地味で最弱なパーティは最強の勇者パーティを超える   作:スーパーかみ

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夜中ですが……。
最新話です。
そして、第一章の最終話になります。
それでは、どうぞ!


第63話 勇綺達の成長

「秋! 先ずは、魔物の動きを止める! 歌をお願い!」

 

「ええ、分かったわ! 任せて!」

 

 勇綺は秋に、血走った目でこちらに急接近する魔物の群れを、バードのスキルで眠らせるように指示を出す。

 勇綺からの指示に従った秋は、首を縦に振る。

 

「眠れ! 魔物共! バードスキル〝うたう〟発動! 〝子守唄〟!!」

 

 秋はリュートを爪で弾く。すると、空中に漂う、音符の形をした白い魔力弾が出現する。

 

「ゲギャギャギャギャギャギャ!! ゲギャァッ!!?」

 

「ヒャッハーッ! チマツリ! チマツリ! ニンゲンハチマツリダァァァァァァッ!! ゲグッ!?」

 

「クアッ! クアーーーーーーッ!! クアアッ!!?」

 

「ギュギュギュギュギュゥゥゥゥゥゥ!!! ギュグウッ!!?」

 

 秋のスキルによって出現した、ふわふわと空中に漂う、催眠効果を持った白い音符型の魔力弾は、こちらに接近する魔物の群れの方へと飛んでゆく。飛んでいった白い音符の魔力弾は、魔物の群れに着弾。

 

「ゲ……、グ……、Zzz……」

 

「ギャ……、ギャ……、Zzz……」

 

「クア……、Zzz……」

 

「ギュ……、Zzz……」

 

 音符の魔力弾が着弾したゴブリン二体とキラーチキンと意地悪兎は、いびきをかきながら眠ってしまう。

 

「ゲゲゲゲゲゲ!! ヒャッハーッ!!!」

 

「ブモッ! ブモッ! ブモッ! ブモォォォォォォッ!!!」

 

 だが、音符の型の魔力弾が着弾しても、動きが止まらなかった魔物がいた。三体目のゴブリンとワイルドボア、そして人食い花とブルームースである。睡眠効果の魔力弾に耐えきった四体の魔物は、勇綺達に攻撃を仕掛けようとするが……。

 

「ふんっ! 甘いぜっ!」

 

 ゴブリンが振り下ろした棍棒を、龍哉はバックステップで回避。

 

「秋を傷付けさせない!」

 

(勇綺……。普段は頼りないのに……。今日は、何か……、カッコいい……)

 

 勇綺は、人食い花が秋を狙って鞭のように振り下ろした蔓を、鉄の鎌で横薙ぎに払う。

 魔物の攻撃から自分を守ってくれた勇綺に、秋は、ドキドキと胸を高鳴らせていた。普段頼りない勇綺が、体を張って人を守ろうとする姿に、秋は、相当格好良く見えてしまったようである。

 

「無駄だ! 魔法スキル発動! 〝ファイアボール〟!!」

 

 人食い花と交戦中の勇綺と秋の近くで陣取っているカエンは、ブルームースが吹き出した溶解液を防ごうと、自身が得意としている、初級炎属性魔法〝ファイアボール〟を放つ。カエンから放たれたサッカーボール程の大きさがある火球は、ブルームースが吹き出した溶解液に着弾。火球の熱により、ブルームースが放った青い色の液体は、白い煙だけを残しながら蒸発する。

 

「ふっ!」

 

「ブギョッ!!?」

 

 龍哉の近くで杖を構えていたマシロは、こちらに向かって体当り攻撃を仕掛けるワイルドボアに、持っていた武器を勢いよく振り下ろす。マシロが振り下ろした杖は、ワイルドボアの頭部に直撃。

 まるで、隕石に直撃したかと思わせるような重い一撃を、頭部に受けてしまったワイルドボアは、地面に勢いよく叩き付けられてしまう。そして、マシロの一撃を受けたワイルドボアは、そのまま、ピクリとも動かなくなった。

 

「ゲギャッ!? ナンダ!? アノオンナ!? バケモノカッ!?」

 

 龍哉と交戦中のゴブリンは、仲間のワイルドボアが、倒されてしまった事に動揺してしまう。ワイルドボアを倒したマシロに、ゴブリンが気を取られていると……。

 

「隙ありぃっ! オラァッ!」

 

「ゲブゥッ!?」

 

 マシロに気を取られて隙だらけになったゴブリンに、龍哉は、勢いよく飛び蹴りを放つ。龍哉が放った飛び蹴りは見事、ゴブリンの顔に直撃。

 敵の攻撃を顔面に受けたゴブリンは、鼻血を出しながら大きく吹き飛び、地面の上へと倒れ込む。

 

「ゲ……、ギャ……、コ……、ノ……」

 

「反撃のチャンスは、与えねぇっ!」

 

 何とか、目の前の敵に一矢報いてやろうと、体に鞭を打ったゴブリンは、傷付いた身体で、よろめきながら立ち上がろうとする。

 だが、龍哉は、ゴブリンに反撃のチャンスを与えようとはしなかった。ボロボロになりながら何とか立ち上がろうとするゴブリンを、龍哉は止めを刺そうと、素早く接近。そして……。

 

「これで、終わりだっ! うおりゃっ!!」

 

「ゲグギャッ!!」

 

 満身創痍となっているゴブリンの頭部を狙って、龍哉は、手に持っていた木槌を力強く叩き付ける。

 龍哉の攻撃を頭部に受けたゴブリンは、まるで糸が切れた操り人形のように、ばたりと地面の上へと倒れ込んだ。

 

「秋!」

 

「ひゃ、ひゃいっ!?」

 

 人食い花と戦闘中の勇綺は、背後にいる秋を呼び掛ける。

 魔物の攻撃から身を挺して守ってくれた勇綺のカッコ良さに見惚れていた秋は、突然呼び掛けられた事で、素っ頓狂な声を出しながら返事をしてしまう。

 

「先ずは、あの人食い花が花粉攻撃を出来ないように、秋がリュートの音波で遠距離から注意を引いて、隙を作ってくれ。そして僕は、注意を引いて隙だらけになった人食い花を、【伐採】のスキルで植物系特効を付与した斬撃属性の武器で倒すから!」

 

「う、うん! わ、分かったわ!」

 

 勇綺は、秋に、人食い花が状態異常攻撃を出来ないように、リュートの音波による遠距離攻撃で注意を引くように指示を出す。

 人食い花の暗闇効果を持った花粉攻撃は、かなり厄介である。この花粉を受けた相手は、視力が低下して、人食い花に攻撃を当てられなくなるのだ。もし、植物系特効を付与した武器を装備した勇綺が、花粉攻撃を受けて、視力が低下してしまったら、攻撃を当てられず、人食い花に弱点を付いて倒すのが困難になる。それを考えると、秋のリュートの音波による遠距離攻撃で注意を引いて、その隙に、植物系特攻を付与した武器で人食い花を倒す作戦は、今の勇綺達にとってかなり安全な戦い方と言えるだろう。

 勇綺からの指示に、秋は、頷きながら気持ちを切り替えると、すぐさま行動に移す。

 

「いっけぇーーっ!!」

 

 秋は、人食い花を狙って、リュートの弦を爪で弾く。すると、リュートから複数の音符の形をした灰色の魔力弾が、勢い良く飛び出す。リュートから飛び出した、複数の音符の形をした灰色の魔力弾は、人食い花に着弾。

 音符の魔力弾が着弾した人食い花は、身体をよろめいてしまう。

 

「今だっ! 園芸師スキル〝伐採〟発動!!」

 

 持っていた武器にスキルで植物系特効を付与した勇綺は、秋の攻撃によって隙だらけになった、人食い花に、素早く接近。そして……。

 

「くらえっ! 化け物っ!!」

 

 勇綺は植物系特効が付与された鉄の鎌で、人食い花を左斜めに切りつける。

 勇綺の攻撃を受けた人食い花は、身体が左斜めに真っ二つとなり、そのまま地面の上へと崩れ落ちた。

 

「この魔法を受けてみよ! 魔法スキル発動! 〝ウォーキングバーナー〟!!」

 

 勇綺と秋の近くでブルームースと交戦中のカエンは、初級炎属性魔法〝ウォーキングバーナー〟を発動させる。すると地面から、百五十センチメートル程の三本の火柱が噴き出す。まるで意志が宿っているかのように、三本の火柱は縦一列に並びながら、ブルームースの方へと向かって行く。

 ブルームースは、こちらに向かってくる三本の火柱を防ごうと、溶解液を吹き出す。だが、火柱の火力が高いのか、溶解液は白い煙だけを残しながら蒸発。そして、向かってきた火柱は、そのままブルームースに直撃。炎に包まれたブルームースの身体は、ドロドロに溶けて行くと、その場で水溜まりが出来上がる。水溜まりが出来上がった場所には、ブルームースの身体の中に入っていた、人間の頭蓋骨が転がっていた。

 

「よし、残りは、眠っている魔物だけだな! さっさと倒すぜ!」

 

「うん!」

 

「ええ」

 

「ああ!」

 

 秋のスキルに耐えきった魔物を撃破した龍哉と勇綺と秋、そしてカエンとマシロは、残りの眠っている魔物を倒そうと、すぐさま行動に移す。

 龍哉達は、それぞれ持っている武器を使って、眠っている魔物達の頭部を攻撃していく。

 眠っている魔物達は、悲鳴を上げる事なく、その場で絶命する。

 

「戦闘終了です……。それでは皆様、ランドロックの洞窟へ向かいましょう……」

 

 魔物達との戦闘を終えたマシロは、勇綺達に声を掛けると、目的の場所であるランドロックの洞窟へ向かおうと歩き出す。

 勇綺と龍哉、そして秋とカエンは、歩き出したマシロの後を、まるでカルガモの親子のように、一列に並んで付いて行くのであった。




これで、一応、第一章は終わりになります。
第一章が終わるまで永かった……。
このまま、第二章に入りたいところなんですが……。
その前に、いい加減、あのキャラクター達の事を書かなくてはいけないので、もう少し第二章は、お待ち下さい。

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