空飛ぶ山猫と重巡洋艦   作:とある戦闘機好き

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次の投稿は再来週になります。ご容赦のほどを。


Alt-14 401、依頼を受ける

ーside401

 

振動弾頭のサンプルを積み込み、横須賀港を出た夜。

 

「暗号通信?」

 

それは突然だった。

 

「艦長。送信先が不明の暗号通信が来たのですが...」

「なんだって?」

「モニターに出します」

 

モニターに出てきたのは謎の言語の羅列。どういう事だ...

 

「僧、分かるか?」

「いえ、流石に...ここまで複雑な物は初めて見ましたね」

「...群像」

「どうしたイオナ?」

「これ、霧の暗号」

「なんだって!」

 

いったい誰がこんな物を...

 

「解読出来るか?」

「出来る。今、終わった」

「それでなんてあったんだ?」

「...『とある子供とメンタルモデルが接触した事により、その家に軍部の特殊部隊が急襲する手筈になっている。君達に彼女らの救出、保護に手を貸して欲しい。保護後に再度連絡する。合流後に報酬を渡すつもりだ。報酬は我々の持つナノマテリアルの一部と侵食弾頭の補給。受けてくれるなら連絡をしてくれ。重巡洋艦タカオ』って」

「あいつが!?」

「どういう事でしょうか...?」

「確かにナノマテリアルや侵食弾頭の補給は嬉しいが、なんかありそうな気がすんだよな」

 

そうだ。あまりにも話が出来すぎている。が、問題はそこではない。

 

「人とメンタルモデルが接触した方が大事だ」

「そうですが...多分接触したのはハルナ達でしょうね。私達にも責任はある」

「そして依頼主はタカオ...皆、この依頼どう思う?」

「騙して悪いが感も否めませんが...」

「それはいつもの俺たちじゃん」

「どうでしょうか...」

「微妙な所だよね」

「...群像」

「イオナ?」

「きっと大丈夫。タカオは多分接触した子の保護を優先している」

「...保証は?」

「じゃないとこんな依頼は出さないと思う」

「...そうか。皆、この依頼を受けようと思う」

「了解。一応火器管制立ち上げておく」

「わかりました。センサー類準備は完了です」

「機関部も準備完了。いつでもいけるよ」

「イオナ、タカオに連絡をとってくれ」

「了解」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーsideタカオ

 

予測される特殊部隊の刑部邸襲撃まで残り15分。現在の位置は刑部邸の沿岸から南に5海里、上空500m。

 

「タカオ、401から連絡は?」

「そろそろ...きた」

 

401から概念伝達による連絡が来る。

 

「概念伝達が来たわ」

「作戦と報酬の引き渡しについて説明してくれ」

「了解よ」

 

そう言って概念伝達の場所へ意識を移した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い空間。相変わらず何かの庭園でも模しているのだろうか。椅子に座ると向かい側に401のメンタルモデル、イオナが現れる。

 

「タカオ」

「きたわね、401」

「私達は依頼を受けさせてもらう」

「そう、ありがとう」

「...タカオ」

「なに?」

「なぜ貴方は私達がハルナ、キリシマと戦った時に助けてくれた?」

「よく分かったわね。だけど、それは私の意思じゃないわ」

「えっ?」

 

いつも無表情なイオナは驚いた顔をする。それだけ驚いたという事だろう。

 

「私の艦長の意思よ。私はそれに乗っかっただけ」

「貴方も艦長を?」

「ええ。それについては後で話しましょ。作戦について説明するわ」

「わかった」

 

作戦の概要を説明する。あまり残った時間はない。

 

「今回の目的は霧の大戦艦ハルナ、キリシマ並びに接触した民間人、刑部蒔絵の3人。貴方達にはこの3人の保護を担当してもらうわ」

「状況は?」

「少し急ぎましょうか。後15分程で刑部蒔絵の邸宅に陸軍の特殊部隊が制圧を開始するわ。私達は空から敵部隊の制圧を、貴方はハルナ、キリシマと協力し刑部蒔絵を護衛して401まで運んで。ハルナ達には話は通してあるから問題はなし。貴方達の離脱完了を確認し次第、私達も離脱するわ。

これ、作戦詳細ね」

 

401へ作戦詳細のデータを送る。

 

「艦の待機場所については?」

「特にこちらからの指定はなし。でも、なるべくバレない方がいいかもしれないわね」

「離脱後については?」

「こちらから再度連絡させてもらうわ。その時に合流場所を指定するわね」

「報酬は?」

「合流完了後にお支払いするわ」

「わかった。ではこちらも作戦行動に入る」

「ええ、お願いね」

 

少し目を離すとイオナは消えていた。自分も意識を戻す。

 

 

 

 

 

「おわったわよ」

「ok。では作戦を開始する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーside401

 

「...群像」

「どうだイオナ?」

「タカオから作戦詳細を預かった。目的は3人の保護。メインモニターに出す」

「結構な作戦だな。軍を敵に回す事になるかもしれないが...この作戦をタカオが?」

「わからない...でもタカオには艦長がいると」

「なんだって!?」

「まさかタカオもですか...」

「でもそう考えればこの作戦もそいつが考えたって事じゃねーの?」

「確かにその線はあり得る。...いや、それよりも依頼だ」

「そうですね。準備の方は出来ています」

「なら作戦を開始しよう。イオナ、準備はいいか?」

「いつでも」

「よし。401、発進する!」




次は戦闘シーン。上手く書けるかどうか...

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