空飛ぶ山猫と重巡洋艦 作:とある戦闘機好き
ーside山猫
「アングルドデッキタイプか...旧ソ連のキエフ級航空巡洋艦みたいだな」
『そうだ。F/A-114はVTOLも出来るが、この方がより航空機を搭載できるし、発艦も容易になる』
「まさかUAVでも載せるつもりか?」
『その通りだ』
「タカオに了承は?」
『...タカオ、いいか?』
「えっ?ええ...」
「取ってなかったんかい」
伊犂ノ島地下一番ドックではタカオの船体と艤装の改装が行われている。
そしてドックに入っているタカオは全長が約1.5倍ほど伸ばされ、後部甲板の艤装は全て取り外されてアングルドデッキが作られていた。
「これ、本当に重巡洋艦?」
『まあ、見てくれは航空戦艦レベルに見えるだろう。だが搭載する主砲は今まで通り8インチ、つまり20.3cm二連装砲だから重巡洋艦だ』
「たしかロンドン海軍軍縮条約だったかで重巡洋艦の区分が決められたんだっけな」
「えっと...補助艦のうち6.1インチ以上8インチ以下の主砲を搭載する場合、重巡洋艦に区分されるんだったっけ?」
「そうだ。どれだけ船体が大きくても、搭載する主砲が6インチ以下とかだったら軽巡洋艦とか駆逐艦に区分される」
ロンドン海軍軍縮条約。
知っての通り旧日本海軍が個艦優秀主義に向かっていった象徴的な出来事である。
「にしてもこれ、あと半日で終わるのか?」
『予定は順調だ。あと6時間程で全て完了、残り時間は航行試験に入る』
「UAVも含めて?」
『...そのつもりだ』
「お前忘れてたな。俺が設計と開発やっとく」
『すまない、相棒』
「気にすんな。たまには頼れ、相棒」
さっさとUAVの設計開発するか...
6時間後。
やっとUAV合計11機の開発が終わった。だるい...
するとー
『おわったぁぁぁぁぁ!』
「うるせぇ!」
オセロットから声があがる。どうやら終わったらしい。急いで船体まで行くと、既にタカオは到着していた。
「今の声聞くとほんと人間っぽいわね、オセロットって」
『私はAIだが?』
「そうは見えないけどね」
「それでオセロット。どうなった?」
『船体並びに機関、各兵器軍、レーダーシステムの改装は終了。あとは航行試験だけだ』
「ok。こっちもUAVの開発は終わった。んでUAVはどっちが使うんだ?」
「そうね...オセロット、あなたに頼んでもいい?」
『了解だ。私もそのつもりだったからな』
「じゃ、始めますか」
ー伊犂ノ島近海
島の近海にアングルドデッキを備えた艦が航行する。微速から全速、全速から微速と増減速を確かめ、蛇行など様々な機動を行っていた。
「どうだ?タカオ」
「演算がすごく軽い。しかも簡単に増減速できるし機動力もいいわね。あと一部兵器の試射とか改良したクラインフィールドの性能実験とかしてもいい?」
「いいぞ。それとオセロット!そっちはどうだ?」
『UAVについては十分な性能だ。感謝する、相棒。だが...』
「どうしたよ?」
『名前とかつけないのか?』
「あー、型番なら考えてある」
『なんと?』
「無人多目的戦闘機1型、Unmanned Multirole Fighter Ⅰの頭文字をとって『UM/F-1』だ」
『なるほど、いい名前だな』
「お褒めに預かり恐縮至極だ」
そう言われると何かくすぐったい様な気分になる。
しばらくオセロットはUMF11機を管制し特殊機動をしていた。ああ、『変態が編隊を組み変態機動でやって来る』とは、こういう事を指すのか。納得した。
「リンクス、こっちの試験はすべて終わったわ。UMFを降ろして大丈夫よ」
「了解。聞こえたな、オセロット!」
『ok。1番機から順番に降ろす』
そして数分。全機が着艦を終了した。
「さて、予定通りだな」
『行くのか?横須賀に』
「まあ、おおよそ401と霧の誰かがドンパチする直前だろうさ。それを元に戦術とか教えるつもりだが、いいか?」
「ええ、いいわ。どうせなら殴り込んでみる?」
「随分と過激なこった。それは状況を見て判断しよう」
『では行くか?』
「ああ、行こう。
HASS並びにECMを起動。航空重巡洋艦タカオ、発進する!目標は横須賀だ!」
「了解、両舷前進微速。目標、横須賀!タカオ、発進します!」
2+1人を乗せた艦は伊犁ノ島を出港した。
目標地点は横須賀。401vsハルナ、キリシマの戦いが始まる直前を目指して。
次話から2章、横須賀動乱編にはいります。お楽しみに。
(2話位前に次から横須賀とか言ってたけど、すみません!)