空飛ぶ山猫と重巡洋艦 作:とある戦闘機好き
ーside山猫
「こちらRayven。着艦許可を」
【こちら航空管制。現在、3号機が着艦ルートに入った。3号機の着艦移動後、再度指示を出す】
タカオの指示によりUMF-1の3号機が着艦に入る。現時点で1号機と2号機は着艦済み、空に残っているのはリンクスのF/A-114だけだった。
【こちら航空管制。3号機の着艦完了。Rayven、着艦を許可する。風速は15ノット、風向は艦進行方向5度】
「了解。着艦を開始する」
ランディング装置とフラップ、着艦用フックを展開。スロットルを絞る。高度よし。残り150...100...50...0。
着艦用フックが制動ワイヤーを捕らえ、急制動がかかる。スロットルを最大まで入れてフックがワイヤーを捕らえているか確認する。
「着艦完了」
スロットルを戻して、エンジンをアイドリングさせる。
【Rayven。そのままエレベーターまで進み、固定してください】
「了解」
エレベーターまで進み機体を固定。コックピットから降りるとタカオがやって来た。
「艦長、お疲れさま。どうだった?」
「最初にしては良かったな。まだオセロットが11機全て操縦してないもんで、微妙なところだが」
エレベーターから離れて甲板から艦橋へ上がる。その途中でロッカーに専用スーツをしまい、航空服に着替えた。
「タカオ、状況は?」
「大戦艦ハルナとキリシマの撃沈を確認。こちらの損害はなし。消耗は09式が空艦合わせて6発ってところね」
「ハルナとキリシマはどうなったか分かるか?」
「現在ユニオンコアの反応はなし。多分休止状態に入ってると思う。最後の反応は横須賀の海岸に位置している大邸宅の敷地内よ」
「誰のところだよ...」
『こちらで確認した。あそこは刑部という家の土地だ』
「刑部か...タカオ、知っているか?」
「知ってるも何も、刑部家の主人は振動弾頭の開発主任よ。既に故人だけどね。現在は子供が1人、あの屋敷に住んでいるようね」
「振動弾頭か...人類の希望ねぇ...」
そういうと溜息をつく。どうやら厄介な事になりそうだ。楽しそうだけど。
「取り敢えず横須賀に行くか。HASSを起動して横須賀近くの立ち入り禁止エリアの廃港に横付ける」
『...ちょっと待ってくれ』
「どうしたの、オセロット?」
『タカオ、ハイパーリコンを一機、リンク状態で上げてくれるか?』
「ええ、いいけど」
「相棒、何か面白い物でも見つけたか?」
『ああ、そうだ。でもまだ分からない事が多い。調べてみよう。暫く集中するから他ごとは頼む』
「了解だ。タカオ、ハルナとキリシマが子供と接触するかもしれない。そうなるとどうなると思う?」
「...おおよそ軍部が出しゃばって、暗殺しに来るんじゃない?」
「同感だ。だもんでアンチマテリアルライフルを一丁、作成してほしい」
「あー、また殴り込むの?」
「接触しただけで暗殺しに来る方が可笑しいと思うもんでね。ちょいと奴らにお灸を据えてやるだけだ」
「狙撃するなら観測員もいるけど?」
「なら来るか?」
「そうさせてもらうわ」
という事で次の行動が決まった。
ーside蒔絵
私は刑部蒔絵。この広い家にメイドさんと住んでいるの。お母さんは知らないし、お父さんは少し前に亡くなっちゃった。そして私には秘密のお仕事があるから、あんまり家に居れない。
でも今日の朝の散歩で、敷地の倉庫に人型の穴が空いていたのを見つけたの。気になって倉庫を開けたらびっくりしちゃった。だって金髪ツインテールのおねえさんが下着姿で倒れていたんだもの。そしてそのおねえさんの近くには大きな黒地のコートととっても軽い金属の塊が落ちていたの。でも私1人では運べないから、メイドさんに手伝ってもらってなんとか家まで運んで、おねえさんを私のベッドに寝かせてあげた。
私にはお仕事があるから起きるのを待ってあげられないけど、帰ってきたら起きているかな?起きていたら、おねえさんといーっぱいお話しするんだ!
お気に入りが30を超えました。ありがとうございます!