アーマード勇者育成記 チート?いいえ。ロストテクノロジーですが、何か?オレ流勇者&パーティ好き勝手にビルドうp   作:snyp_0

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第55話 俺、アーサーの実家に行く

 起床するとエスカの姿はなかった。

 

「いやぁ~、昨日はとんでもない目にあった」

 

 俺の声に反応したのか、ネメシスが俺にお辞儀をする。

 

「おはよう御座います。昨夜はお楽しみでしたね。人間の生殖行為に興味がございました。大変有意義な時間でした」

「やはりわざとだったのか。酷いやつだ」

 

 俺はインベントリから適当なチュニックとズボンを選び着込んでいき、上は緑のTシャツのようなチュニック。下は茶色いズボンを着用する。

 

「ヤルダバオトⅧ式のグリーブとサバトンだけ着装していく。今日からこれで行こうと思う」

「承知したしました。ゲイン様」

 

 外格の(すね)と足の部分を残し、ヤルダバオトⅧ式は消え去り残されたグリーブとサバトンが独りでに内部が開き俺に取り付く。

 

「あっそうだ、折角だし決め台詞みたいなのを決めよう。変身ヒーローみたいでそっちの方が格好いい」

「決め台詞……でございますか? 昨晩申しましたが、そんなものなくとも私を呼んで頂ければ――」

「いや、これは絶対に必要だ。男の浪漫だからな! そういえば、俺が呼ばなくともお前たちは換装や着装をしてくれるが、他の外格って何処でどうなってるんだ?」

「専用の空間に各自待機しています。主人であるゲイン様がコールなされることで即召喚、換装、着装が可能という手筈になっております」

「へぇ~、そういう仕組になっているのか」

 

 俺は別の空間にいるという外格達が並んでいる光景を頭に思い浮かべる。

 

「願わくば行ってみたいみたいもんだ」

「恐れながら、それだけは不可能です。あの空間は絶対不可侵領域ですので」

 

 俺は気を取り直して決め台詞を考えることにした。

 

「う~ん、短いのが良いな、外格……着装……外着で良いか。よし、俺が外着って言ったら残りの外格を召喚してくれ」

「承知しました。ゲイン様がそうしたいのであれば」

 

 俺が部屋を出ると皆、エントランスに集まっていた。

 

「おはよう御座います!」

「おは……よう」

「おはよう御座います。お兄様」

「おはようさん。皆、今日は王都を見て回りたいから各自、自由時間とする」

 

 エスカが俺の隣へやってきて、徐ろに手を握った。

 

「お兄様、私のわがままを聞いてくださりありがとうございます。そして昨日は申し訳ありませんでした」

「あ、ああ、うん。まぁ俺もお前をずっと一人にしていた訳だし、多少はね?」

 

 俺がエスカをなだめているとアーサーが手を上げた。

 

「ん? なんだ? どうしたアーサー?」

「ハイ! 実家に一度帰りたいのですが、宜しいでしょうか?」

「あ~、そういえば出会ってばっかの頃に王都出身だと言っていたな。そうだ! 折角だからアーサーの実家に挨拶に行こう」

 

 俺がそう切り出すと急にアーサーが焦りだした。

 

「い、いえ! 着替えとかを取りに行くだけですから、わざわざお師匠様に出向いてもらうなんて!」

「お前は何を言ってるんだ。師匠兼従者だからこそ、余計行かなきゃならんだろう」

「お兄様、王都の道順なら私にお任せください。地図は頭の中に入っています」

「私……適当に暇潰してる。お菓子食べたい」

「よし、そうと決まればイクゾー!」

 

 俺達はホームを抜け、少し歩き広めな道へと出る。

 

「エスカは道案内で、エルが買い食いか。集合場所を決めておいたほうが良いな。エスカどこか適当な場所はないか?」

「そうですね、では大広場の掲示板などいかがでしょう?」

「そこで良いぞ。案内を頼む」

 

 エスカのに付いて行くとそこには人が大勢おり、屋台が沢山並んでいた。

 広場中心に大きなピラミッド型の物体があり、紙の様なものが沢山貼り付けられている。

 

「あれが掲示板です。お兄様」

「確かにあれは目立つな。よし、ここを集合場所とする! では、解散!」

 

 俺が高らかに宣言するとエルは一直線にある屋台へと走っていった。見るとクレープ屋の様だった。

 

「あいつ、スイーツが好きなんか。知らなかった」

「では、アーサーの家に参りましょう」

 

 俺とアーサーはエスカの後ろに付いて行き、大広場を抜け歩き続けること4分弱、居住区の様な所へ着くと、とある一軒家でエスカの足が止まった。

 

「確か、ここがアーサーの家です」

 

 アーサーの家は木造で出来た中々立派なペントハウスの様なデザインをしていた。

 

「お~、良いじゃん。綺麗な家だな」

「ありがとうございます! 皆さんどうぞ、入って下さい」

 

 アーサーが玄関の扉を開け、その後にエスカと俺も家の中へと入っていく。

 

「ただいま戻りました! お父様お母様! いますか?」

 

 アーサーが声をあげると、家の奥からメガネを掛けた金髪の優男が現れた。

 

「おお、アーサーじゃないか! 良く帰ってきたね。後ろの人達……真紅の甲冑に褐色の肌。――まさか副隊長殿!?」

「突然の訪問を許してほしい。縁あって勇者アーサーと行動を共にさせて貰っている。王立騎士団副隊長エスカだ。よろしく」

 

 エスカが手を伸ばし、アーサーの親父さんと握手している。

 

「我々が安全に外に出られるのは騎士団のおかげです。特に副隊長殿は熱心に見回りをなさってらっしゃる。私も買い物がてら姿を何度もお見かけした事があります」

「そんな、あれは私が勝手にやっていることだ。大したことではないよ」

 

 俺がエスカが褒められるのを見て、懇親のドヤ顔をしているとアーサーの親父さんが俺の方を見た。

 

「君は?」

「あっ! どうも、始めまして。勇者アーサー殿の従者やってます。ゲインです。よろしくどうぞ」

 

 俺は親父さんの元へ行き握手をした。握手をした瞬間とても懐かしい感覚を受け、俺の思考は一瞬停止する。

 

「これ……この感覚」

「君……いや、貴方は……すまないアーサー、この人と個人的に話がしたい。申し訳ないがエスカ殿と一緒にリビングへ行っていてくれ」

「は、はいわかりました」

 

 エスカとアーサーは部屋の奥へと消えていった。

 

「この家には地下室があります。そこで貴方と話したいことがあります」

「わかった。行こう」

 

 俺はアーサーの親父さんと後に付いて行き、薄暗い地下室へとやってきた。

 地下室の中は意外と広く人が十人程度なら十分入れる広さがあった。高さは4メートル近くある

 

「あんた、まさか」

「ご存知ですか? 世の中には2つの魂を持つ人間がいることを。僕もそうなんですよ。貴方と握手した瞬間もう一つの魂が貴方と会話させろってうるさくって。ちょっと変わりますね」

 

 アーサーの親父さんが目を閉じたかと思うと、全く違う男性の声で喋り出した

 

「愛弟子ゲインよ、久々じゃのう。どこで何をやっておった」

「マジかよ、これが零影が言ってた御魂返りって奴か。しかもアーサーの親父さんがそうだったとは。どこで何をって見りゃ分かんだろ。アーサーの実家に挨拶に来てんだよ。あんただってなんでこんなことになってんだよ? ガイドウの爺さん」

 

 

 

 そこには御魂返りによりアーサーの親父さんの姿となった俺がハガセンで師事していたNPCのガイドウがいた。

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