中華料理店織斑   作:ロドニー

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閑話 メアリーの初恋と過去

 

 私、メアリーがセシリアと出会ったのは国立の貴族育成の為の学園だった。

 

 私はロイヤルファミリーでは第三王女で継承権も第三位でお姉様より低かった。

 

 しかし、女尊男卑の世の中では二人いるお兄様はイギリス憲法により継承権があっても王位にはつけない。

 

 だけど、第一王女のお姉様は別だった。

 

 高いIS適正に文武両道に優れ、学園では誰もが羨む高嶺の花だった。

 

 だけど、お姉様はそれだけだった。

 

 宮殿内では豆腐メンタルの弱い女性だったし、記憶に新しい『白騎士事件』が原因で王位を簡単に放棄してしまった。

 

 あの事件でお姉様の婚約者だったイギリス空軍大佐だったチャールズ義兄様が米軍と共同作戦であの白騎士を取り逃がしたのだ。

 

 義兄様は今だったら言えるが相手が悪い。しかし、誰かしらが責任を取らなくては成らずトカゲの尻尾切りの様に責任を負わされ降格処分を言い渡れた。

 

 無論、婚約も取り消しだった。

 

 だけど、お姉様は王位継承権を破棄してまで彼に付いて行った。

 

 お姉様は彼を愛して居たから。

 

 彼もお姉様を愛して居たから。

 

 そう、二人は演劇の悲劇の恋人同士の様に駆け落ちしたのだ。

 

 そして、もう一人の第二王女のお姉様は第一回世界大会でブリュンヒルデの織斑千冬に二回も敗北して国家代表が重く感じたのか失踪した。

 

 二人のお姉様を失った失意と壊れていく自分の心、そんな中でも支えてくれたのはセシリアだった。セシリアも両親が亡くなったばかりなのに気丈な振る舞いはイギリス淑女としての鏡だった。

 

 学園での三年間はセシリアのお蔭で無事に卒業出来た。私も王家の一員としても学年で主席をとり、セシリアと共に学園最強として武芸を極めたのだ。

 

 卒業式の後、セシリアと修練所で決闘を申し込んだ。

 

 勿論、お互いの獲物は得意とする得物でだ。

 

 大好きだからセシリアとケジメは付けたかった。

 

 どちらが学園最強かと。

 

 私はかつてフランスとの百年戦争で最強と云われた剣術である王国流剣術にある大剣術を学び、技を全て自分の物にしていた。

 

 勿論、得物は愛剣であり日本では南北朝の時代では斬馬刀と云われた両手直剣で刃渡りは2メートルを越す剣を大剣として打ち直した物だった。

 

 セシリアは射撃術の中でも最も得意とする二丁拳銃術で応戦してくる。

 

 「甘いわよ!!」

 

 と叫び、銃弾を全て斬り捨てる。

 

 流石はクラス一番の突っ込み役。

 

 「銃弾を剣で斬る何て非常識だわ!?」

 

 そして、弾切れだった所を剣で首に突き付けて私が勝った。

 

 

 

 学園卒業後はセシリアはISの適正とBT兵器の高い適正があった為、候補生として訓練に励んだ。

 

 私は適正が全く無かったが、この剣を更に極めるべく武者修行の旅にイギリスから出たのだ。

 

 

 

 彼女があの学園に入学した頃に、私はイギリスに戻り次期女王としての教育を受け始めた。

 

 そんな時、側近から報告が来たのだ。

 

 内容は世界初のISの操縦者である織斑一夏がセシリアに勝ったと…

 

 「えっ?

 

 嘘ですよね?

 

 セッシーが負けただなんて!!」

 

 ショックだった。

 

 一緒に研鑽を重ね努力して来た親友が負けた事が信じられなかった。そこで、IS学園から配信された映像を観て変わり果てたセシリアに怒り、再生プレイヤーを拳骨で殴り叩き壊したのだ。

 

 「セッシーのバカァァァァァ!?」

 

 あれ程、セシリアは嫌っていた女尊男卑に染まっていた。それを打ち砕いてくれた織斑一夏。

 

 彼に興味を抱いた瞬間だった。

 

 それからは配信された映像を観るようになった。

 

 彼を中心に取り巻く彼女達の中にセシリアがいた。

 

 「羨ましいわ」

 

 彼女達は彼を廻り牽制をしていた。

 

 呟いた事で気付きたくない事に気付いた瞬間だった。

 

 「私もあの中に…えっ?

 

 私、今何て?

 

 あっははははは!!

 

 そうなんだ。

 

 そうなんだ。

 

 私は彼をお慕いしてしまったのね」

 

 まさか、セッシーの初恋が彼だと気付くには十分で、私がセシリアと同じ彼に初恋をした事実と彼と一緒に居るセシリアに嫉妬している事に気付いた瞬間だった。

 

 それからは、私も頭の中では彼から離れる事が出来ずに剣術、帝王学などに打ち込み忘れようとしたが無理だった。

 

 セシリアを理由に彼に逢いに行きたいとすら思った。

 

 そんな思いの中、嬉しい事があった。

 

 セシリアが学園祭に招待してくれたのだ。

 

 いち早く彼に逢いたい気持ちを知らずにか、彼女は久しぶりの再会に喜び、私を連れ回して学園祭を楽しませてくれたのだ。

 

 だが、彼と逢えないまま諦める私ではない。

 

 学園の最後の出し物は生徒会主催で、彼が冠る王冠の争奪戦だった。目標はあの王冠を手に入れて彼を私専用の王女の近衛騎士もとい、あの糞ババア(現女王)に羨ましがるほどの自慢の旦那様にしたかったが、残念な事に親友は彼に軽くあしらわれていた。

 

 「フフフ…私の出番ですわね。セッシーには悪いですが彼は私が頂きますわ」

 

 「えっ!?マジですの!?ちょっと、メアリー!?」

 

 と呟き、無様にフランスの候補生が絡み合い、私の言葉に驚愕する親友を見ながら、一般人の入場で一気に私の前に居た者達を一刀両断はまず間違いない大剣を振るった風圧で前に居た人達を全員を吹き飛ばして先頭に出る事が出来た。

 

 しかし、何時の間にか彼の姿が消えいた。

 

 膝から崩れて落ち込んだが、そんな時にファントムタスクが来て襲撃しているとセシリアから知った。

 

 折角、一夏さんとお話が出来ると期待し、彼を本国に旦那様としてお持ち帰りをと期待したのにと、この私への仕打ちに八つ当たりではあるが連中に激怒もしたが、奴らを回収する為に必ず増援が来るだろうと読んでいた。一応、持参していたドレスアーマーを身に纏い、母親から許されたあの旗印を持ち掲げながら沿岸部へ走ったのだ。

 

 そして後にまで、IS学園が事実を隠さなけばならない悲劇が起こるとは誰も知らない。

 

 当時、作戦指揮官だった織斑千冬と生徒会会長だった更織楯無ですら、イギリス王室からの来賓のメアリーの行動だけは予想してなかった。

 

 

 

 皆さんは『血塗れの白百合の王国旗』を知っているだろうか?

 

 多分、現代の人達は誰も知らないだろう。

 

 この悲劇の前に、この旗印を知って置かねばならない。

 

 白く美しい白百合が描き足されたイギリス王家の旗を血で染めた旗印である。

 

 そして、過去に旗印が掲げられたのは一人だけで仏英の百年戦争の末期に敗北濃厚だったフランスが聖女ジャンヌの活躍により、イギリス軍をフランスから追い出したがフランスの勝利の代償してイギリスは聖女ジャンヌを捕まえて処刑した。しかし、フランスはイギリス本国へ逆襲して上陸。イギリスは敗北寸前だった。

 

 そして、当時の女王だったエリザベス女王が『約束された勝利の聖剣』別名、エクスカリバーを抜き掲げて、上陸して来たフランス軍を排除すべく戦場を先陣で切り込み出陣した時だけである。

 

 だが、先陣を切ったエリザベス女王は勝利と引き換えに討死していた。

 

 この功績以降、イギリス王家では王女または女王のみに許された戦場で掲げる旗印になった。

 

 その中でも、特に武に秀でた女王又は王女でなけば掲げる事を許されず、剣術、武力共にイギリス最強のメアリーは無条件で許されている王女なのだ。

 

 そんな、曰く付きの旗印であり、相手に死にたくなければ降伏をしろと勧告する意味もあるのだ。

 

 

 

 

 そして、海岸沿いのマラソンコースには一人の王女が大剣を肩に担ぎながら仁王立ちし、純白のドレスアーマーを纏って地面に突き刺された槍に血塗れの白百合の王国旗を掲げてる。

 

 イギリスの歴史家なら意味を理解して、その場から一目散で逃げ出すだろう。

 

 それだけの濃密な殺気と覇気を出していた。

 

 後に、元オータムにして現巻紙礼子の取り調べではこう話していた。

 

 『利用した女性権利団体にもし、イギリス人が居たらアレは避けられただろう』と語っている。

 

 調書には元Mの織斑マドカや元スコールの雨宮茜も同じ事を語っていたと記載されている。

 

 沿岸部に侵入出来た女性権利団体が使用していたのはラファールや打鉄の混成による十三機だった。

 

 その女性権利団体は待ち受けていた姫騎士姿のメアリーを観て時代錯誤だと馬鹿だと爆笑する。

 

 あの、旗印の意味も判らないまま

 

 しかし、織斑一夏を殺す話になるとメアリーが豹変したのだ。

 

 「この女は無視して織斑一夏を殺しに行くわよ!!」

 

 「今、何て言いましたか?」

 

 「殺すって言ったんだ!」

 

 「お慕いする彼を…そう…」

 

 「時代錯誤の姿で私達に勝てr」

 

 「ひっ、人殺し!?ギャァァァ!?」

 

 打鉄に乗る女性はメアリーを馬鹿にするあまり葵を抜いて襲い掛かる。

 

 しかし、メアリーは絶対防御を無視する斬撃で襲い掛かってきた彼女の首を一瞬で斬り落としたのだ。

 

 絶対防御無視の斬撃に斬り殺されて行く仲間を観て悲鳴を上げ錯乱する権利団体の女性達にそれを一撃で屠りに行くメアリー。

 

 ここからは彼女達の女性権利団体の悲劇だけが木霊したのだ。

 

 メアリーに結局斬殺されのは襲撃した女性権利団体の全員だった。

 

 彼女達は一撃で首を刎ねられ即死だったり、頭から胴が薪のように真っ二つに斬り捨てられた。

 

 時を同じくして作戦室では襲撃で守備する教師たちが居ない筈なのにレーダーから次々とロストしていく沿岸部側の襲撃者達の事に気付いたのは織斑千冬だった。

 

 「嫌な予感がする…山田先生、ここの指揮は任せる!!」

 

 「えっ、えぇぇ!?」

 

 沿岸部にたどり着き、織斑千冬が見た光景は地獄だった。

 

 織斑千冬が駆けつけた現場には、ISの機体ごと斬殺された女性権利団体の遺体と大剣を片手に返り血を大量に浴びていた王女だった。

 

 「襲撃者を殺したな?」

 

 まさかと思いながら千冬は彼女に質問する。

 

 「えぇ、全て殺りましたわ。

 

 テロリストには死を。

 

 当たり前ではなくて?

 

 ブリュンヒルデさん?」

 

 こいつは狂っていると思った。

 

 これが本当なら、絶対防御を完全無視した斬撃には恐怖すら感じる。そして、彼女のあの剣は身体的に細身には似合わないが軽々と扱っている時点で私より化け物だろう。

 

 しかし、メアリーが大剣を構えたと思ったら、急に姿がブレると目の前から消えたのだ。

 

 「しっぃ!!」

 

 「くっ!?」

 

 私は拡張領域から一つの太刀を取出して、彼女から感じる殺気を読み斬撃を受け止めた。しかし受け止る事は出来たが余りに重い斬撃に驚愕する。

 

 いや、受け止めさらせられたが正しいだろう。

 

 「フフフ…流石はブリュンヒルデですわ。信じて頂けましたか?」

 

 「信じるしかあるまい。一応、調書を取るから来い!!」

 

 ニコニコ笑いながら千冬に叩き込む重く鋭い斬撃。

 

 束がこの太刀を鍛えてなければ、この太刀は折られて斬られていただろう。

 

 そして、あの旗印は確かイギリス王家の王族の女性で武に秀でた者にしか許された人物だけの筈だ。

 

 こんな化け物を呼んだ人物に心当たりがあり、その人物に王女が取り調べ室に入るのを確認して悪態を吐いていた。

 

 「セシリアめ、とんでも無い小娘を招待して…後で反省文を書かせてやる!!」

 

 

 一夏さん宅の客間の布団の上では、愛娘のオーロラが可愛い寝顔で寝ている中でセシリアとメアリーが学園祭での出来事を懐かしむ様に話している。

 

 「懐かしいですわ。メアリーが沿岸部の対処してくれた事は非常に感謝ですわね。私達はマドカさんとスコールの対応で苦戦してましたし」

 

 「でも、ブリュンヒルデに散々絞られたわね。来賓が勝手な事するなってね」

 

 「まぁ、そうですわね。メアリーも織斑先生の出席簿を喰らいませんでしたか?」

 

 「うん、アレは確かに痛かったわ」

 

 未だに卒業生でも謎の出席簿だった。

 

 そして、セシリアは昼間のメアリーの一言を気にしていた。

 

 鈴音には地下アリーナで私達全員が折檻を受けてもやはりまだ彼が好きなのだ。

 

 「ところで、メアリー。

 

 やっぱり、一夏さんをお慕いしてますの?」

 

 「えぇ、セッシーがあの学園に入学した頃からお慕いしてたわ。

 

 今は、素敵な奥様も居る。

 

 二人の愛の結晶とも言える可愛い娘も居る。

 

 そして、こんな素晴らしく美味しいお店を夫婦二人で幸せに切り盛りしている。

 

 二人に割り込む隙間なんて無いのは判ってるわ。

 

 それは、セッシー貴女もよね?」

 

 「判って居るのでしたら!?」

 

 「正直、言いますわ。

 

 セッシー、私は貴方が狡い!!

 

 憧れた彼と彼女達と三年も学園で共にし、研鑽を重ねていつも一緒だった。

 

 私はあの檻のような宮殿からしか彼を見ることが出来なかった!!

 

 だから、狂っていると言われたって構わないわ!!

 

 お慕いする彼の側に居たい‼

 

 たとえ、奥様である鈴音さんの障害に成ろうとも!!」

 

 メアリーが心内を暴露したのだ。

 

 最早、狂気すら感じる。

 

 私達はやはり、イギリス人で英国面なのだろう。

 

 一夏より、鈴音さんを上手く誘導して、一夫多妻の国に引っ越しさせればと思ってしまう。

 

 だって、一番は鈴音さんなのだから。

 

 だったら、私達は二番でも三番でも構わない。

 

 二人して黒い笑みを浮かべる。

 

 ガッチリと結ぶ手は共闘の証。

 

 「「私達二人なら必ず!!」」

 

 私とメアリーは十数年ぶりに共闘する事にしたのだ。

 

 そう、狙うは

 

 「「一夏さんよ!!」」

 

 と叫ぶが、オーロラが私達が煩くて目を覚ました。

 

 寝起きで、機嫌が最悪なオーロラは私達を睨み

 

 「二人共、うるさい!」

 

 「「ギャフン!?」」

 

 蹴られたのだった。

 

 そして、マドカが部屋に起しに来るまで二人して気絶したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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