光に包まれ気絶した私は、目を開ければ何も無い草原に寝かされて居たらしく、群青色のヴァルキリーメイルを纏う金髪の女性に膝枕をされていた。
「ん?」
「やっと、目覚めましたね。レナス姉様」
「へっ?」
急に姉と言われても困るが、私より遥かに育つ胸と身長。何より、弓を膝下に置き群青色のヴァルキリーメイルを纏う金髪の女性が微笑むが、私には色んな意味でこんなにも出来が良すぎた妹などいない。
「ふん。闇落ちした愚かな妹など、妹と認めん」
ハルバードを握り、漆黒のヴァルキリーメイルを纏う黒髪の女性が立っていたが、目付きの怖い姉どいないと言うよりも、織斑先生を連想するみたいでお断りだ。
そもそも、私は一人っ子だ。
それでも、私は二人の女性に介抱されて居たらしい。
そして、私も制服だったがいつの間にか蒼穹のヴァルキリーメイルを纏っていたのだった。
「どうやら、レナス姉様は私達が判らないみたいですね。まずは、私は三姉妹では三女のシルメリアでレナス姉様の妹です。そして、あちらでいじけているのが長女のアーリィ姉様です」
「シルメリア、私はいじけておらんぞ!!
ただ、ただな。
レナスを探すのに苦労しただけだ!!」
顔を真っ赤して、そっぽを向くアーリィさん。
確か、アーリィさん見たいな女性はママの聞いた話ではツンデレだと聞いた事がある。
そして、アーリィさんとシルメリアさんが私を探してた?
「どうして、私を探してたの?」
「「えっ?」」
私の質問に驚く二人。
「まさか、本当に記憶がないのだな…」
アーリィさんに限っては手を額に当てて首を振りながら呆れていた。呆れられても、私には意味が判らない。
「レナス姉様、私達三姉妹は運命を司る三姉妹の女神なの。本来の世界で転生する筈が、レナス姉様だけが他の世界に人として転生してしまったの」
えっ?
私が女神?
そんなの、信じたくない!!
だって、私は…
そう。
「違う!!私はラウラ・ボーデヴィッヒの娘、レナス・ボーデヴィッヒだ!!そして、私には姉妹など居ない!!」
他でもない、ママの自慢の一人娘だから。
例え、そうだったとしても認めない。
決定事項である。
もし、認めてしまったら大好きなババ様やママを否定する事になる。
「ほう、強情ぶりだけはレナスと同じか…」
確かに、私はママに似て強情だ。だけと、貴女が言うレナスじゃない。ママにだ。
「ちょっと、アーリィ姉様!?」
「シルメリアは黙っていろ。
少し痛い目に遭ってもらうだけだ」
アーリィさんはハルバードを構える。
「拡張領域は…使える!!
来て、グングニール!!」
私はババ様からの誕生日プレゼントで貰ったグングニールをコールして手に取ると構える。
「グングニールだと!?
ふん、なんだ紛い物で偽物の槍か。
聞いて呆れる‼」
アーリィさんの一言にババ様を否定された様に思ってしまった。
偽物でも構わない。
だって、あれにはババ様の強い思いがあるから。
だから、私は言われた事に瞬間湯沸かし器の様に激昂する。
「これは、ババ様からの誕生日プレゼント。だから、アーリィさんなんかに紛い物だって言われたくない!!
行け!!グングニール!!」
アーリィさんに向けてグングニールを投げ付ける。
「ほう、私が避けても正確に追ってくるまでもがオリジナルと一緒か。なら、対処は簡単だな。
はぁァァァァ!!
神技、ニーベルンヴァルスティ‼」
投げ付けたグングニールが、ハルバードによる連続の斬撃と止めと言わないばかりに投擲する巨大な槍。
グングニールが耐え切れる訳が無く
砕けてしまったのだ。
「あっ、あぁぁぁぁ…」
砕けたショックで言葉に出来ない。
「呆けてないで構えろ!!
はぁぁぁぁ!!」
ハルバードの斧の部分に服を引っ掛けられ、アーリィさんの側まで引き寄せられると、私の腹部にアーリィさんが零距離で放った拳が引き寄せられたスピードと合わさり鎧を砕きながらめり込む。
バキバキバキ
「ゴッベェ!?」
今まで、受けた事の無い衝撃と痛み。
蒼穹のヴァルキリーメイルの腹部が砕け散り、めり込んだ拳の衝撃が直接来て胃から口へと込み上げる胃液。
何より、アーリィさんの鎧すら砕く重い拳に私はつの字に体が曲がり草原に墜ちたのだ。
「ちょっと、アーリィ姉様!?」
「闇落ちした愚妹を叩き直すには良い薬だ。
それに、主神の命で散々汚い役をやって来たんだ、汚れ役は私で十分だろ?
私の可愛い妹であるシルメリアとレナスには綺麗なままでいて欲しいからな」
気絶する瞬間、アーリィさんとシルメリアさんの会話を聴きながら落ちたのだ。そして、私はアーリィさんから伝わって来る人を恨み憎しむ愚かさに気付き後悔したのだ。
そして、アーリィさんの心は見た目が怖い顔なのに優しい人だと判ったのだ。
「だからって、アレはやり過ぎです!!」
草原の上で気絶する愚妹を後目に凄い剣幕で私に詰め寄る妹のシルメリアに私はタジタジだった。
私だって、妹を殴る事なんてやりたくない。
だけど、私達がレナスを見つけた時に見た光景は巨大な船がレナスを庇い、機械を纏う女性によってレナスと母親だろう女性に敬礼しながら業火に焼かれ殺される瞬間だった。
そして、叫びながら祖母が目の前で殺され怒り狂うレナスの心の痛み。私達、姉妹故に心に伝わってくる憎しみや悲しみは余りにも悲しかった。
そして、幼いレナスにとって、余りにも残酷で受け入れ難い事実だ。
祖母の死が余りにも理不尽極まりない。
我らが、運命を司る女神であっても覆せない、運命(さだめ)によって決められた不幸。
そして、人して生を謳歌する間の決められた運命神故の私達姉妹の性でもある。またもや、前世と同じく不幸に塗れた生を生きなければならないのは幸福を願う姉として悲しい。
「それにしてもな?」
「アーリィ姉様、確かに…ぐっと来ますね…」
「「レナス(姉様)の寝顔が可愛い過ぎる!!」」
姉妹が揃も揃って、気絶してぐっすり眠る幼いレナスの寝顔に可愛い物を愛でる時のケダモノの眼をしているのは姉妹所以だろうかと思ってしまうのは気のせいだろうか?
「なぁ、シルメリア?」
私はレナスが気絶して寝ている事を良い事に独り占めしながら愛でており、綺麗でサラサラなプラチナシルバーの髪を弄りながらシルメリアに聞く。
「アーリィ姉様?」
ロングヘアーを三つ編みにしてシルメリアに見せる。
「これなんか、完全にレナスじゃないか?」
「うっぐぅ…卑怯ですよ…小さいレナス姉様なんか可愛い過ぎるじゃないですかぁ…あぁ、鼻から熱いものが…」
自分の首をとんとんと叩きながら睨み付けるシルメリア。
更に、レナスが気絶している事を良い事に色々な髪型にして遊ぶ私。そして、色々な髪型に反応しては目をハートマークに変えて鼻血を流すシルメリア。
「変態姉妹現るって、誰が言った!!」
「アーリィお姉様?」
と誰かに言われ叫びながら反応してしまった私。
さておき、気絶しているうちにレナスの持ち物を調べるが、首にしているネックレスから機械的な物を感じて神力で調べる。そして、何故かレナスのネックレスが反応してしまい、拡張領域となる物の操作が出来てしまい、中から吐き出された衣服のセットは透明な袋に入っていたのだ。
「うむ?
これは…可愛いかもしれない」
早速、その衣服セットを袋から取り出してレナスに着せ替えてシルメリアに見せる。
「シルメリア、この格好はどうだ?」
私がレナスを抱っこしながら、取り出した衣服を着せ替えてシルメリアに見せた姿は、猫耳のカチューシャを被らせ髪型をツインテールに替える。そして、手には猫の手を模範したグローブ。更に、上着には胸の所だけを腹巻きの様な物を着せ、下は白い尻尾付きの短パンだった。
そう、白猫をモチーフにした獣人姿のレナスのコスプレの出来上がりだった。
ドイツにいた頃、レナスは部屋中を逃げ回るが捕まり、クロエが手に持ちぶら下げる衣服セットを見て余りの恥ずかしい格好だと判り赤面する。そして、クロエ叔母さんに着せ替えられる瞬間を狙い、衣服を奪い取って拡張領域に封印した代物だったのだ。
それをアーリィは神力で待機状態のネックレスを反応させて拡張領域から間違って出してしまい、これみよがしとレナスに着せたのだ。
ただ、後に衣服を着替えさせられず見られなかったクロエ本人が知り泣きながら悔しがる事は伏せて置く。
それを見てしまったシルメリアは
「ゴッフッ!?」
レナスの白猫の獣人姿のコスプレが余りの可愛さに大量の鼻血を吹き出して、親指を立てながら気絶したのだった。
そして、アーリィは鼻血を流しながら気絶したシルメリアを見て気付いた。
「私って扱い酷いわよね?
VP本編では悪役で登場して散々なまでにレナスやシルメリアに負けたのに、こうも簡単にシルメリアが気絶するなんて…」
と違う意味(メタ発言)で落ち込んだのだったのだ。
やるなせない気持ちを、近くに居た食事中の野生の猪を狩ることで発散して食べられる様に処理して、猪を焼くためにレナスの砕けた槍の柄を頭からお尻へと貫く様に猪に突き刺して丸焼きにしたのだ。
脂が乗り、美味しそうにこんがり焼けた臭いと香草や香辛料の臭いに釣られ、起き上がる二人はやっぱり姉妹だと実感する。
「アーリィお姉様の手料理、美味しいですね」
とシルメリアが笑いながら猪肉を頬張り。
「クセがあるけど美味しい」
とレナスが黙々と美味しそうに食べる。
「こういうのも悪くは無いな…」
そして、焼けた猪を凄い勢いで美味しそうに食べるレナスとシルメリアの二人の妹を見ながら秘蔵の葡萄酒を嗜む。
あの世界では叶わず、こうして一緒に居られる姉としての特権だと言える。
あの世界では輪廻転生の関係から三姉妹が揃うことは一切無く、こうして三姉妹が揃っての食事は初めてだったのだ。
もし、主神(オーディン)が許して女神の三姉妹としてではなく、本当の人となり三姉妹としての人生を謳歌を出来たなら、さぞ素晴らしい人生だろうかと思う。
「汚れた私などに許される訳は無いか…」
「その通りだ!!」
「誰だ!!」
「やっと、見つけたわよ!!
貴女達!!」
聞いた事のある女性の声に、私は瞬時に危険だと感が警鐘を鳴らす。
シルメリアは気配から判り、食べ掛けの猪の骨付き肉を投げ捨てて、幼いレナスを背に隠す様に護りながら弓を構えて警戒する。
そして、私達の前に現れて空中に浮かぶ女性は金髪にベレー帽を被り緑色のワンピースを着ている女性は豊穣を司る女神フレイだった。
運命を司る女神である三姉妹の直属の上級神であり、私に消えたレナスの魂の探索を命じた張本人。
探索命令を受けた私は、下界などを探索しながら偶然にもブラムスの居城で巨大なクリスタルの中には『下界の人に採取するばかりではなく手を差し伸べるべし』と主神へと意見しただけで反逆の罪でフレイの手によって封印された妹のシルメリアだった。
そして、封印された時にシルメリアを護ろうとブラムスにクリスタルを奪われ行方不明だっが、こうして妹のシルメリアを見つけて封印を解き、二人で共にレナスの魂の探索をしたのだ。
しかし、シルメリアの封印解除の件もだが、レナスを見つけても一切報告をしなかった。
いや、したくも無かった。
転生し、人として生きるレナスと封印から解かれたばかりで力を出し切れないシルメリア、愛しく可愛い妹達をフレイに渡せばどうなるか位は分かる。
「やはり、フレイ様…」
「さぁ、大人しくレナスとシルメリアを渡しなさい」
「レナスは人として人生を生きている最中だ!!」
「そうね。
人として謳歌中だわ。
人としてのレナスを殺したら、レナス・ヴァルキュリアが出て来るわ。
だから、シルメリアも貴女も用済み。
予知夢が現実となる前に女神となったレナスを抹殺する。それが、オーディン様に仇なす者の抹殺が私の使命」
聞いた二人はそれぞれの得物を構え、私を背に隠して構える。
「レナスを殺らせるとでも?」
「アーリィ姉様、前回は敵同士でしたがレナス姉様を殺すと言うのなら私も共に戦います」
「姉妹共に反逆するのね。
いいわ!!
浄化して上げる!!」
フレイと姉妹二人の戦いは激しいものだった。
アーリィさんがハルバードでフレイを叩きつけるが腕でいなされ回し蹴りを喰らうがハルバードで引っ掛けてフレイを投げ飛ばす。シルメリアさんも弓を放ちながらアーリィさんを援護する。そして、フレイに接近を許せば神剣グラムで斬り掛かるが、斬る瞬間のスキを狙われて腕を掴まれて引き寄せられて顔に膝蹴りを入れられて鼻から血を流す。
それでも、二人掛かりでもフレイに勝てる気がしない。
私でもアーリィさんに勝てなかったのに、フレイはアーリィさんとシルメリアさんをあしらうかの様に強く対等とは言えなかった。
誰かに護られてばかりの私。
『さあ、目覚めなさい』
時々、頭に響き聴こえてくる女性の声。
「グッハァ!?」
そして、目の前ではフレイによって、延髄を蹴り飛ばされるアーリィさん。
『さあ、目覚めなさい』
矢を射るが手で矢を掴まれ、消えたと思えばシルメリアさんの頭上に現れて踵落としでシルメリアさんの頭上に落として私の前にシルメリアさんが落下する。
「いい加減に諦めなさい!!」
「ぐっ!?
私は諦めない!!」
そして、叫び立ち上がるシルメリアさんを無視して、私の前にフレイが瞬間移動する。
「浄化して上げるわ!!
エーテルストライク‼」
オーブを構え、私に超エネルギー体をぶつけようとするフレイ。
「あっ、あぁぁぁぁ!?」
死が迫り、余りの恐怖から私は失禁していた。
「「レナス(姉様)をやらせない!!」」
死を覚悟して目を閉じた瞬間、アーリィさんとシルメリアさんに抱き締められる。
ズッガァァァァン
「「うっ、うがぁぁぁぁ!?」」
爆炎が襲うが二人が庇い私に来ない。
目を開けば、背中を盾に私を抱きしめたままぐったりするアーリィさんとシルメリアさんだった。
二人のヴァルキリーメイルは全て砕け散り乳房と背中を露わにしていた。
「レナス、姉として護るって言っただろ?」
「アーリィさん!?」
ドサリ
アーリィさんは私に優しく微笑み、力無く倒れた。
「レナス姉様、ご無事で…」
「シルメリアさん!?」
ドサリ
シルメリアさんまでも倒れたのだ。
『さあ、私の手を取り目覚めなさい』
再び、聴こえてくる女性の声。
「馬鹿な二人ね…
身を挺してレナスを護ったのね。
どうせ、三人とも浄化するから無駄なのに…
さぁ、貴女だけよ!!」
再び、エーテルストライクを構えるフレイ。
既に護ってくれる存在は居ない。
フレイに睨まれ、恐怖が支配して動けない。
再び、恐怖で失禁するが逃げられない。
「あっ、あぁぁぁぁ…」
『さぁ、レナス。
目覚めの時よ』
エーテルストライクを放たれた瞬間、私は光の翼に包まれ頭に流れて来る記憶。
かつて、彼らと旅をして様々人達と出会い別れる記憶だったり、ブラムスの居城ではブラムスと戦いブラムスが仲間になり玉座の間には妹のシルメリアが封印された姿を見て泣き仲間に慰められた記憶。
そして、神界の神樹ユグドラシルの上で姉のアーリィ姉様と戦い、最後はオーディンの居城ではオーディンと激しく戦い死闘の末にオーディンを討ち、創造神レナスになった記憶だったのだ。
全てを思い出した私。
そして、心の奥深くに眠っていたもう一人のレナスの手を握り抱きしめると二人のレナスが一つとなって、私はレナス・ヴァルキュリアいや、創造神レナスとして目覚めたのだ。
「バカな⁉
れっ、レナスがこんな時に目覚めたですって!?」
蒼穹の鎧を纏い美しい銀髪の大人の姿に成った私。
その姿を見て驚愕するフレイ。
私の足元には、私を庇い傷だらけで気絶して倒れているアーリィ姉様とシルメリアに手をかざして二人を神力を使い回復させる。
「ごめんなさい。
やっと、受け入れられた。
だから、休んでいてね。
アーリィ姉様、シルメリア」
大切な物は二度と奪わせない。
だから…
「フレイ、私は貴女を許さない」
私は睨み、神剣グラムを抜き背中の白く美しく輝く翼を広げて飛び立ちフレイに迫る。
「舐めるな!!
目覚めたばかりで何ができるの!!
消えなさい!!
エーテルストライク!!」
フレイは私の言葉を否定して激昂し、エーテルストライクを放つが、もはや私の敵では無い。
「なっ!?
エーテルストライクが!?」
エーテルストライクのエネルギー体をグラムで斬り裂き消滅させ、フレイに更に迫る。
そして、全ての想いを乗せて放つ。
その神技は私の象徴たる神技。
そして、オーディンすら斬り裂いた神たる技。
「はぁぁぁ!!
神技、ニーベルンヴァルスティ!!」
スライディングからフレイを上空に蹴り上げながら、グラムで連続してひたすらに斬る斬る斬る。
斬られたフレイは斬り口から神力が粒子となって漏れるが、私の神力と神技により拘束されたフレイは逃げる事は出来ずに空中に固定される。
そして、翼を広げ天空に飛び立つと巨大な槍を4本を呼び出して投擲する。
「はぁぁぁぁぁ!!」
「馬鹿なァァァ!?」
1本は頭上から突き刺さり、2本はバッテンを描く様に突き刺さる。最後の槍は更に巨大な槍で投げ付けた槍はフレイを正面から突き刺さり、フレイは消滅していたのだった。
「アーリィ姉様、シルメリア。
貴女達の願い、叶えるわ。
そして、私もこんな力は要らない。
三姉妹として生きましょう。
そして、ママを驚かせよう。
アーリィ姉様、シルメリア」
「レナス、お前って奴は…」
「レナス姉様らしいですね…」
そして、二人に女神から人となる事の承諾を貰うと、私はフレイとの戦いで消耗していたが創造神として残る最後の神力を使って因果律を弄り、私を入れたアーリィ姉様とシルメリアを女神から普通の人に変え、私達は三姉妹として生を歩む事にしたのだった。
レナスが光に包まれてから約五分が経過していたが、依然として敵が減る訳でもない。しかし、横須賀方面から来る数はレーダーを見る限り増える事はないが二、三十機は居る。
私は本当の母親を殺された怒りにシュバルツァ・レーゲンが私の意思に答えてサードシフトしたシュバルツァ・レーゲン・ヅヴァイへと進化した。
そして、超重装型長距離砲撃特化となり新たな武装であり両肩に装備された56口径128ミリリボルバー装填式ショックカノンで母親を殺した連中を落として、漂流状態のビスマルクⅡへ連行し艦内の檻に監禁中だ。
新たな私の相棒シュバルツァ・レーゲン・ヅヴァイがエネルギーを補給して破壊された主砲塔の上に陣取り、固定砲台のようにショックカノンを乱射し、襲撃者達を落として行く。
「各機、固定砲台としビスマルクを守れ!!
まだ、主砲が駄目でも対空砲撃指揮所と対空火器は生きている。
何としても守れ!!」
「「了解!」」
凄まじい対空砲火で数機を葬るが、襲撃者達に指揮官機で在ると判ると私を集中して攻撃を始めたのだ。
「あれが、指揮官機よ!!
攻撃を集中させなさい!!
鎮圧用ネットを使っても構わない!!
必ず落とせ!!」
「舐めるなァァァァ!!」
そして、三機が一気に瞬時加速で加速し、ランチャーを構えると放たれたのは鎮圧用ネットだった。
「マズイ!?」
手刀で斬り裂こうとするが、鎮圧用だけに斬れないのだ。
「ママを殺らせない!!」
と聞き慣れた声。
そして、三機を一瞬で葬り撃墜して私の前に現れた三機ヴァルキリーは元の白銀では無く、蒼穹、群青色、漆黒の色のヴァルキリーだった。
そして、私が見た三機のヴァルキリーのパイロットは全てが美しい女性であり、ヴァルキリー自体も変わっていて機械的だったデザインは機能的で鎧の様に身体にフィットする作りへとなっていたのだ。
「ママ!!」
と叫び、戦闘中にも関わらす私に抱き着く蒼穹のヴァルキリーを駆る女性は白銀の髪をした美しい女性だった。
だが、識別信号は娘のレナスを示していた。
「誰だ?」
と聞くと思い掛けない答えだった。
「ママ、判らないかな?
レナスだよ?
セカンドシフトした次いでに成長しちゃった」
「なっ、何だと!?」
「そうだった。
私にお姉ちゃんと妹が出来たんだよ!!」
「へっ?」
ママが驚き固まるが、漆黒のヴァルキリーが近付き挨拶する。
「レナスの姉のアーリィ・ボーデビィッヒだ」
「なっ!?」
更に固まるママ。
そして、止めと群青色のヴァルキリーが近づく挨拶する。
「お母様、レナス姉様の妹のシルメリア・ボーデビィッヒです。三姉妹共々お願いします」
「なっ、何だとぉぉぉぉ!?
もう、いやぁぁ‼」
「ママ!?」
「母上!?」
「お母様!?」
ママは驚き過ぎて気絶してしまった。
ママの専用機は解除されたけど、甲板作業員に引き渡したのだ。
そして、三姉妹揃った私達はセカンドシフトしたヴァルキュリア(ヴァルキリー一号機と二号機は人となった際にレナスの力により召喚している)を駆り、成長した事で脳への負担が無くなり、セカンドシフトの影響で機能的になったモビルドールビット3機分併せた24機を展開して襲撃者達を文字通り殲滅したのだが、私達三姉妹の戦い方が戦乙女を彷彿させたらしくてクラリッサ大佐が戦闘中にワグナーのワルキューレ騎行をスピーカー越しに流していたらしい。