アーマード勇者育成記 チート?いいえ。ロストテクノロジーですが、何か?オレ流勇者&パーティ好き勝手にビルドうp   作:snyp_0

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第44話 魔術大会 閉幕

 エルは早歩きで俺の元へ歩いてくる。

 

「ゲイン! どういう事!? 何故教えてくれなかったの!?」

「落ち着けって。お前が絶音界の中には入ってたら間違いなくあの悪魔を殺してた。今の俺には旅を続ける為に、情報が必要なんだ」

「情……報? それにお姉様達も関係しているの?」

「あ、ああ」

 

直接は関係ないだろうが、あの悪魔はきっと役に立つ。それに姉妹が殺し合うなんて酷だしな。

 

「ゲイ……ン?」

「すまんすまん。ちょっとボーッとしてた。良いかエル、よく聞け。今はもうなんともないが、お前の姉ちゃんイクルナには悪魔が取り憑いてたんだ。お前の母親を殺したのも、その悪魔がやった事だ」

 

 エルは絶句の表情を浮かべ、倒れている姉達を見ている。俺がエルの表情を見ながらどう声をかけようか困っていると、実況席から絶叫が聞こえてきた。

 

「なんと! なんとぉ!? 一体どうした事か!? チームパープルのゲイン選手が放った謎のフィールド系統の魔法が砕け散ったと思えばチームジェミニスターライトのお二方が倒れております! 果たして安否は!? 無事なのでしょうか!?」

 

 実況者の妙に鼻に付く勿体ぶった喋り方に、イラッっとしつつも黙っていると暫くしてフィールドに審判だろうか? 一人の女性が現れ、ジェミニスターライトの双方へ駆け寄り心臓の辺りに手を当てるとフィールドの中心に立ち、両手で大きな丸を作る。

 その瞬間、雷でも炸裂したのかという程の歓声が闘技場中に響き渡る。俺はこの時初めてジェミニスターライトの人気の高さを知った。主に男性客だが、何人かの客は泣きながら喜んでいるのが見える。

 

「よ゛がっだ! よ゛がっだ!」

 

 実況よ、お前もか。

 

 やがて歓声が止むとジェミニスターライトは何人かの人間によって担架で運ばれていき、再び実況が大きな声で喋りだす。

 

「エキシビションを制したのはチームパープル!! 妖怪ワッペンむしりゲインそしてぇ、死角なき魔術師エルメンテ!! では、僭越ながら(わたくし)自らチームパープルへインタビューしたいと思いまーすッ!」

 

 実況席にいた男が俺達の側までワープしてくる。男の見た目は中肉中背で髪色は目に痛いどピンク髪型は短髪で左右のもみあげが狩り上げられている。黄色のタキシードスーツの様なものを着込む、色々と派手な男がニッコリ笑いながら近づいてきた。

 

「はじめまして。私、バレインと申します。大変、面白い試合でございました。エキシビションマッチに勝ったら何でも1つだけ願いが叶えられます。あ! エキシビションマッチに勝ったチームは新たに王者を名乗る事も可能です。その場合5年毎に強制的に参加となっております。こちらは辞退が可能です。どうなさいますか?」

「辞退する。マイク貸してくれ」

 

 俺はバレインからマイクを受け取り、高らかに宣言する。

 

「俺の願いはただ1つ! 大賢者と話がしたい! それだけだ!」

 

 俺はマイクをバレインに返す。

 

 一瞬の静寂が支配し、トマトの様な果物が俺の頭上を掠める。それを歯切りに、闘技場中を俺に対する罵詈雑言が支配する。林檎やらトマトの様な果物を直立不動で受け続け、暫く(まと)になっていると遂に待ちに待った瞬間がやってきた。

 

「皆のもの! 静まれ!」

 

 白いローブを着た人物が立ち上がり声を張り上げると、騒がしかった闘技場が一瞬で物音1つしなくなった。大賢者は白いローブを翻すと俺の目の前へワープしクリーンを俺に掛けてきた。

 

「大事ないか? だいぶ汚されたようだ。悪気はないのだ許してやって欲しい」

「別に良いさ。気にする程の事でもない」

「ふむ、ここで話すのはちょっとな。後で使いの者を寄越そう」

「今はシュビエル家にお世話になってる」

「ああ、やり手の商人と言われている所だな。あい、わかった。」

 

 大賢者は俺との会話を終えると後ろを向き、大声で喋りだした。

 

「今回の魔術大会は近年にない波乱に満ちた大会であった! また5年後皆の活躍を期待する! 最後に1つ、私は忙しい身である為、中々皆の前に姿を現す事が出来ぬ! この者に罪はない! その事だけは覚えて帰って貰いたい。以上だ!」

 

 今まで最も大きな歓声が闘技場を包んだ。

 

「ひぇ〜、すっげぇ人気だ。な、エル。エル?」

 

 よく見ると彼女は突っ立たまま気絶していた。

 

「ハァ~」

 

 俺は溜息を付きつつ気絶した彼女をおぶって、エルの実家へと歩いていった。

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