地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える 作:スーパーかみ
ヒロインがまた登場します!
それでは、どうぞ!!
「ランドロック海岸の魔物についての情報収集はこれで終わり……。ねぇ、龍哉、秋」
「ん?」
「何?」
ランドロック海岸に出現する魔物についての情報収集を終えると、勇綺が突然、龍哉と秋を呼び掛ける。
呼び掛けられた龍哉と秋は、勇綺の方へと視線を移す。
「魔物についての情報が大分集まったし、情報収集を一旦中断して、そろそろイッカク退治の協力者集めでもしようかと思うんだけど……。どうかな?」
魔物についての情報がかなり集まったと判断した勇綺は、情報収集をひとまず中断して、バニラに頼まれていたイッカク退治の協力者を集める事を、龍哉と秋に提案する。
「そう……だな。情報もけっこう集まったし……。そろそろ、協力者集めでもしますか!」
「そうね、協力者を集めに行きましょ!」
勇綺の提案に納得した龍哉と秋は、笑みを浮かべながら頷く。
「うっし! んじゃ行くぞ!」
「ええ」
早速龍哉と秋、そして勇綺は、協力者を集めに行こうと、腰を掛けていたソファーから立ち上がる。
「あ、そうだ……。僕は先ず、魔物図鑑を本棚に戻しに行かないと……。ごめん、龍哉と秋は、ここで待ってて……」
これから協力者集めをしようとする時、勇綺は、右手に持っている図鑑を、まだ返却していない事に気が付く。そして勇綺は龍哉と秋に、先程、腰を掛けていたソファーの近くで、待機するように伝える。
「おう、分かった」
「……」
勇綺の指示に納得した龍哉は、サムズアップしながら頷く。
龍哉とは対照的に、秋は、何故か顎に手を当てながら何かを考え込んでいた。
「あ、あの……、秋? ど、どうしたの……」
こちらの言葉に反応せず、何やら考え込んでいる秋に、気になった勇綺は、恐る恐る問いただすと……。
「あたしも、一緒に行くわ」
「へ? な、何で? 本を返却しに行くだけなのに、何で秋までついてくるの? ぼ、僕一人で大丈夫だから、秋は龍哉と一緒にここで待っててよ……。ね?」
勇綺に問い掛けられた秋は、図鑑の返却について行くと言い出す。
図鑑の返却について来ようとする秋に、勇綺は戸惑いながらも、やんわりと断ろうとするが……。
「勇綺に拒否権は無いわ。それとも、あたしと一緒だと、何か不味い事でもあるの? もちろん、無いわよねぇ……?」
「ひぃっ!? な、ないです……。い、一緒に、つ、ついてきて、く、下さい……」
(こえぇぇぇぇぇ……)
秋は、図鑑の返却について来るのを断ろうとする勇綺に、鬼のような形相で睨み付ける。
鬼のような形相でこちらを威圧する秋の迫力に、勇綺は余程恐ろしく感じたのか、身体を震え上がらせてしまう。そして、恐怖に包まれた勇綺は、しどろもどろになりながらも、本の返却に秋がついて来るのを容認する。
二人のやり取りを静観していた龍哉も、秋の恐ろしい形相に、背筋を凍りつかせていた。
「よし。じゃあ、行きましょ♪」
「う、うん……」
本の返却について来るのを容認された秋は、魔物図鑑があった本棚の方へと、意気揚々と歩き出す。
嬉しそうに歩き出す秋の後を、勇綺は、しぶしぶながらも付いていく。
龍哉は、秋と勇綺の後ろ姿を、見えなくなるまで見据えていた。
(なるほど……。この薬草は、この場所に……。そして、この薬草は、この薬草と混ぜ合わせると、この薬品が作れるのですね……)
勇綺達と別れた後、目的の本を見つけたマシロは、本棚の近くに配置されている三台の一人掛けのソファーに腰を掛けながら、薬草や薬品について調べていた。
(薬草の情報は、大分集まりました……。今日の薬草の情報収集は、これで完了です……)
薬草についての情報がかなり集まったと判断したマシロは、情報収集をひとまず中断する。そしてマシロは、本を元の場所に返却しようと本棚の方へと歩き出す。
(本を返却した後は……、協力者集めです……)
マシロは歩きながら、本を返却した後の予定を考えていると……。
「あ!」
「げ……」
目的の本棚の近くで、マシロは、勇綺と秋に鉢合わせする。
勇綺は、また、マシロと出会ったのが嬉しかったのか、見る見るうちに顔が綻んでゆく。
笑顔の勇綺とは対照的に、秋は、マシロと鉢合わせをすると、何故か嫌そうな表情をしていた。
すると……。
「! 勇綺様……。魔物についての情報収集は、終わったのですか?」
マシロは、勇綺が図鑑を持っている状態で本棚の近くにいたので、魔物についての情報集めが、既に終わったのだと解釈する。そしてマシロは、その事について、勇綺に問いただす。
(ああ、本当に綺麗だなぁ……。それに、やっぱ可愛い……。こんな娘が、僕の為に毎朝、味噌汁を作ってくれたら、毎日がハッピーだよなぁ……)
だが、問い掛けられた勇綺は、返答もせず、キモイ妄想をしながら、目の前のマシロに見惚れていると……。
「マシロが話しかけているのに、いつまで、デレデレしているのよ! みっともない!」
「うげっ!?」
秋は、マシロに見惚れている勇綺の頭に強烈なチョップを叩き込む。
突然、頭を叩かれた勇綺は断末魔を上げる。
(全く……。直ぐ、可愛い女の子にデレデレするんだから……。勇綺の馬鹿……。一緒に来て正解だったわ……)
両手で頭を押さえている勇綺に、秋は、頬を膨らませながら心の中で悪態をつく。どうやら秋は、勇綺がマシロに見惚れてしまわないようにする為についてきたようである。
「うう……、ひ、酷い……。叩かなくても……」
勇綺は、痛みがある箇所を両手で押さえながら、秋の方へと振り向く。そして、いきなり頭を叩いてきた秋に、勇綺は文句をたれる。
「ふん! 鼻の下を伸ばしてマシロを見ていた勇綺が悪い! 反省しなさい! それよりも、マシロがあんたに話しかけているわよ!」
こちらに文句をたれる勇綺に、秋は鼻を鳴らすと、睨み付けながら言い返す。
「う……、そ、そうだった……」
秋の言葉に納得した勇綺は、マシロの方へと振り向く。
「え、えっと……。マシロの言うとおり、情報収集は、まぁ、一応終わったかな?」
先程、こちらに問い掛けてきたマシロに、勇綺は、魔物についての情報収集を終えていると返答する。
「ほら、勇綺。さっさと、図鑑を本棚に戻すわよ。この後は、協力者集めをするんでしょ?」
「あ、う、うん、そうだね」
マシロとやり取りをしていた勇綺に、秋は、はやく図鑑を返却するように促す。何故ならば、この後は、イッカク退治の協力者集めをしなければならないからだ。
秋の言葉に、勇綺は頷きながら納得すると……。
「勇綺様達も、この後、協力者集めをするのですか……」
二人のやり取りを見据えながら、マシロは、ポツリと呟いた。
「え? 《勇綺様も》って事は……、マシロも、この後、協力者集めをするの?」
勇綺は、呟いたマシロの方へと振り向く。そしてマシロに、協力者集めについて問いただす。
「はい……。私も、本を返却した後は、イッカク退治の協力者を集めに行く予定です……」
問い掛けられたマシロは自身も、本を返却した後、イッカク退治の協力者集めをする予定がある事を、勇綺と秋に返答する。
「そ、そうなんだ……。じゃ、じゃあ……、良かったらだけど……。この後、僕達と一緒に、協力者集めに行かない……かな?」
すると勇綺は恐る恐る、マシロを、イッカク退治の協力者集めに誘おうとするのであった。
魔物対策は一旦中断します。
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