地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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はい、間に合いました。

でも、あまり話は進んで無いかも……(汗)

それでは、最新話をどうぞ。


第19話 お買い物タイム

 坊主頭の男性から硬貨についての説明を聞き終えた勇綺達は現在、店内の棚に並べられている武器を眺めていた。勇綺達はここで当初の目的である、身を守る為の武器を探しているのだ。

 店内の陳列棚の配置は、一列目と四列目の棚は、壁に沿うように置かれている。次に、中央部の二列目と三列目の陳列棚の配置は、2個ずつの棚が背中合わせになって置かれており、真ん中には通り道が空けられていて、二人の人が横に並んでも通れる位の幅になっていた。

 

(このステータスプレートの情報によると、僕が扱える武器は……、鎌と鍬、そしてピッチフォークか……。はぁ……。園芸師だから仕方ないんだろうけど……。鎌とか鍬で戦うって、何か地味でダサ過ぎる……。剣や槍みたいな、カッコいい武器を装備したかったなぁ……)

 

 勇綺は、ステータスプレートに表示されている情報を見ながら、真ん中が通り道になっていて、両面の棚に商品がおかれている二列目と三列目の陳列棚の中から、自分が扱える武器を探していると、突然ため息をついた。

 勇綺が突然ため息をついたのは、ステータスプレートに表示されている情報に原因があるようだ。プレートの情報によると、職業が園芸師である勇綺が扱える武器は、鎌と鍬、そしてピッチフォークの三種類である。この三種類の武器を装備して戦う自分の姿を想像した勇綺は、余りにも地味でダサ過ぎた事に呆れたから、ため息をついてしまったのだ。

 ため息をついた勇綺は、剣や槍みたいなカッコいい武器を装備したかったと、胸の内で愚痴をこぼしていると……。

 

(! 園芸師が扱える武器だ……)

 

 愚痴をこぼしながら武器を探していた勇綺は、陳列棚の中から、園芸師が扱える武器を見つける。

 

(さて、鎌と鍬、そしてピッチフォーク……。どの武器を買うか……。う〜〜ん……)

 

 勇綺は、目の前の棚に並べられている鎌と鍬、そしてピッチフォークを見据える。この三種類の武器の中から、どれを買うべきか勇綺は顎に手を当てながら考えていると……。

 

「どうだ? 勇綺? 武器は見つかった?」

 

「! 龍哉……」

 

 約一メートル程、離れた位置で武器を探していた龍哉が、顎に手を当てながら考えている勇綺に声を掛ける。龍哉も勇綺と同じく、真ん中が通り道になっている二列目と三列目の陳列棚の中から、武器を探していたのだ。

 声を掛けられた勇綺は、龍哉の方へと振り向く。

 

「うん、僕が扱える武器は見つかったよ。鎌と鍬とピッチフォークの三種類の武器が扱えるみたい。この三種類の武器の中から、どれを買うか迷っているんだ……」

 

「へぇ〜〜、勇綺が扱える武器は、鎌と鍬とピッチフォークなのか! ワイルドで、かなり強そうだな!」

 

 勇綺は龍哉に、目の前の棚の中に並べられている鎌と鍬、そしてピッチフォークの三種類の武器の中から、どれを買うか迷っている事を伝える。

 話を聞いた龍哉は、勇綺が扱える武器に感心していた。

 

「そ、そうかなぁ? そんなに強そう……かな? 僕の武器は?」

 

 龍哉の言葉に、勇綺は照れくさそうに笑みを浮かべていた。自分が扱える武器を誉めて貰えたのが、余程嬉しかったのだろう。

 

「それに比べて、骨細工師の俺が扱える武器は、プレートの情報だと、彫刻刀とスリグショットだぜ? 酷いと思わないか?」

 

「え、え〜〜と……」

 

 勇綺が照れくさそうにしている最中、龍哉は憂鬱な表情をしながら、店内の陳列棚の中に並べられていた二つの武器を両手に持つ。龍哉が手に持った武器は、彫刻刀と、石や木の実等をゴムの力で飛ばす武器、スリングショットの二種類である。ステータスプレートの情報によると、職業が骨細工師の龍哉は、この二種類の武器を扱えるようだ。龍哉は、両手に持った二つの武器を、勇綺に見せながら近づいて行く。

 勇綺は、龍哉に見せられた二つの武器に、戸惑いを隠せずにいた。

 

「あ! た、確か、スリングショットは狩猟に使われていた武器らしいから、意外と威力が有るかもしれないよ? それと、彫刻刀も案外、凄い力が秘められているかも? ここはファンタジーの世界だし、その可能性があるんじゃないかな?」

 

「! 確かに、その可能性があるかもしれねぇな……。ゲームとかでも、一見ショボそうな武器やアイテムには、凄い力があったりするしなぁ……。よしっ! じゃあ、彫刻刀とスリングショットを買ってみるか!」

 

 憂鬱な表情をしている龍哉を、勇綺は何とか元気付けようと、彼が持っている頼り無さそうな二つの武器を必死に誉めようとする。

 勇綺の言葉を信じたのか、龍哉は頼り無さそうな二つの武器を買う事にしたようだ。

 

「二人共……、どう? 武器は見つかった?」

 

「「秋!」」

 

 勇綺と龍哉がやり取りをしていると、秋が二人に声を掛ける。秋は、壁に沿って配置されている一列目の陳列棚で武器を探していたのだが、何故か勇綺と龍哉がいる場所まで移動していたのだ。

 勇綺は、声を掛けた秋がいる後ろの方へと振り向く。

 勇綺の正面にいた龍哉も、秋がいる方へと目を移す。

 

「ああ、俺は武器が見つかったぜ! この、二つの武器を買う事にしたぜ!」

 

「僕も……、見つかったよ。地味な武器だけど……、鎌と鍬とピッチフォークを買ってみようかな……と思う」

 

 龍哉は、両手に持っていた彫刻刀とスリングショットを、ドヤ顔で秋に見せる。この両手に持っている二つの武器を、龍哉は買うつもりのようだ。

 龍哉に続いて勇綺も、武器が見つかったようである。勇綺が買おうとしている武器は、地味でダサいと思っていた、鎌と鍬とピッチフォークの三種類だ。勇綺は、この三種類の武器を購入しようとしている事を秋に伝える。

 

「秋の方は、どうだ? 確か……、秋の職業はバードだったよな? バードのお前が扱える武器は見つかったのか?」

 

「まぁ、ステータスプレートの情報のおかげで、バードのあたしが扱える武器を見つける事はできたけど……。でも……、リュートとナイフのどれを買えばいいのか迷ってるのよ! 勇綺! 龍哉! どれが良いと思う?」

 

 龍哉は秋に、バードの職業が扱える武器を見つけられたのかを問い掛ける。

 龍哉の問い掛けに秋は、ステータスプレートの情報のおかげで、バードが扱える武器を見つけることができたようだ。

 だが秋は、バードが扱える武器である、弦楽器のリュートとナイフのどちらを買えば良いのか迷っていた。一人で決められない秋は、勇綺と龍哉に、リュートとナイフのどちらの武器を買うべきか、相談をする。

 おそらく秋は、二つの武器の中から、どちらを買うべきか、一人で決められなかったから、勇綺と龍哉に相談をする為に、二人がいる陳列棚の所へ移動したのだろう。

 

「迷っているんだったら、両方とも買えば良いんじゃないかな? もしも、片方の武器が壊れたら、もう片方の武器で戦う事ができるし。それに、武器が多いと色々な状況に対応できるからね」

 

「俺も勇綺と同じだ。迷ってるんなら、2つとも買えば良いんじゃね? 金なら糞大臣から多めに貰ってるから、金の事なら心配すんな!」

 

「勇綺と龍哉がそう言うんだったら、両方共買ってみるわ!」

 

 相談された勇綺と龍哉は秋に、二つの武器を両方共買う事を勧める。

 勇綺と龍哉の意見に秋は、リュートとナイフを両方共買う事にするのであった。

 




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