中華料理店織斑   作:ロドニー

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閑話 鈴音とメアリーとの決闘 中編

 

 試合開始のブザー。

 

 鈴音は真っ先にメアリーとの戦いに邪魔になるだろセシリアを潰すべく狙いをつけ、現役時代では一度も使うことの無かった三重瞬時加速で加速する。

 

 そして、セシリアの額にあるハイパーセンサーを狙い肘鉄を入れようとする。

 

 「腕の鈍ったアンタなんか!!」

 

 「きっ、消えたですの!?

 

 はっ!?

 

 やっ、やられますわ!?」

 

 セシリアのハイパーセンサーでも三重瞬時加速した鈴音を捉えるのは不可能に近い。そして、サードシフトの黒椿・神龍を操る鈴音の三重瞬時加速はアテナがセカンドシフトした二重加速よりも何倍も早いとも言える。

 

 肘鉄がセシリアの額に入る瞬間。

 

 ガッキィィィィン

 

 メアリーの野生の感は恐ろしい。

 

 「セッシーはやらせないわよ!!」

 

 「チッ!?

 

 やっぱり、あんたの野生の勘は恐ろしいわ」

 

 「最高の褒め言葉ですわ!!」

 

 セシリアの額にあるハイパーセンサーの破壊と衝撃からの脳震盪による気絶を狙った肘鉄は入る事なく、メアリーのクレイモアとぶつかり甲高い音を奏でる。

 

 アリーナの客席を守るバリアは二人のぶつかり合った衝撃波によりガタガタと揺れて客席から悲鳴が上がるが、モンドグロッソの決勝戦を最初から意識した最大出力のバリアではビクともしない。

 

 「嘘でしょ!?

 

 三重瞬時加速なんて…」

 

 鈴音がいきなり使用した三重瞬時加速に驚愕するセシリアは、現役時代を思い出すが一度も使われなかった事に自身の力の無さに落胆する。

 

 そう。

 

 今までは二重瞬時加速して、そのスピードのまま相手の額に肘鉄を入れて瞬殺して来たが、逆に三重瞬時加速まで使い受け止められた事自体が鈴音にしたら驚愕だった。

 

 それでも、セシリアは元国家代表。

 

 最初から全力全開の攻撃を繰り出す。

 

 それは…

 

 「さぁ、お行きなさい!!

 

 薔薇の花園に迷い込んだ愚か者に青い雫をぶつけなさい!!」

 

 セシリアは既にリボルバーや瞬時加速を混ぜ込み加速して離脱しながら、TB兵器の薔薇の蕾(ローズビット)と硝子の薔薇(ミラージュビット)をスカートアーマーの下から大量の30機をばら撒き鈴音を包囲する。

 

 これが、現役時代のセシリアとマドカが考案した大量のTB兵器を用いた真骨頂の茨の園と云われた大量のビットによる包囲戦術だった。

 

 只のビットによる包囲戦術では無く、セシリアのビットからのレザー射撃とマドカのリフレクタービットによるレザー反射による三次元の攻撃はセシリアのセカンドシフトしたクィーン・ティターニアは単体でも出来るのだ。

 

 鈴音に襲いかかるローズビットからレザーによる偏向射撃やスターゲイザーMk−Ⅲやローズビットの逸れたレザーをミラージュビットが反射させる反射射撃。それ等に加えて、メアリーもレザーの雨を掻い潜りクレイモアで鈴音を斬り捨てようと襲いかかる。

 

 無論、鈴音はローリングしながら躱し、脇差しタイプのビームサーベルを抜いて致命傷を受けそうなレザーの攻撃を斬り捨てる。

 

 「ちっ、厄介ね!!

 

 なら、東方不敗流奥義!!

 

 クラッシュオブタイフーン!!

 

 はぁァァァァァ!!」

 

 「グッヘェ!?

 

 キャァァァァァァ!?」

 

 「なっ、こんなのアリですの!?」

 

 セシリアの茨の園に閉じ込められた事に舌打ちしながらも、黒椿自身を凄まじいスピードで回転させながら竜巻を作り、ビットと接近して来ていたメアリーまでも巻き込みながら回し蹴りを入れて全てのビットを破壊し、メアリーの脇腹を蹴り飛ばしてセシリアへと弾き飛ばす。

 

 同時に客席の生徒や来賓達もアリーナに現れた巨大な竜巻に恐怖し驚愕するが、同時に客席を守るバリアがスパークした事にも驚いていた。

 

 鈴音に回し蹴りで弾き飛ばされたメアリーはセシリアと衝突し、セシリア自身は学生時代の鈴音とタッグを組みながら旧姓山田先生に同じ様に衝突させられた事にデジャヴを感じていた。

 

 「痛たた…デタラメ過ぎますわよ!!」

 

 「セシリア、覚えて置きなさい!!

 

 これが、一夏と並び歩む難しさよ!!」

 

 「それでも、私は想いを添い遂げたいですわ!!」

 

 「そう、なら最高の奥義で沈めるわ!!

 

 ワンオフアビリティー『獅子奮迅』を発動!!

 

 我流最終奥義、デッドリーアサルトォォォ!!

 

 喰らえぇぇぇぇ、セェェシィィリィィィアァァァァ!!」

 

 「黒椿が黄金色に輝きますの!?

 

 ハッ!?

 

 まさか、ハイパーモードですの!?」

 

 黒椿は単一仕様『獅子奮迅』より黄金色に輝き、六対の翼は左右対称の扇状に広がる。セシリアが驚愕し叫んだように、獅子奮迅の効果は機体性能の400%のアップである。従って、効果中の加速力とパワーは世界中のISの中ではダントツであり、そこから繰り出されるデッドリーアサルトの破壊力は白椿の零落白夜ですら及ばない。

 

 無意識だろうか?

 

 セシリアはメアリーを突き飛ばした。

 

 「え?セッシー?」

 

 「はァァァァァァァ!?」

 

 「キャァァァァァァァァ!?」

 

 黒椿・神龍のハイパーモードから繰り出された超連撃である45連打。

 

 鈴音から繰り出される拳や蹴りにセシリアのクィーン・ティターニアの砕ける装甲。

 

 セシリアの専用機、クィーン・ティターニアの装甲や武装をズタボロに破壊しながら空中で時間が止まったように拳や蹴りが入りまくる。

 

 だが、諦めないのがセシリアの性格だった。

 

 「まだ、終わりませんわよ!!

 

 スターゲイザー、ソードモード!!」

 

 「あたしのコレを止められると思うなァァァァ!!」

 

 「あっ、諦めませんわよ!!」

 

 鈴音からの連撃を受けながらも、半壊しながらも機能を失わなかったスターゲイザーを握りしめてソードモードにして黒椿に向かって振り下ろし斬り付けたのだ。

 

 「なっ!?」

 

 「やっ、やりましたわよ…」

 

 「セッ、セッシィィィィィ!!」

 

 セシリアのクィーン・ティターニアはシールドエネルギーがゼロとなる前に黒椿・神龍の肩のアーマーを斬り付けたのだ。

 

 正に、セシリアの執念の一撃だと言える。

 

 だが、鈴音のデッドリーアサルトも最後まで拳と蹴りの連撃がクィーン・ティターニアに入り、大破しながらも黒椿を斬り付けたと同時に終わり、セシリアは運良く専用機を纏ったままアリーナの壁へと叩き着けられて地面に落ちると同時に解除され気絶したのだ。

 

 そして、自分が鈴音を見失った瞬間、セシリアが鈴音に落とされセシリアの名前を叫ぶメアリー。

 

 「次はアンタの番よ!!

 

 メアリー!!」

 

 未だに黄金色に輝くハイパーモードの黒椿。

 

 自分には既にセシリアは居ない。

 

 そして、自分には空中で構えクイクイと手を曲げて掛って来いとメアリーに挑発する。

 

 メアリーでも、自分がIS戦闘は初心者に近いと判る。

 

 元とは言え、セシリアはイギリスが誇る国家代表なのに開始して五分でセシリアはやられて気絶。

 

 こんな事、私自身でも理解出来ない。いや、解っていたいたとしても、これが世界最強の片割れだと認めてしまったら、私は一夏さんと添い遂げる夢は夢でしかないと鈴音は言いたいのかも知れない。

 

 だけど、本当に一夏を愛したい。

 

 いや、愛するのなら彼女に勝たなくては行けない。

 

 私がイギリス最強と名乗るなら本気で…

 

 手に持つクレイモアを投げ捨て、エクスカリバーを抜き正眼に構える。瞬時加速から黒椿に向けて斬り込んだのだ。

 

 「はぁァァァァ!!」

 

 「特攻だけで、勝てると思うな!!」

 

 やはり、拳で剣を受け止められた。

 

 しかし、私は回し蹴りを入れようとするが

 

 「アンタの実直な考えなんてお見通しよ!!」

 

 「くっ!?」

 

 膝を曲げて回し蹴りは簡単に否され、剣撃は裏拳であしらわれ、そんな事が何度も何度も起こる。

 

 昔、観た映像とは思えない強さ。

 

 何故、鈴音はこんなにも強いの?

 

 いくら、引退してても異常な程に強い。

 

 私は思わず叫ぶ。

 

 「何故、こんなにも強いよ!!」

 

 最速の突きを入れるが裏拳で否され、鈴音が叫ぶ。

 

 「一夏と共に並び歩むなら、立ち止まってなんか居られないわよ!!

 

 それに、あたしは娘を抱える母親よ!!

 

 だから、強く無くてはならないのよ!!

 

 あんな、悲しい思いなんか二度と経験したくないわよ!!」

 

 鈴音は十夏が臨海学校で死に掛けた事を悔やんでいた。

 

 何故、護れなかったのだろうかと。

 

 何故、自分は娘達を囮にする作戦を承諾してしまったのだろうかと。

 

 悔やんでも悔やみ切れない思い。

 

 私は鈴音の強いの意味を知ってしまった。

 

 二人の娘と夫を愛する為の強さ。

 

 それが、鈴音の強さの根本。

 

 私もその頂に届きたい。

 

 何故なら、私も一夏を愛しているから。

 

 そんな時、モニターに単一仕様が映し出される。

 

 そう、エクスカリバーを持つ者なら現れるだろう。

 

 「ワンオフアビリティー、『約束された勝利』を発動!!」

 

 私が握るエクスカリバーがエネルギーを纏い強く光り輝く。

 

 私か単一仕様を使うなら、彼女も単一仕様を使う筈だった。

 

 そう、鈴音も…

 

 「あたしも単一仕様を使用中にしか使えない必殺技を使うわよ!!

 

 (BGMキングオブハート)

 

 流派東方不敗が最終奥義!!

 

 石破天驚拳!!」

 

 鈴音が構えた両手の中に集まりだす超エネルギー体。

 

 そんな物を食らったら只では済まない。

 

 だけど、私も負けない。

 

 「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 同じく、超エネルギー体を纏うエクスカリバーを振り下げ、全てを斬り捨てんと力の限り叫ぶ。

 

 

 そして、二つの超エネルギー体ぶつかり合いアリーナは光に包まれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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