闇の魔王様と魔法少女達   作:龍牙

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第十四話『ファーストステージ、ラストに突入! by.トウヤ/長い様で短かったな。by.キバットバットⅡ世』

???SIDE

 

 

「先ずはこんな所か?」

 

 

ダイルは自分の前に立つ局員達を一瞥しつつそんな事を呟く。丁度そこに集まっているのはアースラの中でのクロノを除く戦闘を担当する武装局員達だ。何処か彼等の目には正気の色が無く、操られていると言う印象が与えられる。

 

ダイルを除けば最強戦力で有るのはクロノだろうが、アースラに居る全ての武装局員を相手にして勝ち目があるかと問われれば不可能と答える以外は無いだろう。

 

 

(私に与えられた役目はこの艦の人間達の同族化…。だが…)

 

 

簡単な任務だ。ただこの世界、レジェンドルガ達にとっての故郷である地球から離れるまで何もしなければ良いのだから。だが、

 

 

(既にファンガイア族に我々レジェンドルガの復活が伝わってしまった。取り返しの着かない失敗だ)

 

 

無言のままデバイスを起動させると、それは何処かザンバットソードに似たデザインの剣型のデバイスがダイルの手の中に現われる。

 

 

「我等レジェンドルガが偉大なる君主ロードアーク。憎き怨敵…ファンガイア族の王キングダークキバの首、我が失敗の償いとして、何より貴方への忠義の証として、供物として見せましょう」

 

 

剣型デバイスを構えながらダイルはそう宣言し、レジェンドルガとしてのその姿を曝す。

 

 

 

 

SIDE OUT

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、管理局との接触後から数日、更に付け加えて言えばなのはの家族に魔法の事を話してから数日後と言った所だろうか。

 

 

あれから幸か不幸か、ジュエルシードの発動も無く、キャッスルドランにフェイト達が現われる様子も無い。

 

 

「これだけ探してもまだ六つも見つかってないなんて…」

 

 

「既にこの町の全体を探し終えた…はずだよな?」

 

 

そんな言葉をフェレット状態のユーノとトウヤが零す。

 

 

なのは達との情報交換で彼女達が見つけた数と場所をジュエルシード捜索の為に用意した海鳴市の地図に書き込んでいくと、残りのジュエルシードの数は僅か六つ、そして…捜索範囲は既に町全体を終えていた。

 

 

ここ数日は何時でも動ける様に学校の無い時はなのはもキャッスルドランの中でトウヤと一緒に待機する事になっている…。

 

既に町全体は探索を終えているのに残りの六つのジュエルシードについては完全に行方知れずになっている。

 

 

「こうなると…最悪の事態を想定した方が良いな。」

 

 

「「最悪の事態?」」

 

 

トウヤの呟きになのはとユーノが聞き返す。

 

 

「ああ。オレ達はまだ一番広い範囲を探してない。そして…前に広い範囲を多少無理矢理だけど一気に探索する方法を彼女フェイトさん達に提案しておいた」

 

 

そう言ってトウヤは張られている地図の外…海に当たる場所を指差す。

 

 

「ああ、範囲から考えて全部が陸地に落ちているなんて言う都合の良い考えはしないで、ジュエルシードの幾つかは海に落ちたと推測した。まさか六つも落ちていたって言うのは想定の外だけどな」

 

 

そう前置きし、以前フェイトに相談した海と言う広い範囲を捜索する方法をなのは達にも話す。

 

 

「…と言う方法を提案した」

 

 

「そんな。そんなの危ないの!?」

 

 

トウヤの言った言葉になのはが反応する。トウヤ自身も考えていたものの危険と判断していた為に十分に準備を整えてから行動に移すつもりだった。

 

 

トウヤがフェイト達に提案した作戦、それは簡単な事だ。向こうから出てきて貰う為に海に魔力を流して海に落ちたジュエルシードを無理矢理発動させる事。それがトウヤが考えていた最終手段だ。

 

 

流石に潜水艦を使ったとしても、海に落ちた宝石を探索するのは不可能に近いだろう。ダークキバに変身したトウヤでもだ。元々そんな海中での行動等は前提で作られていないのだし。そして、ジュエルシードは海に沈んでいるのに放置するには危険すぎる爆弾だ。

 

 

寧ろ、この場合は“それ以外に方法が無かった”と言うべきだろう。同時に町への影響を考えれば、行動に移す場合は絶対に失敗が許されない。

 

 

だから、フェイトの体調を万全にした上でビショップやルーク達チェックメイト・フォーと次狼達他の種族の代表の戦士達と言った、トウヤの使える戦力を総動員した上で成功率を一割でも高くした上で行う予定だった。

 

 

だが、当のフェイトが居ない事にはその策は実行できない。最悪の場合ジュエルシードの六つ同時発動と言う危険性が有る以上、危険なのでより実行にはより慎重になる必要も有るが。

 

 

「寧ろ危険なのはフェイトさんがこれを実行してしまう…と言う可能性か。」

 

 

だから、配下のファンガイア族を使った人海戦術でジュエルシードを探す傍ら、こっちからは動かずに彼女達が行動する時に備えて城キャッスルドランの中に待機していると言う訳である。

 

 

ふと、そんな数日前に交わした会話を思い出していると、

 

 

「トウヤ、なのは!」

 

 

「っ!? ここからでも感じ取れる。同時発動か…まさかとは思うけど、発動させたのか!?」

 

 

「急ごう!」

 

 

「高町さん、準備は良い!? ビショップ、最悪に備えて少しでも力は温存したい、シュードランを使う!」

 

 

「かしこまりました」

 

 

「うん!」

 

 

準備を整えたトウヤ、なのは、ユーノの三人がキャッスルドランの外に出るとキャッスルドランが咆哮を上げる。

 

 

「キャ!」

 

 

「な、なに?」

 

 

キャッスルドランの咆哮に思わず驚いてしまうなのはとユーノの二人に構わず、トウヤは三人の前に現れた城の天守閣部分に赤いドラゴンの翼と頭、手足が伸びた幼生獣のドラゴンの様なモンスター『シュードラン』に近づいていく。

 

 

「良く来てくれた、シュードラン。二人とも、乗れ!」

 

 

「う、うん!」

 

 

「わ、分かった」

 

 

トウヤの姿を目撃して甘える様にしてくるシュードランの頭を撫でながら二人に指示を出す。

 

 

「えっと、よろしくね、シューちゃん?」

 

 

「カゥ~♪」

 

 

ふと、なのはがそんな声をかけるとシュードランも嬉しそうに声を上げる。

 

 

そして、三人がシュードランに乗るとキャッスルドランからキバットバットⅡ世が現われ、トウヤ達に声をかける。

 

 

「場所は分かった。急ぐぞ、トウヤ」

 

 

「ああ」

 

 

トウヤの肩にキバットバットⅡ世が座すると、シュードランは翼を広げて飛翔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、ねえ、トウヤ…君の住んでいるお城とか、このドラゴンとかって…一体…。地球には龍まで生息してるの?」

 

 

「ああ、オレ達十三の魔族の中の一種族、『ドラン族』だ。もっとも、昔に僅か三匹まで数が減ってしまったけどな」

 

 

そう言ってトウヤは足元を指差す。

 

 

「ドラン族の生き残りは幼生の者を改造したシュードランと最大の『グレートワイバーン』を改造したキャッスルドラン、ドラン族の生き残り達には改造による延命処置を施してオレ達ファンガイア族と共生の関係にあるんだ。」

 

 

「あ、あははは…;」

 

 

「まあ、シュードランはちょっと臆病で人見知りするところがあって、普段は親であるキャッスルドランの近くに隠れているけどな…」

 

 

『だから、有って直ぐのなのはに懐くのは珍しい』と付け加えると、トウヤの説明に汗を流しながら苦笑するユーノだった。

 

 

「地球って…魔法文明は無いと思われてたけど…。」

 

 

「地球の魔法それは厳重に秘匿されていたからな…。それより、そろそろ準備をしておいた方が良い」

 

 

そう告げたトウヤの手の中にキバットバットⅡ世が座し、掴み取るとそれを空いている手に近づける。

 

 

「変身!」

 

 

「ガブリ。」

 

 

ダークキバに変身するトウヤとレイジングハートをセットアップするなのは。

 

 

 

『キャゥ~!』

 

 

 

二人が準備を終えるとシュードランが悲鳴を上げて揺れ始めた。

 

 

「くっ、なんだこれは!?」

 

 

到着していた海上では幾つもの竜巻と雷が起こっていた。

 

 

飛ばされそうになるなのはの手を取って助け取ると、ダークキバは海上に起こっている竜巻に視線を向ける。

 

 

「大丈夫、なのは?」

 

 

「う、うん」

 

 

起こっている竜巻は六つ、それは丁度ジュエルシードの残りの数と合致している。

 

 

「高町さん、あれを」

 

 

「フェイトちゃん!?」

 

 

ダークキバが指差した方向を見ると、そこにはフェイトとアルフが竜巻と雷を避けながらジュエルシードを封印しようとしていた。

 

 

「…せめて、一言相談しに来てくれればこっちは幾らでも手を貸したというのに」

 

 

フェイト達はダークキバ達の協力無しで海の探索を行ってしまったのだろう。そう考えると思わず頭を抱えてしまう。

 

 

「いくらなんでも、あれは無茶だ!」

 

 

「まったくだ。Ⅱ世、ザンバットソードを」

 

 

「ああ」

 

 

召喚されたザンバットソードを手に取りシュードランをフェイト達の所に向かわせようとした時、

 

 

 

『その必要は無い。』

 

 

 

ダークキバ達の前にモニターが現れ、クロノがそんな言葉を告げた。

 

 

「それはどう言う意味ですか?」

 

 

「なるほどな、そう言う事か?」

 

 

『君は理解した様だな。それにしても…そんな龍まで使役していたとは…』

 

 

モニターに映るクロノをダークキバの仮面の奥から睨みながらダークキバはクロノに無言で『早く本題に入れ』と態度で告げていた。

 

 

『彼女の逮捕は僕達の仕事だ。君達は下がっていてもらおうか』

 

 

「でも、このままじゃ、あの子が死んじゃいますよ!!!」

 

 

『僕達は常に最善の方法を取らないといけないんだ』

 

 

「そんな!」

 

 

「確かに組織としては正しい判断だな」

 

 

絶対零度の冷たさが感じられるダークキバの言葉がユーノの言葉に答えたクロノへと向けられる。

 

 

『その通りだ。放っておけば、彼女は自滅する。仮に自滅しなかったとしても、力を使い果たした所を叩けば良い』

 

 

クロノの言葉を聞きながらトウヤは仮面の奥で笑みを浮かべる。

 

 

「確かに『最善』を選ぶ必要が有るな。仮にも王を名乗っている身だ、その程度を理解できる」

 

 

「そんな、トウヤ君!?」

 

 

ダークキバの答えになのはがそんな声を上げるが。

 

 

「だから、オレ達は最善の方法として彼女を助けに行く」

 

 

『な!?』

 

 

「え?」

 

 

「彼女が倒れた場合、この世界に出る影響はどうする気だ? 仮にも一つでとてつもない危険性を持っている物が六つも暴走している。それを確実に封印する為には彼女に協力する事が最善だ」

 

 

そう言ってダークキバはシュードランにフェイト達の元に急ぐ様に指示を出す。怯えながらも向かってくれるシュードランに感謝しながら、その頭を撫でる。

 

 

『さっきの話を理解したんじゃなかったのか!?』

 

 

「ああ。その上でオレ達の立場として最善の方法を選んだ」

 

 

そう言ってダークキバはザンバットソードをモニターへと突きつけながら、

 

 

「貴様等にとってこの世界はどうでも良い…いや、レジェンドルガと手を組んでいるお前達にとっては寧ろ、この世界が壊れてくれた方が好都合か?」

 

 

挑発する様にそんな言葉を告げると、なのはとユーノのクロノを見る視線も何処か険しいものとなる。

 

 

「ユーノ、ジュエルシードが暴走したらどうなるんだった?」

 

 

「そ、それは次元震が発生して…あっ!?」

 

 

ダークキバの言葉に答えていると何かに気が付いたユーノが声を上げる。

 

 

「そう言う事だ。彼女が倒れられたら最悪は町単位ではなく地球が危険にさらされる。確かに最善だろうな…“レジェンドルガにとって”」

 

 

ダークキバの言葉を聞き初めて事態と自分の失言に気付いたのだろうクロノの顔が青ざめている。恐らくだが、事態を認識したであろうアースラの乗員達も顔が青ざめているだろう。

 

 

「お前達の最善はオレ達にとっての最悪で有り、彼女に協力するのは、オレにとってレジェンドルガを内部に持っているお前達組織よりも、彼女の方が信頼に足る人物と言うだけだ」

 

 

「ごめんなさい、あなた達の遣り方が正しいと思えない!」

 

 

「ぼくも同じ気持ちです!」

 

 

「二人も協力してくれるか…。それと、なにより…」

 

 

そう言った後、ザンバットソードをモニターに向かって一閃させる。

 

 

「…女の子一人助けられないで…何が王キングだ」

 

 

モニターが消えるとダークキバは再びシュードランへと急ぐ様に指示を出す。

 

 

「急ごう、無駄話に時間を掛けすぎた!」

 

 

「「うん!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

力尽きたフェイトに竜巻の一つが迫ってくる。

 

 

「……ごめんなさい」

 

 

「いや、謝るくらいなら、もう少しこっちを頼って欲しかったな…。フッ!」

 

 

キバの紋を足場にしてフェイトを受け止めつつザンバットソードを一閃し、一時的に竜巻を消し去る事に成功したのだが、直に再生する。

 

 

「チッ! やっぱり、封印しなければ無理か…」

 

 

思わず舌打ちするが、手の中にあるザンバットソードを持ち直し、それを振り上げ、何度か一閃する事で一時的に竜巻を消し去る。

 

 

「ト、トウヤ!?」

 

 

「フェイトさん…これは危険だから必ずオレ達に一言言ってから実行するようにと言った筈だけど…?」

 

 

微かに咎める様な響きだが、その言葉の中には何処か優しさが篭っている。

 

 

「フェイトー!!!」

 

 

「フェイトちゃん!!!」

 

 

丁度アルフとなのは達もダークキバとフェイトに合流する。

 

 

「先ずはジュエルシードを停止させないと拙い事になる! だから、今は封印のサポートを!!!」

 

 

「ダメージを与えるのはオレに任せろ。一撃で吹き飛ばす」

 

 

ユーノがチェーンバインドで幾つもの竜巻を押さえ込み、ダークキバがザンバットソードから金色のフエッスルを出現させる。

 

 

「フェイトちゃん、手伝ってジュエルシードを止めよう!」

 

 

「ジュエルシードは六つ…取り合えず取り分は互いに三個と言う事で納得しておいてくれ。詳しい事は後で話す」

 

 

「う、うん!」

 

 

なのはとダークキバの言葉にフェイトが頷き、バルディッシュを握る。

 

 

 

「ウェイクアップ!」

 

 

「ファイナル、ザンバット…」

 

 

「ディバイン…」

 

 

「サンダー…」

 

 

そして、響き渡るフエッスルの音色を合図に、

 

 

「斬!!!」

「バスター!!!」

「レイジ!!!」

 

 

ブラッディーレッドの斬撃が金色の砲撃と桜色の砲撃を導く様に、竜巻と雷を切り裂きながら、竜巻の中にあるジュエルシードを剥き出しにし、ジュエルシードに二つの砲撃を導く。

 

 

それによって封印された事で周囲を廻りながら落ちてきた六つのジュエルシードをダークキバが受け止めると、なのはとフェイトの前で手を開いて、

 

 

「きっちりと半分に分ける。それで良いよね、高町さん、フェイトさん?」

 

 

三つずつ渡す。

 

 

「あの…」

 

 

「ん?」

 

 

「ありが、とう」

 

 

フェイトが控えめにダークキバとなのはにお礼を言う。

 

 

それに嬉しそうに微笑むなのはとダークキバ。

 

 

「お礼なんて良いさ。元々君に力を貸すのはオレとの契約だろ? それと…」

 

 

仮面の奥で笑みを浮かべながら…

 

 

「今回の事は町にも地球にも被害が出そうだったんだ…それについては…よーく注意しておかないとな…」

 

 

そう言って溜息を吐く。注意すると言ったがそれほど強い事は言えない。

 

 

「まあ、こんな所で浮んでいると、オレは兎も角二人は体が冷えるだろ? シュードラン」

 

 

「カゥ!」

 

 

ダークキバの呼びかけにジュエルシードの暴走時の魔力怖がって離れていたシュードランがダークキバ達の前に出現する。寧ろ、臆病なシュードランが単体で此処まで運んでくれただけでも勇気を振り絞った物だったのだろう。そんなシュードランを一瞥しながら『頑張ったな』と呟く。

 

 

「フェイトさん達も高町さん達もビショップに暖かい物を用意させるから…フェイトさん達には…今回の事に対する注意も有るから、“是非”参加してもらいたいんだけど。」

 

 

優しい口調だが、どう考えても拒否は許さないという意思が込められている。

 

 

「うん、そうしようよ!」

 

 

「でも…」

 

 

「こいつ等と一緒に居るって事は管理局に着いたんじゃないのかい?」

 

 

アルフには管理局に着いていると思われている様子だが。

 

 

「いや、その事についても説明する。少なくとも…オレ達は管理局と言う組織と協力する気は無い」

 

 

ダークキバはフェイト達に今の自分となのはの立場が管理局と協力していないと言う立場を告げる。

 

 

 

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