アーマード勇者育成記 チート?いいえ。ロストテクノロジーですが、何か?オレ流勇者&パーティ好き勝手にビルドうp   作:snyp_0

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第49話 俺、vsビッグ・アント

「突然、申し訳……ございません。魔術師会の会長殿が……至急、王女様に面会をとの――」

 

 門番が息を切らせながら王女へ報告していると、突如魔法陣が現れ緑のローブを着込んだ人物が現れた。

 顔はローブを深々と被っており、俺の位置からでは見ることが出来ない。手に大きな水色に輝く水晶を抱えながら王女に対し跪く。

 

「急を要する為、王女よ許して頂きたい。儂は魔術師会で会長をやらせて頂いている。ギヌルベルという」

「本来なら即刻追い出す所ですが、魔術師会の長の名に免じて特別に許しましょう。顔を上げさない。一体、どうしたのです?」

 

 許しを得たギヌルベルと名乗った魔術師は、顔をあげると手に持っていた水晶をから手を放す。

 すると、水晶は空中でふわふと浮きながら上へと上がっていき、静止したかと思うと強い光を発し、映像の様なものが映しだされた。

 2体のグリフォンが森を突っ切っているのが見える。

 

 王女の方を見ると、親指と人差指で目を摘んでいる。

 

「はぁ、またですか。あれくらいなら騎士団と冒険者達に任せておけば良いのです」

「いいえ。問題はこれだけではございません」

 

 ギヌルベルが手を横に動かすと、映しだされていた映像が切り替わった。

 映像には超巨大な蟻が森を破壊しながら進んでいるのが目に入った。映像が移った瞬間周りの人達がざわつき始めた。王女は目を見開きながら手で口を抑えている。

 

「災害級モンスターが真っ直ぐ王都に近づいております! 持ってあと4時間! おまけにグリフォン2体は東、こやつは西、別々の方向から挟まれる形でここを目指しているのです!」

 

 ギヌルベルが言い終わると、王女が立ち上がり、声を張り上げる。

 

「この街にいる全冒険者を緊急招集します! 王立騎士団も全員投入! これは命令です!」

 

 この場にいる殆どの人間が慌ただしく動き出した。俺はそんな中立ち上がり王女を見据えながらゆっくりと手を上げる。

 

「あの~、こんな時に申し訳ないんすけど、あのでかい蟻なら俺なんとか出来ますよ」

 

 瞬間、慌ただしく動いていた人間全員が静止し、エルの顔面が蒼白になっているのが見え、何故かアーサーは渾身のドヤ顔をしている。

 

「そんなわけなかろう! この不敬者め! 貴様は何者じゃ!」

 

 ギヌルベルが俺に人差し指を指しながらヒステリーを起こした。この時顔を拝められたが、しわくちゃのばーさんだった。

 

「漆黒の騎士よ、貴方の名前は?」

「ゲインと申します。しがない世捨て人で、今は訳あって勇者アーサー殿の従者をしております」

「そうですか……やはり……。良いでしょう。必ず生きて戻りなさい。これは命令です」

 

 俺は王女に向かい礼をし、謁見の間を後する。

 

「王女様、最初何か言ってなかったか? 必ず生きて~の前が聞こえなかった」

「いいえ、僕の耳には何も」

 

 エルも首を左右に振っている。

 

「そっかぁ。ま、別にいいんだけどさ。悪いけどアーサーとエルはグリフォンの方に行ってくれ」

「なん……で?」

「お前等を巻き込む可能性があるからだ。ビッグ・アントはレイドモンスターつってな、他のモンスターとちょっと違うんだよ」

 

 

 二人は俺の話を聞いて不満そうにしていたが、暫くすると納得してくれた。

 

「じゃ、俺先に行くわ! 死ぬなよ、ふたりとも」

 

 俺は軽く手を振りながら二人と別れ、城を出て城下町を下る。広場には人だかりができていた。王都にいる全冒険者が一堂に会しているのだろう。

 認識阻害魔法のインビジブルを自分に掛け、人混みを避けて王都の入り口へ戻り、森の中へ入る。

 

 

 

 

 森へと入り30分後……。

 

「よし、この辺なら良いだろう。今頃王都の皆はグリフォンを討伐の真っ最中の筈だ。ネメシス、ビッグ・アントのステータスと距離を算出してくれ」

「魔力感知開始。ゲイン様との距離は約20キロ程離れています。レベルは350程度です」

 

 俺は腿を叩き、ケースから一際でかい赤と金の目立つカラーリングの歯車を取り出し、叫び声のような大声を上げる。

 

「ウェイクアップ!! ”絶対強靭ゲキリンオー”!!!」

 

 

 俺の声に反応し、歯車が分裂合体し超巨大な人の形を模っていく。金と赤のド派手なカラーリングのスーパーロボットが出来上がった。

 絶対強靭ゲキリンオーはレイド専用のマシンギアだ。余りにでかすぎて通常クエストでは使いものにならないのだ。

 マシンギアは基本的に勝手に動くのが大半だが、レイド専用のマシンギアは搭乗し操縦することが出来るのが特徴である。

 

「とうッ!」

 

 ゲキリンオーの完成を見届けた俺は天高く飛び上がる。

 俺が胸の辺りで停止すると、絶対強靭ゲキリンオーの胸にある黄色い宝石から俺に光が照射され、俺の体はゲキリンオーの内部へと吸い込まれていく。

 暗く広い空間に幾つものウインドウが表示されているのが見える。

 

 俺がフィールドの中心に降り立つと、ワイヤーフレームで出来たゲキリンオーが俺と重なる。

 モニターには森を破壊しながら猛スピードで向かってくる、ビッグ・アントの姿が映しだされている。

 

 レイド専用のマシンギアにもご多分に漏れず、固有の武器、技、パッシブスキルが存在している。

 絶対強靭ゲキリンオーはスーパー系のそれであり、最も強力かつ手数に優れている最強のレイド専用のマシンギアだ。

 ただ一つだけの欠点を除いて。

 

「よっしゃ、やってやるぜ! ありんこ覚悟しろよ! ウエポンセレクト、ギガンティックドリルアーム!!」

 

 俺が叫ぶと、ゲキリンオーの手がドリルへと変わる。

 

「ギガンティックドリル・スマッシャー・ナックル!」

 

 俺は右腕を振りかぶると、ブーストを吹かし回転しながら銀のドリルを装備した右手が一直線にビッグ・アントへと向かっていく。

 右側面に直撃し、足をズタズタに引き裂いていくのがモニターから見える。

 

「GYAAAAAAAAAA!?」

 

 かなりのダメージなのか、血飛沫をあげながらのたうち回るのが見える。暫くしてぶっ飛ばした手が戻ってきた。

 俺はトドメの一撃を加える為、気合を入れる。

 

「ギガンティック・バスタァー! &アルティメイタム・クラーッシュッ!!」

 

 胸の黄色い宝石から極太のビームを照射し、ドロドロに溶解したビッグ・アントに対し、背中のブースターで飛び上がり、超巨大な剣を召喚そのまま勢いに乗って一刀両断、大爆発が起きる。

 俺が顔を上げ、モニターを見るとビッグ・アントがいたそこは、爆心地の様な巨大なクレーターが存在しているだけだった。

 

 俺は飛び上がり、絶対強靭ゲキリンオーから抜け出るとゲキリンオーもすぐに歯車へと戻っていく。

 

「ハァ……ハァ……疲れた。このパッシブスキル作ったやつ絶対狂ってるよ……」

「お疲れ様でした。ゲイン様」

 

 絶対強靭ゲキリンオーの欠点、それは【技や武器を起動させると強制的に叫ばされる】というふざけたパッシブスキルが付いているということだ。

 尚、技を決める度に《シュピーン》というSEと共に、眼が黄色に光るのだが、特に意味はない。

 

「ゲイン様、お疲れの所申し訳ございません。西の方に魔力を感知しました」

「何だ? もう来たのか?」

「いえ、恐らくビッグ・アントの主だと思われます。如何がなさいますか?」

「は?」

 

 俺は疲労しつつも、反応があった方へとブースターを吹かした。

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