空飛ぶ山猫と重巡洋艦   作:とある戦闘機好き

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きちんと投稿。多分もう一話投稿するかも。


Alt-12 大戦艦、食事する

ーside大戦艦

 

「ハルハル、それ気に入ったの?」

「いや、そういう訳では...」

 

食堂に入ると蒔絵が待っていた。確かに私はぬいぐるみを抱えてはいたが、ぬいぐるみがキリシマだから持ってきた...いや、言うわけにもいくまい。

 

「ハルハル席について。ご飯食べよ?」

「ああ」

 

席に着くと食事が配膳された。蒔絵は私が持ってきたぬいぐるみ(キリシマ)も席に座らせると、自分の席に着いて皿に何か出し始めた。

 

「蒔絵、それは?」

「おくすり。飲まないと大変な事になっちゃうから、先に出しておくの」

 

解析したところ消化を助ける成分が多い。先天的に消化不良なのか?いや、私が気にしてもしょうがない。食事を頂こう。

 

「これは...」

 

人が言うところの豪勢な食事とはこの事だろう。今となってはこの様な食事を摂れる人は少ないだろうが。

 

「ハルハルどうしたの?食べないの?もしかして人参嫌い?」

「いや、そう事じゃ...」

「だめだよー!ちゃんと食べないと大きくなりませんよー!ね、ヨタロウ!」

 

そう言うと蒔絵はヨタロウ(キリシマ)に人参を差し出した。

 

(そっか。こいつヨタロウって言うのか...)

 

おいキリシマ何を...

 

 

 

 

 

ぱくっ。

 

 

 

 

 

やってしまった...

 

「えっ?」

(あ)

(キリシマ...ぬいぐるみは...人参を食べない...)

(...熟知している)

 

まさかこんなにも早く正体がばれるとは...

 

(かくなる上は...許せ、蒔絵!)

 

キリシマは何を考えたのか蒔絵に襲いかかった。急いで止めようとするが...

 

「すっごい!」

 

蒔絵はヨタロウ(キリシマ)に抱きついた。

 

「すごいすごいすごいよ!これ、ハルハルが作ったの!?」

「あ、ああ...」

「いつの間に!?すごいよ!もしかしてハルハルってロボット博士?わたしみたいに秘密のお仕事関係者?」

「え、あ...うん...」

「やっぱりね!そっかー。わたしと同じかぁー」

「同じ...」

「それにしても本当にすごいね!びっくりしたよ!」

「それ、あげる」

「ほんと!?」

「色々して貰ったお礼」

「やったー!!」

(あのーもしもし、ハルナさん?)

「よかったねヨタロウ!お前は自分の足で動ける自由を手に入れたんだよ!」

(よかったな。ヨタロウ)

(うるさい!ハルハル!)

 

その後蒔絵と一緒にお風呂に入った。が、この時の事は思い出したくもない...

堪忍してつかぁさい...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside山猫

 

「どうだ、相棒」

『ハイパーリコンが刑部邸に近づく不審車両を捉えた。おおよそ例の特殊部隊だろう。それともう一つ』

「なんだ?」

『近くの陸軍基地の様子が騒がしいんだが』

「下手したら戦車でも出てくるんじゃないの?」

「そうだな...『岩蟹』が出てきたら面倒な事になりそうだ。」

 

『岩蟹』とは陸軍が作り上げた多脚戦車の事だ。豊富な兵装と優秀な地形踏破能力を持つ優秀な兵器なので、これが出てくるとなると非常にやりにくい。

 

「タカオ、武器の用意は?」

「ご注文通りのアンチマテリアルライフル1丁と、もしもの時のアサルトライフルを2丁、対戦車ミサイルランチャーを用意したけど」

「パーフェクトだな。ヘリの方は?」

「長距離狙撃なら攻撃型より輸送型の方がいいと思って、タンデムローター型にしたわ」

「よし。ではそろそろ行くか。相棒、留守番を頼む」

『任された』

「タカオ、途中で刑部邸の回線に割り込むぞ。準備はいいな?」

「準備は大丈夫よ。いつでも!」

 

黒一色に染められたヘリコプターが無人操縦により甲板を離れる。

 

「行くぞ!」




ヨタロウが人参を食べるシーン見たときほんと笑った。

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