ここは日本海。
十数機のラファールから攻撃を受けて逃げ回り追われる2機のIS。
青く美しいISが耐Gスーツに防寒着を身に纏った愛娘をベルトで固定はしてはいるが抱きしめながらレーザーライフルやマシンガンの弾丸をバレルロールを空中に描き躱しながら飛び回るセシリアと大親友でタッグパートナーはファントムタスクのMだった頃の愛機、サイレント・ゼフィルスを駆り精密射撃や偏向射撃で確実に屠り十数機のラファールと奮戦するマドカだった。
セシリアは娘だけは絶対に意地でも当てはさせまいと、今は娘を抱えていはるがために唯一使える武器でBT兵器である青い雫を拡張領域の予備までも飛ばして応戦しながら逃げる。
マドカも大量のビットとレーザーライフルを乱射してセシリアの日本領空への撤退を援護する。
2機同時に放ち咲き乱れたレーザーの嵐に追手のラファールの数機はスラスターユニットを貫かれてた追手の彼女たちは悲鳴を上げながら黒煙を吐き海へと落下する。
ブルーティーアズのGPSでは、ほんの数キロで日本領空に入るのだとセシリアは安堵するがイギリス貴族がセシリアと娘のオーロラを亡き者にすべく放った追手のラファールはまだまだいる。
正直に言えば、自機のエネルギーは心許ないのは判っているが娘を安心させる為にプライベートチャンネルでマドカに話し掛ける。
「あと少しで、日本の領空ですわ…」
「うん、早くお兄ちゃんに会いたいし、お兄ちゃんなら絶対に助けてくるれるから頑張ろう、セシリア!」
娘を安心させるのは流石はオーロラの母親で元イギリス国家代表のセシリア・オルコットと相棒で大親友である元日本国家代表で一夏さんの妹の織斑マドカだった。
二人はタッグトーナメントの決勝では敗北はしたが唯一、最強夫妻をコンビネーションだけでギリギリまで追い詰めた名選手だった。
話を少し戻すと、彼女と娘が逃げ回り逃亡生活をする理由は孤児院を保護する為の法律を貴族院の一員として上げたが孤児院の子供達を食い物にして来た貴族との政争に負けたに他ならない。
しかし、普通に負けただけならまだ良いだろう。
抱いている愛娘が問題だった。
セシリアは結婚もしていない。
本人には失礼だが、結果論で言えば彼女は忙し過ぎて結婚相手を探せなかったのだ。
理由は国家代表や孤児院の救済活動に加えて念願だったオルコット家の再興に貴族として女王陛下が主催するお茶会への参加だった。
跡継ぎが居なければオルコット家は断絶である。
何故、娘が居るのだろか?
答えはオーロラは今はセシリアの養子として迎えた娘だが、赤ん坊だった頃にセシリアが保護して育てた娘だったのだ。
それは、現役選手だった時に第四回タッグトーナメントの結果を両親に報告しようとお墓参りに来た際に、両親のお墓の側に籠に入れられ捨てられていた赤ん坊だった。
籠の中には赤子の他に入っていた手紙には産んだであろう母親の手紙には『どうか、オーロラを育てて下さい』と書かれ、彼女はその赤ん坊を保護したのだ。
セシリアは赤ん坊だったオーロラを初めて見た時、小さい頃の自分に瓜二つだった事に気付いた。
いや、気付いてしまった。
それは、まるで自分が産んだ娘の様に愛しく思ったのだ。両親の墓前だが、気付けばこう呟いた。
いや、叫んでいた。
「なんて、愛しいのでしょう。この子はきっとお母様とお父様からの贈り物だわ。私、この子を幸せに育てて見せわすわ!!」
だから、非常に自分の子供頃に似たオーロラを彼女は両親からの贈り物だと思い、自分の娘として育てる決意をしたのだ。
初めての育児は未経験だった為に非常に大変だったが、セシリアは愛する愛娘をメイドのチェルシーに手伝って貰いながらも、選手としても一人の母親としても努力を忘れずに研鑽を重ねて、オーロラにたっぷりの愛情を注いだのだ。
無論、国家代表として活躍した。
ダックトーナメントでは準優勝までしたのだ。
準優勝の恩賜としてオルコット家の復興を果した後に、イギリスの現女王に最も忠誠を誓う大貴族に上り詰めたのだ。
3年の年月が過ぎ、オーロラが3歳になると貴族としての心構えの教育は勿論、オルコット家の次期当主として英才教育を施しながら育てたのだ。
引退してからはイギリス議会の貴族院の貴族の一つの当主として政治に参入したが、食い物にされていた孤児院への子供達に食料支援や保護する法案をだしたが否決。
しかし、セシリア自身が個人資産から孤児院への援助していたり、友人であるメアリー女王陛下への忠誠心の高さからも判るが女王の一番のお気に入りだった。
これが他貴族から嫉妬されていた事は女王陛下も含めて知らなかったのだ。
政争に負けた後は孤児院を保護する事に良くは思わない貴族から暗殺を警戒した。だが、暗殺で狙われたのは自分自身ではなく、次期当主として頭角を現し始めた八歳になる愛娘を標的にしたのだ。
最初は女王陛下へ貴族令嬢のお披露目会だった。
晩餐会で出されたデザートに麻痺薬を混入されたが味が変だった事から娘が吐き出した事で事なきを得た。
晩餐会だったが肝心な事が抜けていた。それは、犯人たちは女王陛下が主催する晩餐会だと忘れていた事が致命傷だった。
女王陛下はこの毒物混入事件で晩餐会を中断にされた事や女王の前で毒物を混入した事に大激怒し、玉座にある陛下の背丈以上に大きい愛剣である大剣を抜いた事で騒ぎが拡大する。
陛下の愛剣を抜かせた事に、混入させただろうウェールズ地方の貴族二人がこの先起こるだろう自分達の悲劇を予想。陛下への恐怖心から顔色を変えたことで大剣を突き付けられて陛下自ら尋問。
尋問から貴族二人が自白したが、女王への毒殺未遂として問答無用で二人の貴族と一緒に参加した娘共々、その場で女王陛下が自ら斬り捨てる形での処刑となった大事件だった。
これだけでは無く、今度は貴族の子供達が通う学園だった。
とある貴族の馬鹿息子が娘を養子だと馬鹿にして、徹底的に痛ぶるため娘に決闘を申込み決闘を行なった。
決闘は娘が得意の細剣の技で勝利したが、負けを認めない貴族の馬鹿息子が懐からだしたのは毒を塗った短剣で斬りつけようとしたが、止に入った教師に発覚して取り押さえられた。
偶然にも、この光景を学園に視察に来ていた女王陛下が貴族としての決闘を穢した事に激怒。
決闘を申し込んだ貴族の息子は教会に終身幽閉とし、父親はオルコット家へ多額の賠償金を支払いを女王陛下に命じられたが額が莫大で屋敷まで売却する事となった。
この出来事で、私と娘がメアリー女王陛下に護られていた事に気付いてしまった瞬間でもあった。
私は娘を愛していたが為に貴族からの嫌がらせに我慢の限界だったし、周囲の貴族には未婚なのは知られている。
そして、陛下が私達を庇う度に嫌がらせや娘の命を狙われる事が酷くなって行った。
だから、余計に貴族から狙われたのだ。
愛娘であり女王陛下のお気に入りの次期当主を消せばオルコット家は貴族としてお家断絶するだろう。
そんな理由でも狙われたのだ。
この事件を機に取った行動は素早かった。
そう、この国から逃げようと決心した瞬間だった。
直ぐにオルコット家の資産を全て売却して逃亡資金を作り上げ、娘を連れての逃亡生活を始めた。
無論、女王陛下にはイギリスから逃げる事は報告している。しかし、陛下は
「セッシー!!貴女まで居なくなるのは嫌よ!!私が女王として権力を使ってまでも貴女を護るから行かないで!!」
「メアリー、いえ女王陛下。申し訳ありませんわ」
友人であるセシリアに私室にも関らずに跪かれた事に驚愕する。だから、一つの勅命を降した。
「セッシー、いえセシリア・オルコット卿。
私への忠誠、誠に大義だった。
私から一つの勅命です。
貴女の愛娘を死なす事は勿論、貴女自身が死ぬ事は絶対に許さない!!
だから、絶対に生き延び私と再会する事。
これが、最後の貴女への勅命とします」
「女王陛下、謹んで拝命致しますわ」
セッシーが居なくなるのは嫌だった。
未だに私に跪くセッシーを豊満な胸に埋め抱きしめた。
彼女はタップしながら「苦しい!!離して‼」と叫ぶが私からの細やかなお仕置き。開放したあとはやり過ぎたのか睨まれたが時間が許す限り二人だけのお茶会を楽しんだのだ。
私室から居なくなり、バッキンガム宮殿から出て行くセッシーの寂しそうな背中を見て悲しくなり、声を上げて泣くだけ泣いたのだ。
そして、セッシーが何時でも帰って来れる様にあの糞共(腐り切った貴族)を粛清すると誓ったのだ。
そして、宮殿から帰り大英博物館へ急ぎ向かい、現役時代に使用していた専用機が展示されていたが返却と愛機と一緒に展示され、イギリスに返却されたかつてのマドカの専用機サイレント・ゼフィルスを奪い国外へを逃亡を始めたのだ。
悲しい事もあった。
古くからの私の専属のメイドだったチェルシーは意地で一緒に付いて来た。スイスに入る直前のホテルの入口で貴族からの追手に娘が狙われ、チェルシーは咄嗟に娘を突き飛ばして庇ったが拳銃に撃たれて亡くなった。
チェルシーが亡くなった事に泣く事も出来ずに娘を抱き、そのままスイスへ逃げ続けた。
スイスに入り、娘には寒い思いをさせたが山脈越えのルートならスイス空軍か監視している理由で安全性が高かった。マドカの専用機であるサイレント・ゼフィルスのステルスモードを使いISでの低空飛行で山脈越えを敢行したのだ。
山脈越えを無事に終わり日本に向けて兎に角飛び、中国ではある人物と再会を再び果たす事になった。
それは、中国に入って成都に着いた時だった。
食事と休息を取るために国営の四川飯店に入りると厨房から出て来たのは修行中のマドカだった
セシリアはマドカから引退後は中国で特級麺天師を取るために修行中だったのを聞いていた。
この再会が最初の幸運だった。
四川省の成都で再会を果したマドカに暫く愛娘を休ませる為に保護を求めてみたら二つ返事で許してれた。
マドカの住むアパートへ案内されたが三人で暮らすには狭かった。
だけど、娘を抱きながら安心して一緒に眠れたのは嬉しかった。
出会った当初、オーロラはマドカの鋭い目つきに怖がって居たが直ぐに慣れ、不本意ながら私の作る料理よりマドカの作る料理を気に入ったのは悔しかった。
だけども、マドカには感謝が絶えない。アパートに案内された初日の夕飯にマドカから出された支那そばには身も心も暖めてくれた。
今でも忘れない。
あの鶏ガラスープをベースにした黄金色のスープにコシがあり小麦の甘さや香りが食欲を刺激する。
寂しいけども、一枚だけ乗るチャーシューは豚の特有の旨味がスープと絡んで更に引き立っていた。
「お母様、非常に美味しいです」
逃亡中だが、束の間の休息。マドカの料理で娘の無邪気な笑顔とこの一言に私がどれだけ救われただろうか。
「そっ、そうですわね」
だから、娘の前では泣かないと決めたのに涙が止まらない。
安堵感からくる安心から辛かった日々を思い出すと私には辛かったのだ。だから、泣いてしまったのだろ。
泣いてしまった私に娘は心配して来る。
「お母様、何処か具合が?」
止めどなく流れる涙。
折角のマドカの料理がしょっぱくなってしまう。
だから、オーロラを抱きしめてしまった。
「違うのよ…うっぐぅ…違うの…」
娘と居られる細やかな幸せ。
娘の体から感じる温もりを感じながら声を堪え泣いたのだ。
マドカには少し怒られたが、資格を取り次第日本へ帰るらしい。
「えっ?マドカは飛行機で?」
「今は専用機が無いからね」
マドカは引退後は専用機を篠ノ之博士に返却している。そして、私が持って来たサイレント・ゼフィルスはファントム・タスク時代の専用機だったが学生時代に一夏さんに捕まった後にイギリスに学園を通じて返却。
返却後のサイレント・ゼフィルスはイギリスの管理下だった。だが、もしもの為に管理場所だけは把握していた。あの時、私の専用機ブルーティーアーズも返却後は2機揃って大英博物館に展示されていたとは思わなかった。女王陛下の勅命書を使いティーアーズを返して貰い、手続き中の空きを狙ってサイレント・ゼフィルスを待機状態にして回収したのだ。もし、山脈越えならステルスモードがあるゼフィルスを使う気だったからだ。
「マドカ、専用機なら御座いますわよ」
「これは、サイレント・ゼフィルス!?
どうして、セシリア!!
ゼフィルスはイギリスに返却された筈なのに!?」
「無論、私の専用機共々返して頂きましたわ。これで、マドカも羽ばたけるのではなくて?」
「これ、ゼフィルスだけは返却じゃなくて強奪だよね?」
「こほん…ごう…返却ですわ!!」
「もう、強奪って言ってるよね…」
マドカに呆れられたが待機状態のサイレント・ゼフィルスを手渡した。マドカは直ぐに使える様にパーソナルデータを自分のデータに書き換えるために今まで保管していたファントム・タスク時代のUSBメモリーをコアに接続して数分で書き換えたのだ。
ただ、マドカは帰って来たサイレント・ゼフィルスを見て嬉しそうな顔だった事は黙っておこう。
現在に至る。
私もマドカも既にエネルギーが底を尽き、飛ぶだけでも危うい状況だった。
「ピンチですわ…」
「全く…」
追手だったラファールは反撃出来ない私達を取り囲むが、凄まじいスピードで来る白い機体と真っ赤な機体に戦と愛の女神と狩猟の女神を思わせる機体が焔で作り上げた古代ギリシャの戦車に乗り、その2機を入れた4機が私達の前に現れたのだ。
白と赤の2つのISだけは見覚えが有った。
あの決勝戦以来の最強夫妻の専用機で私とマドカの二人でも勝てなかった存在。
今では伝説のIS。
その2機が現れたのだ
白い侍を思わせる高機動型マルチタイプの織斑一夏の専用機『白椿』と番である重装甲高機動型近接格闘タイプの真っ赤な機体は織斑鈴音の専用機『黒椿』だった。
そして、マドカは残り2機の機体を知っていた。
今ではIS学園の教師となったが、天災篠ノ之束博士が開発した六世代型ISの2機だ。
それだけなら良いだろう。
双子姉妹が駆る2機は、流石にリミッターはしているだろうが、最も凶悪な性能のためにコア自身が使い手すらも選び、北欧神話やギリシャ神話の女神をテーマにした女神シリーズとして全8機が完成してはいるが2機以外は危険極まりない事から束博士が封印処理した機体でもあるのだ。
開発した博士には呆れて何も言えないが、全ての機体の性能の内容を知る織斑家(双子姉妹を除いた)としてはコアが双子姉妹を選んだのがコアの性格が穏健なアテナ(戦闘狂な一面がある)とアルテミス(大好きな千秋に命の危険がなければ大人しい)で良かったと今では思う。
もし、フレイとフレイヤの双子のコアだったら学園は吹き飛んだだろう。(だが、双子のコアは意地でも双子姉妹を選ぼうとしたらしいが博士が慌てて電子ロックをして防いだらしい)
まぁ、私とセシリアはエネルギーが無い為に戦闘自体が見学状態だった。
チャリオットを駆る十夏のアテナは千秋のアルテミスの『アルテミスの矢』で援護されながら武田の騎馬隊顔負けのチャリオットでの突撃でラファールを文字通りに蹂躙。
お兄ちゃんはと言うと、見ていたセシリアが叫んでいた。
「いっ、一夏さん!!すっ、鈴さんそれはいけませんわ!?」
龍巻を纏う黒椿の鈴お姉ちゃんに、それを撃ち出す為に掌底を構える白椿のお兄ちゃん。
「鈴、行くぞ!!」
「えぇ、一夏行くわよ!!」
「ですから、作品的に駄目ですわよ!!」
とセシリアが突っ込み叫ぶが既に遅い。
「超級」
「覇王」
「「電影弾‼」」
最強夫婦の必殺『超級覇王電影弾』が完成し、お兄ちゃんに撃ち出された鈴お姉ちゃんは射線上にいた全てのラファールを龍巻の渦に巻き込み全て撃墜していたのだから…
一夏さん達に助けられ救助された私達は一夏が営む料理店に案内され連れて行かれた。店内はあの四川飯店の様に奇麗な店内だった。そこでは懐かしい人とも再会した。
「なっ、何でラウラさんが居ますの!?」
「うん?娘と一緒だが?そう言えば、嫁にお客が来てるぞ」
一夏さんにお客様ですか?
誰だろうと付いて行くと、一番奥のテーブルには何故か見覚えがある大剣が壁に立て掛けられており椅子に座る金髪でロングヘアの女性。
そして、聞き覚えがある透き通り威厳を感じる声の主。
「セッシー、遅かったわね。待つのもなんだから、先にお食事を頂いていたわ。ほら、セッシーもオーロラちゃんも早く座りなさい」
「女王陛下!?」
こうして、テーブルに誘う御方はメアリー女王陛下本人だった。だだ、周りは女王陛下だと知り慌てたようだがメアリーは笑っていたのだ。
「あら、今は女王じゃないわよ。貴族の粛清をやり過ぎて、お母様である先代のエリザベス三世に王位を没収されましたわ」
「メアリー、またやり過ぎたの?」
「エッへへ…テヘペロ」
ゴッツン
「はうっ!?」
友人時代の二人に戻っていたのか、メアリーに拳骨を落とす。メアリーは昔からそうだった。何でもやり過ぎているのだから…
二人のやり取りを尻目に私と娘のオーロラには熱々の支那そばが出ていた。
「全く、一夏さんはやはり兄妹ですわね」
「そうか?」
そう、兄妹揃って出したのが支那そばだった。
でも、友人に愛娘と食べる食事は優雅な時間だった。何時の間にか、お店は私達と一夏さんの家族で貸し切り状態だったが、メアリーは一夏さんを観てニヤ付いていた。
「あの一夏さんがセッシーの初恋の相手ね…」
「ブッフッ!?」
思わず、飲んでいた烏龍茶を吹き出す。
「なっ、なな何を言ってますの!?」
「うむ?そうだったのかセシリア?」
と今度はラウラも参入する始末。
「だってさ、私もセッシーの様にIS適正があればもしかしたら一夏さんに恋をしていたのかなって?」
「メアリー殿下でも嫁は渡さん!!」
「ラウラ、私だって一夏さんを諦めていませんわ!!」
「あら、私も参戦しましょうかしら?
美人な嫁さんが居るけど、料理が美味しくて世界最強のIS乗りだもの。
私にしたら最良物件ですわ」
「メアリーでもいけませんわ!!」
メアリーの参戦。
言っては行けないがメアリーは剣術だけならイギリス国内最強を名乗れる技量はあるし、過去に生身でラファールをあの大剣で斬り刻んでいる。
つまり、強過ぎる為に男が寄り付かないのだ。
「アンタ達ねぇ、妻であるアタシが居るのにいい度胸ね!!その喧嘩、買ったわよ!!」
あっ、これは死んだと思った。
私も危うく忘れ掛けたがあの『夜の大魔神降臨事件』の目撃者だったのを忘れていた。キレた鈴は手に負えない。
つまり、アリーナか何処かで鈴との模擬戦をする運命だと警鐘がなっているのだ。
既にラウラはお店の奥の地下へ向かうエレベーターに蹴り入れられ、私とメアリーも鈴に肩を握られ逃げられない。
鈴さんは満面の笑みで
「さて、殺ろうか?」
「「ひっ、ヒィィィィィ!?」」
と抱き合い怯える私達を引き摺り、地下アリーナへと連行されたのだった。