アーマード勇者育成記 チート?いいえ。ロストテクノロジーですが、何か?オレ流勇者&パーティ好き勝手にビルドうp   作:snyp_0

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第50話 俺、ビッグ・アントの召喚主と対峙する

 マップを確認しつつ飛んでいると、赤い斑点の様な表示が現れた。

 

「こいつがビッグ・アントを召喚主だな」

 

 俺は斑点に向かって推力を上げる。

 段々と召喚主であろう人物が見えてきた。

 よく見ると男性のようだ。緑の髪、右の頬に黒い炎のタトゥーの様なものが入っている。

 あのタトゥーはハガセンにあるデフォルトで選択出来るスキンの一種だ。

 間違いなくあのビッグ・アントを召喚したのはこいつだろうと俺は確信し、一気に男の目の前まで接近する。

 

「おい、コラ。お前だな? ビッグ・アントの召喚主は?」

 

 男の表情を間近で見る。何故か口をあんぐりと開け、目が泳いでいた。

 男の手にはムチが握られている。対峙している男の職業には検討がついていた。

 サモナーかもしくは、サモナーの前職業である猛獣使いだろう。ムチを使うのは基本的にこの2職だけだからだ。

 

「アホ面してねぇで俺の質問に答えろ。なんで王都にレイドモンスターなんて寄越したんだ? まぁ、レイドボスじゃなかっただけ良かったが、もし俺がいなかったら今頃――」

「――ッ!!」

 

 俺が文句の一つでも言ってやろうかとした瞬間、男は突然踵《きびす》を返し俺から逃げ出した。

 

「あっ! おい! 待てぇい!」

 

 男は無詠唱のワープでデタラメに移動を始めた。俺から逃げるつもりなのだろう。

 

「めちゃくちゃに動きまわりやがって……弓じゃ狙えねぇか。仕方ないあまり対人には使いたくなかったが……」

 

 俺はインベントリから弓を取り出すがすぐに辞め、超ロングバレルのスナイパーライフルを取り出す。

 

「ネメシス、お前に体を預ける。弾道と相手の出現位置を割り出してお前が狙え。一応、手加減を起動させる。俺だと撃ち殺してしまうかもしれんからな」

「承知しました。弾道計算及び、出現位置の計算を開始。トリガーはお任せします」

 

 独りでに体が動きだし東の方角を向くと、銃を構えたままピタリと止まる。

 

「カウントダウン開始。3秒後トリガーを引いて下さい。2、1……今です」

 

 俺は言われた通りにトリガーを引く。耳を(つんざ)く銃声と共に、スコープ越しから男の右足が砕け散ったのが確認できた。

 男が右足から血飛沫をあげつつ、森へ落下していくのが目に入る。

 

「落ちていったな。まぁ、死んではいないだろう」

 

 俺はゆっくり降下し、右足を抑えながら悶え苦しんでいる男の側へ着地する。

 

「あぁ……くっ! 僕の右足……が!」

「あのさぁ、一応言っとくけど逃げたお前が悪いんだからな? 改めて聞く。なんで王都にビッグ・アントなんて寄越したよ?」

 

 男は俯きながら少しずつ話し始めた。

 

「一年前、僕はこの世界に来た。王都の奴らは僕の従えてるモンスター達を見て急に騒ぎ出したんだ。悲しかった。辛かった。挙句、何もしてないのに王都に入れなくなった」

 

 いつの間にか男は泣き出していた。俺は仕方なく宥めることにした。

 

「おい、泣くなよ。どんだけ辛かったんだよ。お前王都に来た時どういう状況だったんだ?」

「せっかくだから……サイクロプスみたいなでかくて強いモンスターでアピールしようかと思って。うぐ……な゛ん゛でぼぐがごん゛な゛め゛に゛」

 

 サイクロプスは全長30メートル台の巨大モンスターだ。俺はこの男が何故王都に入れなかったのか一瞬で理解できた。

 

「お前アホだろ! そんなの騒がれるに決まってんだうが! 邪険にされたのが悲しかったからこんな事してたのか? ちょっと突っ込みどころ多すぎるぞ!」

 

 男は涙を拭い、真っ赤に腫らした目で俺の方に向き直る。

 

「僕が自分でやりだした事じゃない!! 王都の入り口でどうすれば入れるか迷ってたら、変な男が話しかけてきたんだ! その男が見返してやれって言ったから僕は――」

「ちょっと待て、何だ? その変な男ってのは? そいつが一連の犯人なのか? 男の容姿は?」

「わからない。会ったのは一度きりだし、ローブを深く被ってて顔は見えなかったんだ」

「何かないのか? 例えば身につけているものとかローブ以外に何かあんだろ?」

 

 男は目を瞑りながら考え始め、声を上げた。

 

「ネックレスだ! 確か金のネックレスをしていた記憶がある。あと、妙に小綺麗な金の刺繍が入った紫のローブをしてた」

「金のネックレスに紫のローブね。その男の目的はよくわからんが、放置しとくとヤバそうだ」

「な、なぁもう良いだろ? 足治しておくれよ。頼む」

 

 俺はかがみ、男と目を合わせる。

 

「もう王都にちょっかい出さないって約束できるか? 今度王都にモンスター放ってみろ。そん時は足じゃなくて頭撃ちぬくからな」

 

 男は超高速で頭を上下に振っている。

 俺は男に対しエクストラヒールをかけてやると、足は瞬時に元通りになった。

 

「あ、ありがとう! もう馬鹿な真似はしないと誓うよ。僕はリズロ、ジョブは猛獣使い」

「俺はゲイン、とっとと行け。最後にいい事教えてやる。王都の門番に居眠りしてる奴がいる。王都に入りたきゃそん時にでも入るんだな。お前一人でだぞ?」

「あ、ああ! ほんとに反省してる! じゃ!」

 

 そう言ってリズロと名乗った男は走り去って言った。

 

「ハァ~、さて後はグリフォンか」

 

 俺は再びブーストを吹かし皆戦っているであろう戦場へと急いだ。

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