚きだったようで

 

「遺体まで……ありがとうございマース」

 

と頭を下げた。

 

『彼女達は、勇敢に戦った……なら、その遺体を返して荼毘に伏そう……』

 

エピオンはそう言って、最後に金剛を見た。

見た感じ、金剛の傷は左肩位だが、まだわからない。

 

『他に、捕まっている者は居るのか?』

 

「……NO……私たちで、最後デス……」

 

『すまない……来るのが遅かったようだ』

 

金剛の表情と口調から、以前はもっと居たようだが、現段階での生き残りは倒れているのを含め、僅かなようだ。

 

『申し訳ありませんが、あの機体は何処から出てきましたか?』

 

「アレは、あそこから出てきましたネー」

 

ハルファス・ベーゼの問い掛けに、金剛は今自分達が居る場所とは反対側の壁を指差した。

よく見れば、同色だったから気付かなかったが、隔壁を見つけた。

 

『ジェミニ、グランド、あの先の調査を』

 

『了解』

 

『調べます』

 

ハルファス・ベーゼの指示に従い、F90Ⅱとバンシィ・クロスは自分の部隊を率いてその隔壁に接近。

隔壁に砲撃を集中し、突入していった。

それを見送りながら、ハルファス・ベーゼは

 

『彼女達を入り口付近まで運びましょう。本隊に連絡し、回収ポッドを要請します』

 

と指示し、退路の確保を始めた。

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