空飛ぶ山猫と重巡洋艦   作:とある戦闘機好き

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これにて横須賀動乱編は終わりです。


Alt-17 山猫、合流する

ーsideキリシマ

 

「タカオから通信。合流地点の指示が来ました。ここから南東20kmの海域です」

「合流までの時間は?」

「機関にも相談する必要がありますが、30分以内には可能です」

「よし。こちらも向かうぞ。」

 

依頼の達成により、本拠地に戻る前に補給の目処がついた401。クルーには安心した様子が見られるが、蒔絵はどうやら恐がっている。

 

「蒔絵、大丈夫か?」

「うん...でもほんとに、ハルハル迎えに来てくれるかな...」

「蒔絵、ハルナと約束したんだろ?ならハルナを信じてやれ」

「うん」

 

「ソナーに反応。目標海域に不明艦を発見。これは...大戦艦クラスです!艦長!」

「総員、第二戦闘配備。イオナ、タカオと連絡を!」

「待って群像。あの艦は多分タカオ」

「なにっ!?」

「待てよイオナ!タカオは重巡洋艦だろ!?」

「杏平、行けば分かる」

「群像!?ほんとに大丈夫か!?」

「イオナが言うんだ。タカオから聞いているんだろう?」

「うん。タカオは既に海域についているって」

 

 

 

ーside山猫

 

「来たな」

 

艦橋から海を見下ろすと401が浮上しているのが見えた。

 

「タカオ、401に連絡。こちらに横並びにするように言ってくれ」

「了解」

 

しばらくすると401がこちらの左側に横付ける形で浮上して来た。

 

「大分船体が損傷しているな...」

「まあ、補給も殆ど無いみたいだしね」

「オセロット、401の船体状況のスキャニングを。ナノマテリアル充填だけで修理は出来ないないと思う」

『了解した。スキャニングを開始』

 

そうすると401のハッチが開き、クルーが出てきた。こちらも艦橋から降り、タカオと飛行甲板へと出る。

 

「イ401艦長、千早群像だ。指示通り来たぞ」

「航空重巡洋艦タカオ艦長、リンクスだ。この度は依頼を受けて頂いて、感謝している」

「それについては構わない。達成報酬は?」

「はじめにそちらに乗艦している、大戦艦キリシマ並びに刑部蒔絵の引き渡しを行いたい」

「わかった」

 

千早艦長がそう言うとハッチから蒔絵とキリシマが出てくる。

 

「蒔絵!」

「ハルハル!」

 

感動の再会か...いや、感傷に浸っている場合では無いな。

 

「確認した。こちらからも報酬を渡そう。しかし...」

「どうかしたか?」

「401の船体、ナノマテリアル充填による修理だけじゃ治らんぞ?」

「...どう言う事だ?」

「オセロット」

『スキャニング終了。401の船体状況を把握。ナノマテリアル充填だけでは損傷箇所の修理は不可と判断した。損傷箇所が多過ぎるぞ。ここでは無理だ』

「...今のは?」

「うちのAIだよ。まあ、色々やってくれてる」

『失礼した。リンクスの相棒を務める、オセロットだ。よろしく頼む』

「あ、ああ。千早群像だ。よろしく」

「と言う事で、どこかしっかりした施設で修理した方がいいだろうな」

「そうか...」

 

そう言うと千早艦長は思案顔になる。その間、他のクルーはタカオの船体を見上げていた。

 

「デケェ...」

「ええ、まさか全長300mとは...」

「しかもアングルドデッキまでついてる」

「航空機の運用でもするのでしょうか...?」

「でも、霧って航空機は運用しないよな?」

「なあ、みんな...」

 

どうやら相談に入る様だ。こっちではハルナと蒔絵が抱き合っている。

 

「蒔絵...よかった。無事で...」

「ハルハル...!」

 

その横ではタカオとキリシマが話していた。

 

「なあタカオ、こう言うのを感動の再会って言うのか?」

「そうね。それを決めるのはあの子達だけど」

「しかしお前が人間の艦長を迎えているとはな...私はその方が驚いたぞ」

「まあね。ハルナにも言われたわ」

「でも何故、人間を?」

「最初は単なる興味だったわ。でもあの人の事を知ろうとすると、どんどんわからない事が出てくるのよ。今はそれを順番に解き明かしている最中ってわけ」

「なるほど...でもそれが船体を改造した事と何の関係がある?」

「それは秘密よ」

 

そんな事を聞いていると、向こうは考えが定まったらしい。

 

「済まない、少しいいか?」

「どうした、千早艦長?」

「これはこちらで話し合った結果なのだが、硫黄島までこちらを護衛してくれないか?」

 

ほう、そう来たか。こちらには何も問題は無いが...

 

「別に良いが、理由を知りたいな」

「さっきあなたが言った通り、今の401は損傷が酷い。それを考えると、ここで補給物資を貰うより、我々の本拠地で受け取り、そこで修理した方が良いと言う結論が出た。勿論、タダでとは言わない。こちらも硫黄島にて、補給出来るものは出そうと思う」

「わかった。そちらの依頼を受けよう。報酬の引き渡しは硫黄島で良いんだな?」

「ああ。宜しく頼む」

「了解だ。タカオ!硫黄島まで401を護衛する。準備はいいな?」

「硫黄島ね。了解よ」

 

そう言うと艦橋へと戻り、状況を確認する。

目的地は硫黄島だ。




二章は結局9話で完結。一章と似た様なもんですね。
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