仕事が忙しく、書く暇がありませんでした
佐世保動乱の三日後、佐世保市全域。
『今から三日前、佐世保鎮守府提督。綾坂元大将により、未曾有の事件が引き起こされました……その悲惨な事件により、国民の皆様に要らぬ心労と痛みを与えてしまい、大変申し訳なく思うと共に心からお詫びします』
仮にだが復旧した佐世保鎮守府の設備を使い、天皇陛下が演説していた。
『今後、二度と同じような事件が起こらないように、軍内部特別監査班を編成し、あらゆる犯罪に対して目を光らせます……そして、もし武力による制圧が必要と判断しましたら……傭兵部隊、スピリッツに要請する事を決定しました』
天皇陛下のその発表に、市民はざわめいた。
しかし、殆どの市民が目撃していた。スピリッツが佐世保市民を守る為に、大量のパペット群と交戦していたのを。
『ですので、スピリッツを恐れる必要はありません……彼らは、高潔な方々です……弱きを助け、強きを挫く……我々が裏切らない限り、こちらに牙を向ける事はありません……ですから、受け入れるのです。彼らを恐れず、頼りになる隣人として……手を繋ぎましょう』
天皇陛下の演説は、そこで終わった。
その頃、スピリッツはパラオに居た。
「今回も、本当にありがとうございました……皆さんのおかげで、佐世保市だけでなく、帝国は救われました」
「我々は我々に出来る事をしたまでです……人々が涙を流すのを、防ぐ為に」
祐輔からの感謝の言葉に、アークエンジェルは首を左右に振った。確かに今回は、運良く佐世保鎮守府に部隊を潜入させ、犠牲を最小限に留められた。
しかし、そう何回もいかないだろう。
何せ、スピリッツは敵に居るリボーンズ達の居場所も分からず、敵の戦力も未知数なのだ。
何らかの対策と、部隊の強化は必須となる。
「とりあえず、こちらが佐世保鎮守府のデータベースから引き出したデータになります……皆さんの調査に役立てばいいのですが」
「有り難くもらいます……こちらも、佐世保で確認した新しい敵機の調査中です」
佐世保でレイグ隊が戦った、一機のアンノウン機。
今現在、エウクレイデスでデータを精査中である。
「それに、エウクレイデスさんが治療してくれている雪原提督も……」
「彼女の勇敢な行動は、称賛されるべきものです……それに、榊原提督もそのデータをデータリンクで我々に報せてくれた……だから、我々も迅速に部隊を投入する事を決められました」
そう、アークエンジェルが佐世保市に部隊を投入する事を決められたのは、祐輔がパラオにスピリッツが設置した機材を使い、スピリッツにデータを送ったからだった。
それが無ければ、投入するのが遅くなり、佐世保市に甚大な被害が出ていただろう。
そして命懸けでデータを入手し、持ってきた雪原涼華は、エウクレイデス艦内の治療ポッドで治療している。
「エウクレイデスからの報告では、間も無く目覚めそうという話でした」
「そうですか……」
アークエンジェルからの報告に、祐輔は少し憂鬱そうな表情を浮かべた。
涼華が率いた艦隊は、僅か数人を残して壊滅した。
それをどう伝えるか、迷っているのだ。
「我々に手伝える事があれば、何時でも通信してください」
「ありがとうございます……もし必要になったら、頼らせていただきます」
そこで会談は終わった。
そして、艦に戻りながら、アークエンジェルは空を見上げて
「……リボーンズ……貴方の好きにはさせません」
と呟いた。