中華料理店織斑   作:ロドニー

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I shall return in Kuroe

 毎回、使い回されてはいるが此処は成田空港。

 

 到着ロビーに現れた三人の美女に男達は目を見張る。

 

 一人は茶髪でショートヘアに纏めたアジア系の美人だが左薬指には銀色の指輪を嵌めている事からも人妻だと判る。

 

 もう二人は双子の様に似た顔立ちでプラチナシルバーの髪を背中まで伸したストレートヘアーだが、姉だが妹だかは判らないが片方に抱き付き甘える姿はとても百合百合しい空気が流れロビーに居た男達は鼻から一筋の温かい物が流れていた。

 

 そう、この三人はドイツから帰って来たのだ。

 

 だが、特に茶髪の女性は非常に疲れている様子なのは抱き付いている女性が原因だと断言出来るだろう。

 

「クロエ、いい加減ラウラから離れさない!!

 

 怯えて震えてるじゃない」

 

 鈴はラウラを愛でる様に抱き付いているクロエを叱るが『これはクロエの物です』と更に周囲に人形の様に見せびらかして愛でるが、抱き締め事で更に潰れた胸部装甲に目は釘付けとなり男共は黄色い声を上げて鼻血を吹き出していた。

 

 「鳳さま、嫌です。

 

 可愛い妹を愛でるのは姉である私の権利であり特権です」

 

 震え怯えるラウラを抱きしめ愛でるクロエはドヤ顔で答える。

 

 「アンタねぇ!!

 

 アタシは結婚したから、鳳じゃなくてお・り・む・らよ!!

 

 判った?」

 

 クロエとのやり取りで更に疲れる鈴に『もう、いやぁぁ…』と念仏の様に呟き力無く項垂れ、諦めの境地に達していたラウラだった。

 

 

 

 

 ドイツに着いてクロエと合流したが、クロエは学園での着せ替え人形事件は謝ったが、別の浮気された件は浮気相手の妊娠を知り相手諸共許す事が出来ずに泣き出して結果的に事実を知ってキレた束さんが出てきてしまいアイツと離婚に至った。

 

 理由は言わなくとも判るが、アイツは軽い火遊びの積りで浮気をしていたらしく、相手は同じ機甲戦車連隊の部下で気付けば妊娠中。

 

 そうとは知らず、何時もの浮気だと思いアタシ達に甘えたい理由と八つ当たりをしてしまったクロエ。

 

 浮気相手の妊娠を知ったクロエはアイツに愛想を尽かしてしまい『尽くして来たのに…』と呟き膝を着き泣き出してしまい、それを見たアタシとラウラは当然ながら激怒して黒椿とシュヴァルツア・レーゲンを展開して演習と言う名の名目でアイツの戦車連隊を全て撃破して来たのだ。

 

 まぁ、浮気して妊娠させたのだから当然だが…

 

 演習と言う名のお仕置きが終わって、クロエの所に慰める為に戻った所でクロエを泣かした事を衛星のカメラで見て知ってしまい、マジギレした束さんによって殴られ顔を腫らしたビットマンはクロエの前で正座中だった。

 

 だだ、アタシ達が来て束さんが片付けた段階で意味が無いのは目の前の光景のせいだと思いたくないのは気のせいだと言って欲しい…

 

 ただ、束さんに肩を寄せられアイツを見下しながら佇む姿で目尻に涙を浮かべながら、ニコニコ笑ってはいるが目が笑っていないクロエと愛娘を泣かした事にマジギレ状態の束さんの姿に恐怖し怯えるアイツとその部下達は話し合い(肉体的言語)が終わるまで全員が土下座状態だったのだ。

 

 そして、未だにキレている束さんからクロエの直筆の署名入りの離婚届を手渡され、震え怯えながらサインするビットマン。

 

 アタシ達も束さんのマジギレ状態を見るのは夫である一夏が最終決戦の時に瀕死の重症になった広範囲殲滅タイプで衛星型のISであるエクスカリバーの一件以来だが、未だにあの束さんの姿に慣れる事は無い。

 

 それだけ、マジギレした束さんは怖いのだ。

 

 こうして、束さんに美味しい所を持って行かれ不完全燃焼のままクロエを連れて日本に帰る事になったのだ。

 

 無事にクロエは離婚が終えたが、問題は其れだけではなくクロエはアタシが抜け駆けして結婚した事を未だに根に持っていてアタシと一夏が結婚した事を認める気が一切無いらしい。

 

 そして、クロエはニッコリアタシに微笑み、宣戦布告はして来るし、ポンコツ元貴族と脳筋元女王と共に一夏はアタシと結婚してるのに争奪戦に参戦してくるのではと思い頭が痛くなるのだった。

 

 

 

 

 再び、空港ロビー 

 

 

 

 「いいえ、鳳様。

 

 鳳様の一夏様との結婚にクロエは、まだ認めてません。

 

 それに、クロエは離婚して、また一夏様との恋の続きを再び出来るのです。

 

 抜け駆けして一夏様を射止めたと言ってもクロエの目が黒いうちは認めませんよ?

 

 まぁ、瞳は碧いですがね♪」

 

 やっぱり、クロエだと思うが売られた喧嘩だ。

 

 買ってやろう。

 

 「クロエ!!

 

 その喧嘩、買ったわよ!!

 

 だけど、その前にアタシはお・り・む・らよ!!」

 

 叫ぶが、ため息を吐いて答えてくる。

 

 「はぁ…鳳様、強調しなくてもそこは言いたく無いですね。言ったら負けですから。いくら成長したからって頭は脳筋で身体は貧相では話にならないです」

 

 「なっ⁉

 

 ひっ、貧相ですって!?

 

 昔と違って貧乳じゃないわよ!!」

 

 「あら?

 

 言ってもなんですが、鳳様は身長は158cmでスリーサイズがB79W56H76で、クロエの身長は162cmにスリーサイズがB83W56H80では勝負にならないですね?

 

 当然、クロエが(胸も身長も)大きいですから♪

 

 あっ、言い忘れてましたがラウラもクロエと同じスリーサイズですから♪」

 

「おっ、お姉様!?

 

 いつの間にスリーサイズを!?」

 

 「ぬっ、ぐぐぅぅ…アンタねぇ!!

 

 人の身長とスリーサイズを勝手に暴露してんじゃないわよ!!」

 

 「あらら、現役時代の一夏様と鳳様のISスーツはクロエが束様に頼まれて作ったのですからスリーサイズと身長位なら見て正確にわかりますよ?」

 

 「そうだったわね。

 

 でも、どんぐりの背比べじゃない!!」

 

 「ふふふ…」

 

 余裕タップリの笑顔で三人のスリーサイズを暴露するクロエだが、周囲の男共はアタシ達の裸を想像したのか鼻血を垂れ流していたり、二人の醜い争いから目を逸らしながらも自分の胸を気にし出した女性客達。

 

 最早、空港は二人の口喧嘩と混沌と言う名の戦場化しつつあるのだが、一夏とマドカに店を任せている以上はクロエに口喧嘩に勝てないと悟り手を出す事を諦めて店へと帰宅を急いだのだ。

 

 

 

 帰宅するなり、アタシと一夏の『中華料理店織斑』は崩落した外壁に休業中の縦看板、店内に入れば店内の惨事を見て硬直してしまった。

 

 店内はある程度は片付いているが、壁は穴だらけで宴会用回転式テーブルは粉々になったり四角いテーブルすら二つに割れていたりと開店して営業する事が不可能な店内だった。

 

 一夏は壊れたテーブルや椅子を路上に置いてある産廃業者のコンテナに投げ捨てながら片付けをしたり、セシリアとメアリーは店内の掃き掃除に勤しんでいた。

 

 「一夏、何が有った?」

 

 あたしは一夏に質問したらとんでもない答えと怒りが湧いた。

 

 「鈴、おかえり。

 

 簪が昼ご飯を食べに来た時に日本政府の連中が襲撃に来たよ。

 

 簪は無事だったけど相変わらず無茶苦茶な要請みたいで、なんとか六徹して5機を組み立て上げた後は個人の仕様に合わせるまで完成した所で体力と気力がやばくなってウチに食べに来たみたいだがな。

 

 やっと、一息着きに来たらさっさと仕上げろとあの連中が来たもんだ。

 

 あの連中、俺が店をやっているのを知っている筈だが、襲撃して来た連中は全員ぶっ飛ばしたが、俺の店だと全く知らなかったらしいな」

 

 「で、一夏?

 

 日本政府には文句は言う積りなの?」

 

 「別に構わんだろうな。

 

 店にはメアリーと簪が居たから、イギリスと学園から抗議が行くだろうし、場合によってはイギリスは元だけど、女王を襲撃したと見て判断して強く出るだろ?

 

 なら、後は簪は『更織』刀奈の妹だし、束さんの愛弟子だから日本はトリプルパンチを食らうからな、別に構わんだろう。

 

 後、止めに元日本国家代表の千冬姉とマドカが店をメチャクチャにした事にキレてるからなほっとくさ」

 

 一夏の黒い笑みで説明されたが、一番聴きたくない事を聞いた気がした。

 

 千冬義姉さんとマドカの二人がキレた?

 

 何でかな?

 

 アタシも含めてだけど、織斑家の女系って揃いも揃って直にキレる家系なの?

 

 それを聞いて、義理の姉には成りたくは無く、アタシの怒りは消えていた。

 

 更織家にイギリス王家、束さんに義理の姉と妹…

 

 姉妹(千冬義姉さんとマドカ)二人で暴れ過ぎて、日本も店も無くならなければ良いのだけどな…

 

 あぁ、でもこの店の惨状だと暫くはお店は休業ね…

 

 「あと、店は暫く休業だが、学園から店が直るまでは学園の学食で店を開いても構わないと刀奈から連絡が来たから受けたぞ」

 

 学園での仮店舗か…

 

 あの人数だから腕が鳴るわね。

 

 それよりも、クロエだった。

 

 「そうだ、一夏。

 

 クロエが離婚してウチに住む事に…」

 

 「クロエか…」

 

 嫌そうに頭を抱える夫。

 

 当然な反応だろう。

 

 現役選手時代にはクロエは一夏とアタシが一緒に寝ているベッドにアタシを床に投げ捨てベッドに潜り込んだり、入浴している所に突撃して一緒に入ろうと画策して来ていたから余計だろう。

 

 それでも、料理の腕前は一夏と同じだから腹が立つ。

 

 だけど、現役時代は試合の機体のサポートは束さんとクロエに見習いだった簪が支えていた事もあるから強くは言えない。

 

 だけど、襲撃で外壁は崩れているし店の内部は使用不可だし防犯の都合上、寝起きしている二階と三階も一階を直さないと娘達を危険に曝す事に成り兼ねない。

 

 なら、一時的とは言え居住と店舗を学園に移すのが最善だろう。

 

 一応、ラウラとセシリア、アタシと一夏の四人は元国家代表だったりフリーランスの選手だから店以外でも臨時講師ぐらいなら何とかなるだろう。

 

 「一夏、刀奈先輩の話は受けるわよ。

 

 だけど、その代わりに店が直るまでは娘の安全を考えたら自宅では寝泊まりは無理だから、職員寮と空いている学生寮の寮部屋を借りられるか先輩と相談してみてね。

 

 あたしは二階に行って娘達の着替えとかあたし達の着替えを纏めるわね。

 

 セシリアとメアリーも一応、準備してね。

  

 あっ、忘れてた。

 

 セシリア、オーロラの着替えと荷物もお願い!!

 

 ラウラは言わなくても判るけど自分の着替えとレナスちゃんの着替えを任せたわ」

 

 「鈴さん、わかりましたわ。

 

 メアリー、着替えと荷物を纏めるから部屋に行きますわよ」

 

 「えぇ、セシリア行きましょう」

 

 セシリアとメアリーは自分の部屋に向かう。 

 

 ラウラもクロエにペコペコしてからダッシュで部屋へ逃げ出したのだ。クロエはドイツから持って来た荷物で行く事になった。

 

 あたしも二階に上がり、娘達の荷物を纏めて黒椿の拡張領域に投げ込み、自分と一夏の荷物を纏めて一階に降りたのだ。

 

 既に、先輩との話が纏まっていた様で調理道具や包丁などを白椿の拡張領域に仕舞い、仕入れ業者には仕入れを暫く停める連絡をしている最中だった。

 

 ただ、仕入れ業者から『おのれ、日本政府許すまじ』と怨念を感じたのは気のせいだろう。

 

 

 一時間程で店の前には更織家の車が数台が迎えがきており、刀奈先輩の車を先頭にあたし達は学園へと向かったのだ。

 

 そして、夫の携帯電話には学園に向かう車内では店が直るまで約二ヶ月掛かると自宅兼店舗を作った工務店(中国の古代建築専門の工務店)から連絡が来たのだった。

 

 

 

 同じ頃、IS学園の駅では…

 

 私と千秋にレナスの三人は今日も自宅に帰る為に学園の駅に来ていた。

 

 「ねぇねぇ、聞いた?」

 

 珍しくレナスが私に語り掛けて来た。

 

 「どうしたのよ?」

 

 「一組の直下履帯子さんから聴いたんだけど、織斑先生が午後から学園の外に行ったらしいよ」

 

 公務かと思ったが違うらしい。

 

 「なんか、あの伝説の暮桜を纏って東京方面に飛んで行ったらしいよ」

 

 「はあぁ⁉

 

 また、あのクソババアァ!?

 

 今度は、アリーナ以外ではISの展開禁止にしてるのに何を考えているの!?

 

 また、書類に埋めたいの!?」

 

 「お姉ちゃん、違うみたい。

 

 マドカ叔母さんからメールでパパの店が壊されたらしいよ?」

 

 「「えっ!?」」

 

 千秋の落とした爆弾に唖然とする私とレナス。

 

 フリーズから立ち直り、私は叫んだ。

 

 「お家壊すなんて、どこの誰よ!! 

 

 クソババアじゃ無いけど、■■■■■して、捕まえて■■■■■して、そして、最後に■■■■■してやるわよ!!」

 

 「お姉ちゃん、過激過ぎだよ…」

 

 6歳にして放送禁止用語を連発して叫ぶ私。

 

 そして、誰とは言わないが、その人から影響なのか段々と口が悪くなる私。

 

 それを聞いて叫んだ所で誰かが来たのだ。 

 

 「くっ、ククク…織斑姉、餓鬼の割に過激な事を言うじゃねぇか?」

 

 そう、私達の担任である巻紙礼子先生だった。

 

 私の口の悪さの大元だとはママにも黙って置こう。

 

 私が余りにも似合わないながら過激な事を言ったものだから、ツボにハマったのだろ。

 

 「何故、先生が?」

 

 「あぁ、そうだった。

 

 てめぇら餓鬼共は期限付きだが、今日から寮に入る事になった。

 

 ほれ、寮の鍵だ。

 

 それと喜べ、部屋は1025号室だ。

 

 一夏が学生時代に寝泊まりした部屋だ」

 

 それを聞いた私と千秋は

 

 「「イヤァァァァホォォォイ、最高だせ!!」」

 

 と渡された鍵の番号を聞いて叫んでいた。

 

 ハイテンションの私と千秋に着いて行けないレナスは何故と首を傾げていたが四人部屋だと聞いて喜び、私達のお姉さんであるオーロラと合流して学園に戻って寮に入った瞬間

 

 『キャァァァァァァァ!?

 

 てっ、天使が四人に増えたァァァァァ!?』

 

 『者共出合えぇぇぇ!!

 

 天使を確保して愛でるのだァァァァ!?』

 

 『うぉぉぉ!!』

 

 と寮にいる変態共を先にどうにかしないと不味いと思ったのだった。

 

 

 

 

  

 

 

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