?『私の名前は
スターク《おい、あらすじを平成から令和へと修正中の報告書に記載しているのは何処の部署の奴だ! ちょっと確認にいって説教だな》
ナイトローグ「ん? 何処か行くのか?」
スターク《ちょっくらな?》
ナイトローグ「それなら、序でに芋けんぴ追加で買ってきてくれ。甘味が欲しい」
スターク《ったく、しょーがないな……んじゃ、第10話スタートだ》
「―――私の名前は
笑顔でそう名乗った少女、えっちゃんの言葉に胸の奥底で怒りが込み上げてくるが、大きく深呼吸をする事で冷静になる。それから、冷静な内に現状を把握し直す。
精神が外見年齢に引っ張られて、少し見失っていたか……一旦落ち着こう。
まず、偶然発見した人浚いのトラックを見掛けた俺はトラックを追い掛けて謎の組織へ突入してきた。
そして人浚い達によって連れ去られてきた子供達を捜していると目の前のえっちゃんに遭遇した。
次にえっちゃんの言っていた「小さい頃に捕まった」と言う言葉と、目の前に居るえっちゃんの外見は15~16位。
そこで既に彼女が此処に囚われて何年も経過している事が予想される。
そして、この組織は俺が見掛けたトラックの様な事を平然と、そして何度も繰り返している事が解る。
というか、捕まって今では研究員……経緯は不明だが、研究員にしては気になる物があるんだが。
「……ところで、その首輪は?」
「ん~? これはね~? 昔、私が人を逃がしちゃったから、組織が二度と勝手な行動しない様にって~。ま、
「憶えて……ない?」
「そう~、記憶処理~」
えっちゃんが首輪に触れつつ笑顔で答える。つまり、組織は人為的にえっちゃんの記憶を消したという事。
一体この組織が何を目的としているのか不明だが、少なくとも目の前のえっちゃんや人浚いによって何処かへ運ばれてしまっているであろう子供が犠牲になっている事を考えると再び怒りが込み上げてくるが、直ぐに深呼吸をして落ち着きを取り戻す。
俺の目的も兼ねてるとは言え、この組織に対する怒りを今は内心に積もらせていると、今になって侵入された事が発覚したのか警報が鳴り始めた。
目の前のほんわかした雰囲気のえっちゃんで時間がだいぶ経っていたからか、此処に来た本来の目的である誘拐された人を捜すのが出来ていなかった事を思い出す。
そして警報を聞いていた目の前のえっちゃんがきょとんとした表情を浮かべる。
「ん~? もしかして~、お兄さん侵入者~?」
「ま、そだな」
「う~ん……もしかして、貴方の事なのかな~?」
えっちゃんは何やら悩み出すと、机の引き出しを開けて何やら色々と「これじゃない~」等と言いながら中身を出し始めた。
何を探し始めたのか分からないが、引き出しから手裏剣やクイズハット、スパナやドライバー、そして何故か地球儀だったりと、明らかに研究に関係があるのか?と言いたくなる疑問を思わずえっちゃんに訊きそうになるのを我慢する。
そうこうしている内に研究室の扉が開き、目元が水色のバイザーみたいのを付けている赤い姿をした人型の怪人が全身を黒いタイツで纏っている無数の戦闘員っぽい奴等と入ってきた。
《此処だな? 報告書にあらすじを記入して提出してきた阿呆がいるのは……と、おや? 呼んでも居ない来客が居る様だな?》
「貴様こそ、此処の関係者だな? 誘拐した子供は何処へやった」
《ん~……ん? 子供だと?》
「あ、あったよ~」
俺と赤い怪人が話していると、えっちゃんが目的の物を見つけたのか大声を上げた。
俺が振り返ると、えっちゃんは小さな球体を握っており、それを見た俺―――正確には、俺の中に居る存在が、反応した。
「―――それを俺に!!」
「え~い」
その瞬間、俺は咄嗟にえっちゃんに向けて叫び、えっちゃんは球体を俺に投げてきたので、慌てて受け取る。
―――■と■■■■■■■の■を、貴方に託します。どうか、■■の■と■を燃やして、この世界に■■を紡いで―――
―――すると、球体を受け取った瞬間だけノイズ混じりだけど、若い青年の声が聞こえた様な気がした……いや、確かに聞こえてきた。
恐らくその声が切っ掛けなのか、えっちゃんの投げてきた球体が手の中で同じサイズのまま二つに分かれ、一つは白黒になって俺の身体に入り、もう一つは青色というより、緑色にも似た碧色へと変色していき、その中から俺の中に居る存在が少しずつ感じられる様になってきていた。
《チッ!? まさか、
赤い怪人の言葉を聞きながら手の中にある真ん中のに渦の様な紋様を表示しているアイコンという球体を握り込むと、このアイコン―――いや、この
俺はえっちゃんに背を向け、赤い怪人と対峙する様に身体を向ける。
そして腰部周辺に力を込めると、腰の所に前面部に半透明な碧色の配色がある不気味な意匠が施されているカバーと碧色のレバーがあるドライバーこと【オルトドライバー】が身体の中から具現化し、腰部に定着する。
そして握り込んでいた眼魂―――【フォーリナーゴースト眼魂】の右側面に付いているスイッチを親指で押して、フォーリナーゴースト眼魂の真ん中に表示されていた渦の様な紋様が【FG】と書かれたモノへ替わり、起動状態へと変化させる。
そしてオルトドライバーのカバーを展開すると、フォーリナーゴースト眼魂を押し込み、勢い良くカバーを閉じ、レバーを引く。
【アーイ! マッスグミナー!! マッスグミナー!!】
《そいつは見逃せないなぁ!!》
【フルボトル! ―――スチームアタック!!】
オルトドライバーから待機音の様な音声が聞こえてくるのを聞いた赤い怪人がいつの間にか持っていた機械で出来ている銃にメタリックカラーの小さなボトルを填め込んで即座に引き金を引いてきた。
銃から放たれた無数のエネルギー弾を避けようと思ったが後ろにはえっちゃんが居るのを思い出し、覚悟を決めてレバーを押し込む。
すると、オルトドライバーから碧色のパーカーに似た何か―――フォーリナーのパーカーゴーストが現れて、全てのエネルギー弾を受け止めてくれる。
そして全てのエネルギー弾を受け止めた後、フォーリナーが此方へ振り返り、頷いてくる。
準備万端って事だろう……なら、答えは一つだ。
「―――あぁ、やろうか」
【―――
俺が応えた直後、俺の姿は眼魂が俺の脳裏に映し出した映像通りなら左右が長い三本の角が生えているのっぺらぼうな真っ黒い姿になる。
そしてフォーリナーが俺の頭上で回転しながら背後に回り込むと、俺はそのままフォーリナーをパーカーを被りつつ羽織る様に纏う。
纏う事で真っ黒な姿に碧色の水晶に似た模様が全身に浮かび上がっていき、三本の角が生えたのっぺらぼうな顔にも碧色の円盤に乗った蜘蛛の図が描かれた姿になる。
俺は姿が変わり終わったタイミングで、纏う際に被ったパーカーを降ろして赤い怪人へ構える。
【―――レディセット! 豪快! フォ・フォ・フォ! フォーリナー!!】
「叩き潰す―――粉微塵になるまでな」
△ ▲ ▽ ▼
【
「叩き潰す―――粉微塵になるまでな」
碧色の水晶に似た模様が全身に浮かんだ、三本の角に碧色の円盤に乗った蜘蛛が顔に描かれた黒い戦士【オルト・フォーリナー魂】が赤い怪人―――ブラッドスタークへと告げる。
ブラッドスタークは舌打ちをすると、トランスチームガンに装填されていたガトリングフルボトルを抜くと、即座にロックフルボトルを装填し、オルトへ向けて銃口を向けて引き金を引く。
【フルボトル! ―――スチームアタック!!】
トランスチームガンから放たれた金色の鎖のエネルギーがオルトに巻き付くが、オルトが軽く力を入れる事で即座に鎖は砕け散り、それを見たブラッドスタークは溜息を吐くと指を鳴らす。
それを合図として、オルトへ襲い掛かる全身黒タイツ姿な戦闘員達。
「数が多いなっと!」
迫り来る無数の戦闘員達へ殴る蹴る等によって応対していたオルトは一度跳躍して戦闘員達から距離を取ると、脳裏に浮かんだ光景を再現する為、オルトドライバーのレバーを4回連続で作動させる。
【ダイ晶纏! フォーリナー! オオメダマ!!】
ドライバーから聞こえてきた直後、足元に円盤の形をしたエネルギーが形成され、オルトはそれを掴んで真上に投げる。
すると、円盤が何度も回転して大きな眼魂に似た大型のエネルギーへと変化して落ちてくる。
「オラァ!!」
オルトはその場で軽く跳躍するとサマーソルトキックの様にエネルギーを戦闘員達へ蹴り飛ばす。
エネルギーが飛んできた戦闘員達はエネルギーが目の前で爆発した事で至る所へ吹き飛んだが、エネルギーの余波を受けるであろうブラッドスタークの前にはダイヤモンド型の盾が展開されており、一切ダメージが入っていなかった。
《うむ、連れてくるのを戦闘員にするべきじゃなかったな》
「次はあんただ」
【ダイ晶纏! フォーリナー! オルトドライブ!!】
ダメージの入っていないブラッドスタークを見てオルトは即座にレバーを1回引いてから押し込むと、背後に浮かんだ円盤型のエネルギーが回転しながらオルトの右足に纏われていき、そのままの状態で走り込んでから一度跳躍してダイヤモンド型の盾へ跳び蹴りを放つ。
それによりダイヤモンド型の盾が砕け散る―――だが、その奥でブラッドスタークが明るめの青い海賊が描かれたフルボトル【海賊フルボトル】を装填したトランスチームガンの銃口をオルトへと向けて立っていた。
《ぶっ飛びな》
【―――スチームアタック!!】
引き金を引いたトランスチームガンの銃口から強烈な水流がオルトに直撃し、そのままオルトを壁に衝突させる。
自身を襲う水流によって身動きがあまり取れないオルトは何とかレバーを掴んで操作し、再びレバーを引いて押し込む。
【ダイ晶纏! フォーリナー! オルトドライブ!!】
そしてエネルギーを右足に纏わせると水流を蹴り上げ、水流は天井へと飛んでいく。それと同時に壁を背に座り込んでしまったオルトはゆっくりと膝に手を置きながら起き上がると、ブラッドスタークへと顔を向ける。
(慣れてない影響もあると思うが、何度も必殺技みたいのを使ったから疲労感が凄いな……このままだと拙いッ)
《―――ま、ぼちぼち良いだろう》
内心疲労感により少し困惑していたオルトだが、ブラッドスタークはトランスチームガンから海賊フルボトルを抜いて部屋を出ていこうとする。
それを見て待ったと掛けようとするオルトだったが、力を使い過ぎたのかパーカーゴーストが消滅し、そのまま人間の姿に戻ってしまう。
【オヤスミー】
「んなッ!? 解けた、だとッ!?」
《元々此処は、廃棄済みだったんだがなァ……どうやら、うちとは別の派閥が再利用してたみたいでな? その処理に来てたんだよ、俺はな》
人間の姿に戻った青年に対し、ブラッドスタークが背中を向けながら自身の説明をし始める。その間に青年へと近寄るえっちゃん。
そして扉を通り抜けたブラッドスタークは振り返ると、手をひらひらさせながら青年とえっちゃんに告げる。
《だから、その少女を連れてっていいぞ? 俺には関係ないしな。お前の言ってた子供ってのは俺が捜しておいてやる。じゃあな、Ciao♪》
その直後に扉が閉まり、部屋には青年とえっちゃんだけが取り残された―――
あの赤い怪人―――えっちゃん曰く【ブラッドスターク】に見逃され、えっちゃんに繋がっていた鎖を腕力で破壊してから研究所にあったトラックを使って山を下り、街の宿に来ていた。
山の麓に着いた際、左目に黒い眼帯を付けた銀髪の少女が軍服を着て率いている女性軍人だけの部隊と入れ違った際に少し話して知ったのだが、此処はドイツの国境付近らしく、謎の反応を確認して出動してきたらしい。
俺は副隊長と名乗る女性と話をした後、副隊長にこの宿について教えてもらった。
「さて、これから如何するかだな……」
「私はお払い箱になったみたいだし~、貴方についてく~。多分、彼の知り合いって貴方だと思うし~?」
「彼?」
「そ~!
「何となくだが、解った気がする……多分、俺の目的の対象だな」
俺はえっちゃんの言う彼が、目的の対象であると認識すると盛大に溜息を吐く。
どうにかヒントを得たが、えっちゃんとブラッドスタークの言っていた事を合わせると、少し面倒な事になる。
「ところで、貴方の名前は~?」
「ん? そうだな……
「なら、なーくんだね~」
「……なーくん?」
「そうだよ~! これから宜しくね~? なーくん!」
……取り敢えず、疲れたから寝よう。
そう思い、俺は考えるのを止めて眠りについた。
次に起きると何故かえっちゃんが俺の腕を枕にして眠っているなんで事になってるとも、つゆ知らずに。
△ ▲ ▽ ▼
【フルボトル! ―――スチームアタック!!】
俺は迫り来るIS【ラファール・リヴァイヴ】に乗った女達に向かい、トランスチームガンに水色の宝石が描かれたフルボトル【ダイヤモンドフルボトル】を装填し引き金を引く。
さっきの眼魂を使うやつとの際には盾として使ったが、今回が無数の濃い赤色のダイヤモンドを飛ばしてISを破壊していく。
近々視察に来る積もりだったが、あの報告書が切っ掛けでここにきて良かったと思っている。
おかげで、ビルドやブラックサンだけでなく眼魂を使う相手にも恵まれる事が判明したのだから、とても気分が良い。
そして俺は足元で転がっているISコアを踏み砕き、そのまま研究所の奥へと進む。
《さてと、多分此処だな? あいつの言っていた誘拐された子供ってのが居るのは……ふむ》
研究所の奥にある電子ロックで施錠された名前の記載がされている部屋の扉を胸元の蛇マークから生み出した水色の蛇に破壊させる。部屋の中には全身が薄汚れ、黄色い髪色の少女と、黒髪の身体が弱そうな女が居た。
さて、黄色い髪の少女は知らないやつだが、黒髪の女は見た事がある。部屋の前に記載されていた名前の一覧を見てまさかと思っていたが、中々面白い奇跡があるものだな。
《さて、お前達を俺が保護してやろう……シャルロット・デュノア。そして―――小倉香澄》