艦隊これくしょん・傭兵魂を継ぎし艦   作:京勇樹

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掌握

数人の艦娘を保護した後、トライアド中隊とグランド隊が保護艦娘達の護衛に回り、ヴァルキュリア隊、ジェミニ隊、リトル隊は更に奥に進んだ。

アリーナの中にあった隔壁をビームサーベルで斬って破壊し、通路を進んだ。

少し進むと、また隔壁があったので先ほどと同じようにビームサーベルで斬り破った。その先に有ったのは、MSの生産ラインだった。

装甲形状から、造ってるのはハイザックのようだ。

 

『……サーペントではない?』

 

『もしや、まだ試験段階なのか?』

 

ハルファス・ベーゼの言葉に、エピオンが可能性の一つを挙げた。それならば確かに、少数しか見ていない理由に繋がる。

三隊は周囲を警戒しながら、更に奥を目指した。

そして、ある隔壁を見つけた。

 

『この隔壁……厄介な』

 

『耐熱耐弾の複合装甲・複層式か……ビームサーベルでも、焼き斬るのは難しいか……』

 

楯と同じ装甲を有する隔壁で、爆撃やビーム系に非常に高い防御力を有する隔壁が降りていて、その先に簡単には進めなくなっていた。

恐らく、その先は何らかのトラップが仕掛けられていたり、通路を崩落させて通れないようにした可能性が高い。

そう判断したのか、ハルファス・ベーゼは

 

『……この先は後回しにします。今はこの生産ラインを確保することを最優先に』

 

と部隊に指示を下した。

実はこの隔壁の先には、対MSを想定した爆薬が多数設置されており、もし隔壁を突破していたらそれらにより、いくらガンダムとはいえ無傷では済まなかっただろう。

ハルファス・ベーゼの判断は正しかったのである。

するとウィングガンダムが、コンソールを発見し有線で接続。ハッキングを始めた。

少しすると

 

『……掌握完了したわ。一時停止するわね』

 

と言った数秒後、動いていた生産ラインが止まった。

生産ラインが停止したのを確認して、ハルファス・ベーゼは

 

『念のために爆薬が無いか確認。ここを破壊されたら、我々はじり貧です』

 

『了解!』

 

指示を下し、自身でも爆弾が無いか確認を始めた。

いくらスピリッツが精鋭とはいえ、やはり数に来られたら後手後手にならざるをえなくなる。

 

『……爆弾は無し……でしょうか』

 

『こちらでは、見つかりません』

 

『同じく、ありません』

 

ハルファス・ベーゼの呟きの後に、次々と報告が挙がる。どうやら、爆弾は無さそうだ。そう判断したハルファス・ベーゼは

 

『これの出番ですね』

 

とある機械をコンソールに装着し、配線を繋げた。

すると、コンソールのメインモニターに凄まじい勢いで文字が流れていき

 

『……生産システムに接続確認っと……そっちから、アタシが見えるかしら?』

 

『はい、見えます。エウクレイデス艦長』

 

メインモニターに、エウクレイデスの顔が映った。

取り付けたのは、量子通信を用いた生産システム掌握器である。これを使えば、海底基地に直接来る必要なく生産ラインを動かす事が出来るという優れものだ。

しかし、まだ生産ラインは動かさない。

最たる理由は、搭載しているAIの書き換えだ。

 

『AIの書き換え機能も着けないといけないから……あ、ハロを繋いでくれる?』

 

『分かりました』

 

エウクレイデスの指示を受けて、F91が腰後の収容スペースからハロを取り出して、メインコンソールに繋げた。

 

『ん、来た来た……これなら、一週間もあれば動かせそうね』

 

ハロから送信されたデータを見て、エウクレイデスは安心した様子で告げた。これで、この基地で生産出来る量産型MSを戦力として運用出来るようになる。

しかし、結局は場当たり的な対処でしかない。

やるならば、抜本的な対処が必要になる。

 

『敵が本拠地が分かるデータが、残ってるといいのですが……』

 

『それは、こっちで調べるわ。そっちは一度帰還して、補給を受けなさい』

 

『了解』

 

エウクレイデスに促され、突入部隊は離脱を開始したのであった。

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