地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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はい、最新話です!
それでは、どうぞ♪


第49話 魔物対策 その6

「おい、秋……」

 

「な、何よ?」

 

 喚き散らす秋に、龍哉が突然、気まずい表情をしながら呼び掛ける。

 勇綺の提案によって不機嫌になっている秋は、こちらを呼び掛ける龍哉の方へと視線を移す。

 

「少し、落ち着け……。ここは、図書館だぜ? 静かにしねぇと……。ほら、周りを見てみろ……。お前が喚き散らしたから、俺達は今、他の利用者達に、すげぇ睨まれて、かなり気まずい状況になってんだよ……」

 

「え……」

 

 気まずい表情をした龍哉が突然、呼び掛けたのは、他の図書館利用者達に迷惑をかけてしまっている事を、喚き散らした秋に注意をする為だったようである。おそらく龍哉が、先程から気まずい表情をしていたのは、他の利用者達に睨まれていたのが原因だろう。

 龍哉に注意をされた秋は、辺りを見回すと……。

 

「静かに読めないのかよ……」

 

「うぜぇ……」

 

「静かにできないなら、出ていって欲しいわ……」

 

「迷惑な奴等だな……」

 

「ルールを守れよ……」

 

「チッ……」

 

 周囲にいた利用者達は、勇綺達に、冷たい視線を向けながら愚痴をこぼしたり、舌打ち等をしていた。

 

「う、うるさくして……、す、すみませんでした……」

 

 こちらに冷たい視線を向けられて、気まずく感じた秋は、周囲にいた利用者達に、顔を赤らめながら謝罪をする。おそらく、喚き散らして多くの人達に迷惑を掛けてしまった事が、余程恥ずかしかったのだろう。

 

「と、とにかく……、勇綺が提案した虫の魔物についての対策だけど……」

 

 周囲にいた利用者達に謝罪した秋は、勇綺が提案したジャイアントアントの対策についての話を切り出す。

 

「あたしは、虫の魔物だけは絶対に戦わないから……。本当に、無理なのよ……」

 

 秋は、勇綺が提案したジャイアントアントの対策を、涙目になりながら断る。

 

(う〜~ん……。秋のサポートがないと、複数のジャイアントアントが出現した時、僕と龍哉だけで、この魔物の相手をするのは、かなり厳しい……。何かいい方法は、無いのか……? 虫嫌いの秋が戦えるようにするには、どうすればいいんだ……)

 

 ジャイアントアントの対策についての提案を断られた勇綺は、虫が苦手で戦えない秋に、頭を悩ませていると……。

 

「あ、俺、良いこと思いついた!」

 

「「え?」」

 

 勇綺が秋の事について頭を悩ませている最中、龍哉が何やら妙案を思い付く。

 勇綺と秋は、目を大きく見開きながら、何か良い案を思い付いた龍哉の方へと視線を移す。

 

「秋、お前、虫の姿が嫌いだから、虫の魔物とは戦いたくないんだよな? だったら、見なければ良いんだよ。目隠しをすれば、攻撃はできなくなるけど、苦手な虫の魔物の姿を見ないですむし、安心して歌で俺達のサポートができるだろ? どうだ? 良い案だろう?」

 

 龍哉は得意気な表情で、虫が苦手な秋に、目隠しをしながら歌う事を提案する。

 龍哉が思い付いた、この妙案に、勇綺と秋の反応は……。

 

「目隠しか……。なるほど……。それなら、虫嫌いの秋でも、歌で僕達のサポートができるね……」

 

「えぇぇ……。そう、上手くいくかしら……」

 

 龍哉の妙案に、勇綺は顎に手を当てながら納得する。

 納得する勇綺とは対照的に、秋は龍哉の妙案に懐疑的であった。

 

「俺のナイスアイデアが上手くいくかどうかは、虫の魔物と戦ってみればわかるさ。もし、駄目だった場合は、別の方法を考えれば良いだけだしな。だから、一度、やってみようぜ? な? 頼むよ、秋」

 

「秋、お願い。君の力が必要なんだ……」

 

 龍哉と勇綺は、秋を見据えながら、こちらに協力するように頼み込む。

 

「で、でも……、目隠しをしている間に、虫の魔物が襲ってきたりしたら……」

 

 秋は、目隠しをしている間に、苦手な虫の魔物に襲われる可能性を危惧しているのか、龍哉と勇綺の頼みを、中々頷く事が出来なかった。

 

「大丈夫だって。虫の魔物は、絶対、お前に近付けさせねぇからよ」

 

「秋は、僕達が必ず守る……。だから、僕達を信じて……。秋……」

 

 なかなか首を縦に振らない秋に、龍哉と勇綺は、こちらの頼みを納得してもらおうと必死に説得する。

 すると……。

 

「うぅぅ……、わ、わかったわよ……。や、やれば良いんでしょ……。やれば……。言っておくけど、失敗しても、あたしを責めないでよね……」

 

 二人の必死の説得に、秋は根負けしたのか、龍哉と勇綺の頼みを渋々ながら承諾する。

 

「よっし、そうこなくっちゃな」

 

「ありがとう、秋。僕、頑張るから」

 

 頼みを承諾した秋に、龍哉は喜び、勇綺は微笑みながら感謝をするのであった。

 

「んじゃ、情報収集を再開しようぜ。勇綺、次のページを頼む」

 

「うん」

 

 秋の説得を終えて、龍哉は情報収集を再開しようと、勇綺に、図鑑の次のページをめくるように促す。

 龍哉の言葉に勇綺は納得すると、図鑑の次のページをめくる。

 

「このページは……、ランドロックの森に出現する魔物についての情報が掲載されているね……。え〜~と、この森に出現する魔物は……、ミドリガマ、おおなめこ、ペブルウォーク、ガイコツ、ジャイアントスネイル、スパイダー、おおこがねむし、ホワイトラビット、ワイルドベアの他に、ゴブリン、ワイルドボア、ブルームース、人食い花、ナイトファング、ジャイアントラット、ワイルドオウル等も出現するみたいだね……」

 

「あの森には、かなりの種類の魔物がいたんだな……」

 

「ひっ、また虫がいるし……」

 

 勇綺と龍哉は、めくった先のページに掲載されている、ランドロックの森に出現する魔物についての情報に視線を移す。

 だが、秋だけは、めくった先のページに

苦手な虫の魔物が掲載されていたので、直様両手で自身の両目を覆い隠してしまう。

 

「とりあえず、ミドリガマ、おおなめこ、ペブルウォークから対策してみようか」

 

「こいつらか……。中々、手強かったよなぁ……」

 

 勇綺と龍哉が最初に注目したランドロックの魔物達は、ミドリガマとおおなめこ、そしてペブルウォークの三体である。先ず一体目の魔物、ミドリガマは、図鑑の情報だと、種族は両生類系で、体長が百四十センチメートル位の、雨蛙にそっくりな姿をした怪物だ。森や洞窟、無人の建物等に棲息しており、水属性攻撃への防御力が高く、更に、足と長い舌を使った攻撃がかなり強力である。この魔物の弱点は、火属性攻撃と氷撃属性攻撃に弱く、更に、状態異常攻撃には、かなり弱いようだ。次に、二体目の魔物、おおなめこは、図鑑に掲載されている情報によると、種族は植物系。体長が二十五センチメートル位で、カサがオレンジ色、柄には可愛らしいつぶらな瞳がついている茸のような姿をした怪物だ。森や洞窟等に棲息しており、パワーとスピードは平均的だが、口から出す透明な粘液は、敵の動きを鈍らせる効果を持っている。更に、木属性攻撃と神経系・スタン系の状態異常への耐性があるだけじゃなく、幸運のステータスが少し高いので、他の状態異常も中々効きづらい。この、おおなめこの弱点は、火・金・斬撃・斧撃の四つの属性攻撃に弱く、更に植物なので、植物系特効の武器とアイテム、そしてスキルがかなり効果的である。そして、三体目の魔物であるペブルウォークは、図鑑に記述されている情報だと、種族は鉱物系で、体長が二十センチメートル位あり、一頭身の身体には、つり上がった白い目と口、そして短い手足がついた、石の姿をした怪物だ。森と洞窟、山、そして海岸等に棲息しており、鈍そうな見た目とは違って、意外と素早く、石のように硬い身体を使った体当り攻撃は、かなり強力である。このペブルウォークの強力な所は、攻撃以外に耐久力もかなり厄介で、斬撃・刺突・射撃・斧撃・投擲・火器の六つの属性攻撃への防御力がかなり高く、更に、一部のスタン系・毒素系・神経系・精神系・呪術系・石化・凍結・亡者・人形・宣告・切断・貫通の十二個の状態異常と病・精・時の三つの属性攻撃への耐性までも持っているので、レベルの低い戦闘職や非戦闘職は相当苦戦するだろう。この魔物の弱点は、魔法防御力が低いので魔法攻撃と魔力にダメージを与える攻撃にとても弱く、更に、打撃・格闘・土・金・空の五つの属性攻撃や鉱物系特効の武器とスキル等による攻撃が、かなり有効なようだ。

 

「この、ミドリガマは、足と舌を使った攻撃がかなり強力で厄介だったから、ランドロックの森の時と同じように、秋のスキルで眠らせてから倒した方が良いね……」

 

 勇綺は、ミドリガマを、ランドロックの森で戦った時と同じように、スキルで眠らせてから倒す事を、秋と龍哉に提案する。ミドリガマの脚力と舌による攻撃は、かなり強力なので、スキルで眠らせてから攻撃をするのが、今の勇綺達にとって、一番安全な倒し方といえるだろう。

 

「おう」

 

「ええ、わかったわ」

 

 勇綺が提案したミドリガマの対策に、龍哉と未だに虫を直視するのを避けるために両手で目隠しをしている秋は、頷きながら納得するのであった。




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