地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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それでは、最新話をどうぞ!


第29話 さっさと脱出するわよ!

 殻に潜ったジャイアントスネイルを、悪戦苦闘しながらも何とか引きずり出そうとしている龍哉を、秋が不安げな表情で見据えていると……。

 

「秋!」

 

「へ?」

 

 ガイコツに捕まれている鉄の鍬を、必死になって引き剥がそうとしている最中である勇綺が、突然、秋に呼び掛ける。

 クランの護衛をしながら龍哉を見据えていた秋は、こちらを呼び掛ける勇綺の方へと視線を移す。

 

「バードのスキルで、この二体の魔物を眠らせて!」

 

「わ、分かった!」

 

 勇綺は秋に、ガイコツとジャイアントスネイルを、バードのスキルで眠らせるように指示を出す。

 勇綺からの指示に従った秋は、戸惑いながらも首を縦に振る。

 

「さあ、眠っちゃいなさい! バードスキル〝うたう〟発動! 〝子守唄〟!!」

 

 秋はリュートを爪で弾くと、空中に漂う、音符の形をした白い魔力弾を出現させる。

 

「Zzz……」

 

「ね、寝てやがる……。ゴブリンの時と同じだ……。何で?」

 

 秋のスキルによって出現した、空中に漂う、催眠効果を持った白い音符型の魔力弾は、ジャイアントスネイルとガイコツの方へと飛んでゆく。飛んでいった白い音符の魔力弾は、ジャイアントスネイルとガイコツに着弾。

 魔力弾が着弾したジャイアントスネイルは、殻に潜ったまま、いびきをかきながら眠ってしまう。

 龍哉は、殻に潜ったジャイアントスネイルが、突然、いびきをかきながら眠ってしまった事に戸惑っていた。どうやら龍哉は、平原のゴブリンの時と同じように、ジャイアントスネイルが眠ってしまったのは、秋の仕業であると、未だに気付いていないようである。

 

「まぁ、眠っているならこのまま放置しても大丈夫そうか……。それよりも今は、勇綺達の加勢に行かねぇと!」

 

 龍哉は、殻に潜ったまま眠っているジャイアントスネイルを、その場に放置しても問題ないと判断すると、直ぐ様、勇綺達の加勢に向かう。

 

「カチカチカチ……」

 

「なっ、何で、こいつだけ眠ってないんだ!?」

 

「嘘っ!? 何で!!?」

 

 いびきをかきながら眠っているジャイアントスネイルとは対照的に、ガイコツは、秋が飛ばした催眠効果を持った音符型の魔力弾が着弾しても、全く動きを止めていなかったのだ。

 秋の子守唄が効かないガイコツは、勇綺を見据えながら歯をカチカチと鳴らしていた。まるで、勇綺を嘲笑っているかのようである。

 催眠攻撃を受けても平然と動いていられるガイコツに、勇綺と秋は目を丸くしながら驚いていた。まさかガイコツが、催眠攻撃を受けても平然としていられるとは、勇綺と秋は想像すらしていなかったのである。

 

「うげぇっ!!?」

 

「勇綺!!?」

 

 ガイコツは右足で、こちらに目を丸くして隙だらけになっている、勇綺の腹部を蹴飛ばした。

 蹴飛ばされた勇綺は、ガイコツに捕まれていた鉄の鍬を、両手から手を放してしまうと、そのまま地面の上に仰向けになって倒れてしまう。

 秋は、倒れた勇綺の安否を心配すると……。

 

「!! 勇綺!!? この、骨野郎っ!! 何してくれとんじゃあぁっ!! てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

「龍哉!?」

 

 加勢に向かった龍哉は、勇綺を攻撃したガイコツに怒りを露にする。

 秋は、怒りを露にした龍哉の方へと振り向く。

 

「ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

 勇綺を蹴飛ばしたガイコツに、龍哉は攻撃を仕掛けようと突撃する。そして龍哉は、ガイコツの頭部に飛び蹴りを放つ。

 

「!?」

 

「んげっ!? 頭が取れても立ってるし!? 何なのよ、こいつ!!?」

 

 龍哉の飛び蹴りによって、ガイコツの頭部は草むらの方へと飛んで行く。だが、頭が取れたガイコツの胴体は、絶命して倒れる事はなく、その場に立っていた。

 龍哉と秋は、頭部を失っても立っていられるガイコツの生命力に、目を大きく見開く。

 龍哉と秋が驚いている最中、胴体だけになったガイコツは、勇綺から引き剥がした鉄の鍬を地面に放り投げると、頭部があった箇所を両手で触れる。すると、両手で触った箇所に、自身の頭部が無い事にガイコツは気付く。

 そして、飛んで行った頭部を探そうとガイコツは、よろめきながら歩き出す。

 だがしかしガイコツは、頭部が飛んで行った草むらの方向とは、逆の方へと歩いていた。おそらくガイコツは、龍哉の攻撃によって頭部が飛んで行ってしまったので、目の前が見えてい無いのだろう。

 胴体だけになって目の前が見えていないガイコツは、勇綺達と頭部が飛んで行った草むらの方向から、どんどん離れて行く。そしてガイコツは、頭部が飛んで行った草むらとは、逆方向の草むらの中に入ると、そのまま森の奥へと消えていった。

 

「「勇綺!」」

 

 龍哉と秋、そしてクランは、勇綺の方へと駆け寄る。

 

「大丈夫か!?」

 

「怪我は無い!?」

 

「いてて……。腹部辺りに、まだ痛みが少しあるけど……、この程度なら問題なく動けるし、大丈夫だよ……。だから、心配しないで二人共」

 

 駆け寄った龍哉と秋は、勇綺の身体を気遣う。

 こちらを心配する龍哉と秋を安心させようと勇綺は、自身の身体の怪我が軽傷であった事を伝える。

 すると……。

 

「勇綺お兄さん……。これ……、使って……」

 

「「「!?」」」

 

 クランは、肩に斜め掛けにしていた水色の布製のショルダーバッグから、透明な液体が入った小瓶を一本取り出す。クランが取り出した小瓶は、回復アイテムのポーションだ。

 取り出したポーションを、クランは勇綺に手渡す。

 勇綺達は、クランの行動に目を大きく見開く。つい先程まで、こちらに警戒していたクランが、怪我をした勇綺にポーションを手渡したのである。これには、勇綺達が驚くのも無理は無いだろう。

 

「え……、あ、ありがとう……。クランちゃん」

 

 手渡されたポーション入りの小瓶を受け取った勇綺は、戸惑いながらもクランに感謝をする。

 そして勇綺は、クランから手渡されたポーションを、一気に飲み干す。すると、勇綺の口の中に、ポーションの爽やかな苦味が広がって行く。

 

「うぁぁぁ……」

 

「だ、大丈夫か? 勇綺?」

 

 口の中に広がったポーションの苦味に、勇綺は顔をしかめる。

 龍哉は、苦味に顔をしかめている勇綺の身体を、戸惑いながらも気遣う。

 

「クランちゃん……。もしかして、あたし達の事を信用してくれ……たの?」

 

 ポーションの苦味に顔をしかめている勇綺を龍哉が気遣っている最中、秋はクランに恐る恐る、こちらを信用してくれたかどうか、問い掛けると……。

 

「うん、まぁ……、一応……ね? あたしの事を命懸けで守ってくれたし……。秋お姉さん達の事を少しだけ信用するよ……」

 

 どうやらクランは、こちらを命懸けで守ってくれた秋達の事を、一応信用してくれたようである。

 

「じゃあ、クランちゃん。お願い、あたし達と一緒にラズさんの所へ帰ろう? ラズさんが心配しているよ?」

 

 秋は優しく微笑みながらクランに、ラズの所へ一緒に帰るようにお願いすると……。

 

「う〜〜ん……、ホワイトラビットを、まだ見つけてないけど……。でも、これ以上探しても見つかりそうも無いから、秋お姉さん達と一緒にお家に帰るよ……」

 

 秋からの頼みにクランは、しぶしぶながらも聞き入れる。

 

「勇綺! 龍哉! はやく、クランちゃんと一緒に帰るわよ!」

 

「あ、うん!」

 

「おう!」

 

 クランがこちらの頼みを聞き入れると秋は、勇綺と龍哉を呼び掛ける。

 勇綺は、地面に放り投げられた鉄の鍬を回収すると、龍哉と一緒に、こちらを呼び掛ける秋の方へと歩き出す。

 

「じゃあ、この森からさっさと脱出するわよ!」

 

 秋達はクランを連れて、急いで森から脱出するのであった。

 




ヒロインを登場させたい……
ヒロインを登場させたい……
ヒロインを登場させたい……

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