兎意添変   作:悠畏

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【前回のあらすじ】

真白「私、龍ヶ崎真白と沖兎響介さんは、新宿駅で突然気を失うと、そこは見たこと無い場所で! 更に爆発音やボロボロな女性が!! 変な宇宙服っぽい化物が!!!」

響介「巻きで行くぞ。グダグダしてる場合じゃないからな」

真白「えっ、もう言うんですか?! 早くないですか!?」

響介「知らん。そんなこんなで」

真白「え、あ、はい!」

真白・響介「「はてさてどうなる第1話」!」

真白「スタートDeath!! って、沖兎さん、何やってるですかぁー!?」


【第1話】ベストマッチする青年

 私が奴等から逃げて約10年―――遂に奴等は私の研究所を発見し、襲撃してきた……奴等の迎撃にゴーレムシリーズを研究所の外と中に展開したけど、研究所に設置して置いた監視カメラには、ゴーレムシリーズに向かって突っ込んで爆発する奴等の連れてきた全身黒いタイツな「イー」しか言わない奴複数と、ゴーレム複数を一度に破壊するスマッシュと呼ばれる異形もとい怪人。そして、怪人達の後ろから私にとって()()()()()のある存在が映っていた。

 

「【ブラッドスターク】ッ……!!」

 

 本当ならヤツだけはどうにかして捕まえたいけど、今の私では捕まえる事の出来ない現状に内心マグマが噴火しそうな程に腸が煮えくりかえるが、現実は非情であるのもまた真実なので、一度冷静になる。

 冷静になった私は先ずはこの研究所を破棄し、別の研究所へ移動する為、私が約10年前に【()()から託された物】を持って脱出しようとする。

 すると、背後の方でガタンと微かに音聞こえた゜十中八九―――

 

《久し振りだな、博士》

 

「そうだね、スターク……ッ!!」

 

 恐らく、排気口を経由して先回りしに来たと思われるスタークが、私の背後に煙を纏いながらエコーの掛かった様な声で話し掛けてきた。少なくとも、そういった事がヤツの持つ銃【トランスチームガン】には可能なのは調査済だった。まぁ、あくまで憶測の範疇に過ぎないけど。

 私は即座に設置しておいた特殊な薬品を調合して作った白色の煙を部屋中に散布しつつ、スタークからは何とか逃げる事に成功したけど、脱出用ロケットのある部屋へ行く途中で待ち伏せしていた怪人達と遭遇、そのまま背後からスタークと合流されてしまい、慌てて近くの部屋に逃げ込むことにした。

 だけど、

 

「何で此処に人が!? それより、早く逃げッ!!」

 

 逃げ込んだ部屋には見知らぬ男女がいて、私は思わず驚いてしまい、その隙を狙ったかの様に爆風が私の背中へ襲い掛かってきた。

 私は爆風によって男の方へと飛ばされてしまい、そのまま男に倒れ込んでしまった。

 その際、私は【()()から託された物】を落としてしまい、後ろから来ていたスタークに見つかってしまった。

 

《―――いい加減、諦めて我々に協力して貰おうか? 博士……って、おや? それはまた、懐かしい物を隠し持ってたんだな~。は・か・せ?》

 

 私が振り返ると、スタークは懐かしそうな声で言いながらトランスチームガンを持った右手と、上下に振っている物―――嘗て、奴等に奪われたフルボトルの一つを持った左手が見えた。

 そして、トランスチームガンのスロット部に振っていたフルボトルのキャップの位置を合わせて装填すると、銃口を【()()から託された物】へと向けた。

 

【フルボトル!】

《んじゃ、それはボッシュートだ》

 

 スタークが引き金を引こうとした直後、男がスタークへ殴り掛かり―――

 

《ナンダトォッ!?》

 

 ―――スタークは壁へ吹っ飛ばされた。

 

 その時の私は理解が追い着けず、スタークも背中からめり込んだ壁からゆっくりと立ち上がって、状況を把握しようとする。

 

《ったく、一体何が……って、そいつは!?》

 

 スタークが男を見て驚いたので、私も男をよく観察する。すると男はスタークに殴り掛かった手とは反対に何かを握り締めていたのが解った。

 それを見たスタークは驚いた後、唐突に笑い始める。

 

《ハーッハ、ハ、ハ! ソイツは驚いたぞ。まさか、()()()()()()【タンクフルボトル】とは!!》

 

「タンク……フルボトル?」

 

 スタークの言葉に対し、殴り掛かった男は自身の持っていた物【タンクフルボトル】を見ているが、私は二つの事を考えていた。「何故、()()()()()で失われたタンクフルボトルを男が持っているのか?」という疑問と、「もしかしたら」という淡い希望―――私は即座に男へ叫んだ。

 

「―――ドライバーを腰に当てて!」

 

 男は私の声に反応し、落ちているハンドル付の機械【ビルドドライバー】と赤いフルボトル【ラビットフルボトル】を拾うと、ビルドドライバーを自身の腰に当てた。

 すると、ビルドドライバーの機能の一つである【自動ベルト装着機能】が起動音と同時に働き、それを見た私は、抱いていた淡い希望が()()へと変わったのを感じた。

 

《ほぅ? どうやら、3.0以上はあるって事みたいだな? だが、素直にさせるとでも思ったか?!》

【スチームアタック!!】

 

「ドライバーにボトルを装填して回してッ!!」

 

 私の言葉足らずな指示と同時に、スタークが男へとトランスチームガンの銃口を向け、引き金を引いた―――

 

 △ ▲ ▽ ▼

 

 俺が女性の落とした物に集中していると、何処からかカタカタと音が聞こえていたので、音のした先を見ると、赤い異形が黒い銃に似た機械の窪みに先程まで振っていた―――俺がポケットに入れている青や、女性が落とした赤とは色違いの水色に近い色をしたボトルを填め込んでいるのが見えた。

 そして銃から音声が鳴り、銃が先程のボトルと同色の光を纏ったのを見て、先程試しに振った様にボトルには不思議な力が宿っているのを再認識した。そして、ヤツの持つ銃や博士と呼ばれた女性の落とした機械に同じ様な窪みが二つある事から、これらはボトルの力を活用する手段であり、機械に関してはボトルを二本入れれて、恐らく現状を打破出来る可能性があるという事も。

 

《んじゃ、それはボッシュートだ》

 

 異形が機械に向けて引き金を引こうとしたタイミングで、俺はそっとコートのポケットからボトルを取り出し、異形へ走り出しながらボトルを振り始める。

 そして一直線に異形の腹部へ向けて殴り掛かった結果、

 その結果―――

 

《ナンダトォッ!?》

 

 ―――異形が勢い良く壁へ吹っ飛ばされた。

 

 思った以上の力が出た事に驚きつつも、現状を打破出来る可能性を守れた事に安堵する。

 すると、異形が背中からめり込んだ壁からゆっくりと立ち上がって、状況を把握しようとし―――俺の握っているボトルを見て驚きながら笑い始めた。

 

《ハーッハ、ハ、ハ! ソイツは驚いたぞ。まさか、()()()()()()【タンクフルボトル】とは!!》

 

「タンク……フルボトル?」

 

 異形の言葉を聞き、俺は思わず握っているボトル【タンクフルボトル】を見る。戦車=タンクで、振る事によって力を得るボトルだからフルボトルって事か……という事はさっきの赤い兎のボトルも―――そんな事を考えていたら、女性の声が聞こえてきた。

 

「―――ドライバーを腰に当てて!」

 

 女性の指示に従い、俺は一瞬何の事か解らず悩けど、恐らく先程女性が落とした機械がドライバーであろうと考え、ドライバーと赤いフルボトルを拾うと、先ずはドライバーを腰に当てる。すると、ドライバーから起動音みたいな音が鳴り、同時に黄色いベルトが展開されて腰にフィットする形になった。

 確かに、これはドライバーと呼べる。俺はそんな事を考えつつ片手に【タンクフルボトル】を、もう片手に赤い兎のボトル―――恐らく【ラビットフルボトル】と呼ぶであろうフルボトルを握り込む。

 

《ほぅ? どうやら、3.0以上はあるって事みたいだな? だが、素直にさせるとでも思ったか?!》

【スチームアタック!!】

 

「ドライバーにボトルを装填して回してッ!!」

 

 異形が関心する様な声と女性の言葉足らずな指示が同時に聞こえたが、取り敢えず異形がやっていた様に左右のフルボトルを振りながら異形が引き金を引いた際に出て来たロケットを半身で避けながらビルドドライバーの窪みの一つに【ラビットフルボトル】を装填する。

 

【ラビット!】

 

 そして異形が放ったロケットは誘導弾の様に向かって返ってきたので、咄嗟にコートを脱いでロケットに向けて投げつける。

 コートにぶつかったロケットは爆発を起こし、爆風が向かってくるが、その隙に【タンクフルボトル】をビルドドライバーのもう一つの窪みに装填する。

 

【タンク! ―――ベストマッチ!!】

 

 組み合わせが良かった事に対し、取り敢えず運が良かったと思い、そのままビルドドライバーのレバーを握り締め、前回転で回す。

 すると、ベルトから透明なチューブみたいのが2本出て来て、各1本ずつ俺の前後にプラモみたいなのを形成した。

 そのチューブの中を片方に赤い液体が、もう片方に青い液体が流れていき、プラモみたいなのが着色されていく。

 

【Are you ready?】

 

 ビルドドライバーから質問が聞こえてきた。中々ユニークだな、と思いながら俺はドライバーへの返事を考える。ふと、この場所に迷い込む前日だが電話越しに話していた後輩の話を思い出した。

 

 ―――私、色々あって虐め……ではないんですけど、助からない病気?みたいのが原因で似た様な事に巻き込まれてた事があるんです。けど、そんな私を最後まで信じてくれた大切な人が居て……その人や、その人の周りの人達のお蔭で病気は完治して、今の私があるんです。その時にちょっとだけど、思ったんです……病気とか運命は変えられるんだって。済みません、なんか変な話でしたよね?

 

 「病気とか運命は変えられる」……なら、こんな現状を打破する位、簡単に変えられる筈―――状況的に身体も変わるみたいだし、折角だ。病気や運命、身体も全部引っくるめて変えようか……!

 

「―――変身っ!」

 

 そして俺の前後に形成されたプラモみたいなのが俺の身体を挟み込み、俺は姿を変えた―――

 

【鋼のムーンサルト―――ラビットタンク! イェーイ!!】

 

 ―――このハイテンションな掛け声と共に。

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