地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える 作:スーパーかみ
それでは、最新話をどうぞ!
四つん這いになってキョロキョロと一心不乱に何かを探している少女を、勇綺達が見据えていると……。
「! ……何よ? お兄さん達? 人をジロジロと見て……」
「えっと……。君は、もしかして……、ラズさんの娘さんのクランちゃん……かな?」
視線に気付いた四つん這いの少女は、ゆっくりと立ち上がると、怪訝な表情を浮かべながら勇綺達に問い掛ける。どうやら少女は、こちらを見据える勇綺達に警戒しているようだ。余り人が立ち入らない森の中で、見知らぬ人間がこちらを見据えていれば、少女が勇綺達に警戒するのも仕方がないだろう。
こちらを警戒する少女に、勇綺は戸惑いながらも名前を聞こうとするが……。
「人に名前を聞く前に、先ずは自分から名乗るのが礼儀じゃないの?」
「え、え〜〜と……」
「この野郎……、何て生意気な小娘なんだ……」
「はぁ……、あの娘は、別に間違った事は言ってないでしょう? 子供に正論を言われたぐらいで怒るんじゃないわよ……。大人気ない……」
名前を聞かれた少女は素っ気ない態度で、勇綺の方から名乗れと指摘する。
少女の指摘に、勇綺は戸惑っていた。まさか、十歳くらいの少女から礼儀について駄目出しされるとは、勇綺は夢にも思っていなかったのだ。
戸惑っている勇綺とは対照的に龍哉は、少女の発言と態度に、不愉快そうな表情をしながら悪態をついていた。
少女に悪態をつく龍哉を、秋は呆れながらもたしなめようとする。
「ご、ごめんね。じゃあ、自己紹介するね。僕の名前は、成神勇綺」
「あたしは、紫堂秋! よろしくね!」
「……俺は、鉄龍哉だ」
勇綺と秋は、こちらを警戒している少女を安心させようと、笑顔で自己紹介をする。
勇綺と秋とは対照的に、龍哉は嫌そうな表情をしながら少女に自己紹介をしていた。おそらく龍哉は、先程の少女の発言と態度に、相当根に持っているのだろう。
「あたしは、クラン・ティエラ! ティエラの服屋の店長、ラズ・ティエラの娘よ!」
名乗り終えた勇綺達に、少女は元気よく自己紹介をする。
「クランちゃん! 僕達は、君の事を探しに来たんだ。ラズさんが君の事を心配しているよ? 僕達と一緒にラズさんの所へ帰ろう?」
勇綺はクランに、一緒にラズの元へ帰るように促そうとするが……。
「お母さんが心配しているのは、分かったわ。でも悪いけど、あたしは、お兄さん達と一緒には帰れないよ。だって、お兄さん達が信用できる人達なのか分からないもん」
クランは、まだ警戒しているのか、勇綺の誘いを断ってしまう。
「面倒くせぇ、小娘だなぁ……。なぁ勇綺、秋? こいつ、力ずくで連れて帰ろうぜ?」
「なに、アホな事を言ってんのよ! お馬鹿!!」
「はは……」
こちらをまだ警戒しているクランに、苛立ちを覚えた龍哉は、勇綺と秋に物騒な提案をする。
秋は、物騒な提案をした龍哉を、睨み付けながら叱り飛ばした。
龍哉と秋のやり取りに、勇綺は苦笑いを浮かべていると……。
「! ちょっと、お兄さん達! 後ろ! 後ろを見て!!」
「「「?」」」
突然クランが焦ったような表情をして、勇綺達に呼び掛ける。
呼び掛けられた勇綺達は首を傾げると、クランに促されながら後ろの方へと振り向く。
後ろを振り向いた勇綺達の目の前には、草むらがガサガサと揺れていた。
「糞っ! また魔物か!?」
「秋! 君は、クランちゃんを守っててくれ!」
「分かった! クランちゃん! あたしの後ろに隠れて!! 離れちゃ駄目よ!!」
「えっ!? う、うん……」
揺れている草むらに、龍哉はスリングショットを構えながら悪態をつく。
勇綺は秋に、クランの護衛をするように指示を出す。
勇綺の指示に従った秋は、クランをこちらの後ろに隠れるように呼び掛ける。
呼び掛けられたクランは、戸惑いながらも秋の背後に身を隠す。
クランが秋の後ろに隠れている最中、勇綺と龍哉は武器を構えながら揺れている草むらを見据えていると……。
「カチカチカチカチカチカチ……」
「ジュルル……」
「グギャギャギャ、ニンゲンダァ……」
揺れている草むらの中から、三体の魔物が姿を現す。
一体目の魔物の名前は、ガイコツ。人間の死体が白骨化した骸骨系の魔物であり、体長が百七十八センチメートル位で、上の歯と下の歯を素早くカチカチと鳴らしながら勇綺達を見据えている。
次に二体目の魔物の名前は、ジャイアントスネイル。体長が百三十センチメートル位の、かたつむり型の魔物だ。身体の色は肌色で、殻の色は焦げ茶色であり、大きさ以外は勇綺達の世界のかたつむりとほとんど姿が同じである。
そして三体目の魔物は、醜い顔をした妖精、ゴブリンだ。勇綺達が、平原で一度戦った事がある魔物である。ゴブリンは勇綺達と目が合うと、醜悪な笑みを浮かべていた。
「こっち見んな! ボォケッ!!」
「グギャッ!!?」
「ジュルルッ!!?」
「カチカチカチカチカチカチ……」
龍哉は悪態をつきながら、こちらを見据えるゴブリンの顔面に、スリングショットで小石を放つ。放たれた小石は、醜悪な笑みを浮かべているゴブリンの額に直撃。
龍哉の不意打ちによって放たれた小石が、額に直撃したゴブリンは、地面の上に仰向けになりながら倒れてしまう。地面の上に倒れたゴブリンは、額から血を流したまま絶命する。
先程まで生きていたゴブリンが、突然絶命してしまった事に、ジャイアントスネイルは戸惑いを隠せずにいた。
戸惑っているジャイアントスネイルとは対照的に、ガイコツは絶命したゴブリンを気にもせず、歯をカチカチと鳴らしながら勇綺に向かって突撃。
「たあぁぁぁぁぁぁ!!!」
こちらに突撃するガイコツに、勇綺は両手で持った鉄の鍬を勢いよく降り下ろす。だがしかし、勇綺が降り下ろした鉄の鍬は、柄の部分をガイコツに、両手で受け止められてしまう。
「くっ……、このぉっ!! 離せっ!!」
勇綺は、受け止められている鉄の鍬を、ガイコツから何とか引き剥がそうとする。
「さぁて、ゴブリンの次はてめぇだ……」
「ジュルルル……」
勇綺がガイコツから武器を引き剥がそうとしている最中、ゴブリンを倒した龍哉は口角を吊り上げながら、ジャイアントスネイルと対峙していた。
ジャイアントスネイルは、龍哉に唸り声を上げながら威嚇する。
「こいつをくらえっ!! ノロマのデカつむり!!」
龍哉はジャイアントスネイルの顔に、スリングショットで小石を放つが……。
「んなっ!? はやっ!? 何で、かたつむりが素早いんだよ!!! お前は、ノロマじゃなかったのか!!?」
なんとジャイアントスネイルは、自身の身体を素早く殻の中に引っ込めたのだ。身体を引っ込めた事で、龍哉が放った小石はジャイアントスネイルの顔には当たらず、殻に直撃してしまう。だが、殻は意外と頑丈だったのか、小石が直撃しても傷一つ付いていなかった。
龍哉は、ジャイアントスネイルが素早く殻に潜り込んだ事に、目を大きく見開く。何故ならば龍哉は、ジャイアントスネイルが、こちらの攻撃を素早く殻で防ぐとは思っていなかったのだ。おそらく龍哉は、ジャイアントスネイルが、地球のかたつむりと同じで、スピードが遅い生き物だと思っていたのであろう。だが、目の前のジャイアントスネイルは、地球のかたつむりと違って、意外にも素早かったのである。これには、龍哉が驚くのも無理は無いだろう。
「おいっ! こらっ! 出てこい! 卑怯だぞ!! 糞つむり!!!」
龍哉は、殻の中に潜ったジャイアントスネイルを、何とか外に引きずり出そうと、踏みつけながら罵倒する。
しかし、いくら龍哉が踏みつけたり、罵倒したりしても、ジャイアントスネイルは殻の中から顔を出す事はなかった。
自分で書いといて言うのもあれですが……。
まだ序盤なのに、敵が何か手強いなぁ……。
それでは、感想や評価をお願いします!
※一部の文を修正しました
第28話
修正前:人間の死体が白骨化した不死系の魔物であり、体長が百七十八センチメートル位で、上の歯と下の歯を素早くカチカチと鳴らしながら勇綺達を見据えている。
修正後:人間の死体が白骨化した骸骨系の魔物であり、体長が百七十八センチメートル位で、上の歯と下の歯を素早くカチカチと鳴らしながら勇綺達を見据えている。