中華料理店織斑   作:ロドニー

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時空旅行 敗北と織斑邸で過ごす夏休み

 

 

 

 少し遡る事、織斑一家が平行世界の過去に飛ばされて直ぐに異変に気付いたのが三人居た。

 

 一人はこの店の主人の妹のマドカ。

 

 そして、もう二人は元女王にして最強の姫騎士のメアリーと主人の学生時代の同期で元国家代表のセシリアだった。

 

 二人は結婚式で使うウェディングドレスの採寸を終わらせてイギリスから戻り、セシリアの養女のオーロラを十夏達の部屋に寝かし付けた後に地下アリーナから四人の気配が消えた事に気付く。

 

 「セッシー!?」

 

 「メアリー!?」

 

 「「一夏(様)さん達が消えた!?」」

 

 二人が驚く最中、部屋にマドカが慌てて入って来たのだ。

 

 「セシリア、メアリー!!

 

 お兄ちゃんが!!」

 

 「やっぱりですわ」

 

 「ですわね」

 

 三人は其々の武器を片手に地下アリーナへ降りたのだ。

 

 ただ、幸運だったのはオーロラが起きなかった事だろう。もし、起きたら寝起きで機嫌の悪いオーロラによって三人は駄女神に挑む事なく壊滅していただろう。

 

 だが、アリーナへ向かう三人を見て厨房で片付けをする四郎は思った。

 

 「眠ったオーロラちゃんをアリーナで起こせば良いんじゃねぇ?」

 

 

 

 地下アリーナには二人の女性が高笑いしながら立っていた。

 

 「あはははははは!!

 

 十夏め、お仕置きだ!!」

 

 「そうですわね、お姉様。

 

 私、千秋にお仕置きが出来ましたわ。

 

 ですが、要らぬ者が二人程行きましたが?」

 

 「親子だから構わんだろう。

 

 さて、今日入った酒でも煽るとしようか?」

 

 

 

 アリーナへ降りた三人は、二人の女性が高笑いしながら言っていた事を聴き、それを聞いたマドカがブチ切れた。

 

 「お前たちがお兄ちゃんを?」

 

 「「如何にも」」

 

 「お兄ちゃんを返せぇぇぇ!!

 

 お兄ちゃんを殺し愛するのは、この私だァァァァ!!」

 

 ブラコンモードを炸裂し、真新しい金色のナイフを二本取り出して二人の女性に斬りかかる。

 

 「マドカ様!!

 

 無闇矢鱈に突っ込んでは駄目よ!!」

 

 「うるさい!!

 

 お兄ちゃんを、お兄ちゃんをよくも!!」

 

 私もイギリスに帰った時に宝物庫からパックた聖剣エクスカリバーを抜き、逆上し血が頭に登ったマドカの後を追う。

 

 セシリアもニ丁のドラムマシンガンを両手に持ち、私達二人を援護射撃をしていた。

 

 「マドカさん、メアリー援護射撃致しますわ!!」

 

 素が激情家であるセシリアは愛する人とライバルだった友人の仇だとマシンガンを乱射して、高笑いする二人の女性の動きを止めさせるが弾丸は全て斬り払われていた。

 

 「我を止めるなど、片腹痛いわ!!」

 

 私の剣技が全く通じない。

 

 それどころか、マドカもデスサイスを振るう女性に苦戦を最初からしていた。

 

 私も次第に女性が振るう槍を捌けなくなり、至る所に斬り傷を増やす一方だった。

 

 「ほう、エクスカリバーを扱いきれる者を観るのは、アーサー以来か?」

 

 「一夏様を返しなさい!!」

 

 「十夏に巻き込まれた男など知らぬわ。

 

 ほれ、余所見は禁物だぞ?」

 

 「くっ!?」

 

 私のエクスカリバーが槍に弾かれて手を放したエクスカリバーはアリーナの天井に突き刺さる。

 

 だが、終わりじゃない。

 

 クレイモアをコールして具現化する。

 

 だが、後ろから悲鳴が木霊する。

 

 「キャァ!?」

 

 影と同化した女性に奇襲されデスサイスの石突で腹を突かれ気絶したセシリアだった。

 

 「セッシー!!」

 

 「あらあら、人間って脆いわね?」

 

 「貴女、貴女はぁぁぁ!!」

 

 大親友をやられた事に逆上してクレイモアを握り女性に斬りかかるが、いとも簡単にクレイモアは槍で弾かれる。

 

 一人の女性が影に同化して姿を消えている事に気付くが遅かった。

 

 「マドカ様!!」

 

 「なっ!?」

 

 私が気付き叫ぶが遅く、目の前から消えた女性は二人してマドカを攻め、ナイフ捌きで捌き切れない連続攻撃に鮮血を撒き散らしながら吹き飛び空を舞ったのだ。

 

 「ぐっ……お兄ちゃんの仇を取るまでは……負けられない…」

 

 顔面から床に落ちながらも、それでもふらつき全身から血を流しながらも執念で立ち上がるマドカ。

 

 「「眠れ!!」」

 

 「グッハァ!?」

 

 一人の女性には止めに顔面を殴られ、もう一人には殴られ浮いた力を利用して背中に踵落としを入れてマドカを屠ったのだった。マドカは余りの背中の激痛に気絶したのだ。

 

 「本当、こいつ等はヤバイですわね…」

 

 「「残るはお前だけだが?」」

 

  私も遂には一人となり、槍で突かれるも受け流してデスサイスで斬りつけられるもクレイモアを盾に凌ぐ。

 

 「ホレ、ホレホレホレ!!」

 

 「くっ!?」

 

 「私も居ますわよ?」

 

 「!?」

 

 次第にクレイモアは二人からの攻撃に耐え切れなくなり剣全体が罅割れて折れそうだった。しかし、クレイモアは砕けてしまい、残すは専用機のエクスカリバーだけとなった。

 

 「一思いにやって殺ろうか?」

 

 「くっ、殺せ!!」

 

 そして、姫騎士のエクスカリバーも砕け、心まで折れた私は死を選んだのだ。

 

 愛する一夏様が居ないのなら、いっそのこと死を…

 

 「メーちゃん!!

 

 ここは引くよ!!」

 

 「くっ!!」

 

 束さんが、いつの間にか現れて二人を抱えて居たのだ。

 

 私は悔しくもあり、引くしか無かった。

 

 束さんはセッシーを私に放り投げるとエレベーターの扉を蹴破り三角跳びの要領で地上のお店へと跳び上がる。私も束さんから新たに渡されたクレイモアを振り、エレベーターを落とすと束さんと同じく三角跳びでお店まで上がったのだ。

 

 「逃げ切れたかな?」

 

 「メーちゃんまだだよ。

 

 いっくんには後で謝るから…」

 

 胸の谷間から取り出した爆弾のスイッチを押して、エレベーター内部を爆発させて壁を崩落させてアリーナの入口を埋めたのだ。

 

 「皆には、このまま学園に避難してもらうよ。

 

 おい、そこの女。

 

 悪いけど部屋で眠っているオーロラちゃんを連れて来てね」

 

 「えっ、私?」

 

 「うん、変な事したら鈴ちゃんに言い付けるからね?」

 

 「確かに可愛いけど、オーナーの娘に手は出さないわよ!!」

 

 私はよろめきながら、この店の宴会時に使う送迎バスに乗り込み気絶したセッシーを後部の長椅子に寝かせる。一番重傷なマドカは束さん特製の治療用ナノマシンを注射されてぐっすりと眠っていた。

 

 バスに乗り込む二人。

 

 花蓮は起こした事でオーロラに頭を殴られて頭にタンコブを作り運転席に乗り、オーロラは起こされた事で不機嫌ながらもメアリーに駆け寄り気絶するセシリアの手を握る。

 

 「ねぇ、メアリーお母様、お母様は大丈夫だよね?」

 

 気絶したセッシーの手を握り心配するオーロラ。

 

 「気絶しているだけだから大丈夫ですわ…」

 

 「えっ、メアリーママ!?」

 

 とオーロラを安心させると私も余りの出血の酷さからバスの床に倒れて意識を手放したのだ。

 

 「メアリーママ!!

 

 起きてよ!!

 

 嫌だよ!!」

 

 泣き叫ぶオーロラに揺さぶられ、メアリーを起こそとするがメアリーは大量の出血により気絶していた。

 

 「オーロラちゃん、ちょっとごめんね」

 

 メアリーにも医療用ナノマシンを打ち込み、バスの空いている長椅子に寝かせて、花蓮がバスを運転して学園へと向かう最中にドイツに居るレナスへと連絡したのだ。

 

 『ババ様どうしたの?』

 

 「うん、レナスちゃん。

 

 驚かないでね。

 

 十夏ちゃん達が過去の平行世界へ飛ばされちゃったんだよ」

 

 『えっ?

 

 十夏ちゃん達が!?』

 

 「うん、辛うじて間に合ったけどセッシーとメアリー、マドカも重傷なんだ。

 

 だから、レナスちゃん達にはギリシャに行って貰いたいの」

 

 『まさか、パルテノン神殿ですか?』

 

 「多分、レナスちゃんならゼウスに会える筈だから…」

 

 『ババ様、任せて!!

 

 白百合先輩には代理で生徒会長をやる様に伝言をお願い』

 

 電話を切り、気絶し目覚めない三人の治療をしながら学園へ戻ったのだ。

 

 

 

 

 平行世界の学園のアリーナでは、千秋がアルテミスをハードウェポンシステムにより換装したアルテミス・アサルトを駆り、クラスメイトのシャルと模擬戦をしていた。

 

 ただ、アルテミスの動きが若干悪いのは千秋がシステムに情報を打ち込みながら調整しているせいであるが、シャルにしたら悪夢以外でもない。

 

 何故なら

 

 「ちょっと!?」

 

 「えっ、何が?」

 

 「何がじゃないよ!!

 

 ひっ、ひぇぇぇ!?

 

 その弾丸躱せないよ!!

 

 当たるたびに弾が弾けて中の爆弾が爆発するのアリなの!?」

 

 「そうだけど?

 

 う〜ん、拡散弾の小爆弾の破裂するスピードを早くしようかな?」

 

 「えっ……マジで?」

 

 ロングバレルのヘヴィーボーガンを撃ちながら悩む千秋。

 

 拡散弾の信管のタイマー調整している所にシャルが模擬戦を挑んだのだから文句の言いようは無い。

 

 まぁ、実際はシャルのラファールリヴァイブカスタムの装甲にノックする様に拡散弾の弾頭が当たり、中身の小爆弾が雨の様にシャルに降り注ぎ爆発するのだから仕方がない。

 

 「シャル、完全に遊ばれてるな…」

 

 「あたしはやりたく無いわよ…

 

 あれ、モンハンの拡散祭りじゃない…」

 

 「シャルロット様を見ないで射撃を当てるなんて、私のアイデンティティが…」

 

 「全く、千秋は調整しながら遊んでいるんだから」

 

 「十夏、あれはモンハンのヘヴィーボーガンじゃない?」

 

 「そうだよ簪。ヘヴィーボーガン、浪漫武器だよ」

 

 「羨ましい…」

 

 「良かったら、ライトボーガンの鬼ヶ島使う?」

 

 「いいの!?」

 

 「素早くマガジンの換装が出来たらね?」

 

 「私には無理…」

 

 アリーナで見ている内にシャルは拡散祭りの餌食となり、落下したのだった。

 

 一応、パパと織斑先生と新任の束先生の新たな方針で一年生の専用機持ちを私と千秋で鍛える事になった。

 

 

 

 夏休みになり、私と千秋は織斑先生の計らいでパパの実家に泊まる事になった。

 

 一応、ママの話では妊娠して半年位までは、この旧織斑邸に住んでいたらしい。その後、壊されたが今の湘南市の中華料理店織斑を建てて引っ越したのだ。

 

 そして、両親は学園に残る事になり教師部隊の実力の底上げの訓練を行う為に臨時教官として鍛えるらしい。

 

 ただ、中には両親の実力を認めない女尊男卑に染まる教師に対して、新しく教師になった元アメリカの国家代表のナターシャ先生が両親の実力を判らせる為にママに挑んだらしい。

 

 結果は言わずとも、二重瞬時加速で加速したママの肘鉄を額に食らい、シールドエネルギーがゼロになる事なく気絶し負けたのだった。

 

 それでも、認めない十人の教師は十人掛かりでパパに挑んだ。

 

 パパも本気を見せる為に、白椿の三つある単一仕様(最後の単一仕様は相手のISを初期化する能力なので使えない様に厳重にロックしてある)の内の2つの単一仕様『修羅の刹那』と単一仕様『零落白夜』を併せて試合時間がたったの2秒で十人を瞬殺したのだ。

 

 こうして、教師達から認められて訓練を始めたのだ。

 

 ただ、不安なのは両親が現役時代に生み出した織斑流フィジカルトレーニングをやらせて死人が出ないかは心配だったりする。

 

 何せ、私達一家でもメアリーママとセシリアママがグロッキーになったトレーニングだからだ。

 

 そして、今日も…

 

 「ぜっ、ぜっ…」

 

 「まだ、終わってないよ!!」

 

 とお姉ちゃんが織斑流フィジカルトレーニングで一夏さんを扱いている光景は見慣れた物になりつつある。既に、息が絶え絶えで路上に大の字に成りながらへばる一夏さん。

 

 私も既にメニューをこなして柔軟体操をして終わる所だった。

 

 そして、こっそりと私達を覗くために電柱に見える金髪の女性。

 

 シャルロット・デュノアだった。

 

 「シャル、覗いてないで出て来たら?」

 

 「うっげっ!?

 

 バレた!?

 

 えっと…今日はお日柄も良く…じゃなくて、来ちゃった…」

 

 「はぁ…いらっしゃい、シャル」

 

 彼女が家に来た様に言うシャルに呆れるが、シャルは路上にダウンする一夏さんを心配する。

 

 「で、何で一夏が路上で伸びてるの?」

 

 「織斑流フィジカルトレーニングに耐えられなくてダウンしている見たい?」

 

 「何で疑問系なのさ!!」 

 

 「まぁ、馴れないとキツイ訓練だしね」

 

 「えっ?

 

 そうなの?」

 

 私は一夏さんに渡したメニューをシャルに見せる。

 

 「こんなメニューだけど?」

 

 「これ、僕でもダウンするかも…」

 

 「そうかな?」

 

 「そうだと、僕は思うよ」

 

 シャルと話している内に、片手にケーキが入っているだろう箱を持ち蒼いワンピース姿の女性が歩いて来る。

 

 「シャル、アレってセシリア?」

 

 「ん?

 

 そうだね。セシリアだ」

 

 「なぜ、シャルロットさんが居ますの!?」

 

 「「私達も居るよ?」」

 

 「十夏様に千秋様まて!?」

 

 「私達姉妹が自宅で過ごす代わりに一夏さんを鍛える様に織斑先生に言われたからだよ」

 

 「うらやま、じゃなくて狡いですわ!!」

 

 「同じ意味だと思うな…」

 

 「なっ!?」

 

 「千秋、訓練も終わりだから中に入ろうか?」

 

 「だね」

 

 「ほら、一夏さん起きて中に行かないと、明日のメニューを二倍にするよ!!

 

 私は先にシャワー浴びるね」

 

 「!?」

 

 私の一言に勢い良く立ち上がり、自宅へと入り込む一夏。だが、シャワーを浴びる為に先に上がったお姉ちゃんが心配に成る。

 

 『あっ、十夏!?』

 

 『ヘッ?

 

 ……!?……キャァァァァ!!

 

 こっ、このぉぉぉぉ馬鹿一夏ぁぁぁぁぁ!!』

 

 『あっ、ゴメン!?』

 

 『ゴメンで、済むかァァァ!!

 

 私の裸を観たことを後悔しなさい!!

 

 ママ直伝!!

 

 デッドリーアサルト!!』

 

 『うっ、ギャァァァァァァァァァ!?』

 

 自宅の中から響く二人の声を聴き呆れる私。

 

 「あぁ、やっぱり…」

 

 「千秋さん、やっぱりって何ですの?」

 

 「うん、一夏の馬鹿タレがお姉ちゃんがシャワー中の浴室に突入したかも…」

 

 「あぁ、僕と同じラッキースケベか…」

 

 「シャル様、その辺を詳しく?」

 

 「うっげぇ、セシリアが居たの忘れてた!?」

 

 セシリアがシャルに詳しく詳細を尋問する最中、私も室内へ急ぐとママの必殺をやったお姉ちゃんのデッドリーアサルトを直に食らい顔が痣だらけに変形した一夏が廊下にボロ雑巾の様に倒れていた。

 

 そして、カンフー映画の様に片足立ちで技を決めた裸のお姉ちゃんの構図。尋問が終えた二人がこの状況を見て呆れるしか無かった。

 

 「「………擁護できない(ませんわね)」」

 

 一夏さんの愚行に呆れる二人。

 

 「お姉ちゃん、お客さん来てるから着替えて」

 

 「そうね。

 

 でも、裸を見られたから、もう一発!!」

 

 「グッハァ!?」

 

 『一夏、来たわよ!!』

 

 『こら、鈴図々しいぞ!!』

 

 『大丈夫よ。

 

 その内に、あたしと一夏の愛の巣だから』

 

 『鈴、認めんぞ!!

 

 嫁は私のだ!!』

 

 玄関から響く三人の声。

 

 廊下を走り来たのは鈴だった。

 

 「何で、一夏がズタボロなの?」

 

 「あぁ、お姉ちゃんの入浴中にシャワー浴びようとして突入した」

 

 「一夏、バカなの?

 

 十夏さんの入浴中に突入したら、あたしでも十夏さんの格闘技を食らって死ねる自信があるわよ?」

 

 「ほら、大丈夫。

 

 お姉ちゃんに死体蹴りされてるから」

 

 「あたしも恋人としてシメとく?」

 

 「大丈夫じゃない?

 

 明日のメニューは絶対に二倍になるから」

 

 「でも、十夏に悪いからやるわ」

 

 「鈴⁉」

 

 「反省しろ、馬鹿一夏!!」

 

 「理不尽だぁぁぁ!!」

 

 「此方、見るな!!」

 

 「グッハァ!?」

 

 鈴さんが一夏さんをお仕置きで踏み付ける最中でも、お姉ちゃんはお構い無しに着替えていた。そして、再び着替え中のお姉ちゃんに振り向き蹴られる一夏さん。

 

 

 

 

 結局、一夏さんはラヴァーズにより正座にさせられてお説教を受けたのだ。特にお姉ちゃんと同じ被害者である箒さんやシャルからはこっ酷く説教をされたのは言うまでもない。

 

 

 お昼は皆へのお詫びとして、お姉ちゃんと私が作るお店での賄い飯をご馳走したのだ。

 

 「美味いじゃない」

 

 「美味しいですわね」

 

 「うむ、美味い」

 

 「美味しい」

 

 「僕、病み付きになるかも…」

 

 ラヴァーズに出したのは、天津八宝菜餡掛け飯である。

 

 白いご飯にとろふわに仕上げた少し甘めの卵焼きを乗せて、白菜に人参、キクラゲ、筍、海老、烏賊、豚肉、鶉のゆで卵の八種類の具を炒めて餡なし天津飯に鶏ガラ出汁の餡の代わりに八宝菜餡掛けを掛けたのが天津八宝菜餡掛け飯である。

 

 「なぁ、俺の飯は?」

 

 「はい、一夏さんにはこれです!!」

 

 「なっ!?」

 

 「「「「「天丼!?」」」」」

 

 一夏さんに出したお昼は和食の天丼。

 

 だが、ただの天丼じゃない。

 

 「どうやって、作ったか答えて見なさい!!」

 

 「鈴さん、判ります?」

 

 「どうやって生卵を天婦羅にしてんのよ?

 

 逆に知りたいわよ…」

 

 私は千秋の必殺飯、生卵を天婦羅にした卵天丼。

 

 私も作り方を知っている。

 

 生卵を一度、卵を割らずに冷凍して凍らせた生卵の殻を剝いて天婦羅にする料理だ。

 

 一夏さんには、やり方すら判らないだろうな…

 

 「これ、冷凍卵だろ?」

 

 「「うっなぁ!?」」

 

 一夏に答えられた事に驚愕する姉妹。ただ、姉妹の驚き方が鈴に似ているのは親子所以だろう。

 

 「だって、千秋さんは昨日は二パックほど冷凍してただろ?」

 

 「そうよ。どうせ皆が集まるだろうから特売の卵をこおらしたのよ。で、冷凍卵の殻を剝いて天婦羅にしたのよ」

 

 「手間が掛かるな…でも、美味い」

 

 「///」

 

 (((((千秋さんが顔を真っ赤に⁉)))))

 

 まぁ、紅くしているのは千秋のファザコンモードなだけだから恋愛感情には関係ない。

 

 「ほう、一夏?

 

 美味そうなのを食べているな?」

 

 「千冬姉!?」

 

 「「「「「織斑先生!?」」」」」

 

 

 ご飯を食べるリビングに来たのは、着替えを取りに来た織斑先生だった。

 

 「織斑先生の着替えセットは私達が作っておきましたが、お昼食べますか?」

 

 「ふっ、十夏。

 

 一応は、未来の姪っ子だ。

 

 千冬叔母さんでも構わん。

 

 昼は十夏達の両親が食堂で作っているから直ぐに戻る。

 

 だが、ハメは外しすぎるなよ?

 

 特に、言わずとも判るが一夏と鈴はな?」

  

 「「うっなぁ!?/////」」

 

 「「「「まさか!?」」」」

 

 「「しちゃった?」」

 

 「おいコラ、姉妹揃って二人とも生々しいわ!!」

 

 シタ事を顔を真っ赤して誤魔化そうと一夏と

 

 「だって、鈴さんが夜明けのママ見たく肌がツヤツヤしてんだもん♪」

  

 「「「「初体験済!?」」」」

 

 「千秋!!

 

 あんたねぇ!!」

 

 身長差が在るが姉妹の様にじゃれ合う、顔を真っ赤した鈴と千秋。

 

 

 

 賑やかな織斑家の一日だった事は語るまでも無い。

 

 

 

 

 

 

 

 

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