地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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最新話です!
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第42話 静かにして下さい

(ん〜~……、魔法道具の製造法? 魔法と同じ効果がある道具の作り方か……。これは、ホムンクルスの情報とは関係無さそうだな……。む〜~、どこだ……。ホムンクルスの情報が載っているページは……)

 

 勇綺は本棚で見つけた本、【錬金術とホムンクルス】を読みながら、何故マシロがバニラと同じ姿をしているのか、その謎について調べていた。

 

(ん!? こ、これは……! ホムンクルスの製造法!?)

 

 黙々と本のページをパラパラとめくっていた勇綺は、目を大きく見開く。何故ならば、探していた、ホムンクルスについての情報が記載されているページを発見したからだ。

 

(やった! 見つけた! きっと、この情報なら、マシロの姿についての謎が解けるはず!!)

 

 ホムンクルスの情報が記載されているページを見つけた勇綺は、胸の中で喜ぶ。

 早速勇綺は、ホムンクルスについての情報が記載されているページを読み始める。

 

(なになに……。《ホムンクルスとは、錬金術師が錬金魔法によって作り出した人造生命体である。作り方は、フラスコに人間の血肉と骨粉、それと数種類のハーブの粉末と魔草の粉末に、聖油とエリクサーを加えて、それらを百二十日密閉して材料を腐敗させた後、その腐敗した物を錬金魔法で錬成して、フラスコ内にゲル状の赤黒い生物が出来上がればホムンクルスの完成である。》なるほど……、マシロは生まれた時から、バニラさんと同じ姿をしていたわけじゃなかったのか……。しかし……、このページは、ホムンクルスの姿についての情報がほんの僅かしかないな……。う〜〜ん、この僅かな情報だけじゃあ、マシロの姿についての謎が調べられない……。ならば、次のページを開いてみるか……)

 

 ホムンクルスの製造法を読んだ勇綺は、このページに記載されている情報だけでは、マシロの姿についての謎を解く事が出来なかった。勇綺は、ホムンクルスの姿についての情報を更に集めようと、読んでいた本のページを一枚めくる。

 

(このページには、ホムンクルスの育て方が記載されているな……。ん? あ、あった!! マシロの姿についての情報が!!?)

 

 本をめくった次のページに、勇綺は目を大きく見開いた。何故ならば、そのページには、ホムンクルスの育て方だけではなく、マシロの姿についての情報が記載されていたからだ。

 勇綺は早速、探していた情報が記載されている部分を読み始める。本の情報によると、一年間、動物性の流動食を与え続けて、ゲル状の生物から人の姿の生物に成長したホムンクルスの職業と姿は、材料に使われた人間の血肉と骨粉から受け継がれるらしい。更に、受け継がれるのは職業と姿だけじゃなく、極稀にだが、記憶や性格も継承される事があると記載されていた。

 

(なるほど……、マシロの姿がバニラさんに似ていたのは、バニラさんが自分の血肉と骨粉を材料に使ったからか……。でも、何でバニラさんは、自分自身を傷付けてまで、自分にそっくりのホムンクルスを作ろうとしたんだろうか? う〜〜ん……)

 

 本に記載されていた情報によって、マシロの姿がバニラと似ていた理由に、勇綺は納得する。

 だがしかし、この本に記載されている情報を読んだことで、勇綺の中に新たな謎が生まれてしまう。何故、バニラは、自分自身の身体の一部を材料にしてまで、自分の姿にそっくりなホムンクルスのマシロを作ろうとしたのか。勇綺は、ホムンクルスを作ろうとしたバニラの目的について、頭を悩ませていると……。

 

「おい、見ろよ……」

 

「おわ、かっわいい〜~」

 

「どこの娘かしら……? それにしても綺麗……」

 

「肌が白い……。美しいな……」

 

(? 何だ? 何だ?)

 

 勇綺が頭を悩ませていると、図書館の利用者達の話し声が聞こえてくる。話し声が気になった勇綺は、読書を一旦中断して、一方向を凝視している利用者達の方へと近付く。

 そして……。

 

(!? マ、マシロ!?)

 

 一方向を凝視していた利用者達と同じ方向を見据えた勇綺は、目を大きく見開く。何故ならば勇綺が見据えた先には、マシロがいたからである。

 マシロは、勇綺と図書館の利用者達の視線を気にもせず、本棚の中から本を探していた。

 

「お、俺、声掛けてみよう……かな?」

 

「なっ!? 抜け駆けをする気か!? 俺が声を掛ける!」

 

「いんや! あの美しい娘は、オラが声を掛けるだーーよっ!!」

 

「何を言っているんだね? 君達? 彼女に声を掛けるのは、僕が先だ! 君達は、黙っててくれ!!」

 

「ウヒヒッ、ぼ、ぼぼ僕が、あ、あの娘に声を掛けるんだ! あ、あの娘は、ぼ、僕の嫁だっ!! ヒヒッ」

 

(ウェェ……。突然、な、何いってんだ? こ、こいつらは!?)

 

 視線の先にいるホムンクルスの神秘的な美しさに、すっかり魅了された利用者達は、マシロを巡って言い争いを始めてしまう。

 勇綺は、突然、しょうもない事で言い争いを始めた利用者達に、戸惑いを隠せずにいると……。

 

「あの……」

 

「「「「「へ!? は、はい!!?」」」」」

 

(? マシロ?)

 

 口論をしている利用者達に、マシロが突然、呼び掛ける。

 呼び掛けられた利用者達は、慌てふためきながらマシロの方へと振り向く。

 勇綺も、口論をしていた利用者達に続くように、マシロがいる方を振り返る。

 

「図書館内では、静かにして下さい……。他の利用者の方の迷惑になりますので……」

 

 どうやらマシロが呼び掛けたのは、口論をしている利用者達に注意をする為だったようだ。

 

「う、うう……」

 

「え、え〜~と……」

 

「あわわわ……」

 

「うぐぐ……」

 

「は、はひ……」

 

 マシロに注意をされて、動揺をしたマナーの悪い利用者達は、辺りを見回すと……。

 

「あの娘の言うとおりだよな……」

 

「うるさいよなぁ……」

 

「静かにしろよ……」

 

「ルールも守れないのかしら……」

 

「迷惑をかけるんなら、出ていってほしいわ……」

 

「最悪……」

 

 周囲にいた利用者達は、マナーの悪い利用者達に、冷たい視線を向けながら愚痴をこぼす。

 多くの人達の冷たい視線に、居心地が悪く感じたマナーの悪い利用者達は、まるで逃げるかのように、この場から去ってゆく。

 

(やっぱ綺麗だなぁ……、マシロは……。雪のように白い髪と白い肌は、凄く美しいし……。それに、スタイルも良い……。こんな可愛い娘と一緒に冒険ができたら、きっと楽しいんだろうな……)

 

 マナーの悪い利用者達が去った後、勇綺は、またもやマシロに見惚れてしまう。

 

「勇綺様? どうかしましたか?」

 

「へあっ!? べ、別に、な、何でもないよ。あ、そ、そうだ。マ、マシロは、どうして図書館に居るんだい?」

 

 こちらに視線を向ける勇綺に、マシロは問い掛ける。

 問い掛けられた勇綺はマシロに、先程まで見惚れていた事を悟られないように、笑顔で誤魔化しながら、図書館に訪れた理由を問いただす。

 

「私が図書館に来たのは……、薬を作るのに必要な薬草について調べる為です……」

 

 勇綺の問い掛けにマシロは、図書館に訪れた理由について返答をする。

 

「あ〜~。そ、そうか……。じゃ、じゃあ、調べ物、が、頑張ってね? 僕も、そろそろ、魔物についての本を探そうかなと思うから……。そ、それじゃ……」

 

 返答を聞いた勇綺は、マシロにエールを送った後、当初の目的を果たす為に、その場から立ち去ろうとすると……。

 

「待って下さい、勇綺様」

 

「え?」

 

 立ち去ろうとする勇綺を、突然、マシロが呼び止める。

 呼び止められた勇綺は、マシロの方へと振り向いた。




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