中華料理店織斑   作:ロドニー

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中華料理店織斑 学園の食堂で奮闘中? 昼食編

 

 

 朝食の騒ぎから、メニューは変更となった。

 

 まず、鈴が担当するメニューは点心はデザートと焼売だけとなり、他はパイナップル入りの広東風酢豚に土瓶に詰めて煮込む角煮に上海蟹と皮蛋を贅沢に使った焼売と決まった。

 

 マドカは麺料理に拘り、牛肉タップリの肉そばと担々麺をメインに海老餃子がサイドメニューにした定食とした。

 

 俺は、金華豚を叉焼にしてから全てを刻み炒めた叉焼炒飯とマドカが作る海老餃子を貝柱の出汁のスープに合わせた水餃子の定食と店では馴染みの熟成させた渋柿のペーストを隠し味にした青椒肉絲定食、キャベツタップリの回鍋肉定食を担当する事になった。

 

 無論、お任せ定食は限定40食のお弁当で中身は雛鳥のお腹の中身を綺麗に洗い流してから筍や椎茸、お米を詰めてオーブンでじっくり焼き上げた炊き込み御飯にキングサーモンを昆布と酢で締めてから薄口醤油に漬け込み、パクチーと海老をライスペーパーで包んだ生春巻き、鴨を吊るして炭火焼きで香ばしく焼き、鴨皮を一口大に切り出して千切りしたネギを付け合わせにした北京ダックとデザートにマンゴープリンを合わせた定食である。

 

 値段は4500円と朝食より安くしている。

 

 お任せ定食はお昼が始まるなり完売。

 

 その他も看板メニューだっただけに凄まじいスピードで仕込んだ材料が無くなって行く。

 

 特に鈴の焼売定食とマドカの担々麺定食の人気が凄まじく、開始五分で売り切れとなった。

 

 朝食とは違い、食堂に来る生徒と教師の数はかなり多く、注文と言う名の嵐は終わることは無い。

 

 それでも、三人はプロであり特級が付く厨師としての意地で注文を捌いて行く。

 

 まるで、炎と食材がダンスを踊るかの様に可憐で美しい光景。

 

 鈴音は直径50センチの特注中華鍋を振るい、中で踊るのは大量の色とりどりの酢豚の具材。

 

 マドカは中華鍋を片手に担々麺に乗せる牛挽き肉が宙を舞い。

 

 一夏は片や青椒肉絲で片や回鍋肉を作りながら二つの中華鍋を振るう。

 

 そんな厨房の中を観て、生徒や教師達終いには厨房で働くコックまでが三人の動きに見惚れていたのだ。

 

 それでも、注文は増えて行くのはそんな光景を観たら食べずには居られない生徒や教師の心理だろう。

 

 だが、注文を捌くにも限界は来る。

 

 「一夏‼

 

 回鍋肉追加三十人前追加よ!!」

 

 「マジか!?

 

 キャベツと豚バラの仕込みがもうないぞ!!」

 

 「一夏、アレをやるわよ!!」

 

 

 忙しい悲鳴を上げる鈴音は一夏にアレをやらせるしか無いと思い叫ぶ。冷蔵庫から取り出した大量の豚バラと箱にある仕込み前の大量のキャベツ。

 

 一夏と鈴音は中華包丁を握ると気合をいれる。

 

 「「覇!!」」

 

 二人息のあった包丁捌き。

 

 大量に宙を舞う刻まれたキャベツ。

 

 刻み終われば、豚バラを刻み油通しする。

 

 生徒や教師が観れば二人がトチ狂ったようにに見える。しかし、中華鍋に投入された山盛りのキャベツと油通しした豚バラ。

 

 『えっ!?キャベツを一気に!?』

 

 「はぁァァァァァァァァ!!」

 

 『マジで振るえるの!?』

 

 一夏と鈴音は精神統一すると鍛え抜かれた筋肉がメキメキと軋み中華鍋を一気に振るう。

 

 もし、一夏が上半身が裸なら鍛え抜かれた筋肉に見惚れて女性達は鼻から暖かい物を流しただろう。

 

 鬼神迫る表情から振るう鍋は芸術だろう。

 

 燃えるのではと思う火力で炒められているキャベツは凄まじい速度で回転しながら火が通って行く。鈴音が合わせ調味料をボールで作り投げ渡すと振り向かないで片手で受け取り鍋に合わせ調味料を投下する。

 

 炒め終われば、マドカが用意した皿に次々と盛って行き回鍋肉定食が提供されて行ったのだ。

 

 回鍋肉定食の回鍋肉を食べた生徒や教師は最早至福の頂点を味わって居るだろ。

 

 何故なら

 

 『おっ、美味しい!?

 

 至福…』

 

 トロ顔となり至福の時間を感じていたからだろう。

 

 

 夫婦二人が回鍋肉をやっている間にも、食堂には生徒や教師は更に増える。

 

 そして、提供した数は軽く300食を越える。

 

 しかし、時間は有限だ。

 

 昼休みはもうすぐ終わる。

 

 「ラストスパートよ!!」

 

 と鈴音が気合を入れて定食を作り提供して行ったのだ。

 

 昼休みが終われば、つかの間の休息。 

 

 「朝以上に忙しかったわね…」

 

 「そうだな。鈴…」

 

 鈴音を自分の肩に抱き寄せると、鈴音は目を細めて猫の様に甘える。

 

 バカップルともおしどり夫婦とも言える光景。

 

 厨房は二人のピンク色の雰囲気になり、マドカはそんな空気に当てられたのか濃い目の烏龍茶を淹れて飲みながら目を逸らしていたが若干羨ましそうに睨んでいた。

 

 しかし、ここの厨房は中華料理店織斑ではなくIS学園。

 

 そして、これだけは言える。

 

 IS学園は女の園とも言える学園で甘々空気は猛毒であると。

 

 そんな光景を学園の教師や移動中の生徒が観ればどうなるか判るだろ。

 

 二人の甘々な空気に耐性が無かったり、自分に彼氏又は旦那が居ないのだから、見せ付けられた教師や生徒達はそこら中の壁や床を叩いたりして激しい嫉妬の嵐が吹き荒れていたのだから。

 

 「むっ、むっきぃぃぃ!?

 

 ずっ、狡いですわ!!」

 

 と実技指導で移動中のセシリアはそんな甘々な二人に対してハンカチを噛みながら悔しがり。

 

 「鳳様!!

 

 直に変わって下さい!!」

 

 と実力行使で鈴音を一夏から離そうとするクロエ。

 

 「いっ、一夏様!?

 

 大衆の前て…」

 

 メアリーは耐性が低かったのか顔を真っ赤にしてフリーズして立ったまま気絶していた。

 

 しかし、メアリーに関しては誰かが武蔵坊弁慶と言ったが為、本人に聞こえてしまってキレたメアリーが復活。大剣を握り言っただろう生徒を『死の鬼ごっこ』デスマーチを繰り広げていたのだ。

 

 それでも、クロエを軽く捻り甘える鈴音に一夏は苦笑しながら仕事で頑張った妻の頭を撫でながら甘やかしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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