地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える 作:スーパーかみ
どうぞ!
「イサミ様、私達は、イッカクを倒すのに協力してくれる仲間を集めています。どうか、イサミ様の力を貸して下さい。もし、協力をしてくれましたら、お礼はちゃんとするつもりです。お願いします……」
お互いの自己紹介を終えるとマシロは、カエンに、イッカク退治に協力してほしいと頼み込むと……。
「なるほど……。イッカク退治に協力してくれる仲間を集めているのか……。ふむ……。俺は、弱い奴等とはパーティを組みたくない……。足を引っ張られるのは嫌だからな……。それでも俺を仲間にしたいならば、条件がある……」
「「「「「条件?」」」」」
こちらに頼み込んできたマシロに、イサミは、ある条件を提案する。
突然、イサミから条件を提案されて、勇綺達は、首を傾げながら呟いてしまう。
「じょ、条件って……、な、何です……か?」
条件の内容が気になった秋は、恐る恐るイサミに問いただす。
「お前達の実力が知りたい……。これから、お前達には、【ランドロックの洞窟】に向かってもらう……。そこで、洞窟の地下五階に住み着いているボス、【ビッグモール】を倒して、【ビッグモールの爪】と【ビッグモールの毛皮】を取ってこい……。もし、それが出来たならば、お前達の仲間になってやる……。どうだ? この条件を受けるか?」
秋から問いただされたイサミは、イッカク退治に協力する条件について説明をする。イサミの説明によると、ランドロックの洞窟の地下五階に住み着いているボスモンスター、ビッグモールを倒して、その魔物から、ビッグモールの爪とビッグモールの毛皮を取って来なくてはいけないようだ。この二つの素材を取って来るのに成功出来れば、イサミはイッカク退治に協力してくれるようである。
「ほう……。あの洞窟に、ボスなんていたのか……。面白い……。どれほど強いんだろうか……」
(ランドロックの洞窟か……。虫がいる洞窟じゃん……。嫌だなぁ……)
イサミの説明を、龍哉は顎に手を当てながら、興味深そうに聞いていた。おそらく龍哉は、洞窟のボスモンスターと戦ってみたいと思っているのだろう。
洞窟のボスモンスターに、興味津々の龍哉とは対照的に、秋は、嫌そうな表情をしていた。何故ならば、ランドロックの洞窟には、苦手な虫の魔物が住み着いているのである。それ故、秋が、苦い顔をしてしまうのも、仕方がないといえよう。
「分かりました……。その条件を受けます……」
秋がしかめっ面をしている最中、イサミからの条件にマシロは、迷いなく承諾する。
「よし、承諾したな……。俺は先に、ランドロックの洞窟の入口で待っている……。お前達がちゃんと、ビッグモールを倒しに行くか、確認するためにな……。逃げるなよ? じゃあな……」
条件を承諾したマシロに、イサミは待ちあわせ場所であるランドロックの洞窟へ向かおうと、この場から立ち去ってしまう。
「さっそく、洞窟に向かうか? マシロ?」
イサミが立ち去ると龍哉は、マシロに問いただす。
「そうですね……。洞窟へ向かう前に、色々と準備をしなければなりません……。私は、先ず、道具屋で薬を買いに行こうと思います……」
問い掛けられたマシロは、洞窟へ向かう前に、道具屋で薬を買いに行くと返答する。
「マシロは道具屋か……。カエンの兄ちゃんは、この後、どうするんだ?」
マシロの返答を聞いた龍哉は、次に、カエンがいる方へと視線を移す。そしてカエンに、この後の予定について問い掛けてみると……。
「ふむ、そうだな……。私も、洞窟に備えて、道具屋で魔力回復アイテムでも買っておこうと思う。私は、魔法を多く使うからね」
龍哉の問い掛けにカエンは、顎に手を当てながら、この後の予定について返答する。どうやらカエンも、これから向かう事になる洞窟に備えて、道具屋で買い物をしていくようだ。
「カエンの兄ちゃんもか……。じゃあ、勇綺。俺達は、どうする?」
カエンの予定を聞いた龍哉は、続いて、勇綺がいる方へと振り向く。そして勇綺に、この後の予定について問いただす。
「う〜〜ん……。あ……、そういえば、ランドロックの森でポーションを使ったっけ……。じゃあ、僕達も道具屋でポーションを買いに行こう……かな?」
問い掛けられた勇綺は、一度、腕を組みながら考え込む。すると勇綺は、ランドロックの森で、ポーションをすでに使用していた事を思い出す。勇綺は、龍哉と秋に、道具屋でポーションを買いに行く事を提案する。
「そうね……。あたしも森で、ポーションを使ったし……。分かった、道具屋に行きましょ」
「おう、分かった」
勇綺からの提案に納得した秋と龍哉は、笑みを浮かべながら頷く。
「それでは皆様、道具屋に向かいましょう……」
先程やり取りをしていた勇綺達とカエンを呼び掛けたマシロは、目的の場所である道具屋へ向かおうと歩き出す。
「うっし、行くか!」
「うん」
「ええ」
「うむ!」
歩き出したマシロの後を、龍哉と勇綺、そして秋とカエンは、意気揚々とついて行った。
図書館から出ていった勇綺達は町中で、道具屋へ向かおうとしているマシロの後を付いて行くと……。
「なぁ、勇綺、秋……」
「? 何?」
「?」
突然、龍哉が歩きながら小声で、勇綺と秋を呼び掛ける。
歩いている最中の勇綺と秋は、いきなりこちらを呼び掛けてきた龍哉が居る方へと振り向く。
「何か俺達……、さっきから周りに見られてねぇか?」
「そういえば……」
「何か、視線を感じるわね……」
勇綺と秋を小声で呼び掛けた龍哉は、町中を歩いている最中に、先程から通行人達の視線を感じていたのだ。
龍哉の言葉に勇綺と秋も、通行人達から視線を向けられている事に気が付くと、周りをキョロキョロと見回す。
「あ、もしかして……」
「ん? 何だ?」
「何か、分かったの?」
すると秋は、町中の通行人達が何故、こちらを注目しているのか、その理由に気が付く。
理由に気が付いた秋に、龍哉と勇綺が問いただす。
「みんな……、あたしの可愛さに見惚れているのかも……」
問い掛けられた秋は、何を勘違いしているのか、こちらに視線を向ける通行人達が全員、自分の可愛らしさに心を奪われたと思っているようだ。全くもって、勘違いも甚だしいと言えるだろう。
「それは無いと思う」
「んなわけねーーだろ? 夢を見るな! まな板! 絶壁胸! 恥を知れ、恥を!」
勇綺と龍哉は、自惚れた秋の発言を、呆れながらバッサリと切り捨てる。
すると……。
「何? 何か文句あんの!?」
「ヒィッ!? も、文句ありません! ご、ごめんなさい!」
「も、文句言って、す、すみませんでした! 秋様!」
発言をバッサリと切り捨てた二人に、秋は、鬼のような形相で睨み付ける。
ヒロインがしてはいけない形相でこちらを威圧する秋に、勇綺と龍哉は、余程恐ろしく感じたのか、身体を震え上がらせながら謝罪をしてしまう。
「君達」
「「「え?」」」
秋が二人を威圧している最中、最後尾で歩いていたカエンが、突然、勇綺達を呼び掛ける。
呼び掛けられた勇綺達は、カエンがいる方へと振り向く。
「もしかしてだが……、通行人達は皆、マシロ君に注目をしているのではないか?」
先程のやり取りを聞いていたカエンは、勇綺達に、通行人達がこちらに視線を向けている理由について話す。
「あ、なるほど」
「それなら、納得だな」
カエンの言葉に勇綺と龍哉は、疑問に思うことなく納得するのであった。
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