空飛ぶ山猫と重巡洋艦 作:とある戦闘機好き
Alt-18 山猫、硫黄島に行く
ーside401
「まもなく硫黄島管制海域に入ります」
「しっかし群像、ほんとにあいつら連れて来て大丈夫か?」
「ああ。ハルナとキリシマに関してはタカオがキーコードを握っているし、握っているタカオもリンクス艦長が見ている。問題は無いと思うが?」
「なら良いんだけど...」
「タカオより連絡。入港について聞いてきています」
「タカオに返信。こちらに続いて入港、4番バースに着けるよう言っておいてくれ」
「了解しました」
ーsideハルナ
現在私たちはタカオに乗艦し、硫黄島へ入った。キーコードはタカオに預けたが、致し方ない犠牲と言うものだろう。この様な犠牲の事を人間は『コラテラルダメージ』と言うらしい。
「で、401からは?」
「後に続いて入港、4番バースに着けろって」
「そうか。クラインフィールド展開、姿勢制御いっぱい。ハルナ達は身体をシートに固定してくれ」
「わかった。蒔絵、大丈夫か?」
「うん。この程度なら」
「準備はいいな?潜水を開始するぞ」
艦が潜水してから数分後、無事に水面に浮上した。ここは...
「広いドックだな。うちの地下ドックとさほど変わらん」
「そうね」
広大な空間があり、6つ程のバースとガントリークレーンが置いてあった。
「うわぁ!すごい!」
(こんな所に401の基地があったとは...)
(島から強力な探知中和信号が出ている。近づかないと感知できないわけか)
(もしかしたらここでナノマテリアルによる身体の補填も出来るかも知れん...!)
呆れた。リンクスに言えば、補填させてくれるかもしれないのに...
(キリシマ、しばらくはそのままでいてくれ)
(はぁっ!?なんで!?)
(蒔絵にはその方がいい)
(うっ、まあ、そう言う事なら良いが...)
「ハルナ、キリシマ?」
リンクスに声をかけられる。
「先程から黙っている様だが、どうした?」
「いや、考え事だ」
「あまり変な事は考えないでくれよ?それと入港が完了したから降りるぞ。準備してくれ」
「わかった」
ーside山猫
艦から降り、401クルーと合流する。すると何やら卵型の浮遊物体が現れる。
「おかえりなさいませ、艦長。遅いご帰還でした」
「ヒュウガ、ご苦労様。半年間よくこのドックを守ってくれた。ありがとう」
「いえ。これも自身に課した役目ですから」
ヒュウガ、か...
「はぁっ!?イ、イ、イオナ姉様ぁぁぁぁぁ!」
なんか出てきた。何がどーなってんだこれ。
「姉様!ヒュウガは!ヒュウガは!一日千秋の思いでお帰りをお待ちしていましたァ!」
「離れて...」
「いやいやいやいや!」
おい、押し倒して腰まで振り始めたぞコイツ。頭大丈夫か...?
「何なのこれ...?メンタルモデルなの?」
「ヒュウガ...でしょうか...?」
「私は一年前、姉様に魚雷を次々と叩き込まれたあの日以来、姉様なしでは生きていけぬ身体に!演算能力の限界も超え、もうどうにかなってしまいそう...!」
「どうにかなってしまったんですね」
「本当にヒュウガの様ですね...」
「その様だ...」
...理解が追いつかん。タカオも同じ様だ。かなり引いている。
「んんっ!あなた達人間の思考を理解をするにはこうするのが最適だと思い、身体をクリエイトしました」
「メンタルモデル、ヒュウガか...」
「ええ。以後お見知り置きを。はっ!身体といえば!」
またヒュウガがイオナに組みついた。うーん...
「姉様!どこかにお怪我はっ!ヒュウガにお見せ下さいまし!身体の修復に長けたこのヒュウガに!」
ガンッ!
あっ、飛んだ。
「ヒュウガ、船体と超重力砲の修理、それと侵食魚雷の補給を。次の出航に向けて完全に備えたい」
「イ、イエッサー...」
「ヒュウガ、それとナノマテリアルと侵食魚雷に関しては依頼の報酬で、一部賄える。有効に使ってくれ」
「あら、何か見慣れない方々がいるのはそう言う事でしたの」
やっと興味の矛先がこっちに向いたよ。
「自己紹介しよう。航空重巡洋艦タカオ艦長のリンクスだ」
「ヒュウガよ。以後お見知り置きを。それでその報酬は?」
「艦に積んである。すぐに引き渡せるぞ」
「わかったわ。そう言えば艦長?」
「どうしたヒュウガ?」
「送られてきた映像から、あの機体の推定スペックを割り出せたけど?」
あー、もしかしてF/A-114の事か?
「タカオ、エレベーター起動。F/A-114を甲板に出してくれ」
「わかった」
「リンクス艦長、何を...?」
「いや、君達が見た機体は...」
エレベーターが動き、F/A-114が少しずつ現れる。
「コイツの事じゃないかと思ってね」
予定は前と同じくらい