中華料理店織斑   作:ロドニー

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クロエ襲来!! 後編

 

 レナス達が教室に向かった頃、俺達は学園長室の前だった。卒業以来とはいえ、全く変わらない扉には歴史すら感じる。

 

 学園長室に来た理由だが、三人に対して日本政府とドイツ政府が同じ内容で出した命令に関して刀奈に直接問いただす為でもあった。

 

 俺と鈴は日本に住みながらも政府を信用していない。

 

 当然だろうが、日本政府はあの事件を後に俺の意思に関係なく在学中に国家代表候補生にした事だけではない。

 

 そして、決定的な出来事もあった。

 

 ファントムタスクとの最終決戦ではエクスカリバーの収束ビーム砲の斉射により、俺は腹部を貫かれる直撃が要因で瀕死の重症を負い専用機も大破して修理不能となった。そして、俺の新たな翼として束さんが修理不能となった白式のコアと新たに作ったコアの二つのコアを使用して開発してくれた俺の今の愛機である(リミッターを掛ける前は7世代型高機動強襲型近接火力特化タイプ)白椿を制作して渡してくれた。

 

 だが、絶対的破壊力と超高性能機(各国では未だに3世代機又は4世代機が中心)である7世代機の存在を知った日本政府は俺には過ぎたる機体として、国家代表(白椿は俺の脳波登録している為に他人は使用出来ない事を政府は知らない)に使わせるからと渡せと強要して来て、卒業する頃には姉弟が揃って日本政府に対する信用は地に落ちていた。

 

 そして、卒業後は国家無所属の選手であるフリーランスになっても日本政府からの執拗な要請は続いたが、束さんが専属のメカニック並びに鈴が中国国家代表を蹴り無理矢理にも俺に付いて来てからは鈴との関係を認め、俺達二人を護ろうとする束さんが怖いのか、一時的にだが鳴りを潜めた。

 

 そして、二連覇を果たした後だが鈴とタッグを組みタッグトーナメント大会参加中に完成したばかりの黒椿をめぐって一悶着が起きた。

 

 俺の専用機と同じく、鈴にも専用機『黒椿』が未完成な機体だったが自身を護る力として学園を卒業して一緒に付いていく時に束さんから渡されて居たのは知っていたが白椿と同じ7世代型のISだった。

 

 束さんが専属メカニックになった時には黒椿の開発は再開するが、鈴のパワーが凄いのか格闘技術が凄いのか解らないが開発した本人ですら頭を抱える問題が起きていた。

 

 頭を抱えた理由は、特に鈴の専用機は近接格闘特化タイプ特有の関節部への強度問題と重装甲化による低機動化が問題が足枷となり開発が難航していた。

 

 近接格闘特化タイプ特有の問題とは殴る蹴るはもちろん、中華拳法を主体とした戦い方の為に関節に掛かる負担による関節の破損や装甲の重装甲化による機動性能の低下は避けられなかった。

 

 しかし、妥協を一切許さない束さんは機動力不足を補う為に白式や紅椿と同じ技術であるウィング型の展開装甲の追加に加えて、装甲と装甲の間に小型で超高出力のスラスターを組み込むなどの技術を開発して重装甲ながらも高機動化に成功して黒椿はようやく完成を見た。

 

 その技術の代償として燃費は悪くなったが、重装甲ながらも白椿並いやそれ以上の高機動性能を可能としてしまい、黒椿は白椿と同様に日本政府と中国政府が二人の専用機を欲し狙われる事になる。

 

 

 

 そして、両国から狙われている事は知らず、鈴が付いて来るようになっても大会もプライベートも関係なく鈴とは二人で一緒に暮らすようになり、何時も自分の訓練をやりながらでも健気に食事や身の周りの世話などしている姿に幼馴染から一人の女性だと気付いてしまったのかも知れない。

 

 今では一緒が当たり前に成りつつもあるが、第三回タッグトーナメント後では鈴の存在が無くてはならない存在だと気付かされた。

 

 事件の発端は、ロシア国家代表と日本国家代表の更織姉妹との四人で卒業以来の再会を喜び、試合後のディナーでだった。

 

 鈴もディナーの為、レストランがドレスコードである為にパーティー用のチャイナドレスを着て、俺と一緒に滞在するホテルからレストランへ向かう途中で鈴が襲撃された。

 

 その時、俺は指輪を秘密裏に買う為に先にで出いて、襲撃された鈴からの緊急連絡から慌てて鈴の元に駆け付けて無事を確認した時に無事な姿に安心して抱きしめて謝ったが『許す替わりに一緒に寝なさい』と言われてから一緒に寝る様になった。

 

 流石に寝顔は可愛かったが手を出す事だけは躊躇い、あの時の事件以降まで手を出す勇気が無かった。

 

 それ以降、鈴が刀奈から何を教わったか知らないが鈴の執拗な誘惑に手を出してはイケないと悶々する日々を送ったのだ。

 

 話を戻すが、幸い俺が着いた時にはチャイナドレスは一部肌が開けている程ボロボロだったが鈴一人で襲撃した犯人は全員が病院送りにしたらしい。警察での犯人達の調書では中国政府から雇われ、マフィアによる黒椿を狙った犯行だったらしい。

 

 ただ、ここで言えたのは中国国家代表の二人は二回戦を棄権している事実だけだろう。

 

 こんな事があるから政府を信用出来ないのだ。

 

 そして、今度は娘達に毒牙を掛けようとしている日本政府。

 

 更織の返答次第では娘達を護る為に、白椿と黒椿のリミッターを解除しなけばならない決断が必要だろう。

 

 そう、日本の中枢である東京を火の海にしてでもだ。

 

 

 さて置き、学園長室の扉に手を掛けようとした時だった。

 

 「うっひゃ!?」

 

 とラウラの気の抜けた悲鳴。

 

 声の方を向いてみれば、何時の間にか現れたクロエがラウラを膝の上に乗せて愛でている最中だった。

 

 娘の事を考えている最中に現れたのは流石、シリアスブレイカーなクロエだった。

 

 当のクロエだが、ラウラの着ていたカジュアルなブラウスやジーンズを無理矢理脱がし放り投げた衣服は空を舞い俺が見た姿はラウラの下着姿だった。

 

 その姿は見た目とのギャップで鈴よりエロい姿にごくりと息を飲み込むが妻の鈴に目潰しをされた。

 

 「おっ、お姉様!?

 

 赦してぇぇぇ!!

 

 よっ、嫁!?

 

 はっ!?

 

 みっ、見るなぁぁぁ!?

 

 嫌ぁぁぁぁ!!」

 

 とラウラが悲鳴を上げ

 

 「ハァハァ…

 

 ラウラちゃん、今度はコレにしましょ♡」

 

 「一夏!!

 

 アンタねぇ、アタシが居ながらラウラの下着姿を見る訳!?

 

 目でもつぶれてろ!!」

 

 「むっ、無罪だぁぁぁ!?」

 

 「死にさらせ!!」

 

 「ギャァァァァァ!?」

 

 クロエが暴走し興奮しながら新しい洋服を無理矢理に着せて行く。

 

 その間、ラウラの悲鳴の度に振り返っては鈴に何度も目潰しをされたのはご愛嬌。

 

 更に布が擦れる音がする事、数回。

 

 「う〜ん?

 

 やっぱり、レナスちゃんとお揃いが良いですねぇ…」

 

 「やっ、止めろ!?

 

 それだけは、止めろ!!

 

 お姉様?

 

 嫌ぁぁぁぁ!?

 

 ………もう、嫌だ。

 

 お姉様、怖い…ひぃぐぅ…コワイ…コワイ…うわァァァァァん」

 

 ラウラのプラチナシルバーの髪は金髪に髪を染められて髪型はツインテールに束ねられて真っ赤なゴスロリドレスを着せられたラウラが出来上がっていた。

 

 勿論、ラウラはクロエの膝の上に乗せられまま幼児退行して泣いていたが、お構い無しに愛でているクロエだった。

 

 そして、クロエは満足するまで堪能するとゴスロリ姿のラウラを残して何時の間にか居なくなり、俺達も何時の間にか着せ替えられている事に気付かないまま学園長室の扉を開けたのだ。

 

 

 

 

 

 今では学園長である更織刀奈。

 

 元はロシア国家代表選手であり学生時代は生徒会長だった人物だ。

 

 今はロシアの軍人との結婚を期に引退して二人の娘を出産してはいるが、元からのサボり症である刀奈はラブラブな夫婦生活と学園長生活を楽しみたいが為に楯無の名前と当主の座を娘である長女で学園の二年生になる白百合に譲り、現ロシア国家代表である白百合に生徒会長をさせながら満喫していた。

 

 しかし、平和な学園長生活にヒビが入る。

 

 悪夢の始まりは織斑姉妹の学園への緊急編入だった。

 

 日本政府の陰謀から護るべく、双子姉妹の叔母である織斑千冬先生からの要請で織斑夫妻の双子姉妹が6歳ながら学園に編入する事と姉妹がその年齢ながら専用機持ちである事は知っており、篠ノ之束先生から専用機のスペックを纏めた書類を見て編入する理由を知っていた。

 

 そして、更織の力での調査で織斑先生と篠ノ之先生の二人が双子姉妹の家庭教師をしていた事も把握済みだった。

 

 結果から、彼女の悪癖ではあるが興味を惹かれるのは判りきっていた。

 

 そして、学園長の権限で双子姉妹には新一年生が試験を受ける時を狙い編入試験をさせたのだ。

 

 先ずは、筆記試験だった。

 

 「はぁぁぁぁ!?

 

 主席で合格!?」

 

 と驚愕の結果に学園長室の執務机の椅子からずり落ちてお尻をぶつけて悶絶し、次の実技試験では

 

 「おっ、お母様!!

 

 もう、嫌ぁぁぁぁ!?

 

 いきなり、試験官として実力をを見て来いって言っときながら、あの姉妹があんなに強いだなんて聴いてないわよ!!

 

 二度と威力偵察なんかやらないわよ!!

 

 負けたんだから、生徒会長を辞めてやる!!

 

 うわァァァァァン」

 

 「えっ!?

 

 マジで…」

 

 と双子姉妹に実技試験では蹂躙されてズタボロに負けてしまい、落武者と言ってしまいそうなボサボサになった髪と全身が煤と泥だらけで泣きじゃくる娘の姿に『悪戯成功!!』とは扇子を見せる事を躊躇い、学園長室の真ん中で生徒会長としても更織家当主としての威厳すら消えて泣き叫ぶ一人の少女になってしまった娘の姿にどうにも出来なかった。

 

 双子姉妹が入学してからは、姉の織斑十夏が生徒会長に副会長には妹の千秋がなると、規律が緩んでいた学園は双子姉妹によりる改革の嵐が吹き荒れて学園長に来るお酒関連の苦情や報告書などの書類が山の様に来る日々になる。

 

 元生徒会長の娘は双子姉妹に連行され嫌々ながら書紀にされ、書類作業から逃げられたと思ってはいたが双子姉妹の処理速度の速さに翻弄さていた。

 

 そんな改革の嵐が吹き荒れていた時だった。

 

 日本政府から双子姉妹に対しての要請が来たのは…

 

 双子姉妹の授業態度は林間学校前での成績は主席をキープし、実技に関してはトップクラスの強さをほこる二人には飛び級を認めて6歳でも2学年に進級は確定だと思っていた。

 

 そして、来た要請は政府から16歳になるまでは進級を認めないと要請が来たのだ。

 

 不思議に思いながらも、林間学校を前にもう一人が編入。

 

 名前はレナス・ボーデヴィッヒ。

 

 年齢は6歳。

 

 所属、ドイツ空軍所属特別技術研究所テストパイロット。

 

 階級は中尉  

 

 学園の卒業生であるラウラ・ボーデヴィッヒの一人娘。

 

 専用機 ヴァルキリー

 

 

 

 見た瞬間、頭を抱えた。

 

 まさか、ラウラの娘まで編入だ。

 

 抱えたくなる。

 

 そして、ドイツ政府からも日本政府と同じ要請。

 

 胃が痛くなる。

 

 それを知ってなのか、三人の親である織斑夫妻と母親のラウラから面談要請が来ていた。

 

 正直、母親の鈴音ちゃんが怖いから逃げ出したい。

 

 多分、鈴音ちゃんの事だから旦那様を連行しながら話し出す内容は、今回の要請についてだろうし、此方も把握しきれていないのが現状だった。

 

 学園長室の外が騒がしいから来たと思うのだが、扉が一向に開かない事に苛ついたが数分後に扉が開いた。

 

 

 私は三人の姿を見て、見ては行けない物を見てしまった気がする。

 

 一人はアヒル付きバレーリーナ姿の一夏。

 

 その妻は、大洗女子学園の戦車道部との試合に負けた時の名罰ゲームである『あんこうスーツを着てあんこう音頭を踊らされる』と言う、実際に着てあんこう音頭を踊ったら嫁に行けなくなると言う、伝説のあんこうスーツ姿の鈴音ちゃん。

 

 極め付けは、ラウラちゃんだろうね。

 

 金髪ツインテールは見事と思いながら決めており、真っ赤なゴスロリドレスはローゼンメイデンの真紅の姿だった。その姿に恥じらう二人の姿に娘は

 

 「年考えて、着なさいよ!!」

 

 と突っ込み、鈴はババアと言われキレた。

 

 「誰が、ババアよ!!

 

 クロエ!!

 

 覚えてなさい!!」

 

 「キレても締まらないわよ!」

 

 と半泣き状態の鈴に更に娘はツッコミを入れてしまい、それが、原因で飲みかけの紅茶を吹き出したのだ。

 

 ぼっふぅぅぅぅ

 

 これがきっかけだった。

 

 親子で腹筋が痙攣して崩壊。

 

 学園長室は親子で大爆笑となったのだ。

 

 「ぜぇ、ぜぇ…面白過ぎるから…止めて…」

 

 「アンタねぇ!?」

 

 キレながら取っかかる鈴は羞恥心でクネクネしてしまい全く締まらないし、それがあんこう音頭に見えてしまい更に笑いを呼ぶ。

 

 ラウラちゃんと一夏君に限っては既に死んだ魚の眼になっている姿を見て、鈴音ちゃんでツボにはまっていた為に更に腹筋を崩壊して酸欠状態になり娘共々気絶したのだった。

 

 

 そして、目覚めた頃には三人は既に帰っておりテーブルには『話したら、学園関係者だけ値上げする』と白いペンキで書かれていた。

 

 もし、話したら学園内の常連客の連中が暴動を起こすと思うと顔を真っ青にしたのだった。

 

 

 

 

 再び、成田空港。

 

 手荷物だけになったクロエはルンルン気分でドイツ行きのゲートに向かっていた。

 

 「旦那様の浮気の八つ当たりでしたが、妹と姪のいい写真が取れましたね。

 

 次は、セシリア様とメアリー殿下様に着せ替え人形になって頂きましょう。

 

 ですが、千冬さまも捨てがたく思いますが、更織親子に恥ずかしい思いをしてもらいましょう。

 

 では、旦那様が浮気したら、次はこの四人で…」

 

 呟き、ゲートを潜ったのだ。

 

 ただ、彼女は何か楽しそうだが、丸聞こえだった周囲の乗客がドン引きして居たのは気のせいだと思いたいが、対象にされた四人に同情しつつ合掌していたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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