地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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第44話 魔物対策 その1

「よしっ! 目的の本が手に入ったし……。何処か、読書ができる場所を探しに行くとしますか!」

 

「ええ、そうね」

 

 マシロの協力によって目的の本を手に入れた龍哉と秋は早速、読書ができる場所を探し行こうと歩き出す。

 だが、勇綺だけは、その場から移動しようとはせず、マシロの方へと振り向く。

 

「あ、あの……、マシロ」

 

「?」

 

 振り向いた勇綺は、棚から本を探しているマシロを呼び掛ける。

 呼び掛けられたマシロは、本探しを一旦中断して、勇綺の方へと視線を移す。

 

「え、えっと……。し、調べ物、が、頑張ってね! そ、それじゃ!」

 

 こちらを見据えるマシロに、勇綺は照れながらエールを送ると、読書ができる場所を探しに歩き出した龍哉と秋の後を、見失わないように駆け足で付いて行く。

 エールを送られたマシロは、龍哉と秋の後を駆け足で付いて行く勇綺の後ろ姿を、見えなくなるまで見据えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無いな……」

 

「う〜~ん……」

 

「何処かしら……」

 

 マシロと別れた後、龍哉と勇綺、そして秋は、上の階で読書をする為の部屋をくまなく探していた。だが、この上の階には、下の階にあった、読書部屋が無かったのである。

 すると……。

 

「なぁ、勇綺、秋。どうも、この上の階には読書部屋がねぇみてぇだ……。わざわざ下の階の読書部屋まで、歩いて行くのは面倒いからよぉ……。仕方がねぇから、このソファーに座ろうぜ?」

 

 下の階の読書部屋まで歩いて、そこで読書をするのは面倒だと思っている龍哉は、勇綺と秋に、上の階の本棚の近くに配置されている三台の一人掛けのソファーに座って読書をする事を提案する。

 

「う〜~ん、そうだね……。くまなく探しても、この上の階には、読書部屋が無かったし……。下の階の読書部屋まで歩いて、そこで読書をするのも面倒だから……、このソファーに座って読書をした方が良いかな?」

 

「あたしも、龍哉の提案に賛成!」

 

 龍哉の提案に賛同した勇綺と秋は、早速、本棚の近くに配置されている三台の一人掛けのソファーに腰を掛けてゆく。

 ソファーに座ると、勇綺達は早速、手に入れた本、【魔物図鑑〜ランドロック編〜】を読み始める。

 

(((おお、ゴブリンのイラストが凄いリアルだ……)))

 

 図鑑を開いた勇綺達が最初に見たものは、ゴブリンのイラストだ。図鑑に描かれたゴブリンのイラストは、かなりリアルに描かれており、今にも本の中から飛び出して、こちらに襲い掛りそうな程、迫力があったのである。イラストの迫力に圧倒されながらも勇綺達は、ゴブリンについての能力と説明が記載されたページに視線を移す。

 

「え〜~と……。僕達が、平原で戦った魔物、ゴブリンだけど……。この図鑑によると、こいつは、この世界で最弱の魔物だけど……、戦闘職以外が戦ったりすると、それなりに手強いみたいだ……。でも、ステータスは全体的に低めだし、武器攻撃や魔法攻撃、更に状態異常への耐性が無いだけじゃなく、特殊能力も無いから、しっかりと対策さえ考えていれば、僕達でも簡単に倒せるみたい……。とりあえず、またゴブリンと戦う事になったら……、平原で戦った時と同じように、秋がスキルで眠らした後、その隙に眠ったゴブリンを倒そうと思う。どうかな? この作戦? この作戦なら、戦闘職じゃない僕達でも、安全にゴブリンを倒せると思うんだけど……」

 

「オーケー、わかったわ。次、ゴブリンに出会ったら、先手必勝であたしのスキルで眠らしてやるわ」

 

 勇綺は、平原で戦った時と同じように、ゴブリンを秋のスキルで眠らしてから倒す事を提案する。今の自分達の職業やステータスを考えると、ゴブリンを安全に倒すには、眠らせた敵の隙きをついて攻撃をするのが、最善な方法といえるだろう。

 勇綺の作戦に、秋は得意気な表情をしながら納得すると……。

 

「ちょっと、待て。今まで、ゴブリンやデカつむりが突然眠りだしたのは、秋がスキルで眠らせてたって事か?」

 

 二人のやり取りを聞いた龍哉は、今頃になって、ゴブリンとジャイアントスネイルが突然眠りだしたのは、秋の仕業である事に気が付く。

 

「え? 嘘……。あ、あんた……、あたしがスキルを使って魔物を眠らせた事に、今まで気付いていなかった……の?」

 

 ゴブリンとジャイアントスネイルがスキルによって眠らされていた事に、ようやく気が付いた龍哉に、秋は、目を大きく見開いてしまう。何故ならば秋はてっきり、龍哉は勇綺と一緒に、こちらがスキルを使って、魔物を眠らしている所を見ていると思っていたからだ。魔物をスキルで眠らせた事に今まで気付かなかった事について、秋は恐る恐る、龍哉に問い掛ける。

 すると……。

 

「あ〜~、すまん……。お前がスキルを使ってサポートをしている所は見ていなかったんだよなぁ……。あの時は、勇綺と秋を守る事しか考えていなかったしよ……」

 

 問い掛けられた龍哉は、幼馴染達を守る事で頭の中がいっぱいだった為、秋がスキルを使ってサポートをしている所を見ることができなかったようだ。

 

「何か、龍哉らしい理由だね……」

 

「はぁ……、それでも、あたしがスキルで魔物を眠らせた事に今頃気付くのは遅過ぎでしょう……」

 

 幼馴染達を守る事に集中して、秋がスキルを使っている所を見ていなかった龍哉に、勇綺は顔を綻ばせていた。

 勇綺とは対照的に秋は、幼馴染達を守る事に集中するあまり、こちらがスキルを使ってサポートをしていた事に、今頃気付いた龍哉に、ため息を付きながら愚痴をこぼす。

 

「気付くのが遅れて、本当に悪かったよ……。な、なぁ? 俺のことよりもさぁ……、次のページをめくろうぜ? はやく、魔物についての情報を集めねぇとな!」

 

「え、あ、う、うん……」

 

「まぁ……、確かに、それもそうね……」

 

 愚痴をこぼされて気まずくなった龍哉は、何とか話題を変えようと、勇気と秋に、魔物についての情報収集を再開するように促す。

 龍哉の言葉に、勇綺と秋は納得すると、再び情報収集を始めようとする。

 

「あの平原には、ゴブリン以外の魔物も棲息しているみたいだよ……。しかも、朝と夜では、出現する魔物が違うみたいだね……。え〜〜と、朝に出現する魔物は……、ゴブリン、意地悪兎、ワイルドボア、キラーチキン、リザード、人食い花、ブルームースが出現するみたいだ……。う〜~ん、なかなか多いな……」

 

「けっこうな種類の魔物が居たんだな……」

 

「うひゃ〜~、朝だけで、こんなに種類がいるの? 対策するの、めちゃくちゃ大変じゃん……」

 

 図鑑に視線を移した勇綺と龍哉、そして秋は、平原に棲息している魔物の種類の多さに、目を大きく見開いてしまう。

 

「う〜~ん、この図鑑の情報によると、獣系の魔物、意地悪兎とワイルドボアは、火属性攻撃が弱点で、更に武器攻撃や状態異常への耐性も無いみたいだ。ならば、この二体は、秋のスキルで何とかなりそうだな……」

 

「また、あたしのスキルで何とかなっちゃうの?」

 

「秋のスキル、すげぇ〜~」

 

 勇綺は、図鑑に掲載されている情報から、意地悪兎とワイルドボアの対策を思い付く。

 勇綺がひらめいた対策に、秋と龍哉は、バードのスキルの性能の高さに、目を丸くするのであった。




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※一部の文を修正しました

修正前:第44話 魔物対策(前編)

修正後:第44話 魔物対策 その1
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