地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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異世界に転移しました!

それでは、最新話をどうぞ!


第1話 自己紹介

「おお! 遂に成功したかっ!!」

 

 教室に出現した魔法陣から発せられた光を遮る為に、両手で顔を覆いながら目を閉じていた勇綺は、誰かの声に反応して、ゆっくりと閉じた目を開く。

 

(……ここは?)

 

 勇綺は、周りを見渡すと部屋はとても広い。壁と天井には豪華な装飾がされており、床には大理石を使っているのか、綺麗な光沢が放っている。

 その大理石の床には、なにやら魔法陣のような物が描かれていて、勇綺達はその上に立っていた。よく見ると、その魔法陣は勇綺達の教室に出現した、黄色く光る魔法陣とそっくりである。

 次に勇綺の視界に入ったのは、目の前にいる、豪華な装飾をされた大きな椅子に座っている、優しい表情をした五十代後半の男性だ。その男性は、高そうな西洋風の衣服と沢山の宝石がちりばめられた王冠を身に着けており、まるでファンタジー系の創作物に登場する王様キャラクターを彷彿させている。

 その王冠の男性の側には、カールさせた巻き髭が特徴的な中年男性が立っていた。身に着けている衣服は、王冠の男性と同じく豪華な衣服を身に着けており、高貴な雰囲気を漂わせている。

 勇綺は、王冠の男性と巻き髭の男性から、周囲にいる人達に目を映す。そこには、重そうな青い鎧を纏い、その上に赤いマントを身に付けた男と銀色の鎧を纏った騎士達が立っていた。更には、黒いローブを身に着けた魔導師風の人達も居り、その魔導師風の人達は皆、魔法陣が描かれた床の周りに座り込んだ状態で、どこか疲れた表情を浮かばせている。

 

「う、嘘でしょ……? 何処なの? 此所?」

 

「マジかよ……」

 

 勇綺の背後で秋と龍哉は目を丸くしながら、勇綺と同じように周囲を見渡していた。突然、絢爛豪華な大広間やファンタジー系の衣装を纏った人達が目の前に出現したことで、二人は動揺を隠せずにいるのだろう。

 そして、この場所に来てから平静な表情をしている勇綺も、後ろの二人と同じように内心は動揺をしている。だが、こういった展開のファンタジー系の創作物をいくつも読んできた経験からなのか、後ろの二人よりは冷静でいられた。

 

「オホン! さて、そろそろ自己紹介を始めても良いかな? そなた達の名前を知りたいからのう」

 

「へっ!? あ……、は、はい!」

 

 この光景に愕然としている三人から視線を集める為に、王冠の男性は咳払いを一つして、目の前にいる勇綺に優しく話しかける。

 いきなり話しかけられて、勇綺は戸惑いながらも王冠の男性の問い掛けに返事をした。

 

「先ずは私から……。私はランドロック王国の王、オドワルド・ペブル・ランドロックと申します。以後、お見知り置きを……」

 

 オドワルドは穏やかな表情で、勇綺達に丁寧な自己紹介をする。

 

「では、そなた達の名を聞こうか?」

 

「え、えっと……、僕は、成神勇綺と言います!」

 

「あ、あたしは、紫堂秋です!」

 

「ハァ……。鉄龍哉だ……」

 

 オドワルドは自己紹介を終えた後、勇綺達に自己紹介を促す。

 オドワルドに自己紹介を促された勇綺は、彼が王様であるせいか、緊張気味に自分の自己紹介をする。

 勇綺に続くように秋も自己紹介をするが、彼女も勇綺と同じく、オドワルドが王様であったせいか緊張気味に自己紹介をしてしまう。

 戸惑いながら自己紹介をした二人とは対照的に、龍哉は何処か面倒くさそうな表情を浮かべながらため息をついた後、自己紹介をした。

 

「貴様! 王に向かってその態度は何だ! 無礼だぞ!!」

 

「あ? んだよ? てめぇ……」

 

「ひぃぃぃぃぃ!! 龍哉ぁぁぁぁぁ!! 何やってんのぉぉぉぉぉぉ!!! 王国の人に喧嘩を売らないでぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

「あ、秋、落ち着いて!」

 

 勇綺達の周りにいる銀色の鎧騎士達と一緒にいた、青い鎧と赤いマントを身に付けた男が、龍哉の自己紹介をする態度が気にくわなかったのか、彼を怒鳴り付ける。

 龍哉は、怒鳴り付けてきた青い鎧の男を喧嘩腰で睨み付けた。

 そんな龍哉の態度に秋は、一瞬にして顔を青ざめる。そして、両手で両頬を押えた状態で叫びながら彼の態度を咎めた。

 勇綺は、大慌てをしている秋を何とか落ち着かせる為に、彼女をなだめようとする。

 

「止めんか! 兵隊長! 私は気にしとらん!!」

 

「う……。そ、そうですか……」

 

 今にも龍哉と一悶着起こしそうな青い鎧の男に、オドワルドが一喝。どうやらオドワルドは龍哉の無礼な態度については、特に気にしてはいないようだ。

 兵隊長と呼ばれた青い鎧の男は、渋々ながらオドワルドの指示に従う。

 

「すまんな……。兵隊長は少々真面目なんだ、許してやってくれないか?」

 

(良かった……。優しい王様で……)

 

「い、いえいえっ! そんなっ! 悪いのは、無礼な態度をとった龍哉が悪いのですから! 王様が謝る必要なんて無いですよ!! 寧ろ、無礼な態度をとった龍哉を寛大なお心で許して頂き、ありがとうございます!!!」

 

「ふぁ〜〜……」

 

 オドワルドは、兵隊長が龍哉に向かって怒鳴り付けた事について、勇綺達に謝罪をする。

 勇綺は、無礼な態度をとった龍哉を許そうとする、オドワルドの寛大さに胸を撫で下ろした。

 オドワルドからの謝罪に、秋は慌てふためきながら彼を気遣う。更に無礼な態度をとった龍哉を、寛大なお心で許して貰った事への感謝もした。

 秋がオドワルドに感謝をしている最中、事の発端である龍哉はと言うと、まるで悪びれる様子もなく、のんきに欠伸をしている。

 すると……。

 

「龍哉! 欠伸なんかしてないで、王様の寛大さに感謝をしなさい!! この、お馬鹿!!!」

 

「いてぇっ!! 秋っ! てめぇっ!!!」

 

 空気を読まずに欠伸をしていた龍哉に、秋は龍哉の頭をおもいっきりひっぱたく。

 頭をひっぱたかれた龍哉は、自分の頭を叩いた秋を睨み付けるが……。

 

「何?」

 

「……イエ、ナンデモアリマセン」

 

 龍哉に睨まれた秋は、負けじと龍哉を睨み返す。

 秋の放つ威圧感に圧倒されたのか、龍哉は言葉が片言になりながら大人しく引き下がった。

 

「よしっ! じゃあ、王様と兵隊長さんに、ちゃんと謝りなさい!! 良いわね?」

 

「うっ……。王様……、兵隊長……、失礼な態度をとって、す、すまなかった……」

 

(こえぇ〜〜……)

 

 そして秋は、威圧で大人しくさせた龍哉に、謝罪をするように促した。

 龍哉は秋に言われるがまま、渋々オドワルドと兵隊長に謝罪をする。

 幼なじみ二人のやり取りを見ていた勇綺も、龍哉を黙らせた秋の威圧感に、冷や汗をかきながら震え上がっていた。

 

「コホン! では、本題に入るとしようかの?」

 

「「「!」」」

 

 秋と龍哉のやり取りが終えると、オドワルドは此方に注目をさせる為に、再び咳払いをしてから話しを切り出す。

 勇綺、龍哉、秋は、咳払いをしたオドワルドに視線を移した後、彼の話に耳を傾けるのだった。

 




今回の話はここまで!

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