空飛ぶ山猫と重巡洋艦 作:とある戦闘機好き
sideタカオ
「なんなのあれ!?マッハ5!?おかしいでしょ!?」
島を飛び立つ機影はレーダーで確認できた。だがおかしいのは、その機体が持つスピード。なんとマッハ5である。現在人類によって作られた航空機の中でマッハ5を超える機体なんて存在しないはず...いや、目の前の機体はその速度を出している。
「迎撃開始!対空防御迎撃プログラムLevel5!」
船体から迎撃用のミサイルやレーザーが発射される。しかし...
「当たらない!?」
その機体はレーザーを発射し自身に飛んでくるミサイルを迎撃、そしてレーザーを難なく躱してくる。そしてミサイルを発射。迎撃が間に合わずクラインフィールドで受けるが...
「1発で稼働率50%!?」
たった1発のミサイルでクラインフィールドを50%まで稼働させられる。
そしてあの機体は海水ギリギリを飛翔しさらにもう一発ミサイルを発射する。
「まずい!」
即座に迎撃シフトを変更し、優先目標をミサイルに変更する。何とか撃墜してあの機体を探すが...
「どこに行った...?」
跡形もなくあの機体が消えた。レーダーで探すが見つからない。
「真上からミサイル!?」
真上からミサイルが飛翔し、クラインフィールドに刺さる。クラインフィールドが飽和され、防御機能が正常に働かなくなる。
「また...負ける...!?」
彼女は
『よう、まだ生きてるか?』
そんな拍子抜けな言葉に、彼女は怒りすら通り越して呆れを覚えた。
side山猫
「よう、まだ生きてるか?」
そう通信機に語りかける。自分でもどんな嫌な奴だと思ったが...
『ええ...まだ、生きているわ』
返答が来るとは思わなかった。
「こちらRayven。貴艦の所属、船名を明らかにされたし」
『...霧の艦隊東部第一巡洋艦隊所属、重巡洋艦タカオ』
タカオ...?たしか和歌山沖にいたはずだ。
「タカオ...了解した。貴艦の伊犂ノ島への接近目的を明らかにされたし」
『この海域へ来たのは偶然。だけどかつてここに来た時には島は存在しなかった。そのための調査として接近しリコンを発進させたわ』
「そうか...」
『で、これから私をどうするつもり?』
えっ...?
「どういうことだ?」
『今ならあなたは私を殺せる。私はあなたに従う他に生きる方法がないの』
「...こちらのことを霧に報告しないなら、どうして貰おうが構わない」
『えっ?』
「どうした?」
『どうして?』
どうしてと聞かれてもな...
「...こちらもそちらの相手をするのは面倒なんだ」
『そう...なら、あなたに着いて行くっていうのは?』
「...なんだって?」
『あなたに着いて行くって言ってるの!』
「なぜそうする必要がある!?」
『私には戦術の考え方やそれに対する知識もないの。それをあなたに教えて欲しいの。だから、あなたに私の艦長になって欲しいのよ。』
「その様に頼む狡い知識はあるのか...」
『何か言った?』
「いや、なにも。」
『なら良いわよね?』
「ったく、しょうがない...霧に繋がる全てのネットワーク関係のものを切れ。そうしたら考えてやるよ。」
『わかったわ』
取り敢えず移動させないとまずい。というかうちの島に地下ドックがあるのは知ってるけど、それに進入するための港の位置が分からん。
『島北部に規模は小さいが港あり。そこから地下ドックに進入可能』
まるでこの状況を読んでいたかの様に、Ocelotから情報がくる。
「タカオ、聞こえるか?」
『何?』
「島の北部に港がある。そこの右側のバースに艦を寄せてくれ。そこから地下ドックへ案内する」
『了解したわ』
そう言うとタカオは船体を動かし始める。こちらもさっさと戻って案内の準備をしなくては...
「それとクラインフィールドのエネルギー、放出しとけよ」
『分かってるわよ!』
...余計なお世話だったらしい。