中華料理店織斑   作:ロドニー

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時空旅行 文化祭 亡国機業の襲来

 

 

 文化祭当日、私達姉妹は教室である物を出した。

 

 「じゃあ、出すよ」

 

 「だね」

 

 「「せーの、それ!!」」

 

 『はぁぁぁぁ有りなの!?』

 

 どよめくクラスメイト達。

 

 無理もない。

 

 アテナとアルテミスの拡張領域から出したのは四角い1メートル四方のキューブで、キューブをISの様に展開すると三面が天井まで高さがある耐火と防弾仕様の特殊ガラスと天井には特殊装甲製の換気扇付き天井と中華料理に必須な高い火力があるコンロやオーブンが一体となった専用機持ちなら持ち運びが可能なシステムキッチンだった。

 

 無論、向こうの束さん謹製でこのキッチンにもISコアが使用されているのだ。

 

 勿論、教室で調理が可能な様に生徒会長にはOHANASHI(十夏の物理的説得)して許可を貰い、織斑先生(パパ謹製おつまみセットを贈呈)にも許可を貰ったのだ。

 

 そして、どうでしょう。

 

 中華料理店特有のターンテーブルしか用意が無かった教室は二対のシステムキッチンが現れた事により、お客さんの前で調理のパフォーマンスが可能な中華料理店に早変わり。

 

 展開したキッチンの黒板側はキューブの展開がまだ続き、更に黒板が見えなくなる数のステンレス製の冷蔵庫まで現れ、中には双子姉妹が手掛けるだろう仕込み済の食材が入っている。

 

 「ISの常識が崩れて行きますわね…」

 

 「僕もそう思うな…」

 

 「向こうの姉さん、やり過ぎだ…」

 

 「おぉ、凄い…」

 

 一組のラヴァーズ四人は呟きながら唖然と成るしか無く、同様にクラスメイト達は未来の技術力に度肝を抜かれていたのだった。

 

 「お〜い、十夏に千秋。

 

 頼まれた仕込み済の寸胴鍋を持って来たぞ!!」

 

 「「サンキュー、一夏さん」」

 

 教室に入って来たのは、寸胴鍋を2つ載せた台車を押して来た一夏だった。右側のキッチンに二口コンロに腕を部分展開した白式で寸胴鍋を載せて、鶏ガラスープと乾貨の乾燥帆立の貝柱から取った帆立出汁を温め始めていた。

 

 そして、キューブの展開が終わり教室の三分の一が厨房へと早替わりしたのだった。

 

 文化祭も始まり、一組の中華料理店は大繁盛だった。

 

 

 「千秋、上海蟹のピリ辛炒めよろしく!!

 

 私は青椒肉絲セットをやるから!!」

 

 「お姉ちゃん、任された!!」

 

 凄まじい数の注文と廊下に並ぶ人々。

 

 調理室ではクラスメイトが鍋を振るい料理を仕上げたり、出来た料理をチャイナドレスを着たクラスメイト達がテーブルへと運ぶ。 

 

 「一夏、来たわよ!!」

 

 二組の鈴音さんが入って来た。

 

 「鈴も食べるのか?」

 

 「一夏、文化祭の出し物で本格中華が食べれるって噂の一組よ!!当たり前じゃない!!」

 

 「鈴音さんは何食べるの?」

 

 「あら、十夏じゃないって、何よ!?

 

 そのシステムキッチンは!?」

 

 「許可なら貰ってるよ。これ?

 

 私と千秋の個人所有の移動式システムキッチンだよ」

 

 「もう、あんた達姉妹には驚かないわよ…

 

 じゃあ、四川麻婆豆腐ランチを貰うわ」

 

 「四川麻婆豆腐ランチ入ります!!」

 

 鈴音さんがシステムキッチンを観て呆れながらも四川麻婆豆腐ランチを注文する。冷蔵庫からタッパーに入れた仕込んだ麻婆豆腐用のセットを出して炒めて仕上げる。

 

 「四川麻婆豆腐ランチ出来たよ!!」

 

 「は〜い」

 

 出来た、四川麻婆豆腐ランチを鈴音さんに運ぶ。

 

 「じゃあ、早速……山椒の痺れと四川唐辛子の粉末と黒豆からつくる豆板醤…本当に四川麻婆豆腐ね…」

 

 「どうだった?」

 

 「十夏、完敗だわ。これじゃあ、二組の中華喫茶に閑古鳥が鳴くのも仕方ないわね」

 

 「十夏さん、八番と十三番テーブルにフカヒレの姿煮入りました!!」

 

 「九番と三番テーブルに青椒肉絲ランチと真鯛の氷山盛り!!」

 

 「七番テーブル三種の卵の焼売ランチ、二番テーブル金華豚の壷入り角煮ランチ入ります!!」

 

  注文を聞いたクラスメイトからキッチンに来る注文の数に忙しくなる事に溜め息しかでない。

 

 「はぁ…」

 

 「ほら、ため息吐かないで行きなさい。嬉しい忙しさなのよ。あたしからしたら羨ましいわよ」

 

 鈴音さんに言われ、キッチンに戻る。

 

 その後、意地と根性で全ての注文を姉妹二人で捌き切り一段落する最中、パパとママが来たのだ。

 

 「あら、大盛況じゃない」

 

 「そうだな。十夏、千秋はこのクラスの専用機持ちを呼んでくれ」

 

 「パパ、どうしたの?」

 

 「アテナとアルテミスにはアンチリムーバ(対IS用剥離剤無効システム)をシステムに組み込んであるが、学園の専用機持ちにはリムーバ対策すらしてないだろ?」

 

 「初めて知ったよパパ」

 

 「だから、白椿のアンチリムーバを人数分をUSBメモリーにコピーして持って来た。直ぐにインストールする様に渡してくれ」

 

 言われた意味を直ぐに理解した。

 

 もう直ぐ、亡国の襲撃があると。

 

 千秋は察したのか、一組の専用機持ちを全員呼んでくれていた。

 

 「「「「「これは何だ?」」」」」

 

 USBを渡すと首を傾げる一組の専用機持ち達。

 

 「ババからの贈り物だよ。アンチリムーバだから自分の専用機にインストールしてね。」

 

 「アンチリムーバだと!?」

 

 ラウラさんが驚いた表情で私に詰め寄る。

 

 「うん、アンチリムーバだよ」

 

 「十夏さん、お待ちになってくださる?

 

 各国ではリムーバの開発で血なまこになって開発してますのよ!?」

 

 「リムーバなら亡国が開発を成功させてるって、パパとママが今の文化祭の時には言ってたの。だからだと思うよ」

 

 「これ、自国に報告は?」

 

 「無論、駄目に決まっているでしょ」

 

 「ママ!?」

 

 「あたしと一夏は少し学園から離れて奴らの合流ポイントで待ち伏せするから、十夏と千秋は一夏を守りなさい」

 

 「それなら、私達が!!」

 

 「セシリアとあんた達は亡国を舐め過ぎ。馬鹿娘達でも戦闘経験と技量の点で不安なのにあんた達代表候補生如きに集団でも勝てるとか思わない事ね」

 

 ママの鋭い眼光に怯むセシリアさん。

 

 これが、ママの瞬殺の女王としての眼光…

 

 アンチリムーバをインストールした後は普通に一組の中華料理店は営業した。

 

 

 

 そして、3時頃になると一人の女性が一夏さんを目当てに会いに来たのだ。

 

 そう、私達の世界で一年三組の担任。

 

 だが、この世界のこの時代では亡国機業のオータムだった。

 

 「すいません、織斑一夏さんは」

 

 「一夏、お客さんだぞ」

 

 「で、そちらさんは?」

 

 「申し遅れました。

 

 ミツルギの営業の巻紙礼子です。

 

 そちらの白式の武装を…えっ?」

 

 私達姉妹は直ぐに得物をコールして槍を首に突き付け、巻紙礼子を囲う。無論、クラスメイトには悪いが全員退避して貰っている。

 

 「悪いけど、お縄頂戴になってくれると助かるかな?」

 

 「うん、私達姉妹からは逃げられないと思った方が良いよ?」

 

 「おい、十夏、千秋!?

 

 一般客に!!」

 

 「一夏、黙ってて。ねっ、亡国機業のオータムさん?」

 

 「亡国機業!?」

 

 驚く一夏を無視して、更に槍を突き付ける。

 

 そして、巻紙礼子はとうとう本性を合わしたのだ。

 

 「ちっ、ただの餓鬼かと思ったら、Mを泣かした餓鬼じゃねぇか!?」

 

 「えっ?

 

 私、泣かしてないよ?

 

 ただ、着せ替え人形にしただけど?」

 

 「一緒じゃねぇか!!」

 

 「千秋も黙ってて…」

 

 千秋の天然に頭が痛くなりながらも警戒は忘れない。

 

 「ちっ、バレたらしゃあねえ!!

 

 白式を貰いに来たぜ!!

 

 リムーバでも食らいな!!」

 

 一夏さんに向けてリムーバを放つが、既にアンチリムーバはインストール済だったから全く効いていない。

 

 「リムーバが効かないだと!?」

 

 「ごめんね。

 

 アンチリムーバを専用機持ちにはインストールさせたから無意味だよ?」

 

 「クソガキがぁぁぁ!!

 

 ぶっ殺す!!

 

 来い、アラクネ!!」

 

 私達姉妹にキレた巻紙礼子は教室内でアラクネを展開する。

 

 「千秋、一夏さんを頼むわよ!!

 

 アテナ、行くわよ!!」

 

 お姉ちゃんがアテナを展開する。

 

 私は一夏さんを避難させつつ教室から退避したのだ。

 

 「てめぇも専用機持ちかよ!?」

 

 「素直に捕まって欲しいな?」

 

 「舐めてんてじゃねぇぞ、クソガキ!!」

 

 ブレードが襲い掛かるが、イージスの盾を全面に出して受け流す。空気を縫いながらネプチューヌで突き刺しスラスターを破壊して行く。

 

 「なんか、つまらない」

 

 「なんだと!?」

 

 「単一仕様『イージスの盾』を発動!!

 

 メデューサに睨まれなさい!!」

 

 「糞!!

 

 アラクネが動けねぇだと!?」

 

 「だって、弱過ぎるもん……」

 

 「グッワァァァ!?」

 

 アラクネを単一仕様で拘束すると、一気にタコ殴りの様にネプチューヌで連続で突き刺しシールドエネルギーを奪い去る。アラクネを解除されたオータムは逃げようとするが、逃げるオータムを許す十夏では無かった。

 

 「終わりだよ?」

 

 「糞が!!」

 

 「逃さない!!」

 

 逃げようとするオータムにヤクザキックを食らわして意識を奪い、拘束用ワイヤーでオータムを拘束したのだった。

 

 

 同じ頃、教室から退避した千秋と一夏は職員棟にある生徒会室へ向けて避難していた。

 

 「十夏さん、大丈夫なのか?」

 

 「お姉ちゃんなら大丈夫。教室みたいな狭い場所でも負けないから」

 

 「見つけたぞ、織斑一夏!!」

 

 「あっ、あの時の!!」

 

 「織斑千秋、貴様まで居たのか!?

 

 なら、丁度いい。 

 

 着せ替え人形にした借りを返してやる!!」

 

 「着せ替え人形?」

 

 「うん、だって可愛かったからつい…」

 

 「千秋、何してんだよ…それにしても、あの少女は千冬姉に似てるな?」

 

 「まぁ、一夏さんの妹だからね。そうでしょ、織斑マドカ!!」

 

 「貴様!?

 

 なぜ、私の名前を!?」

 

 「だって、私は織斑一夏の娘で次女の織斑千秋だから。糞爺と糞ババアが蒸発した時に連れ攫われた一夏さんの妹なのは、私が娘だから知ってて当然でしょ?」

 

 「なぁ、千秋本当か?」

 

 「うん、一夏さんの2つ下の妹だよ。それに、ブラコンを拗らせて千冬叔母さんを殺せば一夏さんの唯一無二の妹に成れるって思い込んだお馬鹿さん?」

 

 「くっ、やはり貴様は未来から来た娘だったのか!?」

 

 「そうだよ。ねぇ、マドカ叔母さん?

 

 あと、叔母さんマドカから聞いたけど懐の内ポケットに一夏さんの…」

 

 「貴様より年下なのに叔母さんだと言われたくない!!

 

  しゃ、写真など……」

 

 確信出来た。

 

 やっぱり、持っていた。

 

 「叔母さんの脳にある裏切り防止のナノマシンが除去出来るって言ったら、降伏しない?」

 

 「出来るのか?」

 

 「束さんには頼んであるから出来るよ。それに、一夏さんに『お兄ちゃん』って言いながら甘えながら頭を撫でて貰うと気持ち良いよ?」

 

 「本当か!?」

 

 やっぱり、マドカ叔母さんはブラコンだった。

 

 「さあ、どうする?」

 

 「くっ、甘えたいから降伏するに決まっている!!」

 

 「マジかよ…」

 

 ブラコンが発動したマドカさんは甘えたいからと呆気なく降伏。

 

 そして、束さんが待機している整備室まで向かう途中のマドカさんは

 

 「お兄ちゃん♡」

 

 猫のように甘えていたのだった。

 

 

 この後、束さんにより裏切り防止のナノマシンを除去されたマドカさんはコロッと生徒会長に全てを話したのは言うまでもない。

 

 

 

 

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