地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える 作:スーパーかみ
それでは、どうぞ!
(な、何だろう……? 急に呼び止めて……。もしかして僕……、マシロに何か不快にさせるような事をしちゃったの……かな? いや、でも……。ほんの少し、会話をしただけだし……。そこまで不快にさせるような事は、していないと思うんだけど……。う〜~ん……、マシロは何故、僕を呼び止めたんだ……)
勇綺は戸惑いながらも、マシロに呼び止められた理由について思案していると……。
「勇綺様は、魔物の本を探しているのですか?」
「う、うん……。僕達は弱いから、少しでも敵との戦闘を楽にする為に、魔物についての情報が記載された本を探しているんだ……」
マシロは勇綺に、魔物の本探しをしている事について問いただす。
問い掛けられた勇綺は、戦いを有利にする為に、魔物の情報が記載された本を探している事を、マシロに返答すると……。
「それでしたら確か、この辺りの本棚に……。有りました」
マシロは、自身の側に置かれている大きな本棚の中から、一冊の本を取り出す。そして、取り出した本を、勇綺が居る方へと見せる。
「あ、ありがとう……。本を探してくれて……」
感謝をした勇綺は、本を手に取ろうとマシロの方へと近付く。
すると……。
「あ……」
「!?」
本を手に取ろうと近付いた勇綺は、足がもつれてつまづき、近くにいたマシロを巻き込みながら床の上に倒れてしまう。
「いててて……。ん?」
床の上に倒れてしまった勇綺は、ゆっくりと起き上がろうとすると、何やら右手に違和感を覚える。何故ならば、違和感を覚えた右手には、マシュマロのような柔らかい感触が伝わってきたのだ。
「んんっ!!?」
勇綺は、この柔らかい感触の正体を確かめようと右手の方を見据えると、目を大きく見開いてしまう。何と勇綺の右手は、マシロの左乳房を鷲掴みにしていたのだ。おそらく足がもつれてつまづいて、近くにいたマシロを巻き込みながら倒れた時、偶然にも彼女の左乳房を鷲掴みにしてしまったのだろう。
「勇綺様……」
「!? あ、あ、あの……、こ、これは……、ち、違うんだ! わ、わざとじゃなくて……。え、えと……、そ、その……、ご、ごめ……」
いきなり、こちらを押し倒しただけじゃなく乳房を鷲掴みにする勇綺に、マシロは怒ったり、叫んだりもせず、無表情のまま呼び掛ける。
呼び掛けられた勇綺は、女の子の胸を鷲掴みにした事でテンパってしまったのか、しどろもどろに自己弁護しながら、マシロに謝罪をしようとすると……。
「な、何やってんのよ……、あんた……」
「!?」
突然、聞き覚えのある声に呼び掛けられた勇綺は、恐る恐る、こちらに話し掛けてきた人物がいる方へと振り向く。勇綺が振り向いた先には、図書館の下の階で魔物の本探しをしていたはずの秋と龍哉が、こちらを見据えながら立っていたのだ。
「レグルスさんに、魔物の本の在り処を教えてもらったから、ここに来てみれば……。あんた……、何、女の子を襲ってんのよ……」
秋は、マシロを襲っているようにも見える勇綺に、鬼のような形相で睨み付けながら問い掛ける。
「はひっ!!? ち、違うんだ、秋! こ、これは……、お、襲っている訳じゃ……」
問い掛けられた勇綺は、鬼の形相でこちらを睨み付ける秋に、ビビりながら自己弁護をしようとするが……。
「襲ってない? マシロの胸を鷲掴みにしながら、良くそんな言い訳ができるわね!」
「へ? あっ! そ、そうだった!」
自己弁護をする勇綺に、秋は、未だにマシロの胸を鷲掴みにしている事を指摘する。
秋からの指摘に勇綺は、自身が未だにマシロの左乳房を鷲掴みにしていた事に気付く。おそらく勇綺は、秋に、この状況を見られて焦ってしまい、今までマシロの胸を鷲掴みにしていた事を、頭の中から忘れてしまっていたのだろう。
「とりあえず言い訳なんかしてないで、マシロの胸から、さっさと手を放しなさい! この、お馬鹿!!」
「げふんっ!!?」
目の前の幼馴染が、女の子の胸を鷲掴みにしている事に怒り心頭の秋は、勇綺の頭に強烈なチョップを叩き込んだ。
秋から、強烈なチョップを頭に叩き込まれた勇綺は、変な断末魔をあげてしまう。すると、頭を叩かれた衝撃によって、マシロの胸から勇綺の右手が放れる。
「ううぅ……、襲ってないのに……。酷い……。理不尽だ……」
「ふん! 愚痴をこぼす前に、マシロに謝りなさい!」
叩かれた箇所を擦りながら勇綺は、理不尽な仕打ちをした秋に愚痴をこぼしてしまう。
愚痴をこぼす勇綺に、秋は鼻を鳴らすと、睨み付けながら言い返す。
「! う……、た、確かに……、そ、そうだ……。え、えっと……。マ、マシロ! さ、さっきは、ごめんなさい!」
秋の言葉に納得した勇綺は、既に起き上がっているマシロに、土下座をしながら謝罪をする。
すると……。
「勇綺様、先程の事について、私は気にしてはいません。一瞬ですが、勇綺様が足をもつれさせて、つまづいているところが見えましたので……。先程の事は、わざとじゃないと分かっています。だから、顔を上げてください……」
「!? ゆ、許してくれる……の? あ、ありがとう! マシロ!」
「おお、あっさり許した。心が広いねぇ……。マシロ、マジ天使!」
(いやいや、わざとじゃないからって、そう簡単に許せるもんじゃないでしょ……。文句の一つや二つくらい、言ったりするもんじゃないの? 何なのよ……、この娘……)
胸を鷲掴みにされた事について気にしていなかったマシロは、土下座をしている勇綺に、顔を上げるように促す。
許してくれたマシロに、勇綺は顔を上げながら感謝をする。
勇綺が顔を上げて感謝をしている最中、龍哉は、胸を鷲掴みされた事について、あっさり許したマシロの心の広さに称賛していた。
称賛する龍哉とは対照的に秋は、胸を鷲掴みにした勇綺をあっさり許したマシロに、目を大きく見開きながら戸惑ってしまう。
「あ、そうでした。勇綺様、この本を受け取って下さい」
「あ、これ……」
秋が戸惑っている最中、マシロは手に持っている本を勇綺に手渡す。
勇綺は、マシロから渡された本に視線を移す。渡された本は、勇綺達が探していた魔物の情報が記載されている書物であった。
「それでは私は、調べ物がありますので……」
本を勇綺に渡したマシロは、ゆっくりと立ち上がると、再び本棚の中から薬草についての情報を探し始める。
(本を探すのに夢中になっている、マシロの横顔も可愛いな……)
薬草についての情報収集をしているマシロの横顔に、勇綺が見惚れていると……。
「おい、勇綺? その本は、何だ?」
「へっ!? あ、ああ……。これは、僕らが探していた魔物の情報が記載されている本だよ」
見惚れている勇綺に、龍哉が突然、マシロから渡された本について問いただす。
問い掛けられた勇綺は、慌てながら立ち上がると、龍哉に、魔物についての情報が記載された本であると返答をする。
「おお、見つかったのか! やったな!」
「やったじゃん! 勇綺!」
勇綺からの返答に、龍哉と秋は、目的の本が見つかって、嬉しそうに顔をほころばせるのであった。
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それにしても、まだ第一章終わんねぇな……。