地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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最新話です!
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第61話 秋の泣き落とし

 本来の目的とは関係の無いアイテムを、購入するか、しないかで秋が葛藤していると……。

 

「とりあえず……、三十個ほどポーションを買ってみようと思う。これぐらいあれば、僕達でもランドロックの洞窟の地下五階まで楽に潜れるんじゃないかな?」

 

「確かに……、それぐらいあれば、何か安心してランドロックの洞窟を地下深くまで進めそうかもな……」

 

 秋がしょうもない事で悩んでいる最中、勇綺は、ポーションの購入する数が決まったようである。今のパーティーの戦力を考えると、ポーションを多めに買っとけば、精神的に安心できるだけじゃなく、楽に洞窟の攻略ができるようになるだろう。

 勇綺の言葉に、龍哉は首を縦に振りながら納得する。

 

「よし、ポーションを三十個、カゴに入れたし……。カウンター席に行こうか……」

 

 目的のアイテムの購入する数が決まった勇綺は、ポーション入りの小瓶を三十個程、カゴの中に入れてゆく。

 そして、目的の物をカゴの中に入れると、早速、商品の会計をする為に、勇綺と龍哉はカウンター席へ向かおうとすると……。

 

「え? 秋? な、何してるの?」

 

 移動する途中で勇綺は、ポーションが並べられた棚の隣に配置されている棚の近くで、秋と鉢合わせをする。だが、何故か秋は、隣の棚の近くで黄色い箱の商品を睨み付けていた。謎の行動をしている秋に、気になった勇綺は、恐る恐る問いただす。

 

「え? あ、勇綺……。いや……、その……、えっと……、これを見てて……」

 

「え? 何? これ?」

 

「なんかの薬か?」

 

 突然、問いただされた秋は、しどろもどろになりながらも、睨み付けていた商品を勇綺と龍哉が居る方へと見せる。

 勇綺と龍哉は訝しげにしながら、秋が見せた謎の商品に視線を移す。

 

「これがどうかしたの?」

 

(商品名は、エナジーブロックか……。やべぇ……、何かすげぇ面白そうなアイテムだなぁ……)

 

 目の前のエナジーブロックを見据えながら勇綺は、このアイテムについて秋に問い掛ける。

 勇綺が秋に問い掛けている最中、龍哉は、エナジーブロックを興味深そうに見据えていた。

 

「えっと……、これも、買ってみない? このアイテムは、食べると回復できるんだって。凄いと思わない? 回復アイテムとして使えるだけじゃなく、お腹も満たせる食料として使えるのよ。道中、お腹が空く事があると思うから、買ってみましょ? ねぇ? お願い♪」

 

 問い掛けられた秋は、勇綺と龍哉に、エナジーブロックを買って欲しいと、上目使いをしながら可愛らしくお願いする。どうやら秋は、お菓子の誘惑に負けてしまったようだ。

 

(う……、か、可愛い……。幼なじみが凄く可愛いんですけど……。秋って、こんなに可愛かったっけ? いやいや、だからって、秋のお願いを聞くわけには……。でも、やっぱ可愛い……。う〜〜ん……、僕は、どうすれば良いんだ……)

 

(勇綺は昔から、美少女のお願いに弱いからなぁ……。これは、勇綺が承諾するのも時間の問題かな?)

 

 上目使いで可愛らしくお願いする秋の姿に、勇綺はエナジーブロックの購入について葛藤する。

 二人のやり取りを間近で見ていた龍哉は、秋のお願いに、勇綺が首を縦に振るうのも時間の問題であると勘付いてしまう。

 

「で、でも……。僕達は、ポーションを買いに来ただけだし……。他の物を買うわけには……」

 

 龍哉が近くで二人を静観している最中、

勇綺は、秋のお願いを何とか断ろうとするが……。

 

「お願い……、勇綺……」

 

「ぐはっ……! そ、そうだね……。秋の言うとおり、道中、お腹が空く事もあると思うから……、そのアイテムを買ってみよっかな?」

 

(やっぱ、こうなったか……。全く……。弱すぎるぜ、勇綺……)

 

 中々首を縦に振らない勇綺に、秋は、負けじと、涙で瞳を潤ませながら懇願する。

 潤ませた瞳でお願いする秋の可愛らしい姿に、勇綺は、ついに籠絡してしまう。

 龍哉は、泣き落としで簡単に秋のお願いを承諾した勇綺に、呆れながらため息を付く。

 

「やった♪ ありがとう、勇綺♪」

 

(くっ……、負けた……。なんて意思が弱いんだ僕は……。でも、仕方がないじゃん……。可愛い女の子が涙目でお願いしてきたら、断れるわけないじゃん……。そうだよ、これは仕方がないんだよ……)

 

 エナジーブロックの購入を承諾してくれた勇綺に、秋は、子供のように無邪気な笑顔で感謝をする。

 秋に笑顔で感謝された勇綺は、意思の弱さを正当化させようと、心の中で自分自身に言い訳をしていた。

 

「じゃあ……、カゴの中に入れておくわね? 後、勇綺達の分のエナジーブロックも入れてあげる♪ さぁ、会計をしにいくわよ♪」

 

「おう」

 

「うん」

 

 勇綺が胸中で言い訳をしている最中、秋は、カゴの中に、エナジーブロック入りの黄色い箱を、三個程入れてゆく。

 そして、エナジーブロックをカゴに入れた秋は、勇綺達に声を掛けると、早速、商品の会計をする為にカウンター席の方へと歩き出す。

 声を掛けられた龍哉と勇綺は、歩き出した秋の後をカルガモの親子のように付いて行く。

 

「あの〜〜、お会計をお願いします……」

 

「はいはい〜〜♪ え〜〜と……、ポーションが三十個で……。エナジーブロックが三個……。合わせて……、千九百五十ゴルドになりま〜〜す♪」

 

 カウンター席で待機していた女性店員に、勇綺は、カゴの中に入っている商品の会計を頼み込む。

 勇綺にお願いされた女性店員は、カウンター席に置かれているカゴの中に入った商品の値段を伝える。

 

「はい、これで……」

 

 値段を伝えられた勇綺は、小銅貨一枚と小錫貨九枚、そして、小鉄貨五枚を女性店員に手渡す。

 

「え〜〜と……。小銅貨が一枚と小錫貨が九枚、そして小鉄貨が五枚ですから……。合わせて、千九百五十ゴルドちょうどですね? お買い上げ、ありがとうございま〜〜す♪ またお越し下さいませ〜〜♪」

 

 代金を受け取った女性店員は、店の商品を買ってくれた勇綺達に、会釈をしながら再来の言葉をかける。

 

「これで目的の物は買えたね……。はい、龍哉と秋に、ポーション入りの小瓶を十本ずつとカロリーブロックを一箱ずつ、渡しておくね」

 

「おう」

 

「ありがとう♪」

 

 目的のアイテムを購入した勇綺は、先程手に入れた、ポーション入りの小瓶十本ずつとカロリーブロック一箱ずつを、龍哉と秋に分けてゆく。

 龍哉と秋は、分配されたポーションとカロリーブロックを、それぞれのアイテムポーチの中に収納すると……。

 

「おお、君達!」

 

「「「!」」」

 

 分配したアイテムの収納を終えた勇綺達に、カエンが突然、呼び掛ける。

 呼び掛けられた勇綺達は、カエンが居る方へと振り向く。

 

「君達は、買い物が終わったのかい?」

 

 カエンは、こちらを見据える勇綺達に、買い物を済ませているかについて問いただす。

 

「ああ、買い物は、もう終わったぜ!」

 

「はい、目的のアイテムは手に入れました」

 

「たった今、お買い物を済ませました」

 

 問い掛けられた龍哉と勇綺、そして秋は、カエンに、買い物を既に済ませた事について返答する。

 

「そうか! 私は、後、会計をしてもらうだけだ! 龍哉君達は先に、店の外で待っててほしい!」

 

 買い物がそろそろ終わりそうなカエンは、龍哉達に、店の外で待つように促す。

 

「おう、分かったぜ。それじゃあ、勇綺、秋。俺達は先に、店の外で待つとしますか!」

 

「うん」

 

「ええ、分かったわ」

 

 カエンの言葉に納得した龍哉は、勇綺と秋に声を掛けると、早速、店から出て行く。

 勇綺と秋は、店から出て行く龍哉の後を、まるでカルガモの親子のように、一列に並んで付いて行くのであった。




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