地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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今回も、魔物対策になります。

それでは、最新話をどうぞ!


第47話 魔物対策 その4

「うう……、ありがとう……。二人共……」

 

 秋は、自分の代わりに、苦手な虫系の魔物の相手を引き受けてくれる勇綺と龍哉に、申し訳無さそうな表情をしながら感謝をする。

 

「んじゃ、夜の平原に出現する魔物についての情報収集を再開しようぜ!」

 

「うん」

 

「え、ええ……」

 

 秋の苦手な虫系の魔物についての話し合いを終えて、龍哉は勇綺と秋に、夜の平原に出現する魔物についての情報収集を再開するように促す。

 龍哉の言葉に納得した勇綺と秋は、再び情報収集を始めようとする。

 

「先ずは……、このインプについての対策をしてみようか」

 

「悪魔系か……」

 

「うわぁ……、如何にも悪魔っぽい姿をしているわね……」

 

 情報収集を再開した勇綺と龍哉、そして秋は、図鑑に掲載されている一体の魔物に視線を移す。勇綺達が注目したのは、夜の平原に出現する魔物、インプである。インプは、図鑑の情報によると、種族が悪魔系で、体長は百センチメートル。全身が紫色で、頭に二本の小さな角と蝙蝠のような羽を背中から生やしており、長い尻尾は、先端の部分が矢印みたいに尖っている小鬼の姿をした魔物だ。平原や洞窟、無人の建物等に棲息しており、性格はかなりずる賢く、夜の暗闇や物陰を利用した不意打ちと命乞いからのだまし討ちが得意である。スタン系の状態異常と闇属性攻撃に耐性を持ってはいるが、最弱の魔物であるゴブリンに毛が生えた程度の強さしかないので、ステータスは余り高くない。この魔物の弱点は、光属性攻撃と金属性攻撃に弱く、更に、悪魔系特効の武器やアイテム、そしてスキルがかなり効果的なようだ。

 

「このインプのステータスは、ゴブリンと大きな差はないみたいだね……。ならば、インプの不意打ちとだまし討ちさえ注意すれば、ゴブリン達と戦った時みたいに、秋のスキルで眠らせる作戦で問題は無さそうだな……」

 

 勇綺はインプを、朝の平原で戦ったゴブリンの時と同じように、秋のスキルで眠らせてから倒す事を提案する。インプはずる賢いが、ステータスはゴブリンと大きな差はないので、秋の眠らせるスキルを使った作戦で十分だろう。

 

「確かに、この程度の魔物なら、ゴブリンの時と同じ戦い方で問題無さそうだな……」

 

「ええ」

 

 勇綺が提案した作戦に、龍哉と秋は、ゴブリンの時と同じ方法でインプを倒す事に納得する。

 

「じゃあ……、次は……。ナイトファング、ジャイアントラット、ワイルドオウル、の対策だ!」

 

「ほう……。狼に、ネズ公とフクロウか……。面白い……」

 

「狼の魔物は、何か強そうね……」

 

 インプの対策についての話し合いを終えた勇綺と龍哉、そして秋は、更に情報を集めようと、図鑑に掲載されている、他の夜の平原の魔物に視線を移す。勇綺達が次に注目した夜の平原の魔物は、ナイトファングとジャイアントラット、そしてワイルドオウルの三体である。先ず一体目の魔物、ナイトファングは、図鑑の情報によると、種族は意地悪兎とワイルドボアと同じ獣系で、体長が百六十センチメートル位の、全身黒色の被毛で覆われている狼の姿をした怪物だ。平原や森、山等に棲息しており、スピードと回避能力が高く、牙を使った噛み付き攻撃の威力もかなり高い。この魔物の弱点は、朝の平原に出現する意地悪兎とワイルドボアと同じで、火属性攻撃に弱く、更に武器攻撃や状態異常への耐性も無いようだ。次に、二体目の魔物、ジャイアントラットは、図鑑に掲載されている情報によると、種族は獣系で、体長が五十センチメートル位の、全身灰色の毛で覆われているネズミの姿をした怪物である。出現範囲が広く、平原や森、洞窟、山、無人の建物、街中等に棲息しており、動きは平均的なスピードで、前歯を使った攻撃はそこそこの威力だが、非戦闘職でも簡単に倒せる位、戦闘能力は然程高くはないようだ。弱点は、意地悪兎とワイルドボアとナイトファングと同じで、火属性攻撃と武器攻撃、更に状態異常が良く効くようである。そして、三体目の魔物であるワイルドオウルは、図鑑の情報だと、種族が飛行系で、体長が八十センチメートル位の、全身薄茶色のフクロウの怪物だ。平原や森等に棲息しており、スピードはあまり速く無いが、夜の闇を利用して足の爪を使った奇襲攻撃と、敵を暗闇状態にする魔法を得意としている。土属性攻撃とスタン系の状態異常に耐性があるだけじゃなく、更に、暗闇と睡眠の状態異常にも耐性があるようだ。この魔物の弱点は、風属性攻撃と射撃属性攻撃、そして投擲属性攻撃と火器属性攻撃に弱く、更に、スタンと睡眠と暗闇以外の状態異常等が有効だろう。

 

「ふむ、獣系の魔物は、耐性が少ないから戦いやすいな……。とりあえず、ナイトファングとジャイアントラットの弱点は、意地悪兎とワイルドボアと同じみたいだから……。こいつらも、秋のスキルで眠らせた隙に、攻撃をすればなんとかなりそうだね……。そして、ワイルドオウルだけど……。こいつは、キラーチキンと違ってスピードが速くないから、ワイルドオウルが攻撃をする前に、龍哉が持っている飛び道具で弱点を付いて速攻で倒せそうだけど……。暗闇状態にする魔法と奇襲攻撃には、注意をしたほうが良いね……」

 

「狼の魔物と鼠の魔物も、あたしのスキルで眠らせるのね? 分かったわ。任せて!」

 

「フクロウの魔物は、俺が持っている飛び道具で、速攻で倒せば良いんだな? 分かった。やってやるぜ!」

 

 勇綺は、図鑑に掲載されている二体の魔物、ナイトファングとジャイアントラットは、意地悪兎とワイルドボアと同じ方法で倒す事を、秋と龍哉に提案する。獣系の魔物は、耐性が少なく戦いやすいので、ナイトファングとジャイアントラットは、意地悪兎とワイルドボアと同じ方法で対策しても、あまり問題は無いだろう。そしてワイルドオウルの対策は、敵が攻撃をする前に、龍哉が持っている飛び道具を使って速攻で倒すようである。同じ飛行系の魔物で、スピードと回避能力が高いキラーチキンが相手ならば、飛び道具を使って速攻で倒すのは難しいが、動きの遅いワイルドオウルならば、この作戦は、かなり効果的だろう。

 勇綺が提案した対策に、秋と龍哉は、特に異論もなく納得する。

 

「さて、次の魔物の対策は、コープスと火の玉だね……」

 

「ゾンビと人魂……」

 

「ほう……」

 

 ナイトファングとジャイアントラットとワイルドオウルの対策についての話し合いを終えた勇綺と龍哉、そして秋は、情報収集を再開しようと、図鑑に掲載されている、二体の魔物に視線を移す。勇綺達が注目した二体の魔物は、コープスと火の玉である。先ず一体目の魔物、コープスは、図鑑の情報によると、種族は不死系。体長が百八十センチメートル位で、青色の身体には、ボロボロの白い衣服を纏っており、ホラーゲームとかに登場するゾンビにそっくりな怪物だ。平原や洞窟、無人の建物等に棲息しており、スピードと攻撃力は高く無いが、体力は中々高いので、レベルが低いと倒すのに時間が掛かってしまうだろう。この魔物の長所は体力以外に耐性も優秀で、一部のスタン系の状態異常や、精神系(睡眠・混乱・恐怖・激怒・鬱・愛護・弱気・魅了・不眠・忘却・悲観・怠惰)と呪術系(呪詛・呪縛・病難・憑依・災禍)、そして、毒素系(風邪・毒・猛毒)と神経系(麻痺・沈黙・鼻炎・耳鳴・激痛・暗闇・目眩・咳・出血・嘔気・挫傷・空腹)の状態異常に耐性を持っているだけじゃなく、死属性状態異常と亡者属性状態異常の吸収耐性も持っており、更に、闇・精・病の三つの属性攻撃への耐性と吸収系の攻撃を逆に吸収する能力まで持っているようである。この魔物の弱点は、武器攻撃への耐性を持っていないだけじゃなく、火・光・土・金の四つの属性攻撃にとても弱く、更に、不死系特効の武器やスキル、そして回復アイテムと魔力にダメージを与える攻撃がかなり効果的なようだ。そして、二体目の魔物、火の玉は、図鑑に掲載されている情報によると、種族は霊体系で、大きさが二十センチメートル位の、赤い火の玉の姿をした怪物である。平原や洞窟、無人の建物等に棲息しており、動きは平均的なスピードだが、体力は、あまり高く無い。見た目は弱そうな火の玉だが、火属性攻撃の魔法は、レベルが低い戦士職や非戦闘職を、一撃で倒す程の威力を持っているようだ。この魔物が優れている所は、火属性攻撃魔法の火力だけでなく、耐性と防御力も優秀で、スタン系の状態異常や、精神系(睡眠・混乱・恐怖・激怒・鬱・愛護・弱気・魅了・不眠・忘却・悲観・怠惰)と呪術系(呪詛・呪縛・病難・死・憑依・災禍)、そして、毒素系(風邪・毒・猛毒)と神経系(麻痺・沈黙・鼻炎・耳鳴・激痛・暗闇・目眩・咳・出血・嘔気・挫傷・空腹)の状態異常への耐性を持っているだけじゃなく、亡者属性と炎上属性の二つの変化系状態異常の耐性も持っており、更に、火・土・闇・病・時の五つの属性攻撃の耐性と武器攻撃のダメージを最小限に低下させてしまう程の高い防御力まで持っているので、攻撃力が低い非戦闘職やレベルが低い戦士職では、倒すのが難しいだろう。弱点は、光・水・精・音・空の五つの属性攻撃と魔力にダメージを与える攻撃に弱く、更に霊体系特効の武器とアイテム、そしてスキルがかなり有効なようだ。

 

(うへぇ……、状態異常に強いだけじゃなく、耐久力もあるとは……、中々厄介だな……。この二体の魔物は……。特に火の玉は、レベルが低い相手を一撃で倒す程の威力がある火属性攻撃の魔法を持っているから、かなりヤバいぞ……。う〜~ん……、さて、どうしたものか……)

 

 図鑑に掲載されている二体の魔物の面倒な情報に、勇綺は、頭を悩ませるのであった。




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※一部の文を修正しました

修正前:平原や洞窟、廃墟や森等に棲息しており、性格はかなりずる賢く、夜の暗闇や物陰を利用した不意打ちと命乞いからのだまし討ちが得意である。

修正後:平原や洞窟、無人の建物等に棲息しており、性格はかなりずる賢く、夜の暗闇や物陰を利用した不意打ちと命乞いからのだまし討ちが得意である。

修正前:出現範囲が広く、平原や森、洞窟、山、廃墟、街中等に棲息しており、動きは平均的なスピードで、前歯を使った攻撃はそこそこの威力だが、非戦闘職でも簡単に倒せる位、戦闘能力は然程高くはないようだ。

修正後:出現範囲が広く、平原や森、洞窟、山、無人の建物、街中等に棲息しており、動きは平均的なスピードで、前歯を使った攻撃はそこそこの威力だが、非戦闘職でも簡単に倒せる位、戦闘能力は然程高くはないようだ。

修正前:平原や森、洞窟、廃墟等に棲息しており、スピードと攻撃力は高く無いが、体力は中々高いので、レベルが低いと倒すのに時間が掛かってしまうだろう。

修正後:平原や洞窟、無人の建物等に棲息しており、スピードと攻撃力は高く無いが、体力は中々高いので、レベルが低いと倒すのに時間が掛かってしまうだろう。

修正前:更に、一部のスタン系の状態異常や、精神系(睡眠・混乱・恐怖・激怒・鬱・愛護・弱気・魅了・不眠・忘却・悲観)と呪術系(呪詛・呪縛・病難・死・憑依・災禍)、そして、毒素系(風邪・毒・猛毒)と神経系(麻痺・沈黙・鼻炎・耳鳴・激痛・暗闇・目眩・咳・出血・嘔気・挫傷)の状態異常に耐性を持っているだけじゃなく、闇属性攻撃や病属性攻撃にも耐性を持っているようである。

修正後:この魔物の長所は体力以外に耐性も優秀で、一部のスタン系の状態異常や、精神系(睡眠・混乱・恐怖・激怒・鬱・愛護・弱気・魅了・不眠・忘却・悲観・怠惰)と呪術系(呪詛・呪縛・病難・憑依・災禍)、そして、毒素系(風邪・毒・猛毒)と神経系(麻痺・沈黙・鼻炎・耳鳴・激痛・暗闇・目眩・咳・出血・嘔気・挫傷・空腹)の状態異常に耐性を持っているだけじゃなく、死属性状態異常と亡者属性状態異常の吸収耐性も持っており、更に、闇・精・病の三つの属性攻撃への耐性と吸収系の攻撃を逆に吸収する能力まで持っているようである。

修正前:平原や森、洞窟、廃墟等に棲息しており、動きは平均的なスピードだが、体力は、あまり高く無い。

修正後:平原や洞窟、無人の建物等に棲息しており、動きは平均的なスピードだが、体力は、あまり高く無い。

修正前:動きは平均的なスピードだが、この魔物が得意とする火属性攻撃の魔法は、レベルが低い戦士職や非戦闘職を、一撃で倒す程の威力を持っているようだ。体力は、あまり高く無いが、武器攻撃への耐性が高めで、更にスタン系の状態異常や、精神系(睡眠・混乱・恐怖・激怒・鬱・愛護・弱気・魅了・不眠・忘却・悲観)と呪術系(呪詛・呪縛・病難・死・憑依・災禍)、そして、毒素系(風邪・毒・猛毒)と神経系(麻痺・沈黙・鼻炎・耳鳴・激痛・暗闇・目眩・咳・出血・嘔気・挫傷)の状態異常への耐性を持っているだけじゃなく、火属性攻撃と病属性攻撃の耐性も持っているので、攻撃力が低い非戦闘職やレベルが低い戦士職では、倒すのが難しいだろう。

修正後:動きは平均的なスピードだが、体力は、あまり高く無い。見た目は弱そうな火の玉だが、火属性攻撃の魔法は、レベルが低い戦士職や非戦闘職を、一撃で倒す程の威力を持っているようだ。この魔物が優れている所は、火属性攻撃魔法の火力だけでなく、耐性と防御力も優秀で、スタン系の状態異常や、精神系(睡眠・混乱・恐怖・激怒・鬱・愛護・弱気・魅了・不眠・忘却・悲観・怠惰)と呪術系(呪詛・呪縛・病難・死・憑依・災禍)、そして、毒素系(風邪・毒・猛毒)と神経系(麻痺・沈黙・鼻炎・耳鳴・激痛・暗闇・目眩・咳・出血・嘔気・挫傷・空腹)の状態異常への耐性を持っているだけじゃなく、亡者属性と炎上属性の二つの変化系状態異常の耐性も持っており、更に、火・土・闇・病・時の五つの属性攻撃の耐性と武器攻撃のダメージを最小限に低下させてしまう程の高い防御力まで持っているので、攻撃力が低い非戦闘職やレベルが低い戦士職では、倒すのが難しいだろう。

修正前:この火の玉の弱点は、光・水・精の三つの属性攻撃と魔力にダメージを与える攻撃に弱く、更に霊体系特効の武器とアイテム、そしてスキルがかなり有効なようだ。

修正後:弱点は、光・水・精・音・空の五つの属性攻撃と魔力にダメージを与える攻撃に弱く、更に霊体系特効の武器とアイテム、そしてスキルがかなり有効なようだ。

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